2024年04月17日更新
輸入住宅のデメリットとは?メリットもご紹介
目次
輸入住宅とはどんな家?
「輸入住宅」という言葉を聞いたことがあるかたも多いのではないでしょうか。
しかし、輸入住宅とはどのような家のことを指し、国産の住宅とはどのように違うのでしょうか。
ここでは輸入住宅の特徴と種類、工法の違いや相場価格について解説します。
輸入住宅の特徴とは?
海外の設計思想を取り入れたデザイン
輸入住宅の特徴は何と言っても海外の設計思想を取り入れたデザインです。
海外の設計思想とは簡単に言えば、海外の建築様式を取り入れていれたデザインのことを言います。
また、特徴としては次のようなものがあります。
- 従来の日本の家には見られなかった素材や色遣いの外観・室内デザイン
- 素材の質感が重視されたデザイン
- 間取りはゆったりとして天井が高い
- 断熱性や気密性、耐震性に優れている
資材は輸入して国内で建築
輸入住宅は資材を海外から輸入し、国内で組み立てます。
海外の資材とはいえど、湿気の多い日本の風土や気候に合わせて結露ができにくいように設計し直されていることがほとんどです。
かといって、輸入住宅の最大の特徴であるデザイン性が失われることはありません。
デザインの一部をアレンジできる
輸入住宅は注文住宅になることが多いため、購入者の好みにアレンジすることができます。
そのため輸入住宅でも和室を設けたり、玄関で靴を脱げるようにしたりと、日本らしさを取り入れることも可能です。
輸入住宅を建てる流れ
輸入住宅の注文から建築までの流れで特徴的なことは、住宅の一部をアレンジしたい時などは業者との綿密な打ち合わせが必要となることです。
それ以外では、国産住宅を建てる流れとあまり変わりありません。
ここでは輸入住宅のプランから注文、建築までの流れとポイントを紹介します。
(1)住宅プラン:自分の希望を明確にする
住宅の建築では、どのような住宅プランを希望するのかを明確にすることが大切です。輸入住宅の何に魅力を感じ、どのようなデザインや仕様を好むのかをはっきりさせることで、予算オーバーを防ぐこともできるでしょう。
モデルハウスの見学では、外観だけでなく内部の仕様も確かめて、自分たちが住むことになった時のことを想像しながら見学します。
複数の業者に依頼して価格等の比較をする場合には、インターネットなどで口コミを読んでから業者のプランを比較しようとすると大変時間がかかります。
そうならないためにも、住宅プラン作りでは住宅のことと同時に、注文を依頼する業者もある程度イメージしておきましょう。
日本式のアレンジも明確にする
輸入住宅の建築プランでは、アレンジしたい内容を考えることも大切です。
日本式の靴を脱げる玄関や和室など、自分たちの使い勝手や生活習慣を考えながら、快適に暮らせる住宅には何が必要かを考えながら建築プランを考えましょう。
(2)業者と相談する
建築業者が未定の場合には、候補として挙げられる3社程度の建築業者を選び、相談してプランを出してもらいます。
業者選びのポイントは、担当者が親身になって自分の希望を聞き正確に把握してくれているかどうかです。
業者から提示されたプランには、敷地の形状やライフラインの状況を調べた上で提示されているかどうかも確認しましょう。
プランの比較は詳細に
各業者から提示されたプランを比較するときには、そのプランの詳細に何が含まれているのかを細かく確認します。
何が含まれて、何がオプションになるのかを確認して、同じ項目のみで比較・検討するようにしましょう。
(3)見積もり:業者との打ち合わせ
見積もりでは住宅に関するあらゆることを相談します。
基礎から外壁、内壁、天井や屋根といった住宅の構造に関わることから、設備の選択も行います。
必要とされる費用に関する支払い計画も立てます。
最終打ち合わせでは、デザインから見積金額の提示と確認、そして工期も決定されます。
契約書の締結前なら業者変更も可
契約書をかわす前の段階では、業者を変えることができます。
プランや見積もりの相談など長い時間をかけて話し合ってきたとしても、少しでも納得できないことがあれば、妥協して契約書にサインをするのではなく、別の業者に変えることも検討しましょう。
(4)契約:請負契約書をかわして着工
最終見積もりに含まれる工事内容を十分に確認した後、請負契約書が交わされます。
これで着工となりますので、着工後に思っていたことと違うなどのトラブルにならないために、最終確認は綿密に行います。
輸入住宅の価格
