2024年01月24日更新

監修記事

フローリングを重ね張りするメリット・デメリットは?

フローリングをリフォームする際に重ね張りでの施工が選択肢の一つとして挙げられます。フローリングの重ね張りには費用や施工時間の点でメリットがあります。一方、段差が生じるなどのデメリットもあります。それぞれの利点と欠点を比較しましょう。

フローリングの重ね張りとは

フローリングのリフォームをする際に重ね張り工法というものがあります。

これは既存のフローリングの上に新しいフローリングを文字通り重ねて張っていく工法のことです。

施工がしやすいことや、フローリングの張り替えに比べて費用を抑えられることからフローリングリフォームの際には必ず候補に挙がってくる工法といえます。

フローリングを重ね張りするメリット・デメリットは?

ではこの工法のメリットやデメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。

重ね張りのメリット

まずは、フローリングの重ね張りリフォームのメリットから見ていきましょう。

費用

重ね張り工法では既存のフローリングをはがさずに重ね張りをします。

そのため、解体工事をする必要がありません。

また解体によって発生するゴミもありません。

ですから、解体費や処分費が必要なくなります。

解体や処分がないとそれに伴って人件費も安くなります。

全体として施工費が抑えられるという利点があります。

時間

施工にかかる時間が短いということも利点の一つです。

重ね張り工法では8帖程度までの広さの部屋であれば多くの場合は1日で施工が終わります。

フローリングの張替えの場合は1日では終わりません。

周囲への影響

施工時の騒音が少ないという点も利点として挙げることができます。

マンションにお住まいの方はリフォームの際にも施工時の発生音などで近隣住民へ気を遣われることでしょう。

特に床のリフォームをする時には大きな音が発生しやすいものです。

フローリングの重ね張りでは、この施工時の騒音をかなりの程度抑えることができます。

これは解体工事がないためです。

既存の床の上に両面テープや接着剤で張っていきますので、騒音は極めて少ないものとなります。

部屋の雰囲気が大きく変わる

床のリフォームですので、もちろん部屋の雰囲気は大きく変わります。

まるで新しい家に引っ越したかのように感じます。

これは1番の利点とも言えます。

フローリングを重ね張りするメリット・デメリットは?

重ね張り専用の材料の種類も増えており、表面柄や素材を選ぶことができます。

高級感のある材料が多くありますので、このリフォームには多くのメリットがあると言えます。

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重ね張りのデメリット

次に、フローリング重ね張りのデメリットを見てみましょう。

段差が生じる

重ね張りでは既存の床の上にもう一枚床を張りますので、その分段差ができます。

これは重ね張りの欠点の1つです。

重ね張り専用フローリングの厚みは1.5mmというものから9mm程度のものまで幅広くあります。

リフォームを考えている部屋の敷居に厚みがあり、その厚みの中に重ね張りした床の厚みが収まってしまえば段差は生じません。

しかしながら、人間の足の裏は繊細ですので薄い材料を使ってもその部屋に入った瞬間に若干の違和感を感じる方もおられるようです。

これは人によって感じ方が違います。

気になられる場合には見積もりに来たリフォーム会社に材料の見本を置いてもらい、実際に踏んでみても良いかもしれません。

他の部分と干渉する

床が少し上がりますので、建具と床がすれてしまうことがあります。

部屋の扉やクローゼットの扉などが考えられます。

この場合、建具側の下部をすこし削らなければならなくなります。

フローリングを重ね張りするメリット・デメリットは?

また、床が上がった分だけ巾木の高さが低くなったように感じます。

薄い床材を使えばあまり気になりませんが、すこし厚みのある材料では違和感を感じる方もおられます。

部屋の雰囲気が変わってしまうこともありますので、デメリットといえます。

床下地の確認ができない

重ね張り工法での欠点には解体をしないため、床の下地の状態の確認ができないということも挙げることができます。

築年数が経過している家や湿気の多い部屋などは床下地も悪くなっている場合があります。

フローリングの張り替えでは下地のチェックまでできますが、重ね張りではそのチェックができません。

一度重ね張りのリフォームをしますとその後数年は床をはがすことはないでしょうから、もし悪い部分があった場合には重ね張りでのリフォームはデメリットとなってしまいます。

