2023年12月22日更新

監修記事

震度7に耐える地震に強い家について解説!

震度7に耐える地震に強い家を建てるには何を目安にすればいいのか?

4つのプレートの上に跨るように位置する日本は、世界的に見ても地震の多い国であるといえます。

日本で生活する限りは常に地震のリスクが伴うため、被害を抑えるためにはしっかりとした対策を取ることが重要です。

私たちの生活の基盤である住居も、地震対策が不十分な状態では地震による被害を受けてしまうかもしれません。

万が一大きな地震が発生しても安心して暮らすことができるようにするためには、地震に強い家になる対策を検討する必要があります。

地震に強い家と言っても、その性能は様々です。

建物の性能としては地震に強ければ強いほど安心ですが、震度7の地震にも耐えることができれば地震に強い家であるといえるでしょう。

地震に対する強さは「耐震等級」「耐震性に関する構造」「家の構造」という3つの項目を目安として判断することができます。

これら3項目の詳細については後述しますが、地震とどのように向き合うかといった考え方が家の構造等にも影響します。

どのような地震に強い家を建てるかの最終判断は施工主次第となるため、ひと口に地震に強い家といってもその内容は様々なのです。

耐震住宅でも建物は揺れる?

近年大きな自然災害が頻発しており、住宅の安全性に対する関心がますます高まってきています。

特に地震について、日本は複数のプレート上に位置しているため、いつどこで大きな地震に直面しても不思議ではありません。

万が一地震が発生した際に、できるだけ被害を軽減することができるよう住宅の耐震について解説します。

地震に強い家と言うと、耐震住宅という言葉を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

この耐震住宅とは、文字通り地震の揺れに耐えることができる住宅のことをいいます。

建物の耐震性を高めるためには、壁や柱に筋交いや補強金具を入れたり、耐力壁を使って建物の躯体を補強したりするという方法があります。

また、ツーバイフォー工法のように建物を面で支える工法を採用することによっても耐震性を高めることができます。

補強された建物が実際にどの程度の耐震性を有するかについては、住宅性能表示制度で定める耐震等級で判断することができます。

耐震等級とは1~3までの等級が定められており、数字が大きいほど建物の耐震性が高いことを示しています。

それぞれの等級について簡単に説明します。

まず耐震等級1は、数十年に一度程度の地震で損傷しないこと、かつ数百年に一度程度の地震でも倒壊しない耐震性能を持つ住宅であるとされています。

この基準は建築基準法で定められている耐震基準と同等の基準となっています。

つまり、現行の建築基準法に則って建築される住宅は全て耐震等級1以上であり、耐震住宅であると言うことができるのです。

次に耐震等級2は、耐震等級1よりも1.25倍大きな地震の揺れに対して、損傷しない、かつ倒壊しない耐震性能を持つ住宅です。

主に学校や病院、大型商業施設など、多くの人が利用する施設では耐震等級2以上で建てられていることが多いようです。

最後に耐震等級3は、耐震等級1よりも1.5倍大きな地震の揺れに対して、損傷しない、かつ倒壊しない耐震性能を持つ住宅です。

最も厳しい耐震基準をクリアした建物だけが、耐震等級3の認定を受けることができます。

防災の拠点である消防署や警察署などの建物は耐震等級3で建てられています。

この通り、耐震住宅とは地震が発生した際に揺れを感じさせない住宅というわけではなく、建物の損傷や倒壊を防ぐことを目的とした住宅なのです。

そのため、地震や強風によって建物が揺れることもあるかもしれません。

しかし、建物が揺れるからと言って『危険な建物』であるというわけではないため、過剰に心配する必要はありません。

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どちらが揺れる?免震構造と耐震構造

地震による建物への被害を軽減するための建築物の構造として、免震構造と耐震構造というものがあります。

どちらの構造も地震が発生した際に安全性を確保するという目的は同じですが、両者の間には地震対策として明確な違いがあります。

それぞれの構造について説明します。

まず免震構造とは、大きな地震が発生した場合でも免震装置によって地震エネルギーを吸収し、建物が揺れにくくする構造のことをいいます。

免震構造では建物と基礎の間に積層ゴムなどの免震装置を設置することにより、建物と地盤を切り離します。

アイソレーターと呼ばれる装置で建物を地面から切り離すことによって、地震が発生しても地面の揺れが建物に直接伝わることを防ぐことができるのです。

一方で耐震構造とは、建物を強固にすることによって、建物が地震の揺れに耐えることができるような構造のことをいいます。

耐震構造では梁や柱、壁などといった建物を支える部分に補強金具や筋交いなどを入れたり、強固な部材を使用したりすることによって建物全体の強度を高めます。