輸入住宅の価格は、資材や設備の違いによっても変わってきますが、円相場の影響を受けることもあります。
そこで輸入住宅の相場価格や円相場の影響、資材や設備の違いによって変化する輸入住宅の価格について見ていきましょう。
輸入住宅の価格相場
坪単価は約30万円から約100万円
輸入住宅の価格相場は住宅のデザインや使用される資材によっても変わってくるのですが、平均的な相場価格は坪単価、約30万円~約100万円です。
輸入住宅の価格は高いというイメージがありますが、坪単価を国産住宅と比較すると、あまり変わらないと言えます。
アーリーアメリカンスタイルなら約2,000万円台前半も可能
輸入住宅でも比較的お手頃価格と言えるのが、アーリーアメリカンスタイルの住宅です。
約2,000万円台前半で建築することも可能です。
アーリーアメリカンスタイルの住宅とは、アメリカがまだ英国やフランスの植民地だったころの住宅様式です。
シンメトリーの作りと大きな屋根、玄関先にはテラスがあり、窓枠などには装飾が施されるなど、ウェスタン映画に出てくるような古き良き時代のアメリカの住宅スタイルです。
細長くて薄い外壁木材を規則的に並べた壁が印象的で、ツーバイフォー工法で建築されるスタイルです。
ジョージアンスタイルなら約2,000万円台後半から約4,000万円
総タイルの外壁が美しいジョージアンスタイルの輸入住宅は、約2,000万円台後半~約4,000万円が相場価格です。
ジョージアンスタイルはイギリス生まれの住宅デザインで、アメリカの南部で建築されていました。
正面中央に玄関が配置されたシンメトリーのデザインで、重厚感にあふれたデザインです。
窓はハングウインドウと呼ばれる上げ下げして開閉するタイプの窓が取り付けられます。
ログハウスは約1,000万円から約3,000万円以上
天然木の丸太が積み重なって建築されるログハウスの場合、大きさと組立て方法により、価格は大きく異なります。
プレカット組立てキットなら約1,000万円程度から、本格的なものでは約3,000万円以上になります。天然木を贅沢に使用するのがログハウスであることから、おのずと価格も高くなります。
輸入住宅は円相場の影響を受けやすい
輸入住宅はデザインと使用される資材が海外から輸入されるため、特に資材の輸入において円相場の影響を受けて価格が時によって異なる可能性があります。
しかし国産住宅でも現在、資材は輸入に頼っていることから、円相場の影響を受けたとしても、国産住宅と輸入住宅で大きな価格の差が生まれることはなさそうです。
輸入住宅は外壁材の選び方で値段が変わる
輸入住宅の価格は、使用される外壁材で大きく変化します。
例えばアーリーアメリカンスタイルや南欧スタイルの住宅の外壁は、ラップサイディングと呼ばれる薄くて平らな板を規則的に並べます。
このラップサイディングに使われる資材は外壁材としては比較的安いため、他のデザインの輸入住宅よりも総建築費用が安くなる傾向があります。
一方、ジョージアンスタイルや英国スタイルの住宅は外壁にレンガが使われるため、費用が高くなります。
また土壁が特徴的なサンタフェスタイルや、コッツウォールズストーンのコッツウォールズスタイルの住宅は、資材その物のコストというよりも、需要が少ないために大量発注できず、その費用が高くなります。
輸入住宅は設備の選び方で値段が変わる
住宅建築は、設備の選び方によっても大きく総工費用が変わります。キッチンやトイレ、風呂、階段の手すりなどを全て輸入品でまかなおうとすれば、国産品を使用した場合に比べると高くなるでしょう。
少しでも費用を抑えたいならば、設備の一部を国産品で代用することを検討してみましょう。
輸入住宅のスタイル・工法
種類別!輸入住宅の特徴
輸入住宅と一言で言っても、そのスタイルは地域や国によって異なります。
ここでは輸入住宅の中でも、人気のログハウスタイプ、北欧タイプ、ヨーロッパタイプとアメリカタイプの特徴をご紹介します。
北米スタイル
アーリーアメリカンスタイル
アーリーアメリカンスタイルの外観の特徴は、横張りの板を少しずつ重ねて仕上げるラップサイディングです。
また、ドーマー窓と呼ばれる屋根の中に設けられる窓が印象的です。
玄関前にはポーチが作られるのが定番です。
ジョージアンスタイル
左右対称の重厚なイメージのジョージアンスタイルは、レンガ張りが特徴です。
屋根の上のドーマー窓のほか、壁面に窓が整然と並んでいるものが多くなります。
玄関は中央にあり均整の取れたシンメトリーなデザインが印象的なスタイルです。
ニューヨークスタイル
