2023年12月14日更新

監修記事

建て替えで柱や部材を再利用できる!主な流れや注意点について

建て替えで古い部材を再利用できるのかについて

建て替え 再 利用

状態が良ければ古材も再利用できる

住宅を建て替える際、建て替え前の古い住宅に使用されていた部材の再利用については、状態が良ければ技術的に可能です。

古い部材を再利用するメリットは、愛着のある柱や床、建具などを一部でも再利用することによって、古い木材の持つ良さや味わい、思い出などの愛着を新しい家に取り込むことができることが挙げられます。

また、古い部材を活用することによって、個性や独創性の高い住宅を創造できることに加え、依頼主にとっての過去と未来が融合した、価値の高い住まいを建てることが可能です。

さらに、環境への負荷軽減や利用可能な資源の有効利用との観点からも、単純に廃棄するのではなく再利用することが社会的なニーズと合致することも重要であると言えます。

ただし、古い部材を再利用するための条件として、 品質や性能の劣化が少なく修復可能であることや、品質や性能が低い場合でも、適用可能な他の用途があることが求められます。

また、 解体作業中に有害な欠損が生じないことや、 同一の寸法や形状、また同質の部材や部品が十分確保されることも重要な要素となります。

ただし、構造部材としての再利用については、昭和40年代以降の住宅に使用された木材には住宅構成部材として再利用できるような寸法がなく、物理的に困難であることが指摘されていますので注意が必要です。

レトロな建具で雰囲気のある家になる

建て替え前の住宅に使用されていた、歴史が刻んだ色合いや風合いを活かすことができるレトロな建具を再利用することによって、新しい建材や建具だけでは出すことのできない、味わい深い雰囲気の家を建てることが可能です。

柱も再利用可能

木は、伐採後に乾燥させる工程を経て、住宅の建材などに使用されます。木材は、温度や湿度によって膨張と収縮を繰り返し、徐々に強度を高める性質があります。

古民家で使われているような柱や梁などは、多くの時間をかけて自然に乾燥させ、木の特性を生かしながら強度を高めています。さらに、年数の経過とともに木の強さは増し続けます。

例えば、樹齢100年のヒノキであれば、伐採されてから100年後に強度が最高に達するとも言われるなど、むしろ古い木材の再利用が適しているケースも存在します。

このように、一般的には柱も再利用が可能です。古い家の柱を部分的に利用して、印象的な柱や梁、床の間などにポイントとして活用すれば、新しい家への愛着もより一層増すことでしょう。

大黒柱なら、板材に生まれ変わらせることも可能です。ほぞ穴などの欠損部分が少ない5寸柱であれば、幅14cm程度で175cm程度の長さの板材としても利用できます。

板材として利用できれば、棚板や小物用の棚、テーブル、引き出し付きの小物入れなど、利用範囲も広がります。

建て替えの際既存のキッチン本体を再利用できるのか?

建て替えの際、既存のキッチン本体を再利用できるならそうしたいと考える方も多いかと思います。

結論からいえば、キッチン本体の再利用は可能です。

ただし再利用する場合、建て替え終了までキッチンの保管場所を確保しなければいけません。キッチン本体をそのまま保管するためには、かなり広いスペースが必要となるでしょう。

保管料も発生しますし、再利用するためにキッチンをクリーニングするためのお金も掛かります。キッチンを再利用することによって、余計に費用が必要となるのです。

また既存のキッチンを使うのなら、間取りやレイアウトも限られてしまいます。思い通りのキッチンを実現するのは難しいかもしれません。

そして古いキッチンを再利用するとなると、万が一故障した際の保証を受けることも不可能です。

故障してしまった時に同じ型の商品がまだ販売されているかどうか分からないというリスクもあります。

こうなると結局は一からキッチンを新しいものにする必要があるので、リフォームの費用が新たに発生してしまうでしょう。

以上の点を踏まえると、やはり家を建て替えるのなら、キッチンも再利用するより一新した方がメリットが大きいのではないでしょうか。

建て替えで部材を再利用する時の流れについて

再利用可能な部材を選ぶ

住宅の建材として使われることが多い木材は、一般的に高温で強制的に乾燥させた強制乾燥材です。短時間で強度を高めることができ、反りや表面の割れなどがなく加工しやすいことがメリットです。

一方では、強制的に乾燥することによって、木の弾力性や艶を失いやすいというデメリットもあわせ持っています。

家の建て替えの際に古い部材が再利用できるかどうかは、強度、耐久性、サイズが再利用可能かどうかを判断する必要があります。また、ひび割れや反り、歪み、経年劣化による損傷なども確認が必要です。

特に柱や梁、板材として利用したい場合、利用目的に合わせた長さ、幅、厚さのサイズが確保できるかどうか、また、天井や床などの板材として利用するのであれば、相当の量も確保できる必要があります。

再利用が可能かどうかは見た目では分からないケースが多く、無駄な手間暇をかけないように見極める必要があります。このような選定は素人目には分かりにくいので、プロの目でチェックする必要があります。

建て替え場所まで運ぶ

取り壊した家屋から選び出された再利用が可能な古い部材は、汚れ落としなど再利用するための準備や、柱や床材としてのプレカットなど、建て替え業者が作業を行う場所まで運搬します。

