2021年05月27日更新
【不動産査定】有料・無料の違い&相場について
不動産査定には「有料査定」と「無料査定」がありますが、どのような状況で使い分けるのでしょうか?また不動産の有料査定は、単に不動産の価値だけでなく法的な証拠資料としても使用できます。今回は不動産の有料査定と無料査定についてご紹介します。
有料の不動産査定とは?
有料の不動産査定とは誰がどのようにして査定を行うのでしょうか。
また、どのような場合に有料査定が必要なのかを見ていきましょう。
不動産鑑定士による不動産評価
有料の不動産査定とは、「不動産鑑定士」という国家資格を有する人によって行われる不動産査定のことです。
不動産鑑定士は、法律で定められている「不動産鑑定評価基準」に則って不動産を鑑定します。
不動産鑑定士は、不動産査定や不動産鑑定をすることによって収入を得ているため、不動産鑑定士による査定は基本的に有料となります。
不動産鑑定士による鑑定書は「不動産鑑定評価書」と「不動産査定書」の2種類があり、使用する用途によって使い分けます。
では、不動産鑑定評価書と不動産査定書が具体的にどのような内容なのか見ていきましょう。
不動産鑑定評価書
不動産鑑定書は法律で定められている「不動産鑑定評価基準」に則って不動産の査定を行います。
国が定めた手順や基準をもとに評価を行わなければならないため、時間や手間がかかる鑑定です。
また、不動産鑑定書は裁判所や税務署などへの証拠資料としても使用できるため、信頼性の高い不動産の鑑定書と言えます。
不動産査定書
一方、不動産査定書は不動産鑑定評価書のように国の基準や手順に則って鑑定を行わずに簡易的に査定されるため、不動産鑑定評価書の簡易版とも呼ばれています。
通常、不動産鑑定評価書を依頼すると手間や時間がかかり費用が高額になってしまうため、簡易的な鑑定書が欲しいというニーズに応えるために不動産査定書が存在します。
どのような場合に有料査定が必要なのか
では、どのような場合に有料査定が必要なのでしょうか。不動産の有料査定が必要な状況は以下の通りです。
・遺産相続で適正な不動産価値を出す必要があるとき
不動産を相続した場合、遺産分割する際に揉めてしまうケースがあります。
その場合、不動産の価値を出すために不動産鑑定評価書を取得し、裁判資料として提出します。
・立退料や賃料でトラブルになったとき
立退料や賃料でトラブルになったときの資料として不動産鑑定評価書を裁判所に提出します。
・関係会社間の不動産取引のとき
関係会社間で不動産取引をするときに、不動産鑑定評価書が必要になることがあります。
会社間取引の際、買い手に損失を与えないように適正価格の証明として不動産鑑定評価書を取得します。
上記のように、有料査定が必要になるのは、基本的に不動産の法的な証拠が必要な場合です。
不動産鑑定の費用相場
不動産鑑定士に不動産の査定を依頼した場合、費用はどれくらいかかるのでしょうか。
費用は対象となる不動産の評価額によって異なります。不動産鑑定評価書と不動産査定書を依頼した場合の費用の相場は以下の通りです。
【不動産鑑定評価書の費用相場】
〜2億円以下
- マンション:約85〜95万円
- 土地と建物:約60〜75万円
- 更地:約50〜約60万円
〜1億万円以下
- マンション:約70〜85万円
- 土地と建物:約50〜60万円
- 更地:約30〜約40万円
〜5,000万円以下
- マンション:約60〜70万円
- 土地と建物:約30〜50万円
- 更地:約25〜約30万円
1,000万円以下
- マンション:約30万円
- 土地と建物:約25万円
- 更地:約20万円
上記の金額はあくまで目安となります。また、裁判資料用の場合は上記の料金より費用がかかる可能性があります。
【不動産査定書の費用相場】
- マンションの場合:約15〜約20万円
- 土地と建物の場合:約15〜約20万円
- 更地の場合:約10〜約15万円
不動産査定書の場合、査定評価額によって料金が変わることはほとんどありません。
そのため、上記の費用が大体の相場となるでしょう。
不動産業者が行う不動産鑑定は無料
有料査定についてご紹介してきましたが、不動産査定には「無料査定」という方法もあります。
「無料査定」とは、不動産会社が過去の取引実績などをもとに不動産査定を行うことです。
では、なぜ無料で不動産を鑑定してもらえるのでしょうか。不動産会社が不動産を無料査定を行う理由は「営業の一環」となるからです。
不動産会社は無料査定を通して新規仲介契約を獲得したいという意向があります。
そのため、不動産会社はできる限り自社を気に入ってもらえるように査定額を市場より高めに出したり、自社のサービスを紹介するなどして売り手にアピールし、仲介契約を勝ち取ろうとします。
一方、利用する不動産所有者にとっては無料で気軽に不動産価格を知ることができるというメリットがあります。
有料査定であれば数十万円の費用がかかってしまい、複数社に査定を依頼するという行為自体が難しくなるでしょう。
しかし、インターネットの一括査定サイトなどを利用すれば、一度基本情報を入力するだけで複数社から査定額を知ることができます。
ただ、このような一括サイトを利用した場合、あとから営業の電話がかかってくる可能性があることを覚えておきましょう。
不動産の有料査定と無料査定の違いは?
不動産の有料査定と無料査定の大きな違いは費用と査定期間、そして信頼性でしょう。
先程もご説明しましたが、不動産の査定が有料だったら多額の査定費用がかかるため複数社に査定依頼しづらくなります。
また、査定期間も異なります。有料査定の場合は不動産査定書でも数日〜1週間、不動産鑑定評価書の場合はさらに時間がかかり約2〜約3週間程度が一般的です。
しかし、無料査定の場合はその場で査定価格がわかるケースもあるため、少しでも早く査定額が知りたい場合に無料査定は適しています。
次は用途別で比較してみましょう。裁判や税務署などに証拠資料として提出したい場合は信頼性の高い「有料査定」を選びます。
しかし、一般的な不動産の売却であれば「無料査定」で十分と言えるでしょう。
ここで注意が必要なのが、有料査定と無料査定のどちらも「査定価格=売れる売却価格」と思わないようにしなければならない点です。
売却価格は市場の状況や不動産の環境などによって異なるため、あくまで目安として考えておきましょう。
不動産売却に対応する優良な不動産会社を見つけるには?
ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。
正確な売却金額を知るためには、売却前に「売却査定」を受ける必要があります。
そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
一生のうちに不動産売却をする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール

株式会社worth style home
濵田昭平2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。
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