2023年12月28日更新

監修記事

民泊施設転用のための内装工事費用は?パターン別費用を徹底解説

住宅に内装工事を行い民泊施設にするために、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?Airbnbなどでも使える民泊施設の内装工事費用や工事前に必要な民泊運営の申請方法、魅力的な民泊にするポイントについてご紹介していきます。

住宅を民泊施設に転用する前に知っておくべきポイント

民泊施設転用のための内装工事費用は?パターン別費用を徹底解説

 
住宅を民泊用に使用するにあたり、事前に知っておくべきポイントとして「住宅宿泊事業法」があります。

Airbnbなどで個人の住宅を民泊施設として利用するケースが増えている中、2018年6月15日に施行された新しい法律です。

内装工事などに着手する前に、内容を一通り抑えておく必要があります。
 

住宅宿泊事業法での住宅の定義

住宅宿泊事業法では建物に関する幅広い規定がありますが、住宅を民泊用としてリフォームする際に関わってくる、住宅の定義についてのみご説明します。

都道府県へ届け出を提出し、民泊利用の申請を行うことで、民泊施設として住宅を使うことができます。

ここで「住宅」と呼ばれる施設には設備条件と居住条件を満たしている必要があります。

  • 設備要件

「台所」「浴室」「便所」「洗面設備」

  • 居住条件

「現に人の生活の本拠として使用されている家屋」
「入居者の募集が行われている家屋」
「随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋」

詳しくは、民泊制度ポータルサイトでご確認ください。http://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/overview/minpaku/law1.html

また、

  • 住宅専用地域内でも営業が可能
  • 営業日数は1年のうち180日以内(国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより算定)
    という点も抑えておいてください。

「民泊制度運営システム」と呼ばれるところからオンライン上での届け出が可能ですので、民泊施設として利用を開始する前に行っておきましょう。

賃貸住宅を民泊に利用する場合の注意点

賃貸物件では、民泊などで居住者以外の人に部屋を貸し出すこと(また貸し)は原則として禁止されています。

賃貸マンションの1室を民泊施設として貸し出したいと思っても、管理規約などで民泊運営が出来ない物件もあります。

この場合、民泊施設として営業してしまうと賃貸契約自体が解除される可能性も否定できませんので、リフォーム前に貸主の許可などを忘れずに得ておきましょう。
 

住宅を民泊施設に転用する際の内装工事にかかる費用目安

 
実際に住宅を民泊用として利用する際の、内容と工事費用についてご紹介していきます。

相場としては2DK〜3DK(33平方メートル以上)の広さで、約150万円〜200万円が目安です。具体的な内訳や、部屋や設備における工事の費用について詳しくみていきます。
 

マンションの1室の内装工事

1LDK〜2LDKのマンション(50平方メートルほど)の1室においてスケルトンの段階まで解体し、内装工事を行う場合、合計で約500万円〜1,000万円ほどが相場となっています。

外国人向けの和室にリフォームする場合

海外からの旅行者が利用しやすいように、トイレやお風呂のサイズを大きくするといった工事も必要になるでしょう。

トイレの和式から洋式への取り替えは約40万円前後かかります。ユニットバスの施工には本体の金額として約50万円〜100万円がかかるほか、工事費として約20万円〜80万円がプラスされます。

外国人向けに和室を取り入れる場合、フローリングから畳へ変更する際の相場は約50万円となっています。

住宅を民泊施設に転用する内装工事費用のポイント

具体的な費用の内訳では、お風呂やトイレ、キッチンなど水回りの設備が最も高額です。

また、床への防音材施工、押入れのクローゼットへの変更、浴室乾燥機の追加、エアコン工事、扉や間仕切りを変更する工事などは金額が高くなりやすいようです。

最も安いのは壁紙の張替えで、1平方メートルあたり約1,000円前後で済む場合もあるようです。また、フローリングの表面だけの上張り(タイルカーペットの上張りなど)やペンキといった工程も比較的安くなっています。

ただし、壁材や床材のグレードや種類によって金額は異なりますので、どの資材を選ぶかもポイントです。

内装工事費用を抑えるためには、水回りを含む大掛かりな工事を避けて、内装をきれいにすることを意識すると良いかもしれません。
 

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住宅を魅力的な民泊施設に仕上げる内装工事のポイント

民泊施設転用のための内装工事費用は?パターン別費用を徹底解説

 
魅力が感じられる民泊施設にするための内装工事には、どのようなポイントがあるのでしょうか。工事前に確認しておきましょう。
 

写真の印象が良い内装を作る

ほとんどの民泊はインターネット上の情報で、宿泊するかを判断されます。民泊サイトなどでは紹介される写真の見栄えがとても重要です。

同じ立地条件や設備の条件下の物件であれば、最後の決め手はイメージであることがほとんどなので、見栄えの良い内装に仕上がるようにします。

例えば壁紙を白系の色にするだけで清潔感が高まり、広く開放的な空間に見えます。好みが分かれそうな個性的な装飾よりも、シンプルかつモダンな雰囲気に全体を統一させると、好感度も上がるでしょう。

