2023年12月15日更新

監修記事

高断熱住宅の夏場の快適性を上げる方法とは?

高断熱住宅の夏場の快適性は?

高 断熱 住宅 夏

高断熱住宅は、冬は暖かい住宅として知られています。

冬に暖かい理由は、外壁や屋根、床下などの外部と接する面にすきまなく取り付けられた断熱材によって暖房で温めた空気を外部に出すことなくためることができ、さらに断熱材があることで外部の冷たい空気が室温に影響しにくくなるからです。

では、冬に暖かい高断熱住宅の夏の快適性はどうなるのでしょうか?

室内の熱が逃げないため夏は暑い

高断熱住宅は、断熱性を高めるだけではなく、高気密とセットにすることが基本です。

高気密高断熱としなければ空気が隙間から出入りしてしまうため、室内の空気はどんどん出てしまい、屋外の空気も入ってきてしまいます。

そうなると高断熱のメリットをあまり受けることができません。

高気密高断熱住宅であれば、室内の温度を保つ性能が高くなります。

つまり一度暖まった空気や冷やした空気を、熱を遮断する断熱材があることで長時間保つことができるようになるのです。

では、夏に室内温度が上がってしまった場合はどうなるのでしょうか。

高気密高断熱住宅では、空気を入れ替えなければ、その熱は逃げることなく室内にとどまるため暑くなります。

つまり、高気密高断熱住宅で夏を快適にしたい場合は、室内温度を上げないようにしつつ、室内温度を下げる必要があります。

一度温度を下げれば、今度は下げた温度を保ちますので快適に過ごすことができます。

ここからは、高気密高断熱住宅の暑さについてさらに詳しく説明していきます。

立地条件によって快適性が左右される

夏と冬では太陽が移動する高さが異なります。

冬よりも太陽が高い位置を移動し、日が長くなります。

特に窓にあたる日射は室内温度を上げる原因になりますので、太陽が移動する角度が快適性に大きく影響します。

夏は太陽が移動する位置が高いので、昼間は庇によってほとんど窓に日が当たることはほとんどありません。

問題は、西日です。

冬に比べて夏は西日が当たる時間が長くなり、日の入りの位置も冬より北寄りになります。

角度がついた西日が庇にさえぎられることなくジリジリと窓にあたると、室温が上がる原因になります。

つまり住宅の窓の方角が、西日が当たらないような位置にあるかで快適性が左右されます。

さらに住宅に対して西日の方向に、西日を遮るような高さの建物が建っているかも重要です。

たとえば、夏の太陽が沈む方角と土地の角度がずれている、西日の方角に高い建物が建っているなどの立地条件であれば室内温度の上昇をおさえることができるでしょう。

熱交換型機能の24時間換気システムを導入した高断熱住宅は快適性が高い

建築基準法で建築物には24時間換気をつけることが義務となっています。

つまり、現在建てる住宅であれば24時間換気設備がついています。

24時間換気は室内に新鮮な空気を取り入れて、汚れた空気を屋外に排出するシステムです。

24時間換気の種類は、

  • 換気扇を壁に取り付けてそこから空気を排出し、給気口から自然に給気する方法(第3種換気方式)
  • 給気を機械でおこない、排気は自然に排出される方法(第2種換気方式)
  • 給気も排気も機械によっておこなう方法(第1種換気方式)

上記の3種類があります。

住宅では第1種換気方式か第3種換気方法がとられるのが一般的です。

価格も安くすむため、第3種換気方式がとられていることが多いでしょう。

換気には、空気をきれいにしてシックハウス症候群を防止したり、結露を防止したりする重要な役目があります。

しかし換気をすると、夏であればエアコンで冷やした空気を外に排出してしまい、屋外から熱い空気を給気することになってしまいます。

換気は必要ですが、冷やした空気を保てるはずの高断熱住宅の性能を発揮しきれない状態になってしまいます。

これを解決するため、費用はかかりますが第1種換気方式の熱交換型の24時間換気システムを導入する住宅が増えてきています。

熱交換型とは、夏なら室内の冷やした空気を利用して給気の温度を下げてから室内に取り入れることができます。

つまり換気をしても、快適な室内温度を変えてしまうことなく新鮮な空気を取り入れることができます。

高気密住宅の夏場の快適性を上げる方法は?

