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2021年02月22日更新

ローコスト住宅を建てる場合の問題点や注意点を解説!

ローコスト住宅の性能上の問題点

ローコスト 住宅 問題 点

ローコスト住宅とは、建設費を抑えた住宅で一般的に1,000万円前後の住宅をさします。

坪単価は約30万~60万円が目安です。大手住宅メーカーの坪単価が約80~90万円と考えると、低価格で建設が可能であることがわかります。

ローコスト住宅は、材料調達や工法の工夫、経費などを削減することで低価格を実現しています。

しかし、ローコスト住宅の中には価格をおさえることで、居住空間の質を落としている場合があるので注意が必要です。

この章では、居室の環境を左右する住宅性能に注目して、ローコスト住宅の問題点を解説します。

断熱材「グラスウール」の問題点

断熱材は、エアコンなどによって暖められたり冷やされたりした空気を外に放出することを防ぎ、外部気温の影響を室内に受けにくくするための重要な材料です。

断熱材がきちんと入っていないと、エアコンをフルに稼働させても寒かったり暑かったりして不快ですし、光熱費も高くなってしまいます。

ローコスト住宅でも断熱材が入っていないということはありませんが、断熱材の種類と施工方法が問題です。

ローコスト住宅では、価格の安い断熱材「グラスウール」が使われるのが一般的です。

「グラスウール」とは、ガラス繊維の中の空気層を利用して断熱するものです。グラスウールは安くて高い断熱性能が望める材料ですが、湿気に弱いという弱点があります。

そのため施工方法によっては、断熱の効果が発揮できないばかりかカビの原因になり健康被害に結びつく可能性があります。

グラスウールの空気の中に湿気が入ると、湿気を排出できません。

つまり一度グラスウールが湿ってしまうと、壁の中がいつも濡れた状態になってしまいます。

その結果、グラスウールに接した木材が腐ったり、カビが発生したりする状態になります。これはつまり、建物の寿命が短くなり、体に悪い環境を作り出すということになるのです。

この状況を防ぐためには、グラスウール内に湿気が入らない施工が必要になります。

たとえば、湿気を遮断する袋に入ったグラスウールを使用するという方法です。

この場合は、壁内にあわせてグラスウールをカットするときに、切り口から湿気が入らないように切り口をふさぐ丁寧な施工が必要です。

また、壁内の柱などの間にグラスウールが隙間なくきっちり入っていないと断熱効果が望めないので、職人の施工技術も大切になります。

ローコスト住宅の中には、断熱材が入っているもののスカスカで隙間がある場合や、湿気対策をしない業者もあるため、注意が必要です。

「第3種機械換気」の問題点

住宅の中で人が生活をすると空気は汚れていきます。そのため、新鮮な新しい空気を外から取り入れて汚れた空気や湿気を排出する必要があります。

昔の日本家屋では隙間から自然に空気が入れ替わったり、窓を開けたりすることで換気を行っていました。

現在は、住宅の気密性が上がっているせいで自然に換気ができないため、計画的に機械で換気をします。この機械換気には種類があり、ローコスト住宅では「第3種機械換気」の採用が一般的です。

「第3種機械換気」とは、汚れた空気を外に出す換気扇を設け、ガラリなどの給気口から新鮮な空気を取り入れる方法です。

第3種機械換気はファンなどの機械も排出部分だけで、配管の必要がないため価格も安くすみます。

しかし、空調された空気を室内から出してしまい、外気を吸い込むので、外の気温や湿気の影響を強く受けてしまいます。

たとえば冬であれば、暖められた空気が換気扇により外に排出され、給気口からは外の冷たい空気が入ってくるため、エアコンをつけていても冷たい風を感じる原因であることが考えられます。