耐震構造では震度6~7程度の地震が発生しても、建物の倒壊により人が下敷きとなって亡くなることがないような基準が設定されています。

どちらの構造も地震に強いと言えるのですが、耐震構造は地震の揺れに耐えることで被害を抑え、免震構造は地震の揺れを免れることで被害を抑えるという違いがあります。

耐震構造は建物の構造として揺れを軽減するための仕組みは備わっておりません。

そのため、地震が発生した際は建物が揺れることもあり、揺れが激しい場合は家具などが転倒したりしてしまうこともあるでしょう。

特にマンションなどの高層階では体感する揺れが大きくなる傾向にあります。

耐震構造は他の構造よりも比較的安価に採用できる構造であるため、耐震住宅の多くはこの耐震構造となっているようです。

ただし、耐震構造だからといっては半永久的に地震に耐えることができるわけではありません。

想定よりも大きな地震が発生したり、繰り返し地震の揺れを受けることによって建物にダメージが蓄積されていきます。

地震の頻度や規模によっては建物の修繕が必要となることがあるでしょう。

これに対して免震構造は建物を地面から切り離し、建物に揺れが伝わりにくくする構造となっています。

そのため、比較的大きな地震が発生しても揺れを感じることが少なく、家具などが転倒する二次被害を防ぎやすいとされています。

また、免震構造は水平方向の揺れに強いため、マンションなどの高層建物でもよく採用されている構造です。

免震構造の建物は他の構造よりも建築費用が高額となってしまいますが、地震に対して高い安全性を確保することができるでしょう。

なぜ揺れる?住宅が揺れる要因とは?

家の中で揺れを感じる原因となるのは地震だけとは限りません。

地震が発生していない時であっても、地盤や建物、周辺の交通環境などによって揺れを感じることがあるかもしれません。

家が揺れる原因として考えられることと、その対策について紹介します。

家が揺れる原因として考えられるものの一つとして、周辺の交通環境が挙げられます。

たとえば住宅の付近に鉄道が走っていたり、高速道路や幹線道路などのように大型車両が通行する道路があるなどといったことが考えられます。

これらが原因となる振動や揺れに関しては実際に入居してみなければ気が付かないというケースもあるかもしれません。

揺れや振動が軽微で気にならない程度であれば問題ありませんが、毎日継続するようではストレスの原因となってしまう可能性もあります。

対策としては、実際に入居する前に揺れや振動が発生する物件でないかを住宅の販売・賃貸会社に確認することが現実的です。

入居後に改善を行うのであれば、敷地の周辺に杭を打ち込むことによって建物が共振することを防ぐか、地中深くに杭を打ち込むといった工事などが必要となるでしょう。

家が揺れる原因としては地盤に問題があるというケースも考えられます。

たとえば、過去に湿地だった場所を埋め立てて造成した土地や、川の近くや周辺を田んぼに囲まれた土地などは地盤が軟弱である可能性があります。

地盤が軟弱であれば建物の構造が耐震構造や免震構造であったとしても、本来期待される効果を発揮することができません。

交通による振動を受けやすくなるだけでなく、地盤沈下の可能性や地震による被害を受けやすくなるという恐れがあります。

地盤が軟弱であることが原因で建物が揺れている場合は、地盤を強化することによって症状を抑えることができます。

現在では技術の進歩により、更地だけでなく既存の建物が建っている土地であっても薬液や杭を利用した地盤改良工事を行うことが可能です。

地盤調査や地盤改良工事を行うためには多額の費用が必要となりますが、住宅の耐震性を高めて安心して暮らすためにも検討してみると良いでしょう。

昨今は、各自治体も耐震リフォームに「補助金」を出すなど積極的に対策を行っています。

先ずは各自治体の耐震診断を受けてみるのも良いことでしょう。

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地震に強い家とは?

地震 に 強い 家

地震の多い日本で安心して暮らすために、耐震性の高い家に注目が集まっています。

地震に強い家ならば、自分自身だけでなく家族も守ることができます。では、地震に強い家とはどのような家なのでしょうか。

耐震性の高い住宅の条件や耐震等級など、住宅の耐震性に関わる専門用語も併せて解説します。

新築の家は最低限の耐震基準をクリアしている

日本で建てられるすべての住宅は、建築基準法で定められた基準をクリアしなくてはなりませんが、中でも1981年6月以降に確認申請を取得した住宅なら一定の耐震基準はクリアしています。

1981年に施行された新耐震基準において定められている耐震基準とは、震度6~7程度の大地震で倒壊しない耐震性です。

1995年に大きな被害を与えた阪神・淡路大震災では、新耐震基準前に建てられている住宅を含めた建造物の約19%が倒壊しましたが、新耐震基準制定後に建てられている建造物で倒壊したのは約8%と、半分以下でした。

