2018年12月17日更新
マンションの売却における媒介契約の種類とそれぞれのポイント!
マンション売却における媒介契約について

マンションを少しでも高値で売却するためには、不動産に関する知識と売却のタイミングが重要です。
マンションの売却は、不動産売買の技術・知識を持った不動産会社と媒介契約を結んで行います。不動産会社の知識と技術・サービスを活用して、売却を有利にすすめましょう。
媒介契約をすることで、売り主は成約時に不動産会社に仲介手数料を支払います。
マンション売却における媒介契約とは?
不動産会社との媒介契約は、マンションの買い手を探す契約だけでなく、マンションを売却する売り手と買い手の間に入り、取引の調整・書類の作成などの売買取引に関する手続きや仲介手数料についても、契約書を交わします。
媒介契約を交わした不動産業者には、宅地建物取引業法により、依頼者に不利にならない不動産売買契約を締結されることが、義務付けられています。
また、媒介契約を交わすことで、不動産売買のトラブルを未然に防ぐことができて、安心してマンションの売却をすすめられます。
媒介契約には専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約があります。
専属専任媒介契約の特徴
専属専任媒介契約は、マンション売却の媒介(仲介)を依頼する不動産会社は1社のみとなる契約で、契約期間は3ケ月です。
売却する人が自分で買い手を見つけてきた場合でも、不動産会社を媒介(仲介)しての取引を行わなければならない契約です。
専属専任媒介契約のポイント
マンションの売却に際して、不動産会社と専属専任媒介契約を締結した場合、不動産会社はマンションの売却の活動報告を1週間に1度以上、行います。
また、不動産会社のレインズ(REINS)への登録は、媒介契約から5日以内に行わなければなりません。
レインズ(REINS)は、不動産流通機構(国土交通大臣指定)が運営している、不動産売り出し価格を検索できるコンピューター・ネットワーク・システムです。
レインズに登録されることで、不動産会社間での情報交換がリアルタイムに行われることになり、売却が早く進みます。売却したい物件の情報を登録することで、売却を円滑に迅速に進めることができます。
レインズへの登録は、媒介契約の種類によって義務や期間が異なります。
専属専任媒介契約を選ぶポイントと注意点
専属専任媒介契約を選ぶ事例の一つは、自分で買い主を見つけられないケースで、自分で買い手をみつけられなければ、専属専任媒介契約を結ぶのが良いでしょう。
もう一つのポイントは、不動産会社1社のみとの契約となるため、不動産会社にとって、仲介手数料を必ず確保できる契約となり、積極的に買い手を探す営業活動が期待できます。
しかし、専属専任媒介契約の際に、注意したい点もあります。
一つは、不動産会社に不満があっても、契約期間の3ヵ月間は1社にしか媒介(仲介)を頼むことができません。
もう一つは、マンションの売却額が下がったり、売却までの期間が長引くことになる懸念があることです。
専属専任媒介契約をした不動産会社が、売り手・買い手の両方から確実に仲介手数料をもらうために、他の不動産会社から問合せがあっても物件を紹介しないことも考えられます。
専任契約の特徴
専任媒介契約は、専属専任媒介契約と同じで、マンション売却の媒介(仲介)を依頼する不動産会社が1社のみとなる契約で、契約期間は3ケ月です。
専任媒介契約の特徴
専属専任契約との大きな違いは、売却する人が自分で買い手を見つけてきた場合に、不動産会社の媒介(仲介)なしで売買が可能なことです。
マンションの売却で、不動産会社と専任媒介契約を締結した場合、不動産会社はマンションの売却の活動報告を2週間に1度以上、行います。
専属専任媒介契約と比較すると、少なくなります。
また、不動産会社のレインズへの登録は媒介契約後7日以内で、専属専任契約と比較すると、登録をすませる期間が長く設定されています。
専任媒介契約を選ぶポイントと注意点
専任媒介契約を選ぶポイントは、自分で買い主を見つけられる可能性があるケースです。
自分でマンションの買い手を見つけた場合、不動産会社を通さずに売買契約を締結することが可能だからです。
専任媒介契約の場合は、専属専任媒介契約と同じで、契約期間の3ケ月間は1社の不動産会社のみしか媒介(仲介)を頼むことができませんので、注意しましょう。
一般媒介契約の特徴
一般媒介契約は、複数の不動産会社にマンション売却を依頼することができる契約です。
契約期間の規定はありませんが、行政の指導により、一般的には3ケ月となっています。
売却する人が、自分で買い手を見つけてきた場合、不動産会社の媒介(仲介)なしに売買契約を締結することが可能な契約です。
一般媒介契約の特徴