ニューヨークスタイルは、マンハッタンやブルックリン地区をイメージしたデザインです。
外観はラップサイディングや赤いレンガが特徴で、屋根はフラットで四角いイメージになり、多くの窓がならびます。
近年は、モノトーンや赤レンガ、ブラックアイアンを使用したブルックリンスタイルのインテリアも人気があり、ニューヨークスタイルが注目されています。
カリフォルニアスパニッシュ
スペインの気候に合わせた住宅がカリフォルニア周辺で発展した様式です。
外観は、赤い瓦屋根と厚く塗られたスタッコ壁、窓につけられた飾りアイアン格子が特徴です。
玄関扉は木製で、窓などの開口部は上部にアーチ形のデザインが使われます。
カナディアンスタイル
多彩なカナディアンスタイルは、勾配のきつい三角屋根が多く、かわいらしいイメージもあります。
窓は気密性の高い木製窓が使われ、木材を多く使った室内が人気です。
欧州スタイル
スカンジナビアン(北欧)スタイル
北欧とは、ヨーロッパ北部に位置するスウェーデン、フィンランド、デンマークなどの国々のことで、厳しい冬の寒さが特徴の地域です。
外観はシンプルでナチュラルなデザインが多く、冬は日照時間が短いことから室内にはカラフルなカラーも使われます。
プロバンススタイル
プロバンススタイルは南フランスの素朴なデザインの住宅です。
一定の雨と強い日差しが特徴の地域のため、素焼きの赤茶色の瓦と、厚く塗られた漆喰の壁がポイントになります。
イタリアネイトスタイル
イタリアネイトとはイタリア風スタイルということで、古代ローマの住宅をモチーフにしています。
円形に近い搭のようなものがある場合が多く、外観のアクセントになっています。
また、窓上部のアーチが設けられるのも特徴です。
スパニッシュスタイル
スペインの強い日差しをやわらかく反射する白い塗り壁と赤茶色の瓦屋根が特徴のスタイルです。
窓にはアクセントと防犯をかねたアイアン飾りが取り付けられています。
チューダースタイル
アメリカでも見られた様式で、急こう配の三角屋根が印象的なスタイルです。
また、玄関ポーチの屋根も同じように切妻屋根であることが多く、柱や梁などの木を見せた外観デザインも特徴的です。
アメリカタイプの住宅のツーバイフォー工法
アメリカタイプの住宅に取り入れられているツーバイフォー工法(2×4工法)は北米で生まれた工法です。
ツーバイフォー工法という名称の由来は、使われる角材の断面のサイズが2インチ×4インチだからです。この角材と合板を合わせて住宅の基礎を作ります。
その構造は単純ながら耐震性や断熱性、気密性も高いため、日本でも広く取り入れられる工法になりました。
輸入住宅の多くは「ツーバイフォー工法」で建てられる
先ほども触れたように輸入住宅の代表的な工法は「ツーバイフォー工法」です。
このツーバイフォー工法とは、建築に使用する木材の寸法が2インチ×4インチであることからそう呼ばれています。
ツーバイ工法には他にも2インチ×6インチ、2インチ×8インチ、2インチ×10インチの木材を使用することがあります。
これらの工法はいずれも基本的な構造は同じですが、使用する木材の寸法によって工法名が異なるのです。
ここでは代表してツーバイフォー工法の構造について見ていきましょう。
「ツーバイフォー工法」の構造とは
ツーバイフォー工法ではまず規格化されたパネルを作成し、パネル同士を隙間なく繋ぎ合わせて壁や床、天井を作ります。
このように各パーツを面として組み上げていく工法は「木造枠組壁工法」とも呼ばれます。
イメージとしては面を組み合わせて箱を作り、箱状の部屋を繋げて建物を形成していくようなものであると考えてよいでしょう。
このことから、ツーバイフォー工法で建てられて建物はハコと呼ばれることもあるようです。
輸入住宅に用いられている工法とは
輸入住宅は資材やパーツを輸入して建設しますが、日本で一般的に知られている輸入住宅には4つの工法があります。
2×4(ツーバイフォー)工法
2×4は、構造体として使われる木材の断面のサイズからつけられた名前です。
(単位はインチです)
この工法は北米の輸入住宅の多くで採用されおり、2×4の構造体と床・壁・天井に張られる壁パネルで構成されます。
住宅の6面すべてを面で支える構造になるため耐震性が高く、壁パネルの利用によって気密性が高くなります。
断熱材や二重窓を組み合わせて建てられることで、少ない光熱費で快適な住空間を実現することができるでしょう。
パネル工法
北欧の輸入住宅に多く見られる工法で、工場であらかじめカットされた壁や床などの構造パネルを組み立てて建てられます。
