2023年12月15日更新

監修記事

土地購入資金の贈与にかかる税金について解説!非課税枠を活用しましょう

土地の購入にあたっては資金援助をしてもらう場合もあるかと思います。

購入時の資金援助には非課税になる金額が決まっており、その金額を超えてしまうと税金を支払わなくてはなりません。

この記事では、土地購入資金の贈与にかかる税金について解説していきます。

贈与税とはどのようなものなのか、贈与非課税制度の条件や限度額などの詳しい内容や注意点などについてもご紹介していきます。

土地購入などに関する贈与税について詳しく知りたい方、ぜひ参考にしてください。

贈与税とは?

贈与税は、原則として個人から年間110万円を超える財産を贈与により取得した者に課せられる税金のことを言います。

その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産を合計して、その合計金額から基礎控除額の110万円を差し引いた残額に贈与税の税率をかけて計算します。

対価を支払わずに不動産などの名義を自分に変更してもらった場合、借金の免除をしてもらった場合などは「みなし贈与」とされて贈与税がかかることがあります。

土地購入資金の贈与にかかる税金

暦年課税で納税

1年間に贈与を受けた財産の合計額から基礎控除110万円を控除した残額に累進税率をかけて求める課税方式が暦年課税方式です。

贈与税額は、(贈与財産の課税価額ー110万円)×税率ー速算控除額という計算式によって求められます。

この場合の税率は「一般税率」と「特例税率」の2種類があり、贈与者と受贈者の続柄と受贈者の年齢によって税率は変動します。

父母や祖父母以外の贈与者から贈与を受けた場合や受贈者の年齢が18歳未満の場合は一般税率、直系尊属の贈与者から贈与を受け、かつ受贈者の年齢が18歳以上の場合は特例税率がそれぞれ適用されます。

相続時精算課税で納税

相続時精算課税制度は、贈与の年の1月1日時点で60歳以上の父母・祖父母などが18歳以上の子や孫に生前贈与する場合、2500万円までは特別控除を利用することで贈与税が発生しないという制度です。

2500万円を超える場合には、一律20%の税率で贈与税が課税されます。

この2500万円という制限は、1年間の金額ではなく、1人の贈与者あたりの金額です。

この方法を選ぶ場合は、贈与財産の価額が暦年課税の基礎控除額110万円以下であっても、その都度贈与税の申告をする必要があります。

なお、一度この方式を選んだ場合は暦年課税を利用することはできませんので注意しましょう。

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土地自体の贈与にかかる税金

既に所有している土地の贈与

贈与税はその土地の財産評価額に基づいて課税されます。

既に所有している土地の贈与を受ける場合は、その土地の財産評価が行われ、その金額に基づいて税額が決まってくるのです。

評価は主に「路線価方式」で行われ、価値の少ない郊外や農村部など路線価がついていない場所では倍率方式で行われます。

路線価方式の場合は、基本的に国税庁が毎年発表する路線価をベースとして決めます。

倍率方式の場合は、路線価が表示されていない土地が対象となり、固定資産税評価額に国税庁が定めた倍数をかけることで算出されます。

新しく購入した土地の贈与

新しく土地を購入してから贈与してもらう場合は、土地が評価され、その評価額が贈与額となります。

そのため、現金を贈与してもらい自分で土地を購入するよりも、購入して贈与してもらう方が節税の効果は大きいです。

現金を贈与してもらい土地を購入する場合も、条件に該当すれば非課税枠を利用することができるため、ご自身の状況と照らし合わせながら最適な選択をして贈与税の支払いを最大限に抑える工夫をしましょう。

ただし、登録免許税と不動産取得税は贈与者が購入するときと、受贈者が贈与を受けたときの両方で発生する点に注意しましょう。

土地購入資金の贈与税をやすくする方法は?

「住宅取得等資金の非課税枠」を使う

通常、1年間あたり110万円を超える生前贈与には贈与税が課税されます。

しかし、子どもが省エネ等住宅を購入するための資金援助であれば年間110万円に加えて最大1000万円まで(省エネ等住宅以外の場合は500万円まで)贈与しても贈与税が課税されないというのがこの住宅取得等資金の非課税枠です。

