2018年12月27日更新
不動産売却「仲介」と「買取」 の違いを徹底解説!
不動産売却の方法「仲介」と「買取」
仲介の特徴
不動産を売却することになったとき、多くの方が「仲介」を思い浮かべるのではないでしょうか。
「仲介」での売却は、一社または複数の不動産会社と媒介契約を結び、広告やインターネットなどの販売活動で買主を探してもらいます。
買主が見つかれば、買主との売買契約に関する手続きから、引き渡しまでを不動産仲介業者がサポートしてくれます。
そして不動産の売却が完了すれば、不動産仲介業者には成功報酬として仲介手数料を支払います。
「仲介」は「買取」に比べ、多くの場合において高い価格で売却することが可能です。
ただし、「仲介」での注意点が2つあります。
ひとつは、売買契約を結ぶまで売却金額が定まらないことです(価格の見直しや、買主からの価格交渉により、販売当初の価格から変更することが多くなります)。
もうひとつは、いつ売却できるかわからないということです(通常は売却まで3カ月程度かかりますし、売れなくて困る場合もあります)。
買取の特徴
では「買取」はどのようなものでしょうか。
「買取」では、不動産を売却する相手は、不動産買取業者です。
金額は不動産買取業者と合意の上で決定することになり、売買契約を結べばすぐに代金の支払いから引き渡しまでが可能になります。つまり、短い期間で売却できる特徴があります。
買取業者は、買い取った不動産をリフォームして販売します。
買取金額は、転売が可能な価格から、買取業者の利益、リフォームなどの費用、経費を差し引いた金額を算出して提示します。
そのため「買取」は、「仲介」に比べ売却価格が安くなる傾向があります。
また、買取には「即時買取」と「買取保証」がありますので、それぞれご説明します。
即時買取について
「即時買取」は、不動産市場に物件情報を出すことなく、すぐに不動産買取業者が物件を買い取る方法です。
販売活動をすることなく売却できますので、物件を売却しようとしていることを、人に知られることなく売却が可能です。
売却までの期間も約3日からと、短くなる特徴があります。ただし価格は安くなります。
買取保証について
「買取保証」は、最初は不動産業者に販売活動をおこなってもらい、買主を探します。
一定期間内に買主が現れた場合は、仲介での売却になり、即時買取をするより高く売却できます。
買主が現れなかった場合は、不動産業者が物件を買い取ります。
そのため、売れなくて困るということがなく安心できます。
買取までの期間は、3カ月や6カ月、1年などと決めて契約します。
売却までの期間に余裕がある場合は、買取保証を検討するとよいでしょう。
「仲介」と「買取」の違いとは?
「仲介」と「買取」の違いが、一目で比較できるように表にまとめました。
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
購入者 | 1個人 | 不動産買取業者 |
価格 | 市場価格 | 市場価格の6~9割 |
手間 | 室内の片付けやハイスクリーニングが要 | 不要 |
仲介手数料 | 要 | 不要 |
内覧 | 売却が決まるまで内覧希望者の数だけ要 | 不要 |
決算までの期間 | 売却が決まるまでとなり、未定 | 早ければ3日~ |
瑕疵担保責任 | 要 | 不要 |
仲介のメリット・デメリット
仲介のメリット
高い価格で売却できる
仲介の最大のメリットは、高い金額で売却できる可能性が高いことです。
特に、新築物件や築年数が浅い物件ではリフォームの必要がなく、仲介で高く売却できることが多くなります。
仲介のデメリット
資金計画が立てにくい
仲介のデメリットは、買い手が購入を決め売買契約を結ぶまで、最終的な売却金額がわからないことです。
また、売却までどれだけの時間がかかるかもわかりません。いつまでたっても売れないというリスクも考えられます。
売却が決まらない限り、お金を受け取ることができません。そのため資金計画が立てにくくなります。
瑕疵担保責任を負う
もうひとつのデメリットとして、売り主が瑕疵(かし)担保責任を負うことです。
売り主も買主も知らなかった瑕疵(欠陥)が見つかった場合、売り主が直さなければなりません(売り主が瑕疵を知っている場合は、契約前に伝える義務があります)。
ほとんどの場合、雨漏りや給排水管の故障、壁内部の不具合など、見ただけではわからないような欠陥が対象になります。