雨の日であれば、湿気を含んだ空気が入ってきてしまうでしょう。

ほかにも、気密性が低い住宅の場合には、あちこちの隙間から給気されてしまい計画的な換気ができず、空気がよどんだ場所ができてしまうこともあります。

近年では給排気をともに機械換気を行う「第1種機械換気」を採用して、さらに熱交換により給気と排気の温度を調整するという方法がとられることが増えてきました。

「第1種機械換気」であれば、快適な室内環境が実現でき、電気代などの光熱費をおさえることができます。

ただし、機器が増えるぶん配管が必要となり価格も高くなるため、ローコスト住宅では設置されることはまずありません。

接着剤「VOC」濃度の問題点

「VOC」(揮発性有機化合物)は、建材の接着剤やビニール壁紙などの溶剤に含まれる物質です。

このVOCが体内に入ると、吐き気が起こり目がチカチカしたり、アレルギー反応が表れたりします。

先述の換気にもつながることですが、VOCの濃度のガイドラインが設けられており、建築基準法で換気が必要とされています。

室内のVOC濃度を減らすため、JIS規格などで基準が作られています。

この基準が、家具や建材につけられるFマークで、VOCやホルムアルデヒドの放散量を示し最も放散量が少ないのが、F☆☆☆☆(フォースター)の認定を受けたものです。

大手ハウスメーカーや健康住宅をうたう住宅メーカーでは、F☆☆☆☆取得建材を中心に使用しています。

そのため、比較的安心して新築住宅に入居できます。

ローコスト住宅で使われる建材には安価なものが選ばれるため、F☆☆程度が利用されることが多く、室内のVCC濃度が高くなってしまう可能性があります。

耐久性が低く住宅寿命が短い

ローコスト住宅であっても一般的な住宅であっても、住宅にはメンテナンスが必要です。

しかし、ローコスト住宅では安価な材料を使用するため、メンテナンスの時期が早まる可能性があります。

例えば外壁の塗装で比較すると、ローコスト住宅で使われる吹付塗装に比べると、光触媒などできれいさを保てる塗装の方がメンテナンスまでの期間が長いといわれています。

また、安価な壁紙だったために、黄ばみが早く出てしまったこともあるようです。

ローコスト住宅は欠陥住宅ではないので、建物が早く倒壊するということはありません。建築基準法もクリアしており耐震性もあります。

しかし前述のように、断熱材の施工品質によって、壁内の構造体である柱が腐ってしまえば建物の寿命が短くなります。

ローコスト住宅は人件費を節約して成り立つところもあるため、施工品質の確認が重要になります。一般的な住宅に比べて、さまざまな意味で建て替え時期が早くやってくる可能性があるでしょう。

建築資材のグレードが低い

使う建材は、家の価格を下げるために材料費を抑えているので、グレードが低くなります。屋根の素材や外壁の仕上げなど、どれも最低限のグレードとなるでしょう。

建築資材の中でも、構造に関するものや室内環境に影響するもののチェックはしておいた方がよいでしょう。

ユニットのグレードが低い

建築資材だけでなく、設備機器もグレードが低くなります。

ユニットバスやキッチン、洗面化粧台、トイレなどの設備機器は、機能もシンプルな低いグレードのものになるでしょう。

ただし、グレードは低くてもほとんどの場合はメーカー商品です。使用するにあたって問題はありませんので、強いこだわりがなければクリアできるでしょう。

一般的な住宅に比べて選択肢が少ない

ローコスト住宅のデメリットとして、一般的な住宅と比べて選択肢が少ないということも挙げられます。

建設費を抑えるには、各ハウスメーカーで用意されている中でも標準仕様といわれるものを選ばなければなりません。

しかし標準仕様といわれるものは、あまりバリエーションが豊富なわけではないのです。

つまり標準仕様の中から選ばなければならないという時点で、選択肢はかなり限られてしまっています。

しかも標準仕様ではないものを選ぼうとすると、今度はコストが高くなります。希望に合わせてオプションを付けていくと、通常の注文住宅と変わらないくらいの価格になってしまうことも。

しかし住宅は一生の内でもとても大きな買い物です。どうせ新しく建てるのなら、あれこれ選びたくなることもあるでしょう。

その選択肢が限られてしまうというのは、住宅を建てる上ではかなり痛いですよね。

ローコスト住宅を建てるコツとして、重要視する部分を決めておくことをおすすめします。ここだけは譲れないというポイントをあらかじめ決めておくことで、他の部分の取捨選択もやりやすくなります。

ローコスト住宅を建てるなら自分たちは家のどの部分を大事にするのか、よく検討しておくと良いでしょう。

ローコスト住宅のコストによる問題点

ローコスト住宅を選択したはずが、ローコストにならなかったということが起きることもあります。

この章では、コスト面の注意点を解説します。

広告などの表示価格は限界まで低く設定した価格

家の建設を検討しているときに「750万円で建てられる家」という広告を手にすると、連絡してみようかと思う方も多いと思います。

ローコスト住宅であれば、比較するのは価格であることが多いでしょう。そのため、メーカーはできるだけ手をとめてもらえる安い価格を提示する広告を出そうと考えます。

少しでも安い価格を表示するために、最低限の建物本体価格だけを載せることが多いようです。

生活するためにはガスや電気などを引き込む必要があり、外構工事や地盤調査などもすることになるかもしれません。そういったものすべてが含まれない価格表示の場合があります。

