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2021年03月28日更新

監修記事

不動産査定はどう計算されるの?よく聞く「原価法」は建物で使われる

不動産査定を行うときの計算方法について

不動産 査定 計算 方法

不動産を売却することが決まると、媒介契約を結ぶ不動産業者を探すことになります。

そのときに不動産業者を選ぶ一つの基準となるのが、査定額算出の依頼です。

査定金額の算出には3種類の方法があり、不動産の条件や利用目的によって算出方法を選択します。

また1種類だけでなく、複数の算出方法を併用することもあります。

査定は、「原価法」「取引事例比較法」「収益還元法」という3種類があります。

計算方法による違いと特徴を、このあとに詳しく解説していきます。

原価法とは

原価法は、戸建ての建物の査定額の算出に使われることの多い方法です。

原価法は、今建っている建物を壊してもう一度建てたとしたら、どのくらいの金額で建てることができるのかという再調達価格を出したあと、建物の老朽化した分(減価修正)を差し引いて査定額を算出する方法です。

一戸建ての建物は、再調達価格と減価修正を適切に出すことができるので有効な方法になります。

取引事例比較法とは

取引事例比較法は、マンションの査定金額の算出や、簡易査定(インターネットでの査定も含む)の算出で使われることの多い方法です。

売却したい不動産に条件が似ている売却事例から坪単価を出して、面積をかけることで査定額を算出します。

このとき、物件ごとの個別条件による評価をかけて補正します。

評価は、方角や日当たり、接する道路、敷地の形などが考慮されます。

過去の類似物件の情報量や個別条件による評価は不動産業者によって異なるため、査定額は同じにはなりません。

取引事例比較法で算出したのちに、原価法で適切な査定額かどうかを確認する場合もあります。

収益還元法とは

収益還元法は、将来対象物件が生み出す収益を予測して算出する計算方法です。

この収益の予測額から、経費などを差し引いて査定額を出します。

収益還元法では、物件の収益力が高ければ査定額が高くなります。

収益を基準としますので、賃貸などの投資用物件で多く利用される方法です。

収益還元法は、建物の面積などが価格に反映されませんので、多くは「原価法」でも算出して参考にします。

収益還元法には「直接還元法」と「DCF法」の2種類があり、特に「DCF法」の計算方法は複雑です。

一戸建ての査定方法に最適な計算方法

一戸建ての査定は、一般的に土地と建物で査定方法を変えて算出します。

土地は「取引事例比較法」を使い、建物については「原価法」を使います。

土地と建物の査定方法をそれぞれ解説します。

一戸建ての土地の査定方法

土地部分の価格を査定する場合、「取引事例比較法」で算出することが多くなります。

この理由は、すでに宅地になっている場合(既成市街地)場合は、山林や農地を宅地にする場合の必要費用を出すことが難しく、再調達価格が出せないためです。

そのため一戸建ての土地の査定には、近隣の取引事例の価格に個別条件で補正して算出する「取引事例比較法」が使用されます。

宅地にするための再調達価格の把握が可能な場合は、土地についても「原価法」を使用することができます。

一戸建ての建物の査定方法

一戸建ての建物部分については、今建っている建物をもう一度立て直すのに必要な費用(再調達価格)から、築年数に応じた減価修正を行って査定額を算出する「原価法」が利用されるのが一般的です。

一戸建ては、マンションのように同じ建物内の同じ間取りの住居などはなく、一戸ずつ異なります。

そのため、一戸建ての建物価格は「取引事例比較法」で査定するよりも「原価法」が有効になるのです。

一戸建ての土地と建物の査定方法

前章でみてきたように、一戸建ての土地部分は「取引事例比較法」、建物部分は「原価法」によって査定金額を算出します。

その上で、土地と建物の査定額を合計して一戸建ての査定額を算出することになります。

土地と建物の査定額を合計したものを「積算価格」といいます。

  • 積算価格=土地の価格+建物の価格

原価法で知っておきたいポイント

原価法は、一戸建ての建物部分の査定額の算出に使われることが多い方法です。

ここからは、「原価法」で一戸建ての建物の価格を算出する場合に必要な数字と計算式について解説していきます。

再調達価格

ここまでで確認したように、再調達価格は今建っている建物をもう一度建てるときにかかる総額の費用のことです。

建物の再調達価格の算出方法は、直接法と間接法の2種類があります。

集められる資料から、信頼度の高い方を選択します。

直接法は、建物を建てるために実際にかかる材料費や工事費用などから直接工事費を積算します。

発注者が建設請負に対して支払う標準的な建設費に、付帯する費用(利益などの管理費をふくむ)を加算して求めます。

間接法は、近隣の同じ構造で類似したグレードの坪単価から、時点修正や地域要因を比較して算出する方法です。

ほかに、不動産業者や金融機関の中には、立地に関係なく構造別に再調達価格の単価を設定しておいて算出するところもあります。

たとえば、木造の再調達価格なら1平米あたりいくらという数値が用意してあり、その単価に延べ床面積をかけて出します。

耐用年数

原価法の算出に使われる減価修正は、建物の耐用年数に基づいて算出されることが多くなります。

耐用年数は、税法上の耐用年数と経済的耐用年数があり、より正確な査定額を出すには経済的耐用年数がよいとされています。

ただし、経済的耐用年数は、経済的要因に照らして個別に出されるものです。

さらに、経済的耐用年数を導き出す判断材料はないため、鑑定士による判断となります。

このような事情をふまえ、今回は税法上の耐用年数について記載します。

税法上の耐用年数は、国税庁のホームページに掲載されています。

構造により年数は異なり、住宅用の耐用年数は、下記の通りです。

構造耐用年数
木造22年
金属造(4mm超え)34年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造47年

