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2018年12月26日更新

監修記事

【住宅ローンと任意売却】完済前の物件を売る方法とは

住宅ローンが返済できなくなった物件を売る方法「任意売却」とは

【住宅ローンと任意売却】完済前の物件を売る方法とは

住宅ローンが返済できなくなった場合、物件を差し押さえられて売却する「競売」と、債権者の同意を得て物件を売却し、売却益で債権を返済する「任意売却」のどちらかを選ぶことになります。

どちらも不動産を手放して売却益をローンの返済に充てる手法ではありますが、競売の場合は差し押さえ及び売却の際に裁判所の手続きが必要となるため、債権者は裁判所に費用を支払わなければなりません。

また、競売では物件の内覧を行うことができず、裁判所が提供している資料から物件の情報を判断するしかないため、どうしても売却益は市場価格の7割程度となってしまいます。

任意売却の場合は、不動産を通常の商取引と同様に売却し、その売却益から返済を行うため、競売と違い市場価格に沿った売却益を手にすることができますし、裁判所に手続き費用を支払う必要がありません。

つまり、債権者としては、裁判所での手続きが必要なく、回収できる債権の額も多い任意取引を行った方が全体的なメリットは大きいのです。

任意売却を行うには債権者の同意が必要ですが、これらの理由により、比較的同意は得られやすいと言われています。

住宅ローン残債物件を任意売却するメリットとは

任意売却を行うことで、債務者にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

競売に比べて売却価格が高くなる

任意売却は一般的な不動産売買取引と同じ流れで不動産を売却するため、一般的に市場価格の約7割が相場となる競売に比べて多くの売却益を得ることができます。

また、経費についても裁判所での手続き費用を抑えることができるのも魅力です。

任意売却なら引っ越し費用が捻出できる場合も

任意売却の場合、債務者が物件から立ち退かなければ売買契約が完了しないため、代金を受け取ることができません。

しかし、住宅ローンの支払いができなくなっている状態の債権者にとっては、新しい住まいへの引っ越し費用や、契約費用は大きな負担となりますし、場合によっては費用が捻出できない可能性もあります。

債権者としては、できるだけ早く債権を回収したいと考えているため、このような引っ越しが難しい場合に、引っ越し費用を経費として確保してもらえる場合があるのです。

引っ越し費用として確保されるのは最大30万円まで、新居の契約費用は対象とならず、引っ越しにかかる費用について、見積もりや領収書を提出して補填してもらうという形が一般的です。

任意売却なら物件に住みつづけられる可能性も

任意売却は、あくまで通常の商取引のため、買主と契約して売却した物件を賃貸化してもらうことができれば、そのまま住みつづけることができます。

この手法は「リースバック」といい、対応している不動産会社もありますので、引っ越しの手間を省きたいという方はこのような会社に相談してみると良いでしょう。

また、両親や子、親族などに物件を購入してもらい、月々の賃料を払って住むという方法もあります。

しかし、親族によるリースバックについては、親族の資産状況などによって物件を手放さざるをえなくなった場合などにトラブルとなってしまう可能性が高いため、将来的な禍根を残さないよう、専門の業者に相談した方が安心できるでしょう。

任意売却では情報が公にならない

競売の対象となると、新聞やインターネットなどで競売情報が出回るため、ローンが支払えなくなって差し押さえられたということが公になってしまいます。

任意売却なら通常の商取引のため、実情を周囲に知られずに不動産を売却することができるため、プライバシーを守ることができるのです。

住宅ローン残債物件を任意売却するデメリットとは

競売に比べて良いことばかりに思える任意売却ですが、何かデメリットはあるのでしょうか?

任意売却には債権者と保証人の同意が必要

ローン残債のある不動産を売却する場合には、抵当権を解除しなければならないため、債権者や連帯保証人の同意が必要です。

債権者からすると任意売却の方がより債権を回収できる量が増えるため、同意が得られる可能性は高いのですが、それでも場合によっては同意が得られないことがあるのは留意しておきましょう。

手続きを代行する業者は自分で選ぶ必要がある

任意売却はあくまで通常の不動産取引となりますので、売買を仲介する業者は債権者が自分で探す必要があります。

任意売却の際には債権者との交渉等も必要となりますので、任意売却を多く手掛けている不動産会社を探して契約すると良いでしょう。

内覧の立ち会いが必要となる

競売の場合は立ち退き後オークションにかけられるため、内覧に立ち会う必要はありませんが、任意売却の場合は購入希望者が内覧を行う場合、売主として内覧に立ち会わなければなりません。

住みつづけている状態で物件を売りに出している場合などは、内覧に向けて室内の清掃なども行っておいた方が望ましいため、多少手間がかかるでしょう。

任意売却できない場合や売却しても残債がある場合はどうなるのか?