あくまで住宅を新たに取得するための資金援助に限定され、既存の住宅ローン返済のための資金援助などはこの特例の対象にはなりません。

また、贈与を受けた金額が非課税額の範囲内だったとしても、申告期限までに贈与税の申告をする必要がある点には注意が必要です。

「基礎控除」による毎年の非課税枠を使う

年間110万円以内であれば基礎控除によって非課税となります。

1年間で合計110万円までなら資金援助を受けても贈与税はかからず、基礎控除なので確定申告で申告する必要もありません。

注意点としては、まとまった金額を毎年110万円に分割して数年にわたり贈与を受けると定期贈与とみなされ、基礎控除として認められなくなることです。

定期贈与と認められると、毎年支払われていた110万円の総額に対して贈与税がかかるため注意しましょう。

配偶者への贈与なら「おしどり贈与」も使える

おしどり贈与とも呼ばれる贈与税の配偶者控除は、婚姻期間が20年以上の夫婦間で認められている贈与税の優遇制度です。

居住用不動産そのものや、居住用不動産を買うためのお金を夫婦間で贈与する場合、2000万円までなら贈与税はかからないという制度です。

また、これに加えて年間110万円の基礎控除も利用できるので、合計で2110万円まで贈与税はかからないということになります。

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住宅購入資金を生前贈与で非課税に

贈与税を少しでも軽くする方法のひとつに、生前贈与による基礎控除があります。

基礎控除で年間110万円以内なら非課税になる

生前贈与にも贈与税はかかりますが、年間110万円以内なら非課税になるという基礎控除があります。

つまり親から受け取った金額が一年間で合計110万円までなら贈与税はかからないという制度です。

さらに基礎控除は確定申告で申告する必要もありません。

基礎控除の落とし穴?!基礎控除として認められない場合も

年間110万円までなら基礎控除として認められるなら、まとまった金額を毎年110万円に分割して数年にわたり贈与してもらえばいいと考えたくなりますよね。

しかしこれは定期贈与とみなされて、基礎控除として認められなくなります。

定期贈与と認められると、毎年支払われていた110万円の総額に対して贈与税が課せられるので注意してください。

住宅取得等資金贈与の非課税とは?

住宅取得等資金の贈与税の特例

住宅取得等資金贈与の特例とは、両親や祖父母が直系の子供や孫に住宅購入の資金としてお金を贈与されるときに適用される制度です。

ただしこの特例を受けるためにはいくつかの条件があります。

特例を受けるための条件

受贈者の要件

住宅取得等資金贈与の特例を受けるためには、次の条件を満たしていなくてはいけません。

  • 親と子、または祖父母と孫の関係が直系尊属であること
  • 贈与を受ける受贈者が満18歳以上であること。
  • 「18歳」とあるのは、令和4年4月1日以降。令和4年3月31日以前の贈与については「20歳」となります。

  • 受贈者の年間所得が、2000万円以下(新築等をする住宅用の家屋の床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の場合は、1,000万円以下)であること。
  • 平成21年分から令和3年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがないこと(一定の場合を除きます。)。
  • 自己の配偶者、親族などの一定の特別の関係がある人から住宅用の家屋の取得をしたものではないこと、またはこれらの方との請負契約等により新築もしくは増改築等をしたものではないこと。
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること。
  • 贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること(受贈者が一時居住者であり、かつ、贈与者が外国人贈与者または非居住贈与者である場合を除きます。)。
  • 贈与を受けた時の翌年3月15日までに住宅に居住すること、または同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること。
  • 家屋の新築、取得または増改築等の要件

  • 登記簿上の住宅の床面積が40平方メートル以上で240平方メートル以下で、かつその家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住のためであること。
  • 出典:国税局ホームページより

特例が受けられる限度額はいくら?

この特例を受けられる限度額は、現行であれば一般住宅を購入するなら700万円まで、省エネ等住宅として認められた物件なら1200万円までです。

この非課税制度は、消費税が8%の住宅に適用される非課税枠で、年々この非課税対象となる金額が減っていく傾向にあります。

一方、消費税が10%に引き上げられると一般住宅なら2500万円、省エネ等住宅なら3000万円と非課税枠が大きく広がります。

しかしその非課税枠の拡充期間は2021年12月31日までとなっています。

省エネ等住宅とは?