4面の壁と天井、床の6面すべてで支える構造になり、耐震性に優れています。
また、現場でパネルをカットすることがないため工期が短く、精度が高くなるため気密性が高くなるという特徴があります。
丸太組工法
ログハウスなどで知られる丸太組工法は、丸太を交互に積み上げて壁を作る工法です。
地震に強く、厚みのある丸太のおかげで断熱性にも優れています。
また、丸太そのものが仕上げになることから、多くの木材が使われる健康住宅としても人気があります。
機械でカットするマシンカットは、モダンにもカントリーにもなり精度も高くなります。
ほかにハンドカットという丁寧な手作業で作る贅沢なログハウスもあります。
山小屋風の自然の雰囲気を好む方にぴったりの工法ですが、近年はモダンなタイプも増え普通の住宅として建てる方も増えています。
ティンバーフレーム工法
ティンバーフレーム工法は、美しく配した柱や梁を表に見せる工法です。
木をふんだんに使用し、天井の高い空間をつくることができます。
柱や梁の木組みの間を漆喰やレンガで埋めて壁を作る工法はハーフティンバーと呼ばれ、チューダー様式などに見られます。
柱や梁を室内に見せる場合はしっかりと外断熱を施すことで、室内環境が整えられます。
輸入住宅と日本の住宅・・・耐震性と費用の違いは?
輸入住宅と日本の住宅では建物の構造に違いが見られます。
木造住宅の構造は大きく分けて「木造軸組工法」と「木造枠組壁工法」の2つに分類でき、日本の伝統的な工法の住宅は木造軸組工法に、輸入住宅で用いられるツーバイ工法は木造枠組壁工法に該当します。
この構造の違いは住宅の耐震性や建築費用などに影響があるのかどうか、両者を比較しながら見ていきましょう。
「木造軸組工法」「木造枠組壁工法」とは
まず木造軸組工法についてですが、こちらは日本で古来から用いられている工法で在来工法とも呼ばれます。
建築の手順としては始めに柱を立てて、梁を渡し、筋交い等を入れて建物を補強しながら天井や床を張っていきます。
木造軸組工法は空間の点と点を結びながら建物を建築していく工法であるといえるでしょう。
一方で、輸入住宅でよく用いられている木造枠組壁工法についてですが、こちらは戦後に北米から入ってきたとされている工法です。
建築の手順としては前述の通り、まずはツーバイ材という規格の木材とベニヤを使って壁や床、天井となるパネルを作成していきます。
そしてパネル同士を繋ぎ合わせて形成した箱状の空間をベースに建物を建築していく工法です。
木造軸組工法は点と点ではなく、面を組み立てることによって建物を構成していきます。
木造枠組壁工法の方が耐震性が優れてる?
前述のような構造の違いから、木造枠組壁工法の方が木造軸組工法よりも耐震性が優れているという意見があるようです。
たしかに面で建物を支えることができる木造枠組壁工法は頑丈で、地震による水平方向からの力に対して強いといえるでしょう。
しかし、木造軸組工法だからといって必ずしも耐震性が低いとは限りません。
なぜなら、木造軸組工法であっても構造壁を多く入れていれば、木造枠組工法と同じく建物を面で支えるよう補強することができるからです。
新しく建てられる住宅であれば木造軸組工法であってもほぼ必ず構造壁が入っており、耐震性が劣るとは限らないのです。
木造軸組工法の方が費用が高い?
木造軸組工法は木造枠組工法よりも施工に高い技術が必要で工期が長くかかるため、建築費用も高くなってしまうという意見もあります。
もし仮に、木造軸組工法で建築する住宅を、日本古来の方法で現場で職人が木材をカットしたり仕口の加工をするというのであればその通りかもしれません。
しかし、現在建てられる住宅は工場等でプレカットされた木材を利用し、現場では組み立て作業を行うといったケースがほとんどです。
そのため、現場で求められる建築技術の水準は工法によって大差はなく、工法の違いだけでは工数や建築費用にはあまり影響はないでしょう。
輸入住宅の相場は国産住宅と比べてもあまり高くない
輸入住宅というと高価なものというイメージがありますが、実際のところ、その相場は国産住宅とそれほど大きくは変わりません。
最も多い輸入住宅の価格帯は、床面積40坪程度なら約2000万円~3000万円ほどです。
坪単価に換算すると約50万円~約80万円になります。
なかには坪単価30万円とローコストで輸入住宅を建てられる業者も見受けられます。
ただしこの価格相場は、住宅のスタイルや選ぶ資材、建設予定地などによっても大きく変わってきます。
輸入住宅のメンテナンス性は?
