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2019年03月28日更新
注文住宅購入費用は消費税増税で変わる
注文住宅の購入価格は、消費税増税の影響をどのように受けるのでしょうか。たった2%の増加でも、高額な住宅の購入では差額も大きくなります。2019年10月に予定されている消費税増税前に、住宅購入を考える際のポイントを解説していきます。
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この記事の監修者タクトホームコンサルティングサービス亀田融
注文住宅購入のタイミングと消費税
引き渡し日と請負契約日によるリミットの違い
消費税が8%から10%に上がるのは2019年10月1日と予定されています。
その影響を考慮し、8%のうちに注文住宅を購入したい場合、引き渡し日と請負契約日とで異なるリミットになる計算です。
具体的に見ていきましょう。
引き渡し日による8%のリミット
消費税が8%のうちに住宅の引き渡しを完了するとします。
期限は2019年9月30日ですので、逆算して不動産を決めなければなりません。
契約から引き渡しまで数ヶ月かかるのが普通ですので、余裕を持って売買契約を締結し、決算などの手続きを済ませる必要があります。
請負契約日による8%のリミット
注文住宅の工事請負契約自体は、2019年3月31日がリミットです。
それまでに契約が締結されていれば、引き渡しが2019年10月以降にずれ込んでも、消費税は8%が適用される経過措置があります。
請負契約日が3月31日、4月1日以降に追加契約した場合の例
ただし、請負契約の後に契約変更や追加契約があった場合、消費税は10%が適用となります。
3月31日に請負契約をギリギリ完了できたとしても、4月1日以降に変更や追加が出るケースなどです。
余裕を持って請負契約を締結させておきましょう。
注文住宅購入費用は消費税増税で上がる
当然ですが、注文住宅の購入費用は消費税増税後に上がることになります。
引き渡しと請負契約日のリミットのみならず、他の費用にかかる消費税にも注意が必要です。
建築費以外にも影響あり
注文住宅を建てる際、建物の価格だけでなく仲介手数料や登記手数料、住宅ローンや事務手数料といったさまざまな費用に消費税がかかります。
増税後にはこれらの費用にも影響が及ぶのです。
また、引っ越し費用や新しい住宅で使う家具や家電なども新たに購入することを考えると、かなりの金額が増税の対象となります。
増税前にあらかじめ購入しておくのも有効な対策となるでしょう。
具体的なシミュレーション
具体的に金額をシミュレーションしてみましょう。
注文住宅の建物自体が、売買金額5,000万円だったとします。
消費税増税による建物自体への課税金額はそれぞれ次のとおりです。
- 5,000万円×8%=400万円
- 5,000万円×10%=500万円
したがって、消費税のみで100万円増額することになります。
次に仲介手数料の差額についてです。
仲介手数料は上限が決まっており、計算式は下記のようになります。
- (5,000万円×3%+6万円)×1.08=168.4万円
- (5,000万円×3%+6万円)×1.1=171.6万円
仲介手数料だけでも3万円以上多く支払うことになるのです。
引っ越し費用や新しい住宅に必要な費用についても同じように算出すると、このようになります。
- 150万円+消費税8%=162万円
- 150万円+消費税10%=165万円
建物に比べると少額ではありますが、引っ越しや家具などの費用で3万というと大きい額ではないでしょうか。
このように、消費税の影響は小さくないということを覚えておく必要があります。
注文住宅購入で消費税増税への経過措置
注文住宅費用の増額に打つ手はないのか、というとそうではありません。
公的な経過措置も申請が可能です。消費税増税に関して、利用できる制度について詳しくご説明していきます。
住まい給付金の増額
「住まい給付金」は、マイホームを購入する人への救済措置として設けられている制度で、消費税増税の負担を軽減させるのが目的です。
消費税8%時では最大30万円が給付されることになっていますが、10%になると最大50万円へと変更になります。
つまり、消費税増税に伴い給付額も増額される可能性が高くなるわけです。
ただ、給付額は年収によって異なり、消費税8%時は収入額が510万円以下の場合で最大30万円受け取れたのに対し、消費税10%時では、収入額も増え775万円以下の人が最大50万円給付される対象となります。
もちろん、この場合も引き渡しや請負契約日の期限が関係していますので、注意してください。
贈与税非課税枠の拡大
「贈与税非課税枠」は、住宅を購入するための資金を両親などから贈与してもらう際、かかってくる贈与税を一定の金額まで非課税にできる制度です。
期限が2021年12月31日までと決まっているので、利用したい場合は注意しましょう。
現在は最大で1,200万円までが非課税枠とされていますが、消費税が10%へ増税された後は、最大3,000万円に変更が予定されています。
今の時点で3,000万円の贈与を受ける場合、
- 3,000万円-(基礎控除110万円+非課税枠1,200万円)=1,690万円
が課税対象という計算になります。
課税額を算出すると、税率45%で
- 1,690万円×45%-(控除額265万円)=499.5万円
かなりの税額になることがわかります。
ところが、増税後だと非課税枠は3,000万円ですから、贈与全額が非課税対象となり、税額はゼロ円となるので非常に大きな差が出ます。
このように、贈与税非課税枠が拡大されると、注文住宅購入時にかかる税金を軽減できるのです。
政府は追加措置を検討中
これらの措置以外にも、政府が追加措置を検討しているというニュースもあります。
今後は、消費税増税の具体的な実施と、追加措置の決定に関する情報をしっかり追っておく必要があるでしょう。
消費税増税後の注文住宅購入費用
消費税増税が行われた後の注文住宅購入費用について、もう少し詳しくみていきましょう。
住宅ローン控除や、過去の消費税増税での駆け込み需要も参考にできます。
住宅ローン控除が利用できる
「住宅ローン控除」は、住宅取得から半年以内に入居してから以後住み続ける場合に、入居した年から10年間所得税が軽減される制度です。
入居から10年間に渡り、所得税からローン残高の1%相当額、最大で400万円までが控除されます。
これを2019年10月から2020年末までに住宅を購入した場合に限り、控除期間が3年間延長されます。
所得税、そして住民税の軽減にも役立つので、負担が軽くなるでしょう。
ただし適用となる条件が細かく決まっています。
控除を申請する年の収入が合計で3,000万円以下、住宅ローンの返済期間は10年以上、などです。
確実に利用できるよう、事前に確認しておきましょう。
駆け込み需要と反動減の可能性
実際に消費税が5%から8%へ増税された2002年は、駆け込み需要と呼ばれる現象が発生。
消費税増税による費用の増額を前に新築住宅の着工数が急激に増え、前年度比約10%もの伸びが見られました。
それに伴い、建築費用や販売価格が高騰する結果となったのです。
消費税が低いうちに、と建て始めたものの住宅を建てること自体高額になってしまいました。
その次の年には、着工数は反動減で大幅な需要減少が起こりました。
すると、住宅購入にも値引きが見られるようになったのです。
場合によっては、消費税増税後の方が安く購入できていたかもしれません。
今振り返ると、消費税増税前と後でどちらが得だったかは、結局ケースバイケースなのです。
住宅の購入額のみでなく、世の中の流れや公的制度とも消費税増税は深く関わっています。
駆け込み需要に惑わされず、情報収集とシミュレーションをしながら注文住宅を検討するのがベストと言えます。
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