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2020年06月26日更新
不動産売却の際に受けられる税金の控除について
不動産を売却した際に受けることが可能な税金控除について、控除の種類や計算方法と、売却して利益や損失が出た場合、居住用不動産を買換えた場合、相続した不動産を売却した場合の控除について、それぞれどんな控除がなされるか、条件は何かを詳しく紹介します。
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- 監修者濵田昭平
目次
不動産売却の際に掛かる税金の控除とは
税金控除とは
所得を得た時にかかる税金である所得税は、所得として得られる金額の全額に対してではなく、各納税者の個人的な事情を考慮した「一定額」を差引いた後の金額に対して課税されます。
控除とは「金銭などを差引くこと」を指すことから、「税金控除」という言葉自体が明確に定義されているわけではないものの、「所得税などの税金から一定額を差引く仕組み」を税金控除と表現することができます。
不動産売却に掛かる税金の種類
不動産売却に掛かる税金には、「印紙税」、「所得税」及び「住民税」の3種類があります。
不動産売却に際して作成する不動産売買契約書は、契約書に記載された金額に応じて「印紙税」の支払い義務が生じます。
所得税及び住民税については、不動産売却によって利益が得られた場合のみ課税されます。
さらに、平成25年から令和19年までは、所得税に対して2.1%の「復興特別所得税」が別途、課税されます。
受けることの出来る税金控除の種類
所得税の計算方法を単純な式として表現すると、「所得税」=収入から経費を差し引いた「課税所得」×「税率」となります。
この所得税を控除する制度の種類には、「所得控除」、「軽減税率」、「税額控除」などがあります。
税金控除の計算方法は、「所得控除」では、課税所得から一定額が差引かれ、課税所得額が軽減されることによって、所得税額も軽減される仕組みになっています。
「軽減税率」では、課税所得に乗ずる所得税率について、通常よりも低い税率を適用することによって、所得税額を軽減する計算方法がとられます。
「税額控除」では、課税所得に税率を乗じて計算された所得税額から、直接一定額を控除し、所得税額を軽減する計算方法がとられています。
いずれの場合も、一定の要件を満たす必要があります。
申請するタイミングは、不動産を売却して譲渡所得が生じた場合、売却した翌年の2月16日から3月15日の間、確定申告の一環として税金控除の申請を行います。
不動産売却で利益が出ても損失が出ても税金の控除は受けられるのか
不動産売却による所得は「譲渡所得」と称され、前述した所得税を計算する際の「課税所得」に相当します。
譲渡所得は、不動産の売却価格から、該当の不動産を取得した時の費用である「取得費」と売却に要した費用である「譲渡費用」を差引いた金額として、譲渡所得=売却価格―(取得費+譲渡費用)で計算されます。
不動産を売却した際の譲渡所得は、売却価格が取得費と譲渡費用の合計額を上回ってプラスの場合は利益となりますが、マイナスとなる場合は損失となります。
譲渡所得がマイナスとなって損失が発生した場合、所得税は課税されません。その結果、その年の税金控除が無いように思われますが、この場合には別の制度が設けられています。
詳しくは後述しますが、「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」及び「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」があります。
損益通算と、繰越控除と呼ばれる制度を組み合わせています。
一方、譲渡所得がプラスの場合、「所得税」と「住民税」が課されることになります。
この際に、不動産売却後に確定申告することで、一定の条件に該当する場合、税金の控除を受けることが可能です。
給与所得などと違い、譲渡所得は他の所得と合算することはできず、「分離課税」が適用されます。
このため、不動産売却で生じた譲渡所得税と住民税については、給与所得者でも確定申告が必要であることに注意が必要です。
不動産売却益がある場合の税金控除とは
3,000万円特別控除
居住用の不動産を売却した場合、確定申告をすることによって、譲渡所得から3,000万円の特別控除を受けることができます。
夫婦共有名義の不動産を売却する場合、夫婦それぞれ特別控除の適用を受けることが可能です。
控除を受けるためには、現に居住している不動産であることと、以前に居住していたが現在は住んでいない場合でも、居住しなくなってから3年を過ぎる日の年の12月31日までに売却する不動産であることが条件となります。
また、控除の適用を受けたい年と、その前年及び前々年において、この特例、居住用不動産の買換え特例、または住宅ローン控除の適用を受けていないことも、控除を受ける条件として挙げられます。
さらに、譲渡先が、配偶者や直系血族もしくは生計を一にする親族、または自分の同族会社ではないことも、条件となります。
以上の全ての要件を満たす必要があることに、注意が必要です。
10年超所有軽減税率の特例
所有期間が10年を超える不動産を売却した場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得のうち、6,000万円までは所得税率が10%に軽減されます。