また、海外から訪れる外国人の利用も見込み、特に日本らしい宿泊施設を外国人が好む傾向を生かして、和風な内装にするのもおすすめです。

セキュリティー面を強化

物件の安全性も、民泊として利用してもらう際に、非常に大切になってきます。必要なセキュリティ面の強化も内装工事の際に行いましょう。

玄関などの出入り口や大きめの窓などの鍵は機能しているかをチェックし、壊れている場合は速やかに修理してください。

最近ではスマートフォンで施錠の操作や確認ができる「スマートロック」も便利で好評です。比較的に取り付けも容易なので、導入できる場合は検討してみてはいかがでしょうか。

他にも、玄関への動線や道路に面した軒下に防犯カメラを設置するのもおすすめです。安心して利用できる民泊施設であるというアピールにもなります。

民泊施設開業に備えたトイレリフォームを行う前に知っておくべきこと

民泊施設に適したトイレリフォームのポイントは?費用も解説

住宅宿泊事業法について

住宅宿泊事業法は、民泊が急増する中で、安全性や衛生面の質の確保、騒音やゴミ出しによるトラブルの社会問題化、観光客ニーズの多様化などに対応するため、新たに制定され、2018年6月15日に施行されました。

住宅宿泊事業法の施行前は、宿泊事業を営む場合に、旅館業法に基づく許可が必要とされ、客室の延床面積について、一人当たり3.3㎡以上必要であるなどの規定により、宿泊施設の規模が制限されていました。

住宅宿泊事業法の施行に伴い、これまでは旅館業法の対象外とされていた「住宅」でも、一定の要件を満たせば、民泊施設として申請できるようになりました。

一定の要件を満たした民泊用の「住宅」については、「設備要件」と「居住要件」として定められており、設備要件として台所、浴室、トイレ、洗面設備の設置が規定されています。

設備の設置場所については、必ずしも同じ棟に設置されている必要はなく、同一の敷地内の建物に使用可能な施設がある場合は、複数棟の建物を1つの「住宅」として、申請することが可能です。

居住要件として「現に人の生活の本拠として使用されている家屋」、「入居者の募集が行われている家屋」、「随時その所有者、賃借人または転借人の居住の様に供されている家屋」のいずれかに該当することと規定されています。

ただし、民泊の場合は営業日数が180日以内に限定され、180日を超える場合は、旅館業法に基づく許可が必要となります。

なお、都市計画法で「住居専用地域」に指定されている場合は、自治体の条例により、営業が制限されることもあるので、注意が必要です。

旅館業簡易宿所営業におけるトイレの設置要件

旅館業法ではホテル、旅館の他、民泊の利用形態に近いと考えられる「客室を多人数で共用する簡易宿泊営業」などについて、トイレ設置要件を規定しています。

具体的には「適当な数」が必要とされており、客室にトイレがない場合は、男性用と女性用で区別されている共同トイレの設置や、手洗い設備の設置が義務付けられています。

また、自治体によっては、トイレの設置数を条例で定めているケースもあります。

2018年1月の旅館業法改正に伴い、トイレ数や洗面設備の広さについての詳細規定が削除されましたが、旅館業法に基づくトイレを設置する場合には、相当の広さが必要であることについては、大きな違いはなさそうです。

住宅宿泊事業法における民泊施設のトイレの設置要件

一方、住宅宿泊事業法におけるトイレの設置要件は、一般的に求められる機能を有していれば足りるとされており、和式か洋式かは要件とされていません。また、トイレ機能を併せ持つユニットバスも、認められる可能性があります。

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民泊施設に適したトイレリフォームのパターンや費用

日本を訪れる外国人の民泊需要は増加傾向

日本政府観光局が公表した2018年上半期の訪日外客数は約1,600万人で、前年の同じ時期に比べて、約16%増加して過去最高を記録するなど、日本を訪れる外国人数は増加を続けています。

また、2020年には東京五輪があるため、今後、民泊需要は高まっていくものと期待されています。

このような状況で、安全性、立地・交通アクセス、快適性などにおいて、訪日外国人の宿泊施設に対するニーズにいかに対応し、他の施設との差別化を図れるかが、民泊への集客のカギとなるとも予測されています。

