2023年12月15日更新

監修記事

木造住宅はいつ建て替える?本当に住める期間やリフォームとの比較について

木造住宅は築30年を過ぎたら建て替えの検討を勧められることが多くなります。なぜ30年が建て替え時なのでしょうか。
この30年という年数に根拠があるのかどうかを検討しながら、建て替えとリフォームの違いや、木造住宅を長く持たせるためのメンテナンスのポイントなどを解説します。

木造住宅の建て替えのタイミング

建て替え 年数

木造住宅は30年までは嘘?

木造住宅の寿命は30年だと聞いたことはないでしょうか。

30年と言えば、20代のうちに購入した物件でも50代になったら建て替えを考える必要があるということです。

そんなに早く建て替えが必要なのかと驚きの数字ですが、本当に築後30年で建て替えをする必要があるのでしょうか。

実は、この30年という年数は、まったく根拠のない数字ではありません。

どうして木造住宅の寿命が30年と言われるのかについて解説します。

木造住宅は実際どれくらい住めるのか?

木造住宅の耐久年数は、税法上では22年だと定められています。

この22年という耐久年数は、戦後の住宅事情と影響しています。

戦災で破壊された住宅はバラックなどで建て直されたものの耐久年数が短く、徐々に建て替えられていったという歴史が背景にあります。

しかし現在の木造住宅は工材の質が上がったことから、推定される寿命は実際のところ、30年から長くて80年だと言われています。

この30年から80年という大きな開きがある理由は、その住宅の設計方法や住んでいる間のメンテナンス状況などによって、耐久年数が変わってくるからです。

木造住宅で建て替えを決断するタイミングは?

木造住宅の耐久年数は短くて30年ほどであり、実際にはそれよりも長く住むことができるので、一般的に言われているように築30年だから建て替えをしなくてはならないということはありません。

ただ、30年で建て替えたほうがいいと言われる理由もあるのです。

建て替えを考えるべきタイミングについて、築30年をキーワードに見ていきましょう。

やはり築30年は一つのタイミング

木造住宅の建て替えのタイミングとして、一般的に言われているように築30年というのも一つのタイミングです。

なぜなら木造住宅に使われている仕上げ材や設備の多くが、約30年ほどの耐久年数だからです。

そのため外観に問題点を発見したり、設備面での不備が見つかりやすくなるのが、ちょうど築30年前後の物件です。

家族構成の変化も建て替え理由のひとつ

また、日本での住居の考え方も理由の一つに考えられます。

日本では一つの住居に家族が代々住むよりも、家族の構成やその時々の住宅の作りやデザインなどに影響されて、建て替えを考える人が多いという傾向もあります。

「この家にも長く住み、子供たちも家を出て行ったことだし、そろそろ家を建て替えようか」と思い始めるのが、住み始めてから30年ごろという風潮があるのです。

耐震を強化するための建て替え

近年みられる大きな自然災害の影響により、特に住宅の耐震性が注目を集めています。

築30年以上の木造物件においては、現在の耐震基準に見合わない物件も多く、自宅の耐震性を強化するため、建て替えを考えられる方も多いようです。

耐震改修工事には補助金が下りることもあり、耐震性の強度を高めたい場合も建て替えのタイミングです。

建て替え?それともリフォーム?木造住宅ならどちらがいいのか

木造住宅の建て替えを検討されるとき、同時にリフォームを検討される方も多いかと思いますが、「建て替え」と「リフォーム」とはどのように違うのでしょうか。

それぞれの特徴を解説するとともに、それぞれのメリットとデメリットも紹介します。

建て替えとリフォームの違い

「建て替え」とは、既存の住宅の基礎部分もすべて取り壊し、新たに住宅を建てることをです。基礎からの工事となるので、耐震性を強化した新しい住まいを手に入れることができます。

ただし、建て替えには建築基準法により、建て替え予定地が幅4メートル以上、道路には2メートル以上接してなくてはならないなどいろいろな制約があります。

また不動産取得税や固定資産税などの税金も発生することも知っておく必要があります。

一方「リフォーム」とは、住宅の基礎部分は残したまま、部分的に改築や改装、修繕をすることです。

例えば、外装を変えたり、風呂場や台所回りのみの改修を行ったり、屋根などの部分的なリフォームをすることなどが挙げられます。

すでにお住いの住宅の一部の工事で済むことから、リフォームに要する工事期間や費用は、建て替えに比べると短く、さらに安くなる傾向があります。

建て替えのメリット

建て替えのメリットは、1981年に建築基準法が新しくなったことを受けて、地震対策ができる最新の耐震性のある住宅を手に入れられることでしょう。

新しい建築基準法では住宅の耐震性がより厳しく設定され直されたため、いま建て直しすればこれまで以上に地震に強い住宅を建てることができます。

建て替えにかかる費用

建て替えにかかる費用は、規模やデザインなど考慮項目が多いことから一概に相場などは出せませんが、数千万円単位の費用が必要となるでしょう。

新築工事とは違い、住宅の建設必要とは別に、解体費用やその処分費用も掛かるため、その費用は高額になります。

リフォームがおすすめなのは劣化が少ない物件

もしも築30年の木造物件とはいえ、気になる劣化を見つけられないというのであれば、リフォームを検討することもできます。

リフォームなら既存の住宅を活かしつつ部分的に改修工事をすることで、建て替えに比べれば費用も抑えることができ、リフォーム工事にかかる期間も短いというメリットがあります。

