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2021年05月27日更新

不動産売却における会計処理の仕訳方法をパターン別に解説

不動産売却に際し、会計処理の仕訳方法を理解しておくことが大切です。法人についての不動産売却時の収益と費用の考え方、売却経費、頭金や売却日に行う仕訳方法、投資用の不動産売却時の仕訳方法を紹介するとともに、個人についての仕訳も紹介します。

  • 【監修者】株式会社worth style home 濵田昭平
  • この記事の監修者
    株式会社worth style home
    濵田昭平
    代表取締役

法人が不動産売却を行う際に知っておきたい会計処理のポイント

不動産 売却 仕訳

法人の収益と費用の考え方について

法人の会計処理における収益と費用の考え方は、個人の場合と異なっています。

会計処理をスムーズに行うため、不動産の売却を行う際の収益と費用の仕訳方法について知っておくことが大切です。

個人の場合、年間の所得を事業所得、給与所得、譲渡所得など所得の種類ごとに分類し、それぞれの所得について収入と経費を整理し、税額を計算します。

また、所得の種類によって、課税所得額や税金の計算方法も異なります。

一方、法人の収益と経費については、個人の場合のような所得の分類は行わずに全て合算し、合算した収入から経費を一括して差引いて利益を求め、税金を計算します。

公益法人や協同組合などを除く一般的な法人の場合、法人税の税率は資本金額と課税所得の組合せで異なる税率が適用されます。

開始事業年度が平成30年4月1日以後なら、資本金が1億円以下で、なおかつ課税所得額が800万円以下の場合、15%の法人税率が適用されます。

また、資本金額が1億円以下でも課税所得額が800万円を超える場合や、資本金額が1億円を超える場合は、一律23.2%の法人税率が適用されます。

法人税における不動産売却日の考え方について

不動産売却に際しての流れは、一般的に、契約の締結、頭金や中間金の収受、売却金額の清算と不動産の引渡しとなります。

不動産の売却日については、法人税の会計処理上、原則として不動産の「引渡日」となります。

ただし、特例として、不動産の「売却契約を締結した日」を売却日とすることも認められています。

このため、不動産の売却処理を行うタイミングについては、不動産の引渡日と売却契約の締結日が異なる事業年度にまたがる場合、どちらの年度で会計処理を行うかによって、利益や税金も変わることになるので注意が必要です。

法人が不動産売却を行う場合の経費について

不動産売却に際し、法人が会計処理を行う場合の経費としては、印紙代や仲介手数料など直接的な経費のほか、売却時の不動産の価値も経費となります。

経費としての不動産の価値は、売却した時点の帳簿価額として計上します。

売却時の帳簿価額の扱いは、土地と建物で異なります。土地は、基本的に取得価額が帳簿価額となります。

一方建物は、経年劣化が考慮され、取得価額から減価償却額の累計額を差引いた後の金額が帳簿価額になります。



法人が不動産売却を行う場合の会計処理における仕訳方法

法人が不動産を売却して頭金を受け取った際の仕訳方法

不動産の売却に際し、売却日を売却額の清算と同時に不動産を引渡す「引渡日」とする場合、頭金を収受した時点では、収益が確定していないことになります。

法人が現金で受け取った頭金の会計処理を行う際、仕訳は借方勘定科目に「現金」、借方科目には頭金の金額を記載します。

貸方勘定科目は「前受金」などと固定資産の売却益と区別し、貸方金額は借方科目と同額を記載します。

法人が不動産売却時に行う仕訳方法

不動産の売却時には、建物の減価償却と資産の仕訳を行います。建物の減価償却費については、期首から売却日までの売却年における減価償却額を計上する必要があります。

建物の減価償却費の仕訳は、借方勘定科目に「減価償却費」、借方科目には算出した減価償却費を記載します。

貸方勘定科目には「建物」など不動産の種類、貸方金額に借方科目と同額を、備考欄に「売却日までの減価償却費」などと記載して処理します。

なお、法人の場合、税法上、減価償却計算により算出された減価償却費は「任意償却」として扱われ、1年間の減価償却費以内であれば調節も可能ですが、企業会計原則としては認められていないことに注意が必要です。

仕訳方法は、清算金や資産を仕訳するほか、「前受金」として処理した受領済みの頭金についても、帳簿上で清算します。

まず、借方で科目を「前受金」として金額を記入し、貸方勘定科目には「土地」、貸方金額には土地代として受け取った金額を記入します。

次に、次行の借方に、清算額について「現金」などの科目と受け取った金額を記入します。

貸方では勘定科目に「建物」、貸方金額に期首の帳簿価額から売却日までの売却年における減価償却費を差引いた金額を記入します。

不動産売却時の損益は、後述する「固定資産売却損益」などの勘定科目として処理を行います。

法人が投資用の土地と建物を同時に売却する場合の仕訳方法

法人が投資用の不動産を、同時に一括して売却する場合、建物には消費税がかかりますが、土地の売却代金は非課税であることを利用して、建物と土地を分けて仕訳を行います。

一括の売却代金を土地と建物に分離する場合、売買契約書に消費税金額が記載されている場合には、消費税額から逆算して建物価格を算出します。

売却代金から建物価格と消費税を差引けば、残りが土地の金額となります。

一方、売買契約書に消費税の金額について記載がない場合、不動産の固定資産評価証明書などを取得し、証明書に記載されている土地と建物の固定資産評価額の比率を使用して、合計の売却代金を土地と建物に按分します。