期間は買主が瑕疵を知ってから1年と定められていますが、それでは永遠に負担が続くのと同じです。
そのため個人同士の売買であれば、引き渡し後3カ月以内などと期間を定めるのが一般的です。
つまり、仲介で個人に物件を売却した場合、契約で定めた期間内に瑕疵が認められると、売却後に予定外の修理費用がかかる可能性があるのです。
買取のメリット・デメリット
買取のメリット
短期間で売却できる
買取のメリットは、売却までの期間が短くすむことです。
売り主と買取業者との間で、買取金額の合意ができれば契約となり、売れないというリスクも避けられます。
早い場合は約3日で現金を手にすることができます。
人に知られることなく売却が可能
他人に売却しようとしていることを知られたくない場合にも、買取はメリットがあります。
買取の場合は、仲介と違い買主を探す必要がありません。そのため広告やインターネットなどで物件情報を流す必要がなく、他人に知られることなく売却が可能です。
瑕疵担保責任を負わない
瑕疵担保責任は買取業者には適用されないため、売り主が責任を負う必要がありません。
買取業者は物件をリフォームし付加価値をつけて販売しますが、その時は買取業者が買主に対して瑕疵担保責任を負います。
手間が少ない
仲介と比べて手間が少なくすみます。
室内の片付けや、ハウスクリーニングをすることなく、そのまま引き渡しが可能です。
内覧も、1度だけ買取業者がおこなうだけですみます。
仲介のように、購入検討者の内覧のたびに対応したり、掃除をしたりする必要がありません。
買取のデメリット
売却価格が低くなる
買取のデメリットは、仲介の売却金額よりもほとんどの場合において、価格が安くなることです。
不動産買取業者は、買い取った物件を販売しなければならないリスクがあります。
そのため必ず販売できる価格から、リフォーム費用や経費、利益を引いて買取金額を決定するため買取金額は安くなります。
ただし、人気の高いエリアで高く販売できる物件であれば、買取金額も高くなる可能性があります。
あなたの物件に有利な売却方法は?
仲介に向いているケース
売却まで時間がかかってもいいので、少しでも高値で売却したいという場合は仲介が適しています。
また物件が人気エリアにある場合や、駅に近く交通アクセスが良い場合は、短い期間で売却できる可能性が高くなります。
新築や築数が浅い物件の場合も、高額で売却できる可能性が高い魅力的な物件であるため、仲介が向いていると言えます。
買取に向いているケース
売却金額が低くなっても早く売却したいと考える場合は、買取が向いています。
資金が必要な時期がはっきりしている場合や、相続などの手続きをスムーズにしたい場合なども含まれます。
手間を少なくして売却したい場合も、買取が適しています。
ハウスクリーニングや部屋の片づけ、内覧に手間をかけられない人。
特に物件が遠方にあり、対応が難しい場合は買取が向いているでしょう。
他人に売却を知られたくない場合も、買取を検討するとよいでしょう。
たとえば離婚やローン返済の滞りなどで売却するとき、知り合いからの詮索や噂による心的な負担は大きいものです。
仲介で売りにくい物件は、売却までの期間もかかり、いつまでも売れない可能性が高くなります。
売れない期間も諸費用がかかりますので、買取価格が安くなっても買い取ってもらう方が有利になることがあります。
特に、築年数が古い物件、室内の傷みがひどく大掛かりなリフォームが必要な物件、相続した自分の住まいとは別の不要な物件、自殺や事故などがあった物件などは、買取が向いています。
不動産売却に対応する優良な不動産会社を見つけるには?
ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。
正確な売却金額を知るためには、売却前に「売却査定」を受ける必要があります。
そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
一生のうちに不動産売却をする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール

株式会社worth style home
濵田昭平2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。
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