この特例は「3,000万円特別控除」と併用することも可能です。
控除を受けるためには、現に自分が居住している不動産であること、譲渡した年の1月1日時点で、所有期間が10年を超えていること、居住用不動産の買換え特例の適用を受けていないことなどが条件となっています。
なお、譲渡先が、配偶者や直系血族もしくは生計を一にする親族または同族会社ではないことも、控除を受ける条件となります。
以上、全ての要件を満たす必要があること、また、確定申告が必要であることに注意が必要です。
特定居住用財産の買換え特例
居住用の不動産を売却して、替わりの居住用不動産を取得するという買換えの際、売却価格が買換え後の不動産の購入価格を上回る場合、売却価格と買換え不動産の購入価格との差額についてのみ、課税されます。
控除を受けるための条件は、売却不動産と買換え後の不動産それぞれについて規定されています。
また、「3,000万円特別控除」及び「10年超所有軽減税率の特例」との併用はできないので、注意が必要です。
売却不動産についての条件は、所有期間及び居住期間が10年以上であること、売却価格が1億円以下であること、現在は居住していなくても、住まなくなってから3年を経過した年の12月31日までに売却したことなどです。
また、買換え後の不動産の条件については、売却した年の1月1日から翌年12月31日までの期間に取得されていること、床面積が50㎡以上であること、宅地面積が500㎡以下であることなどが挙げられます。
空き家に係る譲渡所得の特別控除
この譲渡取得の特別控除は、相続や遺贈により取得した不動産について、平成28年4月1日から令和5年12月31日までに売却した場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円まで控除される制度です。
控除を受けるための主な条件として、亡き被相続人が居住していたこと、相続または遺贈によって取得したこと、被相続人の死亡から3年目の12月31日までに売却すること、売却価格が1億円以下であることが挙げられます。
不動産売却損がある場合の税金控除とは
居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」は、居住用不動産の買換えで損失が発生した場合、その年の損益通算後の控除しきれない損失について、翌年から3年間にわたって繰越控除できる制度です。
損益通算とは、所得の損失が生じた場合、他の所得からその損失金額を差引くことができる制度です。
所得の損失が生じていた場合、損益通算によって他の所得と相殺し、税額を減らすことが期待できます。
繰越控除とは、損失を繰越して控除することを指し、その年に生じた損失額を、翌年以後3年間の所得金額の計算上、損失として差引くことができる控除の方法です。
控除を受ける主な条件として、所有期間が5年超であること、買換え後の不動産を売却の前年1月1日から翌年12月31日までに取得すること、合計所得金額が3,000万円以下であることなどが挙げられます。
特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
この制度は、居住する不動産を売却しても住宅ローンの残額がある場合、その年に損益通算しても残る控除額について、翌年から3年以内の範囲で、他の所得を加えた総所得から繰越控除を受けることができるものです。
控除を受ける主な条件として、所有期間が5年を超えていること、契約直前に住宅ローンの残額があること、合計所得金額が3,000万円以下であることが挙げられます。
相続した不動産を売却した際の税金控除とは
相続税の取得費加算の特例
相続した財産を3年以内に売却した場合、相続税の一部について、売却した際の取得費用として加算することで、譲渡所得額を軽減する制度です。
特例を受けるための主な条件として、相続により不動産を所得したこと、相続税が課税されていること、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却したことが挙げられます。
所得税の確定申告をするまでに相続税額が確定しない場合、相続税の取得費加算の特例の適用を受けずに所得税の確定申告を行っておき、後日、修正申告で対応することが可能です。
相続税額が決まった段階で、取得費加算の特例の適用を受けるため申告書の修正を行うことになります。
不動産売却に対応する優良な不動産会社を見つけるには?
ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。
正確な売却金額を知るためには、売却前に「売却査定」を受ける必要があります。
そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!
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一生のうちに不動産売却をする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール

株式会社worth style home
濵田昭平2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。
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