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2019年03月26日更新
建て替えに必要なお金は?新築よりも費用がかかるかも
建て替え工事を計画する時に大事なポイントは、どのような工事をするか、その期間の仮住まいをどうするかということです。その為に工事費がどのくらいかかるか、住宅ローンの融資を受けられるかなどを解説していきます。
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この記事の監修者タクトホームコンサルティングサービス亀田融
建て替えに必要なお金の種類について
建て替えでは、元の建物を解体したうえに新しい建物を建てます。新居が完成するまでの間の仮住まいも必要です。各工程で必要なお金を見ていきましょう。
解体費
既存の建物を建て替える時、まず解体工事から入ります。
この場合、いくつかの解体工事のパターンがあり、その内容によって状況が大きく左右します。
建物を基礎から壊す場合と基礎を残して上物と呼ばれる建物を解体する場合、更に建物周辺の塀やブロックなども解体する場合です。
建物の解体工事の流れは屋根瓦や窓、室内扉などの建具撤去後、建物を壊していきますが、処分するものを選り分け、運搬する為時間が掛かる事があります。
解体工事には重機を使用するため、道幅が狭く工事車両は搬入できない場合は、解体工事を手作業で行うので割高になります。
新築工事
建て替え工事は建築施工業者の選定から始まり、営業との打ち合わせで希望内容を伝え、設計の段階でさらに打ち合わせと確認をします。
かなり細かいところまで煮詰めて具体的な話をする必要があるため、設計の段階で3か月から4か月かかったという方もいます。
実際の建築工事が始まる前には地盤調査を行い、必要であれば地盤改良工事がなされます。
基礎も解体しているのであれば、基礎の工事から始まり、骨組みを組むなどの工程を踏んで各工事を行い、中間検査を挟みながら完了に至ります。
概ね建築工事は約4か月から6か月くらいが標準の工事期間になります。
仮住まい費用
建て替え工事期間中、仮住まいをしなければなりません。新居で必要な家具類をすべて持ち込む広さがない場合は、家具類を貸倉庫に保管しておく必要も出てきます。
学校に通うお子がいる場合は、できるだけ同じ学区内での仮住まいを探したいと思われるでしょう。ペットを飼っている場合は、ペット可のお住まいでなければなりません。また、車を所有されている方は、駐車場の確保も必要です。
家族の人数や状況に合わせた住まいとなると、ある程度の制約が出てきます。
仮住まいのような短期契約ができる物件は実は多くはなく、マンスリーマンションやホテル、賃貸物件などです。
仮住まいを決めるにはそれなりの時間がかかります。建て替え工事を決めたら早めに、工事の半年から3か月前ごろには探し始めておいた方が良いでしょう。
家電を買い直すことも多い
生活必需品と言われる冷蔵庫や炊飯器などの家電は消耗品でもあり、新生活を営む際、買い替える方が多いものです。
たとえばキッチンのガスコンロをガスにするかIHにするかで、鍋類も買い替えることなるので、気付かないうちに予算が膨らんでいきます。
「想定外の交換だった」とよく声があがるのは給湯器です。
給湯器の交換時期は10年が目安のため、一般的には建て直しの際に新たに交換する費用が発生します。
建て替えに必要なお金の相場について
建て替え前に必要な手続きとは
既存の家を解体して建て替える場合、既存の家の登記抹消手続きが必要になります。
これを「減失登記」と言います。
建物を解体した後、1か月以内に法務局で申請をしなければならない決まりがあります。
解体後に建物滅失登記申請書を作成し、
万が一この手続きを行わないと、以下のようになります
- 建て替えが出来ない
- 解体した建物の固定資産税が掛かり続ける
- 申請を怠ると10万円の過料が掛かる場合がある
申請自体に費用は掛かりませんが、間違えのないよう事前に建物の登記情報を調べる必要があるため、登記簿謄本を取得するのに1,000円かかります。
申請書類作成はさほど難しくなく、実は一般の方でも作成できますが、専門家に任せたい場合は「土地家屋調査士」に依頼されるとよいでしょう。
1件当たり約4万円前後で書類作成申請を行ってもらえます。
その際、委任状と印鑑証明書が必要になります。
工法によって坪単価が変わる
建築工法にはいくつか種類があり、どれを選ぶかによって工期や坪単価が変わります。
主な工法には以下のようなものがあります。
- 木造在来軸組構法 日本で古来からある建築工法です。
- ツーバイフォー工法 ツーバイフォーとは使用される角材の大きさが4インチ×2インチであることから呼ばれているものです。
- 鉄筋コンクリート工法 建物の骨組みに鉄筋を使い、壁にコンクリートを使用する建築工法です。一般的にはRC造と呼ばれています。
各工法の坪単価は
- 在来木造建築で約40万円~80万円位
- ツーバイフォー工法では約45万円~90万円位
- 鉄筋・コンクリートでは約50万円から100万円超
これは2階建て、3階建てであってもさほど変わりません。
また、30坪や40坪くらいであっても大きく変わることはありません。
平屋の場合は減築をするというようであれば、1,000万円~2,000万円くらいで建てることも可能です。
しかし、2階建てから平屋に建て替える計画の場合は、基礎の面積については2階部分の広さを考慮して増やすことになるため、逆に割高になる傾向があります。
まず敷地が十分な広さがなければ平屋は建てられません。
以前と同じ床面積を維持したければ、1階部分の上の階の面積が横並びで確保できないと建てられないという事です。
また、耐震のための基礎の面積が大きくなること、屋根の面積が大きくなることも工事費用が高くなる要因になっています。
安易な平屋建築は、2階建てより高くなる可能性がありますので注意が必要です。
設計料っていくら
設計料は建築費用の10%が相場と言われています。
例えば30坪で坪単価が50万円の場合、30坪×50万円=1,500万円