広告だけ見てこの価格で建てられるのであればと連絡をとってみたところ、結局そんな価格では建てられないという結果になることも多くあるのです。

プラン変更やオプションを追加すると価格が跳ね上がる

ローコスト住宅は、メーカーが指定する標準仕様をそのまま建てた場合が一番安くなります。

できるだけ同じ種類で同じサイズの部材を使用し、無駄を省いた大量仕入れが住宅の価格を下げています。

そのため、この標準仕様からはずれるプラン変更やオプション追加は、大きな価格アップにつながるということです。

ほんの些細な希望に対応してもらったら、予算を大きく超えてローコスト住宅でなくなってしまったという本末転倒な話もあります。

また、変形宅地などの場合は標準仕様の家と土地の形が合わず、ローコストでは難しくなることもあるでしょう。

しかしながら、ローコスト住宅だから使いにくい間取りということではなく、標準的な間取です。

つまり、間取りや設備などにこだわるよりも価格にこだわりたい方に、ローコスト住宅は向いています。

グレードアップは慎重に

家を建てると決まると、家に関するさまざまな情報を今まで以上に見るようになり、「これもいいな、あれもいいな」と夢がふくらみます。

たとえば、トイレのカタログを見ていたら少し上のグレードにしたくなったり、キッチンに便利そうな収納を入れたくなったりすることもあるかもしれません。

しかし、ちょっと待ってください。ローコストを目指して家を建てるのであれば、グレードアップには慎重になった方がよいでしょう。

一つ一つは小さなアップでも、気がつけば一般的な住宅価格になってしまっていてはローコストの意味がないのです。

高性能住宅と比べて光熱費が高くなる

高性能住宅とは、高気密高断熱住宅です。

高気密住宅は隙間が少ないため室内の空気を逃がさず、屋外の空気が入る量を換気でコントロールできます。

高断熱住宅は室内の温度を外に放出することなくためることができ、屋外温度の影響もおさえることが可能になります。

つまり、エアコンなどの空調で室内を暖めたり冷やしたりすれば、その温度を長く維持できるのです。

これにより、高性能住宅は光熱費がおさえられます。

高気密高断熱住宅は、資材や設備費用が高くなり、施工品質も求められます。

一方、ローコスト住宅ではそこまでの費用がかけられないため、高性能住宅に比べると光熱費が高くなることが多いでしょう。

特に、寒さや暑さが厳しい地域では、毎月の光熱費をおさえた方が長い目で見ると安くなります。

不具合が起きやすく補修費用などがかかる

ローコスト住宅は耐久性よりも、価格に重点をおいています。

価格が安いという理由だけで選ばれた粗悪な材料は、短期間で不具合が起きやすく補修が必要になる場合があるのです。

たとえばフローリングなどは、価格と耐久性が比例します。安いフローリングの中には、傷がつきやすく、汚れが落ちにくい製品もあります。

結果的に補修費用がかかる場合もあるため、品質を維持しながら安く仕入れるなどの工夫をしているメーカーの見極めが大切です。

国内のメーカーの量産品であれば、ほとんど問題ありませんが、輸入品などの場合は注意しましょう。

ローコスト住宅のデザインや間取りによる問題点

この章では、ローコスト住宅の間取りやデザインについて確認します。

家に対する希望は人それぞれですが、デザインを優先するとローコストが実現できない可能性について解説します。

意匠性や建築デザインには期待ができない

デザインの好みは一人ひとり異なるものです。

ローコスト住宅は、同じ規格の家を多く建てることでコストをおさえているため、デザインは多くの人が受け入れられる無難なものになります。

そのため、デザイン的な要素は逆にそぎ落とされていると考えた方がよいでしょう。

デザインのこだわりが多ければ多いほど、ローコストでの住宅建設は厳しくなります。

複雑な外観を選ぶことが難しい

ローコスト住宅の基本は、四角い箱です。凹凸があると、使う部材も増えて材料費がアップします。

たとえば2階建てなら、1階も2階も同じ形のシンプルな外観が多くなります。

外観が複雑になると、柱や外壁の部材が増えるだけでなく室内の資材にも影響するため、大幅なコストアップにつながるのです。

間仕切り壁を少なくしているためオープンプランになる

部屋数を増やすと、壁や扉の量が増えてしまいます。

壁が増えるとコンセントや照明などの電気設備も増えることになり、コストがアップします。

そのため、間仕切り壁を少なくしたオープンプランであることが多くなるのです。

キッチンは独立させたい、オープンなエリアを仕切りたいなどの規格からはずれる希望がある場合、金額アップは避けられません。

間取りがあらかじめ決まっている