輸入住宅のメンテナンスについては色々と大変な点があります。メンテナンス性についての特徴をきちんと理解しておくようにしましょう。
まず、輸入住宅において部材交換などをする際は、建てた建築会社に連絡をするようにしましょう。一般的な建築会社でも対応できる場合もありますが、その家を建てた会社が最も家のことを理解しています。
ドアノブやサッシなどの細かい部品交換でも規格が合わないケースがあります。海外資材を使用しているため、日本の製品では対応できないこともあります。安定的に施工実績のある建築会社を選ぶようにしましょう。
このように輸入住宅のメンテナンスは色々と大変な部分があります。ですので、契約をする際にはメンテナンス保証の内容や範囲を、建築会社ときちんと確認することが重要となります。
輸入住宅のデメリットとは?
とてもお洒落なイメージの輸入住宅ですが、実際に入居するならば、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
申し込みから完成までの長い建築時間
輸入住宅の場合、施工開始後は比較的短い工期で完成することが多いのですが、建設に必要な資材の輸入に時間がかかる場合があります。
このため、申し込みから完成までは4か月~半年くらいの余裕を持った建設計画を建てるようにしましょう。
リフォームがしにくい
輸入住宅の多くはパネル工法で施工しているため、壁を撤去したり、新たな壁を設けたりといった間仕切りの変更が困難です。
窓を大きくするといったリフォームも基本的にはできません。
また輸入住宅は、2×4を基本としたインチ単位(約120cm)としているため、半間(約91cm)を基本寸法としている日本の家屋の建材や設備とは適合しません。
細かな取り合いが合致しないために、在来工法のようにホームセンターで売っているような汎用品で間に合わせることもできません。
こうした事情から、リフォームを実行するのが困難なのです。
メンテナンスが難しい
輸入住宅に使用されている建材の部品は外国製であるために、メンテナンス用の部材を揃える手間や費用がかかります。
たとえばメンテナンスではドアの丁番やノブの交換が必要なことがあります。
しかしすぐに部品が入手できないので、長期間不自由な状態で過ごすことになってしまいます。
最悪の場合、適合する部品が入手できないこともあるのです。
外部サッシについても同様で、万が一ガラスが割れるような事態が発生すると、交換までに相当の日数を要することになります。
また部品の搬送費もかかるので、メンテナンス費用が高額になります。
このため新築の際に依頼する施工会社は、単にお気に入りの輸入住宅を扱っていることだけでなく、長期的にメンテナンスの面倒をみてくれる良心的な会社を選択することが、とても重要です。
インテリアが選びにくい
輸入住宅は、デザインの思想が和風住宅とは根本的に異なる個性的なものです。
一方国内で販売している家具は、和風建築物に適合した製品が主流になっています。
またひと言で輸入住宅といっても、北米調、南欧調、北欧調とさまざまなタイプがあり、それぞれ異なった個性を持ち合わせているため、単に輸入家具であれば何でも適合するというものではありません。
このため自分が住む輸入住宅にマッチする家具がなかなか見つからないこともあるでしょう。
屋外のエクステリアをマッチさせるのはさらに困難です。
輸入住宅にマッチする欧米テイストのエクステリアはなかなか一般には販売していません。
こうしたトータルデザインをどう整えるのかといった点が輸入住宅の大きな課題となります。
輸入住宅は費用が高くなりがち
輸入住宅を建てる際の資材は、海外から輸入したものを利用することが主流です。
そのため、国産住宅よりも材料の輸送コストがかかり、費用が高くなりがちであると言われています。
また、材料を海外から輸入して調達しているために、建築費用は為替の影響を強く受けてしまいます。
他にも、輸入住宅は国産住宅よりも建築に携わる職人の人件費が高くなることが多いようです。
輸入住宅の建築工法は国産住宅の工法とは異なるため、建築には専門的な技術や知識を必要とするためです。
資材や構造の問題より、むしろ職人の技術力が仕上がりに大きく影響します。
最近では輸入住宅を請け負う業者や職人も増えてきているようですが、それでもまだ国産住宅より人件費等が高くなる傾向にあります。
輸入住宅のメリットとは?
