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2019年10月02日更新
1000万円以下のローコスト住宅を建てる際のポイントは?
家を建てたいと思っても建設費が高額ゆえになかなか計画できない方も多いのではないでしょうか。近年、1,000万円以下で家を建てることのできるローコスト住宅も多く販売されるようになりました。ローコスト住宅とはどのようなものなのか、詳しくご説明していきます。
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この記事の監修者タクトホームコンサルティングサービス亀田融
目次
1000万円以下のローコスト住宅とは?
無駄な建設費用を省くことで価格を抑えた住宅
ローコスト住宅とはできるだけ無駄なコストを取り除き、建設費用を安く抑えた住宅のことを言います。
建物本体に関する建材や設備などのコストカットのみならず、販売に至るコストカットや人件費の削減も行うことにより低価格を実現しているようです。
例えば、建設に使用する建材をできるだけ安いものにしたり、内装に使う壁紙や水回りの設備を安いものにするというのが建物本体に対するコストカットです。
販売に至るコストカットとしては、広告費の削減や住宅展示場などへの出店費の削減が挙げられます。
人件費は建設現場の人員のみならず、ハウスメーカーの社員の人員の削減によってもローコストを実現しているのです。
無駄な費用を抑えているため機能性や品質には問題がない
建物自体の建材や水回りの設備のコストカットをしている、と言っても機能性や品質に問題があるわけではありません。
必要以上に豪華な設備にしたり、備品を使用していないということになります。
また、後述しますが、人件費や広告費を削減していることもローコストを実現している要因になります。
そのため、ローコスト住宅だから機能性や品質が劣る、と心配する必要はありません。
生活する上で必要最低限の設備は整っていますし、安全面でも安心して暮らすことができます。
ローコスト住宅の平均坪単価
坪単価とは家を建てた費用を住宅の総床面積で割った金額のことをさします。
坪単価を見ることで、その建物の建設にかかった費用が比較的高いのか、それとも低いのかを比較する指標になります。
通常の住宅の場合、坪単価はだいたい60万〜80万円と言われていますが、ローコスト住宅の場合、坪単価はだいたい30万~50万円が多いようです。
このように通常の住宅と比較するとローコスト住宅はかなり建設費が抑えられていることがわかっていただけると思います。
1000万円以下のローコスト住宅を提供するメーカーのコストカット方法の例
上で述べたとおり、ローコスト住宅は単純に品質の悪いものを使って建設費を抑えているわけではありません。
ではどのようにしてコストを削減しているのでしょうか。
人件費を削減している
1つは人件費です。
例えば工場でまとめて木材をカットして建設現場に運べば、現地で木材をカットする必要がないため、大工などの人員を削減することができます。
ハウスメーカーによっては木材の組み立ても工場でできるだけ行って、現地の人員を削減しているところもあります。
また、インターネットで主な業務をすることで会社の人員を削減している場合もあります。
広告費を削減している
大掛かりな広告をせずに商品を売ればその分コストが削減されます。
テレビなどの広告媒体を使わず、インターネットでのみ広告を出して広告費を削減している会社もあります。
利益率を下げている
通常の家屋の建設費用に対する利益率と比較して、ローコスト住宅の場合、各社ともにかなり利益率を下げているようです。
利益率を下げればその分、費用は安くなるというわけです。
これはギリギリまで利益率を下げて、多くのお客様に購入してもらう、という狙いがあるからでしょう。
住宅展示場の出店費を削減している
多くのハウスメーカーは自社の代表的な住宅スタイルを住宅展示場に出店し、お客様に広くその内容を知ってもらう努力をしています。
しかし、これには出店費がかかります。
そしてこの費用が住宅の建設費に上乗せされているわけです。
そこで、ローコスト住宅の場合は住宅展示場に出店をせず、その分の費用を削減することでローコストを実現しています。
フランチャイズシステムを設けている
ローコスト住宅を扱っている会社の中にはフランチャイズシステムを設けている場合もあり、これがコストの削減につながっています。
なぜなら、フランチャイズの場合、各加盟店は加盟料を払う代わりに、本部からの指導により、技術は一定の水準を保ちながら資材も本部による一括調達を行うことで、かなりコストを抑えることができるからです。