ところで、特例枠がぐっと大きくなる省エネ等住宅とはどのような住宅を指すのでしょうか。

簡単にまとめると、断熱性に優れているか、耐震強化がされているか、または高齢者などが自立した生活ができるようにバリアフリーになっている住宅を指します。

このいずれか一つに該当していれば、省エネ等住宅として認められます。

省エネ等住宅の条件

  • 断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4以上の住宅
  • 耐震等級2以上か免震建築物の住宅
  • 高齢者等配慮対策等級3以上の住宅

これらの条件に当てはまっていることを証明するには、住宅性能証明書や建設住宅性能評価書の写しなどが必要です。

これらの証明書は国土交通省または地方整備局にて発行されますので、各役所で相談してください。

基礎控除と相続時精算課税制度との併用も可

住宅取得等資金贈与の非課税制度は、1年間で110万円までの贈与が非課税になる基礎控除と併用することができます。

さらに不幸にも資金援助をしてくれた親や祖父母が亡くなられて資産を相続することになった場合には、相続時精算課税という贈与税を選ぶことができますが、これも併用できます。

確定申告は忘れずに

これらの制度を使って贈与税を1円も払わないとしても、住宅取得等資金贈与は確定申告をしなくてはなりません。

申告をしなければ、非課税として扱われませんので、必ず申告をするようにしましょう。

申告ができる期間は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までです。

この期間に申告をしなくては申告したことになりませんので、この点にも注意が必要です。

建物引き渡しと土地購入の時期に注意

住宅取得等資金の贈与税の特例を受ける場合、贈与から移住までの期間が条件として定められています。

贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅や新築住宅を取得している必要があります。

しかし、工事の遅れ、子どもの学校や仕事の都合による引っ越しの遅れなど、様々な理由で予定どおりの入居ができない可能性も考えられます。

土地を先行して購入する際には、贈与税の特例が受けられなくなってしまわないように建物引き渡しと土地購入の時期には注意するようにしましょう。

また、翌年の3月15日までに居住開始ができなくても、入居の見込みがあると判断された場合は、最も遅くて贈与を受けた年の翌年12月31日までに居住を開始すれば特例を受けることが可能です。

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相続税精算課税とは?住宅購入資金の贈与税対策にも使える?

相続税精算課税の特別控除金額は2500万円

相続税精算課税を使うと、その年の1月1日から12月31日までに相続された合計金額のうち、特別控除とされる金額は上限2500万円です。

受贈者が受け取った時に、非課税扱いになるという税制度です。

住宅購入資金の節税にはならない相続税精算課税

この相続税精算課税のポイントは、その特別枠内の金額を受け取った時は非課税扱いになるものの、相続時には贈与額を差し戻すということにあります。

「相続税精算課税」という言葉が示すとおり、生前贈与で2500万円までの金額が受け取った時には非課税になるのですが、贈与者が亡くなられて財産を相続するときには、この非課税された贈与額を差し戻して相続税を計算します。

つまりこの相続税精算課税とは、贈与額2500万円分の贈与税を支払うタイミングが先延ばしにされ、一括で相続税として支払う制度です。

結果として相続税納税の必要がない場合もありますが、必ずしも、節税になるということではありません。

自動継続で基礎控除が使えなくなる?

また、この相続税精算課税は自動継続であることも忘れてはいけません。

自動継続とは、相続税精算課税の手続きをすると、他の税制度の控除枠分も相続税精算課税に組み込まれるということです。

特別控除額を限度まで使った後では、たとえば基礎控除である110万円分も相続時に、相続財産として加算されてしまうので、基礎控除のメリットがなくなってしまいます。

相続税精算課税の特別枠を受けられる条件と利用方法

相続税精算課税を利用するには、いくつかの条件を満たしてなくてはなりません。

その条件とは、下記のとおりです。

相続税精算課税の特別枠を受けられる条件

  • 贈与者、つまり財産を贈与する人が60歳以上で、贈与を受ける受贈者の両親か祖父母。
  • 受贈者は20歳以上の子供か孫。

相続税精算課税の利用方法

相続税精算課税を利用するかどうかは、受贈者である子供か孫が決めます。

そして確定申告のときに、相続税精算課税選択届出書を提出して手続きを行います。

また贈与者との関係を示すために戸籍謄本などの提出も求められます。

相続税精算課税の特別控除は住宅資金等資金贈与との併用も可

相続税精算課税は住宅資金等資金贈与と併用することができます。

ただし相続税精算課税を始めてしまうと自動継続の仕組みから基礎控除などが使えなくなってしまうため、選択の順番として、住宅資金等資金贈与、基礎控除、最後の手段として住宅資金等資金贈与を使うことをおすすめします。

おしどり贈与は高額贈与には有効的

正式には「配偶者への居住用不動産の贈与の特例」と言いますが、最高額2000万円までの贈与について配偶者控除が受けられます。

しかし配偶者に対する贈与税控除は1億6000万円までは無税になるため、贈与額が1億6000万円以内でおしどり贈与を使う必要はありません。

つまり、「おしどり贈与」は贈与額が多額になる場合に有意義な制度と言えるでしょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】市村千恵

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