この点もリフォーム会社に相談して納得のいくリフォームをしましょう。

重ね張り工法で気をつけるべきこと

既存の床に重ねて床を張るので、既存床が動かない状態である必要があります。

どういうことかと申しますと、マンションでよく使われている遮音タイプのフローリングには重ね張りはできません。

遮音タイプのフローリングは裏にクッションが付いており、ふわふわと動くようになっています。

動いてしまいますと、その上に張ったフローリングも動いてしまいフローリング同士の連結が外れてしまいます。

また、床暖房が入っている際には床暖房対応の重ね張りフローリングを使う必要があります。

それでリフォームの際には自宅に重ね張りでの施工が可能かどうか、またどのような材料を使うべきなのかをリフォーム会社とよく相談しましょう。

上張り工法のメリットとデメリットをよく考慮して、後悔しないリフォームをしましょう。

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重ね張り用フローリングには種類がある

重ね張りに用いるフローリング材は通常の張り替えに用いるフローリング材とは異なります。

通常のフローリングは厚みが12mmですが、重ね張り用は1.6mm〜9mm程度の厚みの材料を用います。

厚みに加えて材質にも幾つかの種類があります。

フローリングを重ね張りするリフォーム費用や価格は?

塩ビ系フローリング

1つ目に挙げるのは塩ビ系フローリングです。

この材料はレイヤー工法に適した材料です。

柔らかいので既存の床下地が少し波打っていても追従することができます。

この材料を用いる場合、既存床がクッションフロア(塩ビシート)であっても用いることができます。

見た目は木目となります。

本物の木のフローリングに劣らない質感です。

材質の特性上キッチンなど水回りにも安心して用いることができます。

施工方法が簡単なため施工費を安く済ませることができます。

他の重ね張り専用フローリングに比べて安価ですし、専用接着剤の価格も6千円程度とリーズナブルです。

MDF材系フローリング

次に挙げますのはMDFを用いたフローリングです。

レイヤー工法を考慮する際によく出会う材料です。

MDFとは木材を繊維状にほぐし、接着剤などを配合して固め、成形した材料です。

表面は樹脂フィルムや天然木板などが貼られます。

この材料の質感は木そのものです。誰が見ても綺麗なフローリング床だと感じるでしょう。

この材料を用いる際には既存の床がフローリングであることが必要です。

既存フローリングに専用両面テープを貼って施工していきます。

フローリング材をカットする際にはノコギリが必要になりますので、塩ビ系フローリングよりは施工に手間がかかります。

また専用両面テープの価格は1巻で4千円程度かかります。

6帖ですと6巻必要になります。

この材料は水廻りには適していません。

MDFは湿気を含むと膨らんでしまうという特性があるからです。

キッチンに施工したい時にもリフォーム会社とよく相談された方が良いでしょう。

WPB系フローリング

最後に挙げますのはWPBを用いたフローリングです。

WPBは樹脂と木粉を薄いシート状に加工した材料です。

木質系プラスチックボードと呼ばれています。

この材料では薄い床材を作ることが可能になります。

最も薄いもので厚みが1.6mmというフローリング材があります。

水にも強く、キッチンやトイレなどの水廻りの床にも用いることができます。

ここで挙げた材料の中では仕上がりが最も美しく、既存床から厚みがほとんど変わらないためフローリングの張り替えリフォームをしたように感じます。

この材料はここで挙げた3種類の中では最も高価な材料です。

カッターで切ることができ施工は簡単ですが、専用の両面テープを用いることが必要です。

専用両面テープの価格はやはり1巻4千円程度かかります。

6帖では6巻必要になります。

また、薄いため既存の床が波打っていると施工できません。

波打っている床に施工すると、次第に重ね貼りしたフローリングが反ってしまいます。

この点はリフォーム会社によく確認していただくことが必要です。

フローリングリフォームの際に気をつけること

当然と言えば当然ですが、床のリフォームの際には床の上にあるものを移動することが必要になります。

食器棚やタンスなどがあればそれらのものを移動させなければなりません。

移動させるには人手が必要です。

自分で移動させることができれば良いのですが、そうはいかないことも多くあります。

その際には、家具移動費まで含めた見積もりを出してもらい費用を考慮しましよう。

家具移動はリフォーム会社にしていただいた方が、無理して自分で移動させてどこかを痛めるよりも安く済むかもしれません。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社KURODA一級建築士事務所 坂田理恵子

株式会社KURODA一級建築士事務所

坂田理恵子

一級建築士、一級施工管理技士。和歌山市で設計事務所に勤務。住宅のリフォームや新築を中心に携わり、女性目線で、家事や掃除、片付けがしやすく暮らしやすい家の提案を行う。

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