しかも、会社名のブランド力もあるので無名の工務店よりも大きな宣伝をせずとも認知度が高いというメリットがあります。
インターネットを利用してプランのシミュレーションができるサービスを提供している
通常は家を建てたいと思ったら業者に出向いて直接、設計士と設計プランを相談したり、逆に担当社員がお客様の家に出向いてプランを考えたりする方法が取られます。
しかし、この作業をある程度までインターネットで行えるようにすることで、コストをカットしている場合もあります。
この方法だと、家を建てたい人にとっては家でじっくり考えることができるというメリットもあります。
住宅建設に必要な資材を一括仕入れしている
大手のハウスメーカーなどは建設に必要な資材を一括で仕入れすることによってコストを削減している場合があります。
また、人件費の項目で触れたとおり、資材を仕入れする段階でカットしてある程度の組み立てまで行うことで、コストを削減している会社もあります。
一括で仕入れているため、資材の種類は限定されていることも多く、プランの変更などは効かないこともあります。
施工効率を上げ短納期で住宅を完成させている
前述のとおり、すでにカットされた資材を工場である程度まで組み立てるなどして現地での手間を極力削除することによって住宅を完成させ、コストをカットしている方法もあります。
これは人件費の削減にもつながります。
間取りやプランを限定し選択制にしている
資材を一括で仕入れることによってコストをカットしているのと同時に、間取りやプランを限定してコストがかからないようにしている場合もあります。
逆にオプションを色々つけているうちに、最初はローコスト住宅のつもりだったのに、結果的に建設費用がかかってしまう、ということもあり得るので、注意が必要です。
1,000万円以下のローコスト住宅を建てる際のポイント
地域密着型の住宅メーカーや工務店を選ぶ
一般的に大手ハウスメーカーより地域密着型の住宅メーカーや工務店の方が利益率は低く設定されています。
なぜなら、大手のハウスメーカーは広告費にかなりお金をかけており、その分の費用が建築費に上乗せされているからです。
また営業と実際の設計の社員が別であるなど、人件費もかかっています。
逆に地域密着型の会社はそれほど広告費にお金がかかっていませんし、営業と設計をする人が同じ場合なども多く見られます。
そのため、ローコスト住宅を建てようと考えている場合は地域密着型の住宅メーカーや工務店を選ぶといいでしょう。
大手ハウスメーカーに比べて、安い金額で品質のよい住宅を手に入れることができるかもしれません。
平屋にする
広い面積を必要とする場合には2階建ての方がコストはかかりません。
なぜなら同じ床面積で平屋と2階建ての場合、平屋の方が基礎部分と屋根部分の面積が2階建てに比べて2倍くらいの広さになり、その分、コストがかかるからです。
しかし、ローコスト住宅を建てようと思ったら、そもそもそんなに床面積が必要かどうかを考える必要があるでしょう。
もし、平屋で十分な広さなのであれば、コストは抑えやすくなります。
なぜなら、2階建て以上の家と違い、建築時に足場の設置が大掛かりではなくなり、その分費用が安く抑えられますし、トイレなどの水回りの設備も1か所で済むため、費用がかからないからです。
例えば、2階建て以上の家でトイレのグレードをアップしようとすると各階にあるトイレが対象になってしまい、その都度価格が上がるためコストを抑えることが難しくなりがちです。
しかし、平屋の場合は各設備が1つで済むことが多く、たとえオプションを付けても2階建て以上の家と比較すると費用はかかりにくい傾向があります。
メーカーに最終的な価格を1,000万円以下にしたい旨を伝えておく
ローコスト住宅は基本設計の段階で費用が抑えられています。
しかし、オプションで色々な設備を付けたり、部屋数を増やしたりすると途端に金額が増えてしまうという特徴があります。
間取りや設備を考えるとき、ついつい便利でハイスペックな方を選んでしまうと思いますが、積もり積もってかなりの費用がかかってしまうことにつながるのです。
これではローコスト住宅ではなく、通常の建築費用がかかる家屋と同じです。
そのため、最終的に建設費を1,000万円以下にしたい、という希望を先にメーカーに伝えておきましょう。
そうすることで、その金額を超えそうになった段階で、アドバイスしてもらえるからです。
また、どこをどのように工夫すれば1,000万円を超えずに建築できるのかをアドバイスしてもらうのもいいでしょう。
自分なりのこだわりがあれば、それも先に伝えておくと実際に設計を計画していくときに、アドバイスをもらいやすくなるのでオススメです。
間取りを工夫する
壁や扉が多いとその分、そこに使われる建材や建具が増えるために費用がかかります。
