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- ZEH住宅の判断基準について詳しく解説!
そもそもZEH住宅とは?
ZEH住宅とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(Net Zero Energy House)」のことを指し、頭文字を並べて通称「ZEH(ゼッチ)」と呼ばれています。
最近ではメディアのCMなどでも目にする機会の多くなったZEH住宅が、どのような住宅であるかについてご紹介します。
年間の一次エネルギー消費量がゼロとなることを目指した住宅のこと
「ZEH住宅」とは、年間の一次エネルギーの消費量と生産量の収支がゼロ以下となることを目指した住宅のことです。
住宅の断熱性を高めたり再生利用可能エネルギーを利用することによって住宅の省エネ性を高め、同時に太陽光発電システムや蓄電システムを利用して、年間を通して消費するエネルギー量と同等のエネルギーを作り出します。
こうすることによってエネルギーの消費量と生産量が「消費量≦生産量」となるようにしようというものがZEH住宅です。
エネルギー基本計画について
国は10年後、30年後を見据えたエネルギー政策の基本的な方向性を示すことを目的としてエネルギー基本計画を策定しています。
2019年10月現在策定されている第5次エネルギー基本計画では、ZEHの実現・普及目標が次のように設定されています。
- 2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上でZEH住宅の実現を目指す
- 2030年までに新築住宅の平均でZEH住宅の実現を目指す
このことからも、国がZEH住宅の新築に積極的であることがわかるでしょう。
Nearly ZEH住宅とは?
最近ではゼロエネルギー住宅が注目され始めています。ゼロエネルギー住宅はZEHと呼ばれており、それに準じてNearly ZEHというものが制定されています。それではZEHとどこが違うのでしょうか。
Nearly ZEHというのは簡単にいうと都会などの太陽光発電が十分に設置できない住宅に配慮された基準の事を言います。
断熱性基準と省エネによる消費量削減の基準はZEHと同じものですが、日照時間や太陽光発電の設置面積が限られる事を懸念して年間の一次エネルギー消費量の基準は違います。
具体的にはZEHが年間の一次エネルギー消費量が100%以上に対して、Nearly ZEHは75%以上100%未満という基準になっています。
ZEH住宅の4つの判断基準とは?
ZEH住宅としての認定を受けるためには4つの基準を満たしている必要があります。
それぞれの基準について順番に見ていきましょう。
1.強化外皮基準を満たしていること
ZEH住宅であるかどうかの判断基準の中でも特に注目を集める項目がこの「強化外皮基準」です。
この基準を満たしていることで、省エネ性の高い住宅であるという判断をすることができます。
強化外皮基準は建物の外皮の断熱性能を判断するための基準であり、3種類の地域区分ごとに異なる値が設定されています。
具体的な数値として、地域区分ごとにそれぞれ0.4以下、0.5以下、0.6以下というUA値が設定されています。
一方、従来の省エネ基準で設定されているUA値は最も基準の厳しい地域で0.46、逆に最も緩い地域では0.87という値が設定されています。
ZEH住宅の強化外皮基準は従来の省エネ基準よりも厳しい高断熱基準が設定されているのです。
2.基準一次エネルギー消費量を20%以上削減すること
この項目についてはまず一次エネルギーとは何かについて理解しておかなければなりません。
「一次エネルギー」とは、石油や石炭、天然ガスなどの自然界から直接得ることができるエネルギー源のことを指します。
それでは電気は何に該当するかと言うと、一次エネルギーを利用して生み出される「二次エネルギー」に該当します。
電気の様に一次エネルギーから変換加工して得られたエネルギーのことを二次エネルギーといいます。
つまり、この電気の消費エネルギー全てを太陽光で発電した電力に切り替えてしまえば、一次エネルギーの消費量をゼロにすることが可能なのです。
ただし、都心部では高い建物に遮られて十分な日照が得られなかったり、太陽光パネルを設置する屋根を確保できない場合も多々あり、このような事情も考慮した上でZEH住宅の基準は設定されています。
一次エネルギーの消費量を削減する方法は、太陽光発電への切り替えだけではありません。
住宅の断熱性を高めたり、換気扇や空調、給湯器などの設備機器を高効率化して住宅を省エネ化し、必要とするエネルギー量自体を減らすことも重要です。
再生可能エネルギーで生産されてプラスとなる分は除き、住宅の省エネ化によって基準一次エネルギー消費量を20%以上削減することがZEH住宅の基準では求められています。
3.再生可能エネルギーを導入すること
再生可能エネルギーとは太陽光や風力、水力、地熱などの自然界に存在する枯渇することの無いエネルギーのことを指します。
また、再生可能エネルギーは温室効果ガスを排出しない、もしくは増加させないという特徴もあります。
ZEH住宅として認められるためには、この再生可能エネルギーシステムを導入している必要があります。
たとえば、太陽光発電システムなどが該当します。
ZEH住宅の基準では再生可能エネルギーの生産量については問われないため、わずかでも再生可能エネルギーを創出していれば問題ありません。
4.1~3により基準一次エネルギー消費量から100%削減すること
ZEH住宅では、基準として定められている一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量を削減することも求められます。
まず、1~2の基準を満たすことによって一次エネルギー消費量を20%以上削減することが可能です。
その上でさらに太陽光発電などの再生可能エネルギーを創出することで一次エネルギーの消費量を削減して、ゼロ・エネルギーを目指します。
この「ゼロ・エネルギー」というのはエネルギーの消費量がゼロということや、光熱費がゼロであるという意味ではありません。
年間を通してのエネルギー消費量と、生産量の差し引きが概ねゼロ以下を目指すというものです。
ZEH住宅の義務化と撤回とは?
住宅の省エネ基準が2020年に義務化されることが検討されていました。しかし2018年に「義務化」ではなく「説明すれば可」に変更されました。それに伴いZEHも義務化が一旦撤廃となりました。ではなぜ時代に逆行するが如く撤廃されたのでしょうか。
理由としてはまず「対応が現実的ではないということ」です。これは大手の事業者であれば対応していくことは難しくないかもしれません。
しかし、中小規模の事業者も住宅を作っています。さらに言うと大手よりも中小のほうが数が多く、これを強引に行うと経済に影響するとみなされて延期・中止が決定されたという背景があります。
但し、現在のところは延期という形をとっていますので将来的にはZEH住宅が義務化されることもありえます。従って、今後住宅を建てていくのであれば省エネルギーへの取り組みは必須であると言えるでしょう。
また、補助金の観点からみても省エネルギーに対して取り組んでいくべきと言えるでしょう。時期によって補助金の種類は変わってくると思われますが、省エネ対策は補助金関係が多くなる傾向がありますので建築の前には確認をしましょう。
最後に、省エネルギー設備を導入している住宅は将来的に建物の価値が省エネルギー対策をしていない住宅に比べて高まる傾向にあります。家を資産として考える場合、購入した家の価値が下がるのは避けたいものです。
ZEHに対しても含めて住宅メーカーと打ち合わせをして時代に沿った住宅を建てるようにしていきましょう。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
注文住宅の設計プランや費用は、施工店によって大きく異なることがあります。
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実際に注文住宅を建てるには時間がかかるので、この記事で大体の予想がついた方は早めに次のステップへ進みましょう!
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一生のうちに注文住宅を建てる機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール

タクトホームコンサルティングサービス
亀田融一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。
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