一般媒介契約は、専属専任媒介契約や専任契約と、2つの点が大きく違います。
一つは、レインズへの登録義務が任意となることです。
任意なので、登録をしなければ、多くの不動産会社の目に触れる機会が減ることになります。
もう一つは、契約をした不動産会社は、売り主に対して、販売情報報告の規定がありません。
不動産会社にとっては拘束力の低い契約形態で、営業活動が積極的に行われない可能性があります。
一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」があり、明示型は、複数の会社と媒介契約を締結した場合に、どの会社と媒介契約をしているかを通知しなくてはならない契約です。
非明示型は、他に媒介契約をしている不動産会社があったとしても、他に媒介契約している会社があるかどうか、どこの会社と契約しているかなどを、通知しなくても良い契約です。
明示型・非明示型のどちらを選択しても、売却をした場合、どこの不動産会社で契約したかを通知する義務があります。
一般媒介契約を選ぶポイントと注意点
不動産会社にとって一般媒介契約は、専属専任媒介・専任媒介契約と比較すると、複数の不動産会社に売却活動依頼した場合、必ず自分の所で売買契約を結ぶわけではないので、営業活動も積極的にはならないと言われています。
そのため、買い手が見つかるまでに時間がかかる可能性があります。
しかし、売却するマンションが条件の良い物件である場合、多数の不動産会社が競い合い、売却が早くなる可能性もあります。
一般媒介の注意点は、売却の需要が少ないマンションは、積極的に売却活動を行ってもらえない可能性があることです。
マンションの市場価値を見極め、好物件と判断したら、選択すると良い媒介方法です。
不動産会社との媒介契約はどれを選べばいいのか?
初めての不動産売却をする場合は、一般媒介契約を締結して、活動状況などをみて専任媒介契約などに切り替える方法がおすすめです。
専属専任契約・専任契約のメリットが大きい
専属専任契約と専任契約は、一社のみの媒介契約なので、マンションの売却が成立すれば、不動産会社に確実に仲介手数料が入ります。
不動産会社にとっては、一生懸命営業活動しても、他社と売買契約が成立してしまうかもしれない一般媒介よりも、メリットがあります。
また、マンションを売却する売り手にもメリットがあります。
不動産会社は、媒介契約は「専属専任契約」か「専任契約」で締結したいと思っているため、専属専任契約や専任契約をすることで、マンションの補修費用やクリーニングサービスなどの特典を付けてくれるケースもあります。
一般媒介で複数の不動産会社と媒介契約した場合、内覧日程の調整、価格改定、募集状況確認など複数の担当者と連絡を取らなくてはなりません。
同時期に連絡がありますので、専属専任契約と専任契約の1社の不動産会社が窓口になる場合と比較すると、煩雑で連絡の負担が大きくなります。
また、全体のお問合せ状況などが把握しずらく、結果として価格改定のタイミングなど見誤る場合があるため、複数の不動産会社と一般媒介契約を締結することは避けた方がいいです。
マンションの買取保証
マンションを売却する方法には、媒介(仲介)以外に買取という方法もあります。
これは、不動産会社がマンションを直接購入する方法で、一定期間媒介で売れなかった場合、買取会社に売却します。
買取保証は、短期間に売却でき、仲介手数料がかからず、買い手の内覧がないというメリットがありますが、価格が下がりやすいというデメリットがあります。
マンションの売却価格と売却スピードの関係
マンションを売却する際に、買い手が現れなければ、売却価格が下がってしまいます。
しかし、あまり早期に売却しても、良い買い手を逃すことになります。
募集価格からの値引きが要因として成約に至るケースも多いため、売却事情にもよりますが、当初売り出し価格はその後の価格改定も見据えた金額設定での募集開始が望ましいといえます。
不動産売却に対応する優良な不動産会社を見つけるには?
ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。
正確な売却金額を知るためには、売却前に「売却査定」を受ける必要があります。
そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
一生のうちに不動産売却をする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール

株式会社worth style home
濵田昭平2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。
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