いろいろとデメリットを挙げてきましたが、もちろんメリットもあります。
どんなメリットがあるのかみていきましょう。
おしゃれなデザイン
欧米の歴史や文化に育てられた輸入住宅は、和風住宅にはない独特のデザインセンスがあります。
まるで映画やおとぎ話に出てくるような、おしゃれなデザインの家に住めるという点が輸入住宅の大きなメリットです。
人気がある輸入住宅の種類
輸入住宅の中でも特に人気があるのが北米風や北欧風の住宅です。
それぞれの特徴について見ていきましょう。
北米の輸入住宅
輸入住宅の中でも人気のあるタイプの一つが北米の輸入住宅で、代表的ものとしてはアーリーアメリカスタイルやジョージアンスタイルなどが挙げられます。
アーリーアメリカンスタイルは板張りの壁と三角形の切妻屋根が特徴的で、一方のジョージアンスタイルはレンガ張りの外壁が特徴的です。
どちらのスタイルも自然素材の温かみを感じることができるでしょう。
また、北米ではハリケーンが発生するため、北米式の輸入住宅は防風性に優れた構造になっているものが多いようです。
北米式の輸入住宅は台風の多い日本の気候にも適した輸入住宅であると言えるでしょう。
北欧の輸入住宅
フィンランドやスウェーデンなど冬の寒さが厳しい北欧地域からの輸入住宅は、断熱性や気密性、防寒性に優れています。
また、北欧では冬場の日照時間が短いため屋内で過ごす時間が長く、古くから快適な住まいを作るための工夫が行われてきました。
北欧風の住宅は天然木を利用して自然との調和を感じながら、シンプルさの中にも洗練されたデザインを楽しむことができるでしょう。
間取りがゆったりしている
間取りがゆったりしているのも輸入住宅の特徴のひとつでありメリットです。
国産住宅の基本寸法(モジュール)は910mmですが、海外では1200mmなど日本よりも大きいのが特徴です。
そのため、室内はゆったりとした空間になります。
特にアメリカタイプの住宅は間取りがゆったりとしています。
基本性能の高さ
輸入住宅の住宅は何代も家族が暮らすことを前提として設計されていることが多いため、強風などの悪天候にもびくともしないような耐久性を持っており、耐熱性にも優れているなど、基本性能が高いのが特徴です。
特に北欧タイプの住宅は断熱性に加えて気密性も高いことから、冷暖房費を節約しながら、夏は涼しく冬は暖かく過ごすことができます。
耐震性に優れている
輸入住宅の多くはツーバイフォー基準のパネル工法で施工されています。
パネル工法は、耐力パネルで床、壁、天井を強固に固定していることから、耐震性に優れた工法であることが、これまでに実証されています。
このため輸入住宅においても、高い耐震性能が期待できるのです。
輸入住宅と国産住宅の平均寿命
まずは、輸入住宅と国産住宅で平均寿命はどれくらい違うのか比較してみましょう。
輸入住宅の平均寿命は100年⁉
輸入住宅の平均寿命は100年ほどだと言われています。
その理由は、高品質な建材が使われているからです。
輸入住宅で使われる建材は、材質そのものが頑丈なだけでなく、よく乾燥しているうえに防腐剤処理も施されています。
こういった建材を使用しているので、輸入住宅の寿命は長いのです。
国産住宅の平均寿命は約30年
一方、日本で建築される国産住宅の寿命は、法定耐用年数だと鉄筋コンクリート造の住宅なら50~80年ですが、木造住宅では30~40年だと言われています。
輸入の木造住宅に比べるとずっと短い寿命になりますが、その理由は質よりも価格を重視する消費者傾向があることに加え、30年程度で住めなくなる訳ではないが建て替えた方が良いだろうといった考え方が定着しているため、中古売買市場も活発ではないからです。
住宅についての考え方の違いが寿命に表れる
国産の木造住宅と比べると輸入の木造住宅の方が寿命は長い理由は、質のいい建材を使用しているだけでなく、住宅に対する考え方の違いも影響しています。
海外において住宅は資産価値のあるものとして大事にされているのです。
資産価値を維持する前提で造られる輸入住宅
海外では、住宅は資産価値が高いものとして扱われるので、耐久性の高い住宅が求められます。
ヨーロッパでは築年数の古い家こそ大事にされ、住みやすさを確保しつづけるために内装面でリフォームを繰り返しながら長く使われます。
一方、日本では、住宅は建て替えるものという考え方があります。
自然災害の多い日本の木造住宅は、その資産価値は20年を経過すると下がります。
そのため、古い住宅を少しでも長く使うのではなく、資産価値が下がったら家は新しく建て替えるという考え方が定着しています。
