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- 高気密高断熱の住宅なのに寒いのはなぜ?原因と対策
高気密高断熱の住宅の寒さの原因
冬場でも温かく過ごせるはずの高気密・高断熱の住宅のはずが、室内が寒いと感じるケースがあります。
この寒さの原因とは一体何なのでしょうか?
断熱効果を上げるには気密が必須
高気密高断熱の住宅の寒さの原因のひとつとして考えられるのは不十分な気密性です。
冬場に室内を温かく保つために大切なのは断熱材だと考えられがちですが、断熱材がいくら厚くて高性能だったとしても、それだけでは室内の温かい空気を保つことはできません。
室内の温かさを保つためには、住宅の断熱性に加えて「気密性」がとても大切です。
なぜなら気密性が低いと温めた空気が外に逃げてしまい、外の冷たい空気が室内に流れ込んでしまうので、いくら断熱性が高くても室内の温度が下がってしまうからです。
気密性が高いと室内を温かく保てる
住宅における「気密」とは、住宅の隙間を減らして、室内と屋外の間で空気が出入りしにくくすることです。
気密性が高い住宅なら、冬場であれば外部からの冷たい空気が室内に入らず、逆に室内で温められた空気は外に漏れにくくなるので、室内の温度を一定に保つことができます。
気密性が高いと断熱効果も上がるので暖房器具にかかる費用を抑えながらも快適に過ごすことのできる住宅になります。
住宅の気密性・断熱性を知るにはどうする?
室内がなかなか暖まらない、暖まったと思ってもすぐに寒くなってしまう場合には、住宅の気密性と断熱性に原因があると考えられます。
住宅の気密性や断熱性は測定して数値として知ることができます。
気密性と断熱性のどちらに原因があるのかについて把握できれば、その後の対策もより立てやすくなるでしょう。
気密性能を測る「C値」
空間の気密性能を測る際に用いられるのが「C値」という値です。これは「相当隙間面積」のことで、延床面積に対して隙間の面積がどれだけあるのかを測定して数値で表します。
C値の算出の方法は下記のとおりです。
- C値 = 家全体の隙間面積(cm2) ÷ 延床面積(m2)
C値の値が低ければ気密性が高いことを表し、C値が高いと気密性が低いことを表します。
C値の測定方法
C値の測定には「気密測定器」という機械を使います。
送風機を使って室内の空気を外に送り出し、減圧したときの気圧と風量を気密測定機によって測定します。
その測定値で隙間面積が算出できるため、この値を延床面積で割ることでC値が求められます。
首都圏のC値は高め
2009年までは次世代省エネルギー基準として国が目標基準となるC値を地域別に設けていましたが、現在では撤廃されています。
この時の基準では、北海道や東北地方の一部の寒冷地で低く定められており「2」が目標基準とされていましたが、首都圏のC値基準は「5」と、寒冷地よりも高く設定されていました。
なぜこのような地域差が設けられていたのかというと、寒冷地ではより効率的な暖房効果が求められるからです。
厳しい冬場でも少ないエネルギーの消費量で快適に過ごせる住まいにするために、寒冷地ではより高い基準が設けられていたのです。
C値の低い家は性能のいい家
C値が低く気密性が高いということは、低い冷暖房費で1年を通して快適に過ごすことができる、高性能の家であると言うことができます。
そのため近年、多くのハウスメーカーや工務店では、C値が0.2や0.3といった高気密を基準とした高性能の家づくりが行われています。
断熱性能の数値化「Q値」と「Ua値」
住宅の断熱性は「Q値」を使って表され、数値が小さければ小さいほど断熱性が高いことを示します。
「Q値」とは「熱損失係数」のことで、延床面積1平方メートルに対してどれだけの熱量が家から出ていくのかを数値化したものです。
Q値の算出方法
Q値を求めるためには複雑な計算が必要になります。
まず、外壁や天井などの各部位から熱が逃げる量の合計を求めます。
そこに換気によって家から熱が逃げる量を足しあわせ、このようにして算出された建物から逃げる熱量の合計を延床面積で割ったものがQ値となります。
Q値の算出方法を簡単に式に表すと、次のようになります。
- Q値 = 建物から逃げる熱量 ÷ 延床面積
熱は家のあちこちから逃げている
室内で温められた暖かい空気は、家のいろいろなところから外へと逃げています。
熱が逃げやすいのは天井、床、窓の隙間や換気口などですが、外壁や床からも熱は外に逃げていきます。
Q値の低い高性能の家に注目
Q値もC値同様、省エネの観点から寒冷地で高い水準が求められる傾向があります。
しかし、省エネなどの観点から高い性能の住宅が求められている昨今では、地域とは関係なくQ値が低い高断熱の家に注目が集まっています。
Q値はハウスメーカーや工務店も公表していることが多く、Q値が2.0以下だと断熱性が高い家だと言われています。
「Ua値」とは外皮平均熱貫流率のこと
Q値と同様に断熱性を表す数値に「Ua値」があります。
Ua値とは「外皮平均熱貫流率」のことです。
Q値は外壁や天井から逃げる熱量に加えて、換気によって逃げる熱量も合わせて計算されるのに対し、Ua値は換気によって逃げる熱量は含まないという違いがあります。
単に家の内壁や外壁、天井や窓、床から逃げていく熱量だけが対象にされ、各部位から逃げる熱損失量の合計を外皮面積(外壁、屋根、床、天井、窓など)で割ることで、Ua値が求められます。
断熱材は天井・外壁・床に必要
熱が特に逃げていきやすい箇所は天井、外壁、1階の床です。
ということは、断熱性を高めるためには、熱損失量の大きいこれらの部分に断熱材を使うことが大切だということがわかります。
つまり、天井から床下まで家全体を覆うように断熱材を施工することが大切だということです。
また、断熱性を高めるためには十分な量の断熱材を隙間なく敷き詰めることも重要です。
断熱材と断熱材の間に隙間があったり、部分的にしか使用されていない場合には、断熱性が下がるだけではなく、そこに結露が生じて家の基礎部分に損害を与える可能性もあるため注意しましょう。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
注文住宅の設計プランや費用は、施工店によって大きく異なることがあります。
そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!
実際に注文住宅を建てるには時間がかかるので、この記事で大体の予想がついた方は早めに次のステップへ進みましょう!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
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そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
一生のうちに注文住宅を建てる機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール

タクトホームコンサルティングサービス
亀田融一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。
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