なお、耐用年数については、過去に行った増改築・修繕・模様替えも反映されます。

原価法の計算式

原価法は、再調達価格に減価修正を行って不動産の資産価格を求める方法です。

減価の要因は、物理的要因・機能的要因・経済的要因が関連しあって作用します。

減価修正については、耐用年数に基づくものと、減価の要因を調査して減価額を直接求める方法(観察減価法)があります。

よく利用されている耐用年数に基づく方法の計算式は、下記の通りになります。

  • 建物評価額=再調達価格×{(耐用年数-築年数)÷総耐用年数}

参考:http://www.mlit.go.jp/common/001204083.pdf

不動産査定にかかる時間はどれくらい?

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実際に不動産業者に査定を依頼した場合、査定方法によってかかる時間は異なります。

簡易査定の場合

簡易査定は机上査定ともいわれ、実際の不動産を確認することなく査定額が算出されます。

物件情報だけで算出しますので、算出方法は「取引事例比較法」です。

物件の面積、間取り、所在地、築年数などの情報と、類似物件の情報を比較して比較物件の価格から算出します。

特徴は、不動産業者に出向かずに依頼が可能であることで、インターネットの一括査定サイトも簡易査定になります。

簡易査定は、物件の状態や周辺環境などが反映されませんので、おおよその相場が知りたい場合や契約する不動産業者を探す場合に利用します。

査定にかかる時間は短く、早い場合は依頼当日に査定額を受け取れます。

訪問査定の場合

訪問査定は、担当者が実際に物件を確認して査定額を算出する方法です。

物件の外部や内部の傷み具合、周辺環境の確認がおこなわれます。

そのため、簡易査定よりも正確な査定額の算出が可能です。

販売価格の決定には、より精度の高い訪問査定の査定額を参考にします。

訪問査定での査定方法は、物件の条件によるほか、不動産業者によっても異なります。

査定を依頼した場合は、査定方法や査定額の根拠を説明してもらうとよいでしょう。

訪問査定は法務局などに調査が必要な場合もあり、査定額を受け取るまでに3~7日ほど時間がかかります。

不動産売却を依頼する際の業者の選び方について

媒介契約を結ぶ不動産業者によって、不動産の売却価格や売買契約が成立するまでの期間に差が出てしまいます。

また約3か月間、不動産売却に向けて協力し合う関係ですから、担当者との相性も重要なポイントです。

ここから、不動産を売却するにあたってどのように業者を選べばよいのかを解説します。

不動産業者の選び方ポイント

不動産業者を選ぶ判断のスタートは査定の依頼です。

複数の業者の査定額を知ることは、売却する不動産の相場を知るためにも必要です。

また、相場を知る目的以外に、不動産業者を選択する重要な判断材料になります。

最初は、インターネットの一括査定サイトなどを利用するとよいでしょう。

不動産業者によって査定額は異なっているはずです。

高すぎる業者は、媒介契約を結ぶために出している査定額かもしれません。

逆に安すぎる業者は、得意分野ではなくうまく販売できないのかもしれません。

査定結果は、査定額の把握と、不動産業者の特徴や得意分野を調べる材料となります。

地元の地域密着型不動産業者が売却しようとする不動産に合っているようなら、電話で簡易査定(机上査定)の依頼も可能です。

ある程度、不動産業者を絞ったら、今度は複数社に訪問査定を依頼しましょう。

訪問査定では、建物の外観内観の状態や周辺環境なども考慮されたより正確な査定額が出されます。

このときに、担当者の知識や相性も確認します。

査定額の根拠や類似物件の実績などについても、説明してもらうとよいでしょう。

また、媒介契約を結んだ場合にどのような営業活動を行うのかも確認し、自分たちの事情をしっかりと聞いてくれるかも見極めます。

売却を急いでいるか急いでいないのかでも、営業活動の内容や販売価格の設定が変わってきます。

そういった事情をしっかりと聞き、営業活動に反映してもらえるのかなどを見極め判断材料にします。

ほかにも、質問をしたときに適切な回答を用意してくれるか、連絡は確実にしてもらえるかなども重要です。

担当者との相性は、不動産の売却までのストレスに大きく関わりますので慎重に決定します。

ほかに参考程度に、ネットで不動産業者の口コミ情報もチェックしてもいいでしょう。

ただし、対応のよしあしは担当者によるところが大きいので、ネットの口コミを完全に信用することなく判断するのがおすすめです。

不動産売却に対応する優良な不動産会社を見つけるには?

ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。

正確な売却金額を知るためには、売却前に「売却査定」を受ける必要があります。

そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!

「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」

「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」

そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。

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一生のうちに不動産売却をする機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!

この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社worth style home 濵田昭平

株式会社worth style home

濵田昭平

2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。

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