日本を訪れる外国人のトイレに対するニーズ

TOTO株式会社が2016年2月に公表した「訪日外国人の宿泊施設へのニーズ調査結果」では、日本を訪れる前に宿泊施設に期待していたものは、トイレが第2位の56.5%を占めています。初めて温水洗浄便座を使う人も多く、快適性が話題になることもあるようです。

その一方で、この調査からは、和式トイレを二度と使いたくない、トイレの使い方が分からなかったといった不満も明らかになっています。

トイレのリフォームを考える際には、このような動向を踏まえることが重要なポイントになってきます。

トイレをリフォームする場合の費用

トイレをリフォームすると言っても、単純な取替えから、電気工事、水道工事、大工仕事が必要になるケースまで、工事内容は幅が広く、工事作業が多いほど費用はかかります。

単純な便座・便器の取替えと言っても、便座だけ交換する場合と、便座と便器をセットで交換する場合、機種の選択によっても費用が異なります。

また、トイレのスペースの広さや、一戸建て住宅かマンションかといった違いによって、工事が可能かどうかという問題も生じてきます。高層階では、十分な水圧があるかどうかも考慮する必要があります。

このように、現在あるトイレをどれくらいリフォームするかによって、必要となる工事の内容や費用が変わってきますが、床や壁の内装工事が少ないほど、費用を安く抑えることが可能です。

以下では主な事例を紹介しますが、費用はあくまでも、目安として考える必要があります。

外国人利用者向けに広いトイレにリフォームする場合の費用目安

トイレのスペース拡張工事にかかる費用は、工事内容によって様々ですが、収納スペースの範囲で拡張すると、費用の目安は約20~50万円に抑えることができます。

マンションの場合は、トイレに隣接する部分に十分なスペースがなく、拡張工事をできない場合もあるので、注意が必要です。

和式から洋式トイレにリフォームする場合の費用目安

和式と洋式トイレでは、床の形状が異なります。そのままでは設置できないため、現状の床を壊して、作り直す必要があります。

床の解体やコンクリートの打ち直しを行うことになるため、リフォームに数日を要し、解体処分にかかる作業時間と費用も嵩むことになります。

また、水洗のための給排水設備の新設や変更のほか、コンセントが設置されていない場合は、電源設備の新設や変更も必要となることがあり得ます。

費用の目安は、温水洗浄付きトイレ、紙巻器、タオルハンガーなどの設備・機材費が約13万円~、解体撤去、内装・電気・給排水工事、設置費などの工事費込みで約30万円~となっています。

便器にもグレードがあり、グレードの高いものほど機能性に優れ、グレードの低いものほどシンプルで低価格となります。

全自動洗浄、暖房洗浄便座などの機能を備えた、グレードの高いものは約18万円~が目安となります。逆にタンク付きで、シンプルな暖房便座の場合は約3万円~が目安となります。

トイレに温水洗浄便座を設置する場合の費用目安

すでに洋式便器が設置されている場合は、便座を交換するだけで済むことから、費用を抑えることが可能です。また、交換作業はそれほど複雑ではないため、DIYに慣れている方なら、自ら施行することも可能です。

ただし、温水洗浄便座を設置するためには、トイレ内にコンセントが必要なため、コンセントがない場合などは、別途電気工事が必要です。

温水洗浄便座の設置にかかる費用の目安は、温水洗浄便座費用、撤去・設置費を含め、約5~10万円となっています。

トイレの内装リフォームにかかる費用の目安

便座・便器を交換した後に、取替え前のトイレ跡を残したくない場合や、取替えのついでに内装を新しくしたい場合のほか、床や内装を変えてトイレの雰囲気を変えたいといった場合に、床や壁、天井の張替えを行うことが考えられます。

便器と一緒に、壁や天井などの内装材を取替えると、トイレに新築のような趣を作り出すことが可能です。特に、外国人利用者向けに和風の内装にすると、アピールポイントになることでしょう。

床の張替え工事費用の目安は約2万円~、壁や天井クロスの張替え工事費用の目安は約3万円~となります。

この他にも、トイレドアの交換(約2万円~)、紙巻器やタオル掛けなどのアクセサリー交換(約2,000円~)、窓枠や巾木などの木部の塗装や交換(約1万円~)、照明器具の交換(約5,000円~)などのリフォームが考えられます。


 

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社フレッシュハウス 樋田明夫

株式会社フレッシュハウス

樋田明夫

フレッシュハウスでリフォームの営業担当を長年経験し、数々のリフォームコンテストでの受賞実績を持つ。現在はフレッシュハウス本社における営業戦略室の室長として、大規模リフォームから通常のリフォーム物件まで幅広く対応中。

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