高 断熱 住宅 夏

それでは、夏場の高気密住宅をより快適にする方法を確認していきましょう。

遮熱性能が高い窓や熱伝導率が低い高機能サッシを取り入れる

夏場の西日が窓にあたることで室内温度が上がってしまう問題について前章でお話しました。

では、採光などを考えてどうしても西面に窓を設置したい場合はどうすればよいのでしょうか。

まず、窓の面積が小さくできるのであれば、できるだけ小さい方がよいでしょう。

ほかに、窓ガラスの性能をアップする方法があります。

つまり、ガラスに「Low-Eガラス」という遮熱性の高いものを採用します。

「Low-Eガラス」とは、複層ガラスの間に遮熱性能のあるシートをはさみ空気層を設けたガラスです。

このガラスを設置すれば、西日の熱をある程度遮断してくれます。

ほかに、窓ガラスの枠であるサッシの材質にも注目します。

アルミサッシは、熱伝導率が高いため外の熱が室内に伝わり、アルミサッシから熱が放出されてしまいます。

そのためサッシは熱伝導率の低い樹脂サッシを取り入れると、夏場に日の当たるサッシからの熱を遮ることが可能です。

日射遮蔽を行う

日射遮蔽とは、窓から入る日射を遮ることです。

高気密高断熱住宅では、夏に室内の温度が上昇する原因として窓からの日射の影響が大きくなりますので、日射による温度上昇をおさえるために日射遮蔽を行います。

日射遮蔽を行うことで夏に快適に過ごすことができ、エアコン効率がよくなって結果的に省エネにもつながります。

日射遮蔽の方法について

ここからは具体的に、日射遮蔽はどのような方法があるのかを確認します。

まず日射遮蔽には前述のように、断熱効果の高い窓ガラスやサッシを採用するという方法がひとつです。

窓そのものに日射遮蔽をする方法はほかに、窓ガラスにUVカットシートを貼るという方法、既存の窓の内側に日射遮蔽に効果のある窓をもうひとつ取り付けるという方法があります。

ガラスやサッシ以外の方法では、日射遮蔽を窓の外でおこなうか室内側で行うかで効果に差が出ます。

日射遮蔽に効果が高いのは、窓の外、つまり屋外側におこなう方法です。

たとえば、室内側に日を遮るカーテンなどを設置したとき、窓とカーテンの間の温度は上がり、カーテン自体も暑くなり室内に放出されてしまいます。

一方、窓の外に簾(すだれ)をかけて窓に日射が当たらないようにすれば、室内の温度上昇をおさえることができます。

このように、窓そのものが西日に照らされることがないような方法に効果があります。

窓の外側で行う日射遮蔽には簾のほか、日射を遮るオーニングやサンシェード、つる植物を這わせた「グリーンカーテン」や外付けのブラインド、ロールスクリーンの取り付けなどが考えられます。

上手に日射遮蔽ができている高断熱住宅の冷房効率

高断熱住宅は、暖めたり冷やしたりした室内の空気を保つ性質があるため、室内温度が上昇する原因を減らせればエアコンを効率的に利用することが可能です。

室内温度を上げる大きな原因が窓からの日射ですから、日射遮蔽ができていれば高断熱住宅の性能を最大限に享受できます。

つまり、上手に日射遮蔽ができている高断熱住宅の冷房効率は高くなります。

冷房効率が高くなるということは、少しのエアコン使用で効果的に部屋の温度が保てるため、電気使用量が減り省エネルギー住宅になります。

条件によりますが、冷房エネルギーは日射遮蔽できている場合では20~40%減るとも言われています。

冷房効率のよい高断熱住宅は、少ないエネルギーで安定した室内環境を維持できる快適な住宅と言えるでしょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

タクトホームコンサルティングサービス

亀田融

一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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