任意売却が行えなかった場合や、売却益でローン残債が返済しきれなかった場合はどのような方法で対処することになるのでしょうか?

任意売却ができなかった場合の流れ

債権者の同意が得られなかったなどの理由で任意売却ができなかった場合には、競売によって物件を売却して債務の埋め合わせを行うことになります。

任意売却をしても債務を返済しきれない場合

売却益よりローン残債が多く、返済しきれなかった場合には、新たに返済プランを組んで分割返済を行うか、自己破産や債務処理などを行って債権を処理するという流れが一般的です。

自己破産は債権の返済が免除される制度ですが、自己破産後は官報に掲載され、クレジットカードの利用や契約、ローン契約が不可能となるため、緊急時などに対応が難しくなってしまいます。

病気などで収入が激減し、分割払いでも返済が難しい場合はやむを得ませんが、不都合を避けるためにもできる限り分割での返済を目指した方が良いでしょう。

どこに住宅ローン残債物件の任意売却を依頼すれば良いのか?

【住宅ローンと任意売却】完済前の物件を売る方法とは

任意売却を行う場合、誰に相談すれば良いのでしょうか?

弁護士や司法書士

弁護士や司法書士は任意整理や任意売却、自己破産の手続きなどを代行することが多いため、任意売却の相談や対応を依頼することができます。

しかし、依頼の際には依頼料がかかりますし、相談についても費用がかかるため、財政的に厳しい状況では相談を行うのは難しいかもしれません。

銀行などの債権者に相談する

ローン契約を結んでいる銀行でも、任意売却について相談することができます。住宅ローン返済義務がある銀行に対して、事前に必ず相談しましょう。

不動産会社に相談する

不動産会社に手続きなどを依頼することもできますが、任意売却は債権者との交渉が必要となるため、経験のある会社を探す必要があります。

任意売却専門の業者に相談する

ローン残債物件の任意売却を専門に行っている業者なら、債権者との交渉に慣れていますし、手続き等のノウハウがあるため、より債務者に有利な対応をとってもらえるかもしれません。

任意売却については、実際に業者に出向いて相談する以外にも、ウェブサイトから相談ができますので、まず任意売却について相談してみたいという方はこちらを利用すると良いでしょう。

住宅ローン残債物件を任意売却する際の流れ

住宅ローン残債物件を任意売却する場合、どのような流れとなるのでしょうか?

1.相談先の選定

物件の売却や債権者との交渉等を代行してもらえる業者を選びます。

複数の業者に見積もりや相談を行い、できるだけ信頼できる会社を探しましょう。

2.任意売却が可能かどうか調査を行う

債務の状況を確認し、債権者や保証人と交渉を行い、任意売却での処理が可能かどうか調査を行います。

3.任意売却する物件の査定

書類や現地調査などを行い、売却する物件がどれぐらいの価格で売却できるかについて査定を行っていきます。

4.任意売却を依頼する媒介契約を締結

物件の査定が終わったら業者と媒介契約を締結し、任意売却の手続きを実施していきます。

5.債権者または抵当権者と保証人に交渉する

意思確認は任意売却前に行いますが、この段階で正式に任意売却についての同意を得ます。

6.任意売却の開始

こちらは通常の不動産売却と同じ手続きとなり、広告などで物件について宣伝を行います。

7.購入者の選定

購入希望者が見つかったら売却の手続きに入りますが、任意売却の場合は通常の不動産取引とは違い、債権者の同意を得る手続きを挟む必要があります。

8.債権者の同意を得る

購入希望者が見つかったら、債権者に相談し、同意を得ます。

9.任意売却契約の締結

買主と売買契約を結び、物件を売却します。

10.引っ越しもしくはリースバックの契約を締結する

物件を手放す場合は引っ越し、リースバックの場合は賃貸契約を締結します。

11.任意売却契約の完了と残債の精算

売買手続きが完了し、代金が入金されたら残債の精算や抵当権の抹消手続き、物件の引き渡し、引っ越し代金の補填の処理などの残務を処理していきます。

12.新しい生活へ

手続きが全て完了すれば、新しい生活のはじまりです。

任意売却では、購入希望者が見つかるまで時間がかかる場合もあり、年単位での対応が必要となることもあります。

購入者が見つかっても、契約や引っ越し、引き渡しまでには2カ月程度かかりますので、債権者としっかりコミュニケーションを取り、スケジュールについての同意を得るようにしましょう。

不動産売却に対応する優良な不動産会社を見つけるには?

ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。

正確な売却金額を知るためには、売却前に「売却査定」を受ける必要があります。

そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!

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一生のうちに不動産売却をする機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!

この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社worth style home 濵田昭平

株式会社worth style home

濵田昭平

2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。

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