2023年11月28日更新

監修記事

【外壁編】ローコスト住宅で後悔しない外壁の選び方について

外壁にもお金をかけるべきか

ローコスト 住宅 外壁

外壁の施工方法にはセメントに砂を混ぜたモルタル塗りやタイルなどを貼る湿式とサイディングやガルバリウムなどを貼る乾式の2種類があります。

湿式の外壁には通気性や透湿性に優れた材料を使用し、通気性を確保するので、建物の内外の温度差を抑える利点があります。

乾式は雨風や太陽光に強く防水耐候力があります。

外壁には家を守る役割がある

外壁は家の美観に大きく関わるのはもちろんですが、雨や風の侵入を防ぐ、プライバシーの確保、内外部の音の遮断、建物の劣化防止、外気温を遮る遮熱などさまざまな役割があります。

地震が多い日本では、地震で外壁材が剥落しないことも重要なポイントと言えます。

外壁において重要なことは、壊れないまたは壊れにくいことでなければいけません。

経年劣化や雨漏りによって簡単に剥落しては、外壁材として心もとないでしょう。

ローコスト住宅も機能的な外壁を選んだほうがいい

ローコスト住宅の外壁の検討では、できればメンテナンスフリーで、塗り替えをしないものが良いと考えるでしょう。

タイル貼りは理想に近いタイプですが、建物の外部に荷重がかかり、負担となってしまいます。

また、タイル貼り施工は手間と材料が掛かり費用も高めになってしまいます。

やはり費用を掛けたくないとなると、金属系サイディングを採用しながらおしゃれな外観を装うことが賢明かもしれません。

粗悪な外壁はメンテナンス費用が上がる

サイディングなどの外壁材は、工場で生産され、検品後出荷されるので品質に大きな差が出ることはありません。

しかし、積み込み方や搬入時、現場での取り扱い方などで、知らないうちにひびが入ることはあります。

また、職人の技術が低レベルだと、数年後に外れるなど不具合が出ることが稀に起きます。

モルタルの様な塗り壁の場合は、水の配分を間違えるとひび割れが出やすいこともあります。

製品の質が低くても、腕の良い職人が施工すれば問題が起きにくいことでも、スキルの低い職人がいい加減な施工をすれば、製品が高品質でも不具合が起きるのです。

外壁のメンテナンスは、きちんと行うことが建物の寿命を延ばします。

サイディングのメンテナンスなら7年から10年以内が理想です。

モルタルに塗装をされている家は、10年以内が理想ですが、塗料の材質により塗り替え時期は変わります。

低品質なら10年目では遅いですが、耐候性に優れている塗料であれば15年目で塗り替えという事もあります。

【外壁編】ローコスト住宅でありがちな後悔や失敗

建物の外壁は、雨や風、紫外線などによりどうしても日々劣化してしまうことは避けられません。

外壁の経年劣化が早い

窯業系サイディングは防水性能が低いため、塗装で防水をしています。

しかしジョイント部のコーキングは、早ければ1か月目から水分が抜けて痩せてきますので、やがて細い隙間(ひび割れ)が出来てきます。

内部は防水紙が貼ってあるので建物内部に雨水が浸入する割合は低いのですが、サイディングの裏面を回った雨水をサイディングが吸ってしまうと反ることがあります。

一度反ったサイディングは元に戻りませんので、7年から10年目ぐらいを目安に、早めにメンテナンスをに行う事をお勧めします。

外壁をモルタル塗りで塗装されている場合は、手のひらで外壁を軽くこすり、手のひらが白くなるようでしたら、そろそろ塗り替えを考える時期に入っています。

モルタルは表面の塗装で防水処理をしているので、塗料の防水性能がなくなると、外壁自体が雨水を吸ってしまいます。

また、モルタルはひび割れが出やすいく、外観が悪くなります。

塗り替え時期にひび割れ部分を修正して塗装されると目立たなくなります。

耐候性に優れている塗料を塗っている場合は10年から15年目くらいが塗り替え時期になります。

安いペンキを使われていると5年くらいで塗り替えをしなければならないこともあります。

断熱性が低くランニングコストが上がってしまう

ローコスト住宅が敬遠されがちな理由の一つが、断熱性と気密性がよくないことです。

一般的にローコスト住宅の断熱材は安価なグラスウールの断熱材が多く使われます。

このグラスウール断熱材の欠点は、湿気対策と気密施工を十分しておかないと、壁内部で結露を起こし、カビの発生原因となったり、断熱性能が落ちてしまい、暖房冷房を十分果たさない危険性があることです。

更に、ローコスト住宅で用いられる換気システムは、熱交換型でない場合があり、室温をそのまま外部に排出し、外部の気温をそのまま室内に取り込むので、冷房暖房費に負担が掛かる事が起きます。