ローコスト住宅で提示されるモデルタイプが低価格の標準となります。

ほとんどの場合で間取りまで決まっており、多少の変更が可能なメーカーもありますが、完全に自由に決められるわけではありません。

エクステリア部分が狭い

ローコスト住宅の問題点として、エクステリア部分が狭いということも挙げられます。

ローコスト住宅の分譲などでは区画の面積が狭くなることも多いようです。それによりエクステリアとして使用できる面積も狭くなってしまいます。

そのため、駐車スペースや庭を確保できないといった問題点が出てきます。

車を複数台所有しているという人は、ローコスト住宅を購入する前にエクステリアに関して検討しておいた方が良いかもしれません。

場合によってはせっかくマイホームを手に入れたのに、車を停めておくための十分なスペースがないため、駐車場を借りなければならないということもありえます。

生活する上で車が欠かせないという方は、よく注意しておいた方が良いでしょう。

庭が欲しいという方にもエクステリア部分が狭いローコスト住宅はおすすめできません。

マイホームで家庭菜園がやりたいという方も多くいますが、区画の狭いローコスト住宅では難しそうです。

他にも騒音問題など、区画が狭い上での問題点は数多く考えられます。

ローコスト住宅を分譲で購入する場合は、自分たちがエクステリアの部分をどのくらい必要とするのか検討しておくとよいでしょう。

ローコスト住宅の保障面での問題点

ローコスト 住宅 問題 点

ここまで性能、コスト、デザインの問題点を確認してきました。

この章では、保障面の問題点を解説します。

一般的な住宅に比べて保証期間が短い

住宅の引き渡し後10年の間は、住宅を建設した工務店や住宅メーカーに瑕疵担保責任が義務付けられています。

瑕疵担保責任は住宅に住めなくなるような構造上の重要な欠陥や、雨水が入ってくるなどの欠陥があった場合に責任をもって修理するというものです。

しかし、瑕疵担保責任の範囲以外の保証は、工務店や住宅メーカーによって異なります。

一般的な住宅メーカーの場合、点検やアフターサービスを定期的に行うサービスがあり、30年や60年という長期保証が提供されます。(一定年月が過ぎると有償になります)

なかには24時間コールセンターで受付というサービスを提供するメーカーもあります。

ローコスト住宅を提供する工務店やハウスメーカーでは、この保証期間が短く2~10年というものが多いでしょう。

また、連絡してもなかなか対応してもらえなかったり、保証期間が過ぎると対応自体してもらえなかったりする心配もあります。

10年間の瑕疵担保責任の義務の部分はもちろん、それ以外の補償やアフターサービスについても必ず確認することをおすすめします。

ローコスト住宅を建てる場合の注意点

仮契約をしなければプランを作ってもらえないことがある

材料調達の工夫や設備機器のグレードを下げ、人件費や広告費を削減することでローコスト住宅が実現されます。

そのため、一般的な住宅メーカーではサービスとして行われるような契約前のプラン作成などがカットされていることがあります。

プラン作成には経費や人件費が必要になりますが、契約ができなければそれが無駄になってしまうからです。

住み始めて数年経ってから後悔する場合がある

ローコスト住宅のメリットは低い価格です。

資金があってもなくても、希望をすべてかなえた住宅を建てられるということはまずなく、価格面から諦めることも必要になります。

自宅の建設は何度もできるわけではないので、後悔することもあるでしょう。

実際に住み始めて数年が経ってから、ローコスト住宅を選択したことを後悔する方も少なからず存在します。

もしもローコストで家を建てると決めたのであれば、優先順位を明確にして後悔のないものになるよう比較検討することが重要です。

建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

注文住宅の設計プランや費用は、施工店によって大きく異なることがあります。

そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!

実際に注文住宅を建てるには時間がかかるので、この記事で大体の予想がついた方は早めに次のステップへ進みましょう!

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一生のうちに注文住宅を建てる機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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