輸入住宅はメンテナンスを前提とした構造になっている
海外では、住宅の耐久性を維持するために、頻繁にメンテナンスが行われます。
1回メンテナンスすれば寿命を6年を延ばすこともできるとも言われ、経年劣化しやすい壁や屋根、水道パイプなどの補修工事やリフォームがよく行われます。
輸入住宅の耐久性が高い理由
輸入住宅は基本性能が高い
輸入住宅は住宅の基本性能が高いと言われています。
住宅の基本性能とは、私たちが安心して暮らせるための住宅の機能のことで、例えば家としての強度や耐震性、断熱性、防犯や維持管理のしやすさなどが挙げられます。
ツーバイフォー工法で耐震性の高さが実現
基本性能のひとつである耐震性ですが、輸入住宅の耐震性の高さは、ツーバイフォー工法によって実現されています。
「ツーバイフォー工法」は輸入住宅の主な工法として使われていて、2×4インチの角材と壁材、床、そして天井の面で家全体を支えます。
ツーバイフォー工法で建てられた住宅は、地震があっても家全体で揺れを受け止めることになり地震に強いのです。
一方、従来の木造工法は、柱と梁で支える構造です。面で家全体を支えるツーバイフォー工法と比べると、家としての強度は下がります。
ツーバイフォー工法を採用した輸入住宅は、従来工法の木造住宅よりも耐震性は高く、倒壊の恐れも少なくなると言えるでしょう。
輸入住宅は耐火性が高い
輸入住宅に使われる建材は厚く、火による熱が建材の芯に伝わらないほどの厚さになっています。
さらにツーバイフォー工法で面構造のため火の伝わり方が遅くなります。
したがって、輸入住宅は耐火性に優れており、分厚い建材を使用していることから断熱性も優れていると言われています。
輸入住宅は台風にも強い
ツーバイフォー工法は地震だけでなく台風にも強いとされています。
面で家全体を支える強みとして、強風などの外部からの障害に強く耐久性が高まるのです。
断熱性や気密性に優れている
輸入住宅は、北欧の厳寒においても、外気の影響を受けないくらいの高気密、高断熱性能を兼ね備えています。
ただし空気が乾燥している欧米の気候を基本に設計されているため、日本特有の湿気の多い気候に適合できないことがあります。
このため通気工法や湿気対策を講じることで、より断熱性能を高めることができます。
輸入住宅で断熱性の高い家が建てられる
輸入住宅でも日本家屋と同等もしくはそれ以上に断熱性の高い家を建てることは可能です。
一般的に輸入住宅とは海外の設計思想でデザインされた家を日本で建築するものを指します。
建材などは海外から輸入するものもあれば国産のものを利用することもありますが、もともと輸入住宅は海外で建てることを想定した住宅です。
輸入元となる国の中には北欧や北米など、日本よりも緯度が高く気候の寒い地域も含まれます。
そのため断熱性についても当然考慮されており、輸入住宅でも断熱性の高い家を建てることは可能なのです。
寒冷地仕様の輸入住宅は断熱性が高い
北欧やカナダなど寒冷地仕様の輸入住宅は住宅の断熱性に特に優れています。これらの地域は昔から断熱性や気密性、また省エネ性の高い住宅を建てるために技術改良が行われてきたためです。
また、寒冷地仕様の輸入住宅は日本家屋よりも使用する断熱材の厚みが厚いという特徴があります。
住宅の断熱性は使用する断熱材の厚みと密度によって左右されるため、寒冷地仕様の輸入住宅は断熱性に優れていると言えるでしょう。
輸入住宅に多い工法
輸入住宅の多くは「2×4工法」や「2×6工法」と言った「ツーバイ工法」が採用されています。
これは、まず規格化されたパネルを作成し、パネル同士を繋ぎ合わせて壁や床、天井を作るという工法です。
それぞれのパーツが隙間なく接合されるため、気密性が高くなります。
また、輸入住宅のツーバイ工法で使用されるパネルの中には断熱材が組み込まれているのが一般的です。
パネルの多くは工場で機械的に製造されるため、安定した品質の断熱パネルが使用されることになります。
住宅の断熱性能を高めるためには断熱材を隙間なく敷き詰めることが重要です。
そのため、輸入住宅で採用されている工法は、住宅の断熱に適していると言えるでしょう。
輸入住宅で後悔しないための3つの注意点
輸入住宅の特徴やメリット・デメリットを見てきたところで、輸入住宅を購入する際に気をつけておくことについて見ていきましょう。
暮らし方にあったデザインにする
輸入住宅で聞かれる不満の1つに、デザインにこだわりすぎたために、実際に住んでみると不便で落ち着かない点がいろいろと見つかったというものがあります。
