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2019年06月06日更新
住宅の建て替え相場について知っておきたいことのご紹介
老朽化などで住宅を建て替える際、新築よりも費用が安く済むと思われがちですが、実はかなりの費用がかかります。この記事では、それぞれにかかる費用の詳細や、できる限り費用をおさえて建て替えるためのポイントなどについて解説します。
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この記事の監修者下久保彰二級建築設計事務所経営30年
建て替えと新築で費用の差は
まずは、建て替えと新築における費用の差について、具体的にご説明します。
費用の種類自体は新築の方が多いものの、一概に合計費用が高くなるとは限りません。
建て替え費用
住宅を建て替える場合の主な費用項目は以下の通りです。
- 解体費用
- 土地整備費用
- 新居建築費用
- 外構整備工事
既存の住宅を解体してから、土地をならし、新たな住宅を建設していきます。
建築工事中には既存外構が痛みますので規模にもよりますが整備費は必要となります。
他の土地への新築
他の土地へ住宅を新しく建てる場合の主な費用項目は次のとおりです。
- 土地代金
- 土地整備費用
- 新居建築費用
- 外構工事
新築住宅を建てるための土地を購入する必要があり、土地の代金と整備費用が必要になります。
さらに、外構工事費用も必須です。
費用の差は?
比較すると、他の土地に新築を建てる方が、土地代金と外構工事費用分高くなることがわかります。
ただし、これは一例で一概には言い切れません。
例えば、相続などで土地をすでに持っている場合は、土地購入費用が不要です。
建て替えの場合でも、今の土地の地盤改良工事を行う場合には、費用が高額になる可能性もあります。
また、新築においては外構工事を自分でDIYすることにより、費用を節約することが可能なケースもあります。
このように、費用はケースバイケースで異なるため、建て替えが常に安くで済むとは言い切れないのです。
建て替え費用の相場は
実際に建て替えを行う際の具体的な費用の相場について解説していきます。
ここでは、住居部分の建築費用のみについて比較します。
工務店に依頼する
工務店に新築住宅を依頼する場合、工事にかかる坪単価の相場は約50〜70万円ほどとなっています。
しかし、工務店と一言で言ってもさまざまなタイプがあります。建築士を抱える工務店や大工が経営するところ、フランチャイズ店などです。
ほとんどが中小規模で地域密着型なので、高評価なところも多く見られます。
実際に評判が確認できる工務店に依頼するようにしましょう。
また、各店によって特色が異なります。
例えば自然素材などこだわりがある、棟梁も含めて長い付き合いができる、などです。これらも考慮して決めると良いでしょう。
住宅の仕上がりに対する希望をある程度自由に聞き入れてくれやすいのも、工務店のメリットと言えるでしょう。
デメリットとしては、時期によっては他の住宅建設と重なり、職人が足りなくなるなどの理由から、オーダーを受けてもらえない可能性がある点でしょう。
大手ハウスメーカーに依頼する
大手ハウスメーカーに依頼する場合の坪単価の相場は、約60〜80万円ほどと工務店とあまり差はありません。
大手ハウスメーカーは会社が大規模で信頼性が高く、安心して任せられるというメリットがあります。
完全なオーダーメイドの住宅であっても、ある程度規格やパターンが決まっているため、自由度は低めになりますが、施工期間も比較的短く、効率良く完成させられるでしょう。
ただし、広告費や人件費などがかかっているため、費用はやや高めです。
また、図面作成や施工自体は下請けに任せているケースが多く、変更などの反映に時間がかかりやすい、といった難点も考えられます。
大手ハウスメーカーのセミオーダー住宅を購入する
大手ハウスメーカーによるセミオーダー住宅の場合、坪単価の相場は50万円以下と安くなります。
セミオーダーは決まった選択肢の中から選ぶだけで、簡単に住宅を決められる分、自由に設計したいという人には不向きです。
しかし、施工期間も短く済み、設計費用などを抑えて節約できる可能性も高くなります。
建て替えで必要な予算は
それでは建て替えにかかる費用について、さらに詳しくみていきます。
必要な費用や項目を把握し、予算を細かく立てられるようにしておくとよいでしょう。
必要な費用の項目
建て替えに必要となる費用は、新居建築費用だけではありません。必要な費用項目とそれぞれの相場は、次のとおりです。
新居建築工事費用(ローンを使う場合の頭金と諸費用)
先にも述べてきた新居建築の工事費用です。