これを避けるためには、熱交換型の換気システムを採用しなければなりません。

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ローコスト住宅でおすすめの外壁について

ローコスト 住宅 外壁

ローコスト住宅で用いられる外壁材は、サイディングやガルバリウムが多いようです。

それ以外にはタイル貼りや漆喰、モルタル等の塗り壁があります。

外壁の主な種類について

サイディングには窯業系サイディングと金属系サイディングがあります。

窯業系サイディングはセメントと繊維質、無機物を混ぜて、石調やタイル調にデザインしたものを言います。

耐震耐火に優れていますが、継ぎ目にコーキング材を流し込むため、10年前後が過ぎた頃に既存のコーキング材を剥がし、新たにコーキングに打ち直しをして雨漏れが起きないようにしなければなりません。

また、経年劣化でひびが入りやすいという欠点があり、耐震性が低下することがあります。

金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板樋などの比較的軽い材料で作られているものです。

軽い外壁材ということは、住宅にかかる重量の負荷が軽減されるメリットがあります。

スタイリッシュなデザインのものが多く、おしゃれな外観を作ってくれるとともに、断熱性や防水性に優れています。

寒い地域では、外壁の凍結防止効果も期待でき断熱効果もあります。

欠点は、錆が出やすいため比較的早い年数の内に塗り替え工事が必要になることです。

上記2つのサイディング以外にウッドサイディングがあります。

天然木を採用した自然の風合いを感じさせるサイディングです。

都市計画で定められた防火地域では使用できないことや敷地からの距離など制約は多いですが、断熱効果に期待が出来、人間にとって最適な温度を保持してくれるメリットがあります。

欠点は自然材を使用しているため、年数や雨風、紫外線などで木が反ったり割れたりしてしまうことです。

メンテナンスは金属系サイディング以上に手間と費用が掛かるでしょう。

タイルは外壁に貼ってしまえばほとんどメンテナンスが必要がないものですが、接着剤として裏に塗り込んだセメントが痩せてくると、剥がれて落下します。

落ちたタイルが割れずに再利用できるなら貼りなおせますが、製造中止の場合は似たものを貼るしかありません。

漆喰はお城の外壁材として使われた歴史があり、日本ではなじみ深いのものです。

時間の経過に伴い堅くなっていく傾向があります。

但し、排気ガスや空気中の汚れが付きやすく、落としにくい欠点があります。

モルタルも日本の家屋ではよく使われる外壁材ですが、ひび割れが入りやすく、外観を著しく損なう欠点があり、塗装工事を必要とします。

ローコスト住宅でおすすめの外壁について

ローコスト住宅を施工する建築会社が外壁材を勧めるとしたら、サイディング材になるでしょう。

非常に多くの新築で使われる外壁材で、品質もある程度一定で安価なためです。

また施工もさほど難しくはないので、塗り壁のような乾燥のための日数が必要なく、施工日数もオーバーすることは少ないでしょう。

デザインもレンガ調や長い正方形等多数あり、色調も豊富です。

サイディング材に板材を合わせてカントリー風にされる方もいるようです。

耐久性の高い外壁は長い目で見るとコストダウンになる

耐久性の高い外壁材がコストダウンになるというよりは、ランニングコストの負担が軽減されると考えるのが普通です。

ランニングコストの負担を抑えるためには、メンテナンス時期を外さないことが肝要になります。

メンテナンスをおろそかにすると、既存の外壁材撤去、新しい外壁工事をしなければならないことも起きる可能性があります。

それぞれの外壁材の耐久性を比較してみると

  • 窯業系サイディングは約40年
  • 金属系サイディングは約40年
  • 塗り壁は約30年
  • タイルは約40年
  • サイディング材の一種のALCは約60年

と言われています。

しかしこの条件を維持するためには、それぞれのメンテナンス時期をきちんと守っていることが条件になります。

窯業系サイディングや金属系サイディングは10年以内にジョイント部のコーキングの打ち直しをしなければなりません。

更に金属系サイディングは、錆を発生させないために塗装工事もする必要があります。

窯業系サイディングでも塗装することで外壁部が新築の時のような感じに戻ることがあります。

塗り壁は10年に一度の塗り替え工事が必要です。

ALCは耐候性の優れたアクリルリシン系の複層ウレタン塗装を施すことで塗り替え時期が15年に伸びます。

しかし価格は高額になりますので、よく検討してください。

タイル貼りはメンテナンスは必要ありませんが、こちらも高額となります。

建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

注文住宅の設計プランや費用は、施工店によって大きく異なることがあります。

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一生のうちに注文住宅を建てる機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】小川愛

二級建築士、宅地建物取引士。愛知県名古屋市にて高級分譲住宅設計・施工会社に勤務。土地取得からプランニング、施工、販売、お客様のお引っ越し、アフターサービスまでの、住宅に関わる全ての業務に従事。

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