不動産を売却する際の会計処理は、不動産業者のように販売を目的とする「売上勘定」ではなく、特別損益という扱いの「固定資産売却損益勘定」を使用するのが一般的です。

「固定資産売却損益」とは、土地、建物などの固定資産を売却した際に、売却価額と売却時の帳簿価額の差額を管理するための勘定科目です。

有形の固定資産を売却した際の仕訳は、売却した固定資産の帳簿価額を貸方に記帳すると同時に、売却代金を借方に記帳し、その差額を「固定資産売却損」または「固定資産売却益」として記載する方法を用います。

売却代金が帳簿価額より高い場合、「固定資産売却益」を貸方に計上します。

逆に、売却代金が帳簿価額より低い場合は「固定資産売却損」を借方に計上します。

なお、年度途中で固定資産である不動産を売却する場合、期首から売却時までの減価償却費の額も計上します。

土地と建物ともに利益が発生した場合の仕訳方法のポイントは、それぞれの売却益を「固定資産売却益」として貸方に計上することにあります。

土地と建物ともに売却損が発生した場合の仕訳は、それぞれの売却損を「固定資産売却損」として借方に計上し、貸方の帳簿価額では、それぞれ売却価格に相当する額と売却損分の金額に分けて記帳することになります。

建物が売却損、土地に売却益が発生した場合の仕訳方法は、建物の売却損を「固定資産売却損」として借方に計上するとともに、土地の売却益を「固定資産売却益」として貸方に計上します。

また、貸方では、売却損が発生した建物の帳簿価額について、売却価格に相当する額と売却損分の金額に分けて記帳します。

個人が不動産売却を行う場合の会計処理における仕訳方法

不動産 売却 仕訳

個人が不動産を売却して得た収入は譲渡所得として会計処理を行う

個人の場合、法人とは違い、年間の所得を事業所得、給与所得、譲渡所得など所得の種類ごとに分類し、それぞれについて収入と経費を整理します。

所得の種類によって、課税所得額や税金の計算方法も異なっています。

個人が不動産を売却して得た収入は、税法上、譲渡所得に分類されます。

法人のように合算できないため、発生した経費も譲渡所得において仕訳を行う必要があります。

【譲渡所得】

譲渡所得は、不動産の売却価格から、該当の不動産を取得した時の購入代金である「取得費」と売却に要した費用である「譲渡費用」を差引いた金額です。

「譲渡所得=売却価格―取得費-譲渡費用」で計算されます。

【取得費と譲渡費用】

取得費とは、土地や建物の購入代金や購入手数料などの合計額です。また、譲渡費用とは、売却に際して要した直接的な経費を指します。

建物の取得費は、建物の建築代金や購入代金などの合計額がそのまま取得費になるわけではなく、経年劣化が考慮されます。

このため、建物の購入代金などの合計額から、減価償却費を差引いた後の金額が取得費となります。

また、相続した不動産や築年数が古いなど取得費用が不明の場合、売却価格の5%を取得費用として計上することが可能です。

取得費用が判明している際も、売却価格の5%と実際の取得費を比べ、有利な方を選択できます。

ただし、個人で投資用不動産を保有している場合は、必ず減価償却を行う必要があり、その全額を経費として計上する必要があります。

譲渡費用の内訳としては、仲介手数料、契約書への印紙代、登記費用である登録免許税や司法書士への報酬、不動産取得税、土地の地ならし費用や建物の解体費用などの計上が可能です。

【仕訳方法】

個人が不動産を売却した時の所得は譲渡所得となります。

個人が所有する不動産を売却する場合、事業用、居住用、投資用などの目的を問わず、譲渡所得として扱います。

個人が不動産を売却した際の仕訳は、売却した固定資産の帳簿価額を貸方に記帳すると同時に、売却代金を借方に記帳し、その差額を「事業主借」または「事業主貸」として記載する方法を用います。

この方法は、事業所得や不動産所得の中に固定資産の売却損益が含まれないようにするための会計処理です。

「事業主貸」と「事業主借」は、個人事業に特有の勘定科目で、法人会計にはありません。

事業主貸は、事業主に貸すという意味で、事業用の金銭を事業主個人の出費に充てた場合などに「事業主貸」の勘定科目として記帳します。

一方、事業主借は、事業主に借りるという意味で、事業主個人の金銭を事業用の費用に充当した場合などに「事業主借」として記帳します。

帳簿価額よりも高値で不動産を売却できた場合の仕訳方法は、譲渡所得の対象となる差額の利益を、貸方科目で「事業主借」として処理することがポイントです。

また、借方科目には「普通預金」など売却金の受取先を記載し、貸方科目には減価償却費を差し引いた額の建物と土地の帳簿価額を記入します。

帳簿価額よりも低い価格で不動産を売却した場合の仕訳方法は、損失の金額を借方科目に「事業主貸」として処理します。

売却金、建物と土地の会計処理は、利益が発生した場合と同様です。

土地を売却する場合は所有目的により仕訳方法が異なる

個人が不動産を売却した時の所得は譲渡所得となります。

個人が所有する不動産を売却する場合、その目的が事業用、居住用、投資用などを問わず、譲渡所得として扱われることは前述のとおりです。

個人が不動産を売却した際の仕訳は、売却した固定資産の帳簿価額を貸方に記帳すると同時に、売却代金を借方に記帳し、その差額を「事業主借」または「事業主貸」として記載する方法を用います。

一方、法人の場合、土地の売却に際しては、所有目的により仕訳方法が異なります。

法人が不動産を売却する際の会計処理は、特別損益という扱いの「固定資産売却損益勘定」を使用するのが一般的です。

しかしながら、「買取」制度により不動産業に売却された土地などについて、不動産業者が再販する場合の仕訳は、通常の商品と同様、棚卸資産を売却したものとして扱われます。

収入を「売上」、買取金額を「売上原価」として処理を行う「売上勘定」が適用されます。

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