施工をどの会社に依頼するか、住宅の条件や広さなどによっても異なりますが、坪単価約50〜80万円前後見ておけば十分でしょう。
また住宅ローンを利用する場合、ローンの頭金と諸経費も用意が必要です。頭金は約300〜400万円用意できれば良いとされています。
また、火災保険や地震保険に加入する際、保険料の支払いが必要です。
解体費用
今ある住宅を解体する工事費用です。相場は木造住宅で坪単価約2〜6万円、鉄骨住宅で約3〜6万円、鉄筋コンクリート造で約4〜7万円と言われています。
30坪の住宅なら木造で約40万円から、鉄骨住宅で約60万円からという計算になります。ただし、地域や住宅の状況によって単価は異なります。
土地整備費用(地盤改良費用が必要かどうか)
住宅を解体した後、土地をならし整備する必要が出てきます。
目安の費用としては解体費用の約3〜5%とされています。
ただ、もし地盤改良工事の必要が出てきた場合、別途工事費用が発生するので注意しましょう。
仮住まい家賃(6ヵ月分)
解体から新築の建築、引き渡しまで平均で6カ月かかると言われています。
その間に住む仮住まいの家賃も支払わなければなりません。敷金礼金などを含めると約50〜80万円が相場でしょう。
家賃が安い地域であれば、費用を抑えることも可能です。
仮住まいへの引っ越し費用
仮住まいの家賃とともに、引っ越し費用もかかります。
引っ越し費用の相場は、15km圏内で約6〜12万円、50km圏内だと約8〜11万円、それ以上だと約9〜15万円となっています。
荷物の量や引越し業者、引っ越し時期などによっても金額は大きく前後します。
仮住まいから新居への引っ越し費用
元の住宅から仮住まいへ引っ越した後、仮住まいから新居への引っ越し費用も当然発生します。
仮住まいからの距離によって金額は異なりますが、先に述べた金額を参照してください。
司法書士への依頼料
既存の住宅解体、そして新しく建てた住宅それぞれの登録免許など、手続きを司法書士に依頼するのが一般的です。
建物と土地を含めた登記などの手続き申請料と依頼料を合わせて、約20〜35万円が妥当だと言われています。
地鎮祭、上棟式等の儀式費用
住宅を建てる際、地鎮祭や上棟式を実施する費用も必要です。無事に工事が完了できるように行われる祭事ですが、実際に行うかどうかは完全に任意です。
それぞれ数万円が費用相場と言われています。
消費税
消費税の支払いも必須です。今後予定されている消費税増税によって、8%から10%へと変更になります。
ただ、住宅に関しては救済措置も複数用意される予定ですので、事前に利用できるかどうか調べておくことをおすすめします。
予備費
以上の費用以外にもお金がかかってくる可能性は十分にあります。
例えば、仮住まいが半年以上に長引いた場合、家賃が必要です。
また、新しい住宅に合わせて家具や家電を新調する場合、あるいは今ある家具や家電が新しい間取りに合わず収まらない、といった場合には買い替えなければなりません。数十万円は必要になるでしょう。
さらに、インターネット回線の設置にも工事費用が発生します。
このように、住宅建築費用の他にも必要な経費は多岐に渡るので、事前に想定し準備しておくことが望まれます。
節約できる費用とできない費用
節約できるものとしては、新居をローコスト住宅にすると坪単価を約10〜20万円下げることも可能です。
また、任意である地鎮祭を省略すれば、その分費用を浮かせられます。
また、ゼロ・エネルギー・ハウスの採用など長期的な節約も検討しておくべきでしょう。
その他の司法書士への依頼料や消費税に関しては節約することは難しいでしょう。
無理に節約しようとして、経費を削り施工不良やトラブルを起こすよりは、きちんと費用を支払うことで納得のいく住宅建設を行ったほうが良いでしょう。
最も重要なポイントとしては、建て替えを依頼する業者を決める際には、必ず相見積もりをお願いすることです。
複数の会社から見積もりを取り寄せて比較検討することで、それぞれの会社の施工内容や費用内訳、また担当者の対応などを比べることができるので、効率よく会社選びを進められるでしょう。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
こここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
正確な建て替え金額を知るためには、建て替え前に「見積もり査定」を受ける必要があります。
そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!
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一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!