再利用する部材は、長期間にわたって付着した汚れを落とします。水洗いをした上で、布やワイヤーブラシでこすったり、サンダーと呼ばれる電動工具で削ったりします。薬品処理を行う場合もあります。

汚れを落とした部材は、色づけせずに油を引くだけの仕上げ方法である油引きや、紅ガラ、墨、ニカワ、柿渋などを使って好みの色を出す仕上げ方法である古色塗りなどによって仕上げを行います。

必要に応じて埋木をし、木についた傷や虫食いの穴などの補修をした上で、加工の時まで保管しておきます。

建て替える家に応じてカットする

再利用する木材は作業場に運ばれ、建て替える家に応じてカットやスライスなどの加工が行われます。

大工職人が木材の状態を観察し、生来のソリやねじれなどの木の癖を見極めながら、適材適所になるように、一本一本丁寧に手作業で柱や床材を加工します。ハンドプレカットとも呼ばれます。

梁に使われていた丸太は、重い屋根を支えるためにアーチ形状であることが一般的です。梁を再利用する場合、機械を利用するマシンプレカットでは加工が困難なため、ハンドプレカット加工が適していると言われています。

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建て替えで部材を再利用する時の注意点について

劣化している場合は再利用できない

建て替えの際に再利用したい、思い入れがあり見た目が綺麗な部材であっても、強度、耐久性、サイズの面で再利用が不可能な場合もあります。ひび割れや反り、歪み、劣化が生じている場合も再利用することは困難と言えます。

再利用が可能かどうかは、素人の見た目や外見からは分からないケースが多く、プロの目でチェックすることによって見極めることが重要です。

特に、再利用するためには、解体してみなければ部材としての良し悪しが見極めづらいことに加え、解体作業時には一つ一つの部材を確認しながら作業を行うことは非常に手間がかかる作業であることや、傷や破損が発生しやすい難点もあります。

また、古い建具などを再利用する際は、新しい家の窓やドアなどのサイズを古い建具に合わせて作ることになることや、周辺のデザインや利用する素材が限定される難しさもあることを認識しておくことが大切です。

保管場所を確保する必要がある

解体業者あるいは建設業者は、再利用する部材を保管しておく場所を所有していないことがほとんどで、解体した部材を保管しておくためのスペースも確保する必要があります。

また、保管に際しては、雨や直射日光を避け、地面や他の部材とは桟などで隙間を空け、平になるように保管します。屋根がない場合は、シートで覆う必要などもあります。

総額は新品より高額になることがある

古い部材の再利用は、技術的には可能であっても、運搬費や保管費、加工費、設備の設置費などが余分にかかるため、総額は新品を調達するよりも高額になる恐れがあります。

例えば、新品の柱であれば材料費は1本3千円程度ですが、解体から再利用の準備までを手作業で手間暇をかけて行った上で、ハンドプレカット加工までを行うとなれば、当然のことながら人件費が嵩むことになります。

また多くの場合、古い部材は新しい木材などの建材と組み合わせて使うことになります。このため、現行の標準的な寸法や重量と異なる古い部材をどう取り入れるかが、通常の家づくりとは異なります。

さらに、新しい建材の色合いや質感を合わせる選択の幅も狭まることが、コストを増やす要因ともなり得ます。

低コストで家を建てたい場合であれば、古い部材の再利用によって材料費が節約できる可能性があるものの、手間暇がかかることから人件費が嵩み、コストアップにつながる恐れがあることを認識しておく必要があります。

しかし、古い部材を利用することによって、新品では味わえないような満足感や価値が生まれることにもつながります。古い部材利用にかけた費用に対する効果との面では、単純な比較を行うことはできないとも言えます。

建て替えを依頼する際の最適な業者の選び方

建て替え 再 利用

建て替えには一定の価格はなく、業者ごとに値段が異なります。一般的にハウスメーカー、設計事務所、工務店の順に価格が低い傾向があります。いずれの業者も得意とする条件や特徴があり、業者選びは重要なポイントです。

建て替えで最適な業者を選ぶためには、ハウスメーカーや業者ごとに得意不得意な工事もあることから、建て替えに関する知識や実績が豊富で、口コミの評判も良い会社を選ぶことが大切です。

古い部材を再利用する建て替えでは、古い部材の再利用に関する知識や技術、また、実績も考慮する必要があります。その際、経験や技術に基づいた適切なアドバイスや提案が受けられれば安心です。

また、業者を選ぶ際は、複数の業者に相談して見積もりを依頼することも重要です。金額や費用の内訳を確認して、納得の上で依頼することが大切です。

業者へ相談する際に大切なことは、依頼者の要望が正確に実際の工事に反映され、予算内で実現できることです。見積書を確認して、希望通りの工事内容が予算内で実現できるかについて、比較して検討することが重要です。

このため、相談に際しては自分のイメージを的確に伝えることが大切です。一般的な工事であれば基本的な仕様が決まっているのが常ですが、古い部材を再利用する場合は個人個人でイメージも異なっているはずです。

建て替えプランの希望や予算を明確にし、使いたい部材を決めた上で、イメージを業者としっかり共有しておけば、最適なプランを提案してもらいやすくなります。

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ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

タクトホームコンサルティングサービス

亀田融

一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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