2019年06月28日更新

建て替えできない土地がある

実家の古い家の建て替えを考えていたり古家付きの土地を購入したい場合、まずは建て替え条件を確認する必要があります。しかし中には建て替え不可な土地もありその場合はどのような解決法があるのでしょうか。今回は建て替え不可の土地についてご紹介します。

接道義務を満たしていないと建て替えできない

建て替え できない

古い家の建て替えや古家付きの土地を購入して建て替えを行いたい場合、まずは「建て替え可能なのか」を確認しなければなりません。

すでに家が建っているからといって現行の建築基準法に適合しているとは限らないからです。

基本的に、家を建てる場合は建築基準法で決められた制約に従って建築しなければなりません。

「接道義務」も建築基準法のひとつです。

「接道義務」とは、都市計画区域内で建物を建築する場合に道幅4m以上の道路に2m以上接することを建築基準法で定めた制約のことで、地震や火災などの災害や消防車などが通れるように通路の確保を目的としています。

この「接道義務」をもとに、下記のような土地の場合は建て替えができない可能性があります。

では、建て替え不可のケースの詳細を見ていきましょう。

道路に接する面が2m以下の場合

旗竿状の土地や不整形の土地で道路に接する面が2m以下の場合、接道義務が満たされていないため、原則として建築などの許可を受ける手続き(建築確認)を受けられない可能性があります。

そのため、旗竿状の土地や不整形の土地で住宅の建て替えを考えている場合は、道路に接する面が2m以上あるかどうかの確認が必要です。

未接地や袋地の場合

次に全く道路に面していない未接地や他の土地に囲まれている袋地も接道義務が満たされていないため、原則として建築不可となります。

しかし、敷地が囲まれていても他の土地を通行する権利があるかどうかで建て替えできるケースもあります。

他の土地を通れる権利があれば接道義務に問題がないため、建て替えできる可能性があるでしょう。

ただし、接道義務は災害や火災などの緊急時の安全確保を目的としているため、囲まれている土地の中に公園や広場などが接している場合は、「建築基準法第43条但し書き」によって建て替えが可能になることもあります。

詳細は「建て替え条件を整えると建て替えできる」の項目でご紹介します。

接する道路の道幅が基準に達していない場合

一般的な四角形の土地であれば接道義務が問題になることは少ないのですが、道路に面していても気をつけなければならないことがあります。

道路に面していて見た目は道路であっても、その道路が建築基準法で認められていなければ接道義務を満たしていない可能性があり、建て替えができない場合があります。

また、土地に接する道路は道幅が4m以上であることが原則ですが、道路の道幅が4m以内の場合は接道義務を満たしていないことになるため建て替えができない可能性があり、建て替えする場合は対策を行わなければなりません。

建て替え条件を整えると建て替えできる

建築基準法の接道義務を満たしていないために建て替えができない土地があることをご説明しましたが、原則建て替えが不可な土地でも条件を調整することで建て替えできる可能性があります。

その建て替え可能になる「条件」とはどのようなことがあるのでしょうか。

接道面が短くとも「43条但し書き通路の許可」を得ることで建て替え可能

他の土地に囲まれた土地や袋地の場合、「43条但し書き通路の許可」を得ることで建て替えることが可能になります。

「43条但し書き通路」とは、建築基準法上道路以外の種別に区分され「建築審査会」の許可を得られた道路のことを言います。

建築基準法で認められている道路と違い、原則として建て替えや増改築することはできませんが、建築する際に「建築審査会」の許可を得ることで「建て替えが認められる道路」となります。

建築審査会へ申請すれば建築基準法で認められていない道路の全てが認められるというわけではないため、建築審査会に申請しなければ結果はわかりません。

また、一度建築審査会の許可を得られればその先も建て替えできる訳ではなく、建て替えや増築するたびに建築審査会へ許可を得る必要があります。

接道する道幅が狭くとも「セットバック」によって建て替え可能

接道する道幅が4m以内だと原則として建て替えができませんが、接道する道幅が狭い土地の全てが建て替え不可ということではありません。

特に昔からある土地の場合、接している道路の道幅が4m以内というケースは少なくありません。

このような道路のことを「42条2項道路」または「みなし道路」と言います。

「42条2項道路」に接道していて建て替えを行いたい場合、建て替えする際に道路の中心線から2mの位置まで後退して家を建てます。これを「敷地のセットバック」と言います。

敷地のセットバックを行うことで、将来道路を広げる工事があっても家が邪魔になることはありません。

また、片側が土手や川になっていて道路が広げられない場合、土手や川側の道路境界線から4mのセットバックを行う必要があります。

敷地のセットバックによって建て替えは可能になりますが、当然敷地は現在の面積よりも狭くなります。

そのため、もともと狭い土地の場合は特に注意が必要です。

すでに所有している土地ではなくこれからセットバックが必要な土地を購入する場合は、敷地が狭くなることを念頭に購入を考えましょう。

建て替え以外の選択肢もある

建て替え できない

建て替えができない土地を所有している場合、どのような対策法があるのでしょうか。

具体的な対策法をご紹介します。

フルリノベーションを行う

接道義務を満たしていないために建て替え不可になってしまった場合、「建築確認」を必要としないリノベーションやリフォームであれば行うことができます。

「建築確認」を必要としないリノベーションとは、増築(増床)を行わないことです。

例えば既存の家を2階から3階に増やしたり、部屋を増やすと「増築」となり建築確認が必要なため行うことはできません。

また、準防火地域や防火地域以外で10㎡未満の増築を行う場合には建築確認申請は必要ありませんが、その場合でも増築することはできないので注意が必要です。

しかし、柱や基礎はそのままで他の古い建材を撤去する「スケルトンリフォーム」は増築や建て替えとならないため行うことができます。

隣家に買い取ってもらう

もうひとつの方法が隣の人に声をかけてみることです。隣の土地を購入することで自分の敷地が広くなるため、隣の土地を購入したい人は少なくないようです。

再建築不可の土地を相続してしまったり、もうその土地に住むことがなく売りに出したいと思っている場合は、最初に隣人に声を

建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

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一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

この記事の監修者プロフィール

【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

タクトホームコンサルティングサービス

亀田融

一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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