建て替えかリフォームかで迷ったらプロに聞くのがおすすめ

多くの方は限られた予算内で可能な工事内容を選定するので建て替えかリフォームかで迷うと、つい費用の安いリフォームを選びがちですが、その判断は素人には難しいものです。

そのため、住宅のプロである専門業者に相談するのがおすすめです。

専門業者なら、目に見えないような家の内部の痛みなども発見することができるため、建て替えとリフォームのどちらが適切なのかをアドバイスしてもらえるでしょう。

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木造住宅のメンテナンス方法

木造住宅を長持ちさせるメンテナンス方法とは

木造住宅に寿命はあるものの少しでも長く大切に使いたいというのならば、住宅のメンテナンスは欠かせません。

メンテナンスをしていた住宅物件は長く住めるだけでなく、将来その物件を売ろうと思った時にも売却価格が高くなります。

では、木造住宅のメンテナンスにはどういったものがあるのかを見ていきましょう。

外壁

外壁にはサイディングや漆喰などの様々な材質が使われていますが、どの外壁にしても太陽光や風雨、落雷など日常的に自然にさらされているため、築年数とともに劣化していきます。

外壁のメンテナンスに大切なことは、目視です。目で見て問題があるのかをチェックし、また日頃から清掃なども大切です。

外壁にひびが入っていたりすると雨漏りの原因にもなりますので、不具合を見つけたらすぐに専門業者に相談して、外壁の修理を行うようにします。

水回り

台所や風呂場、給水配管などの水回りのメンテナンスには、日ごろから掃除をしてきれいにしておくことが大切です。

清掃をする習慣がついていると、水漏れなどの問題を早急に発見することができ、対処もしやすくなります。

築15年もすると、配管などは設備機器は不具合を生じることも多いため、築年数が増えるごとに水回りのチェックをするようにしましょう。

内装

内装は普段の生活と直結しているため、その汚れ具合は住人の暮らし方に大きく作用されます。

喫煙しているかどうかや、ペットを飼っているかどうかでも室内の汚れ具合は大きく変わってきます。

そのメンテナンスは日頃から目立った汚れがないかどうか、壁紙であれば剥がれていないかなどをチェックします。

定期的な点検こそ住宅を長持ちさせるコツ

家は使っていれば劣化していくことは避けられません。でもメンテナンスをしっかりすることで少しでも長く使うことができます。

そこでおすすめなのが、住宅の定期点検です。理想は5年ごと、それが難しければ7年から8年に一回ほどは、プロによる家の点検をすることをおすすめします。

築5年というと、住宅の柱や床材などのゆがみが落ち着き建具や壁に影響が出ていないかをどうかチェックするのにいいタイミングです。

また壁紙などの保証が切れるのもちょうどそのころなので、シロアリなどの影響が出ていないかなどをチェックするのにも適しています。

住宅の不具合をはやめに見つけられる定期点検こそ、住宅を長持ちさせるコツだと言えるでしょう。

建て替え業者の最適な選び方

建て替え 年数

建て替えに最も大切なのが業者選び

いざ建て替えをしようと決めたら、家族の意見を反映させたデザインから資金まで、考えなくてはならないことがたくさんあります。

だからこそ大切になるのが、ご自身の希望に沿った建て替えの施行をしてくれる業者選びです。

それではどのような点に気をつけて業者を選べばいいのでしょうか。

大手志向?それとも個性派?

建て替えを施工してくれる業者は大きく分けて、「ハウスメーカー」「設計事務所」「地元の工務店」があります。

「ハウスメーカー」なら大手の安定感がありますが、全国への広告費や展示場維持などの運営費を賄うため全体的な価格が高めに設定されている傾向があります。

また個性的なデザインを求めるのならば「設計事務所」がおすすめで、「工務店」なら企業努力により高品質で低価格を実現しているなどそれぞれに特徴がありますので、ご自身のプランに合った業者を検討してみましょう。

説教力と提案力

よい業者というのは、お客様の声を聞きつつも、プロからのアドバイスとして的確説明ができる業者です。

特に家の建て替えは、素人では気づきにくいようなプロの目線で後々の住み心地が大きく左右されます。

家のデザインから機能に至るまで、一つ一つを丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。

アフターサービスのある業者を選ぼう!

家を建て替えたらそれでおしまいといはいかないのが住宅というものです。

ぜひ、最低10年は保証を付けてくれる業者を選ぶといいでしょう。

アフターフォローがしっかりある業者こそ、責任をもって建て替えを施工し、信頼のおける業者と言えることができます。

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建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

実際に建て替えをするべきなのか、リフォームをするべきなのかを検討するためには、プロに現状を相談し、「プランと費用を見比べる」必要があります。

そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!

この記事で大体の予想がついた方は次のステップへ行きましょう!

「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」

「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」

そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。

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一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】小川愛

二級建築士、宅地建物取引士。愛知県名古屋市にて高級分譲住宅設計・施工会社に勤務。土地取得からプランニング、施工、販売、お客様のお引っ越し、アフターサービスまでの、住宅に関わる全ての業務に従事。

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