ですから、同じ広さの家でも部屋数が少なければ費用は抑えられますし、部屋数が多くなるとその分、お金もかかってくるのです。
そのため、できるだけ空間を広くとるような間取りにするとコストを抑えられるでしょう。
また、家族の人数が多い場合などでどうしても部屋数が欲しいときには、ロールスクリーンやパーテーションなどで部屋を区切るなどの工夫をすることでそれぞれのプライベートスペースを生み出すことができます。
また、1階部分と2階部分の部屋の間取りを同じにすることもコストダウンにつながります。
なぜなら、一続きの壁にすることができ、建材の数が少なくて済むからです。
必要最低限の部屋数にする
ローコスト住宅の場合、内装についても決まっていることが多いのですが、オプションなどで部屋の数などを増やしたい場合もあるでしょう。
しかし、一つ部屋を増やすことで必要になる建材や壁紙、それにドアなどをはじめとした建具や窓のサッシのコストは意外とかかります。
そのため部屋数を増やしてしまうことで費用がかさんでしまうことがあるのです。
ローコスト住宅を建てるためには、必要最低限の部屋数にすることがポイントのひとつになります。
また、家全体をできるだけ凹凸のない形にすることもポイントになります。
四角形に近い形にすると部屋の角の部分が少なくなり、内装工事の手間がかからなくなるので、コストの削減につながります。
洋風住宅の場合は洋室で統一する
洋風住宅に和室を設けようとするとかなり費用がかかります。
というのも、和室に使われる鴨居や障子、ふすまなどの建具には材料費がかかり、加えて手間もかかるからです。
そのため、洋風住宅の場合はできるだけ洋室で統一するとコストを抑えることができるのです。
しかし、どうしても畳の部屋が欲しいという場合には、洋風の部屋のしつらえにして、床だけ畳にしたり、障子の代わりにカーテンやブラインドなどで対応すると比較的コストを抑えることができます。
畳の部屋が欲しい場合、どのようにしたらコストが抑えられるのかを工務店に相談してみるのもいいでしょう。
1,000万円以下のローコスト住宅を建てる場合の注意点
安すぎる坪単価のメーカーに注意する
前述のとおり、住宅の建築費は坪単価で評価することが多いのですが、破格に安いメーカーがあり、それを目玉にしている場合があります。
もちろん、本当にそれだけ安いのならいいのですが、実際はとても使えないような低品質の設備が設定されていて、結局はその設備の上位機種を選ぶようになっていて、そのオプション価格が高いということもあります。
そうすると、結果的には他の会社より、費用がかかってしまった、ということもあり得ます。
ローコスト住宅の坪単価はだいたい30万~50万円が相場と言われています。
この数値を参考にしてメーカー選びをするといいでしょう。
ランニングコストが高くならないよう注意する
ローコスト住宅の場合、断熱材を安価なものにしている場合があります。
この場合、家の内部が外気に影響を受けやすくなっている可能性があります。
すると、冬は寒く夏は暑いため、空調を使う時間が長くなって光熱費が高くなってしまいます。
せっかくローコスト住宅を建てても、その後の光熱費が高くなってしまっては長い目で見て支出が多くなることにつながりかねません。
その会社がどのような断熱材を使おうとしているのか、設計前に必ず確認するようにしましょう。
手抜き工事でコストカットする悪徳業者に注意する
ローコスト住宅を建てるときに一番心配なのが、手抜き工事をされることではないでしょうか。
やはり、ローコストであるということにはどこかにコストを削減している部分があるわけです。
例えば若い職人ばかりで熟練の職人が現場にいなかったり、工事のスピードがやたら速いなどの場合があります。
業者と契約を結ぶ前になぜ、その会社がコストをカットできているのかという点をまずは確認する必要があります。
そして、建築中に度々足を運ぶことで現場の人たちに緊張感を持ってもらうことも必要になってくるでしょう。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
こここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
正確な建て替え金額を知るためには、建て替え前に「見積もり査定」を受ける必要があります。
そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
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一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!