海外と日本の生活文化には大きな違いがあります。
例えば、海外では靴を履いたまま室内で過ごすことが多いのですが、日本ではそうではありません。
海外のデザインや生活様式をそのまま取り入れるのではなく、それが自分にとって快適なのかどうかを1つずつ検討することが大切です。
玄関では靴が脱げるようなつくりにする、部屋の一部に和室を設けるなど、家族全員の暮らし方や希望にあったデザインを取り入れるようにしましょう。
日本の気候に合わせたアレンジをする
日本と海外との大きな違いは気候です。
日本は高温多湿で、特に木材が傷みやすく、そのためシロアリなどの害虫も発生しやすい気候です。
しかし、欧米では日本のように湿度が高くないため、シロアリの発生を想定していない場合もあるでしょう。
そのため、用いる資材に防腐対策やシロアリ対策を施してもらう、湿気がたまりにくい間取りにしてもらうなど、日本の気候に合うようにアレンジすることも大切です。
将来的なメンテナンス依頼先を確保
輸入住宅ではドアノブのような小さな部品が1つが壊れたとしても、全く同じものをすぐに手に入れることができないでしょう。
このような事態を想定して、施工業者がどのようなアフターサービスをどれくらいの期間行ってくれるのかをを事前に確認しておくことも大切です。
また同じ事業者が対応してくれない場合もありますから、別の業者を探しておくと安心でしょう。
メンテナンス資材が国内でも注文できるのか、それとも海外に発注してなくてはならないのかなども、大切な確認ポイントです。
景観は輸入住宅にあっているのか
住宅は、その住宅が建つ環境や景観と合っているかどうかという点も大切な要素です。
和風の住宅が立ち並ぶ中、個性的なデザインの輸入住宅が建つことで景観を損なうようなことがあれば、近所の方から不満が出てしまうでしょう。
環境や景観が、建てようとしている輸入住宅と合っているかどうかも検討しましょう。
予算の範囲内におさまっているか
理想の輸入住宅を手に入れたものの、日々の生活が困窮するような金銭プランでは日常生活に影響が出てしまいます。
子供の学費に支障が出るような返済プランになっていないでしょうか。
デザイン優先で支払い計画に無理をすると後悔することになるので、余裕を持った返済方法を選びましょう。
輸入住宅の業者はどのように探せばいいのか
これまで解説してきた通り、輸入住宅には多くのスタイルと工法があります。
希望のイメージのスタイルが決まれば、そのスタイルの輸入住宅を扱う業者を探すと良いでしょう。
すべてのスタイルに対応した業者はいないため、まずは希望のスタイルを決め、そのスタイルが施工できる業者を探す必要があります。
探す方法は、ホームページや住宅専門誌などが一般的です。
施工例の写真などを見て建てたいイメージにあっているかどうかを確認するとよいでしょう。
また、輸入住宅について正しい知識を持ち、正しい施工ができる業者に依頼することをおすすめします。
なぜなら、正しい施工ができて初めて耐震性や断熱性、気密性の高い住宅が実現するからです。
業者を数社選定し、モデルハウスやオープンハウスがあれば見学に行くとよりイメージがしやすくなります。
実際に居住する人に住み心地などが確認できるとさらによいでしょう。
同じスタイルであっても業者によって坪単価が異なることもあるため、最初から1社だけに絞らず、数社を比較検討することが必要です。
ほかに、アフターケアについても確認しておくと安心でしょう。
輸入住宅は、部材やパッケージで輸入したものを使い建てるため、修理やメンテナンスでは資材がすぐに手に入らないかもしれませんし、修理に対応できる業者も限られるからです。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
注文住宅の設計プランや費用は、施工店によって大きく異なることがあります。
そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!
実際に注文住宅を建てるには時間がかかるので、この記事で大体の予想がついた方は早めに次のステップへ進みましょう!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
一生のうちに注文住宅を建てる機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!
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