設計料=1,500万円×10%=150万円
おおよその目安として設計料は建築費用の10%前後と覚えておくとよいでしょう。
解体費用
解体費用の相場について坪当たりでは
- 木造の場合は3万円くらいから4万円位
- 鉄骨の場合は4万円から5万円位
- 鉄筋コンクリート増の場合は5万円くらいから7万円位
が一般的にかかる費用です。
木造30坪で解体費用が3万円の場合は90万円かかります
鉄骨30坪で解体費用が4万円の場合は120万円かかります。
鉄筋コンクリート造30坪で解体費用が6万円の場合は180万円かかります。
その他かかる費用について
地盤調査費は調査のやり方によって変わります。
調査方法は
- スウェーデン式サウンディング試験
費用は5万円くらいから8万円くらいです - ボーリング調査
費用は20万円弱から25万円強です。
測量費用の相場は25万円から30万円前後です。
建て替えで発生する税金
家を建て替えたことにより税金が発生します。
「不動産取得税」は家を建てた時に1度だけ請求される税金です。
建物の不動産取得税の計算方法は「建物の評価額×3%」
例えば建物の評価額が3,000万円の場合は3,000万円×3%=90万円が税金になります。
「固定資産税・都市計画税」は毎年家の所有者が支払わなければならない税金で、土地と家屋を別々に計算し、その合計額が課税額となります。
そのほか、新築の建物の登記登録をすると登録免許税が掛かります。
登録免許税の計算は不動産価格×4/1000で計算ができます。
これ以外に建築請負契約をする時に印紙税がかかりります。
契約金額が1,000万円~5,000万円の間であれば印紙代は2万円です。
設備や間取りによって費用は大きく変わる
家を建てるにあたり、設備を高価な輸入品にしたり、グレードやデザイン性の高い物を取り付けたりしていくと、費用は当然かさんでいきます。
気を付けるべき点は、いざ故障した時にメンテナンスが出来るか否かです。
特に輸入物は、部品が手に入らず、全く新しいものに交換をしなければならないことが多くあります。
デザインや使い勝手が良くても、短期間で故障した時のメンテナンスが可能か否かも検討しておくとよいでしょう。
間取りにおいても広大なリビングを作るとなると、建物の耐震性と強度から、骨組み自体を
構造計算から組み立てていく場合もあります。
建て替えで知っておきたい住宅ローンについて
建て替えでも住宅ローンは組める
住宅ローンは、建て替えでも申請して融資を受けることは出来ます。
銀行では建て替えローンやリフォームローンを商品化している銀行もあります。
住宅ローンは変動金利で1.0%を下回り、金融機関によっては0.5%近くの金利設定しているところもあります。
リフォームローンは住宅ローンより若干割高な金利を設定しています。
融資を受ける際、「抵当権」を設定しますが、この時土地・建物の所有者の確認をします。
「抵当権」はローンが払えなくなった時、「抵当権」を設定した者又は、金融機関が土地や建物の財産権を得る為のものです。
融資の審査を通る為には、土地と建物の所有者が融資の申請者であることが大切です。
土地や建物の所有者の確認は法務局で土地建物登記簿謄本を取り寄せれば確認できます。
取り寄せるには費用が1,000円掛かります。
残債ローンとの組み合わせを考える
残債が新築時の住宅ローンの場合、「抵当権」を消すために、今まで払ってきた住宅ローンを完済しなければ消せません。
この場合、「買い替えローン」を使うという方法があります。
「買い替えローン」は残債がある住宅ローンと新しく物件を購入するためのローンを組み合わせることが出来るローンです。
それ以外に「ダブルローン」があります。
ただこのローンの審査はかなり厳しいものと言われています。
残債額と新たなローン金額を加算した合計額での審査となるため、年収や勤務先などを含めて厳しく審査されます。
ダブルになれば、返済もそれなりにきつくなることが予想されます。
まずは現在返済中の金融機関に相談すると他の方法を提示してもらえることもあります。
例えば、親子リレ―ローンというものがあります。
このローンは親から子にローンが引き継がれて返済を続けるものです。
金融機関に相談される場合はこのようなローンについての相談もされるとよいでしょう。
建て替えを希望していてローンの返済を子世帯が受け継ぐ意思があることを前提に相談されると金融機関は何らかの答えを出してくれるでしょう。
自己資金が多いほうが長期的な負担
住宅ローンを組むとき、融資は建築費用の8割が最大融資です。
これは、ローン返済が出来なくなった時の予防策で、抵当権が融資側に移った時、物件を売却しても融資側が損失を被らない為のものです。
融資を受ける側はローンが最大8割だと認識したうえで、最小2割の自己資金を用意しなければなりません。
建て替えを計画している場合は、新築時の住宅ローンの支払いがあり、その上で自己資金を貯めるとなると、かなり節制した生活が必要になることもあるかもしれません。
ここで考えを変えてみると、自己資金を100万円程度貯めて、建て替えのためのローンの組み直しをするという方法もあります。
5年10年我慢して自己資金を1,000万円貯めてからの建て替えローンの支払いと、100万円くらい貯めて残りをローン融資で賄う場合では、月々の支払いの大きな開きが見れないことがわかります。
更に自己資金が少なくても、100万円単位での繰り上げ返済が出来れば、少ない自己資金でも建て替え工事は有利になることがあります。
自己資金と融資を受けるタイミングについては、よく検討されてことをおすすめします。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
こここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
正確な建て替え金額を知るためには、建て替え前に「見積もり査定」を受ける必要があります。
そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!