つまり、新耐震基準が実施された1981年以降に建てられた建造物は、従来のものに比べて高い耐震性を備えていると言えるでしょう。

新耐震基準の耐震目標とは

1981年6月から実施されている新耐震基準は、震度6~7程度の地震で倒壊しない建築構造であることが定められています。

それ以前の耐震基準は、震度5程度の地震に耐えられる建築構造が求められていましたから、新耐震基準によって耐震性の基準は高められました。

1981年以降も耐震基準の改正が繰り返され、その内容は新築住宅に対してだけでなく、既存住宅を増築する際にも適用されます。

2000年の改正では、木造住宅の耐震性について見直され、基礎工事で地盤の強度に合わせた基礎形状を設計しなくてはならず、地盤調査が必須となります。

また、柱などの接合部分の部材を指定するなど、細かな改正となりました。

2006年には住宅の耐震診断や耐震性を高めるための改修基準も定められました。

住宅などのすべての建築物で耐震性が高められるように、耐震基準の改正は繰り返されています。

震度7に耐える地震に強い家を建てる目安「耐震等級」とは

地震に強い家であることを示す目安の一つに「耐震等級」というものがあります。

ここではこの耐震等級について解説します。

そもそも住宅を建てる際には、建築基準法で定められている基準を満たす必要があります。

そして、建築基準法では耐震基準を判断するための指標として1~3の耐震等級を定めているのです。

耐震等級はその数字が大きいほど耐震性能が高いことを意味します。

耐震等級1

耐震等級1の住宅は、数十年に一度程度の地震で損傷しないこと、かつ数百年に一度程度の地震でも倒壊しない耐震性能を持つ住宅です。

耐震等級1は建築基準法で定められている耐震性能を最低限満たす水準であるため、ほぼ全ての住宅は耐震等級1以上となっています。

耐震等級2

耐震等級2の住宅は、耐震等級1で想定する地震の1.25倍の力に対してそれぞれ損傷しない、かつ倒壊しない耐震性能を持つ住宅です。

主に学校や病院などの公共施設では耐震等級2以上で建てられていることが多いようです。

耐震等級2以上だと、長期優良住宅の認定が受けられます。

この長期優良住宅の認定があると、住宅建築にあたってローンを利用する際に借入条件が有利になったり税制優遇を受けることができます。

耐震等級3

耐震等級3の住宅は、耐震等級1で想定する地震の1.5倍の力に対してそれぞれ損傷しない、かつ倒壊しない耐震性能を持つ住宅です。

防災の拠点となっている消防署や警察署などの建物は、耐震等級3以上で建てられています。

稀に「耐震等級3相当」と謳って住宅が販売されていることがあります。

一見地震に強そうに見えるかもしれませんが、あくまで「相当」と謳っているだけの場合は住宅性能評価機関の認定を受けて等級を与えられているわけではない点には注意しましょう。

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震度7に耐える地震に強い家を建てる目安「耐震性に関する構造」とは

ここからは「地震に強い家」の耐震性について見ていきましょう。

地震に対してどのように対処するかによって、耐震性に関する構造は異なります。

耐震性に関する構造は大きく3つに分類されます。「耐震構造」「制振構造」「免震構造」についてそれぞれ解説します。

耐震構造

耐震とはその名の通り、地震に耐えることができるよう建物自体を強化することを指します。

耐震構造にするための方法としては壁に筋交いを入れたり、柱に補強材を取り付けて建物を補強したりする方法があります。

十分な耐震性を発揮するためには、必要な箇所に必要な量の補強材を取り付ける必要があるため専門的な知識が必要です。

制振構造

制振構造とは、地震による揺れを吸収する仕組みが備わった建物の構造のことを指します。

建物の内部に制振材と呼ばれる重りやダンパーなどを組み込むことによって、地震による揺れを熱エネルギーに変換して吸収します。

高層ビルなどは上層階ほど揺れの影響が通常は大きくなりますが、制振構造とすることで地震による被害を抑えることができます。

免震構造

免震構造とは建物と基礎との間に免震装置を組み込むことによって、基礎から浮いた状態の建物の構造のことを指します。

地震が発生しても揺れの衝撃を受け流すことができるので、建物まで振動が伝わりません。

そのため、建物の被害を抑えるだけでなく家具などの建物内部の被害を抑える手段としても有効です。

震度7に耐える地震に強い家を建てる目安「家の構造」とは

一般的な住宅の構造は「木造」「鉄骨造」「RC造(鉄筋コンクリート造)」に分類することができます。

構造ごとに地震に対してのメリットとデメリットが存在するため、それぞれの内容について解説します。

木造構造

木造構造とは主に木材を使用して建てられる構造のことであり、日本ではほとんどの戸建て住宅が木造構造で建てられています。

この木造構造には昔からの軸組工法と、北米から入ってきたツーバイフォー工法の2つの形式があります。

ツーバイフォー工法は壁面構造のため軸組工法より耐震性があるとされています。

木造構造は着工件数が多く、比較的安いコストで建てることができるという点が魅力的です。

また、将来的にリフォームをしやすいといったメリットがあります。

一方で、木造構造は他の構造と比べると耐震性が劣るというデメリットがあります。

鉄骨構造

鉄骨構造とは主に鉄骨を使用して建てられる構造のことであり、鋼材の厚みによって重量鉄骨か軽量鉄骨かに分かれます。

一般的な戸建て住宅の場合は軽量鉄骨造りであるケースが多いでしょう。

鉄骨構造のメリットは筋交いの入ったブレース構造とすることにより、ある程度大きな揺れにも耐えることができるという点です。

デメリットとしては木造よりも重量があるため、住宅の新築時に地盤改良が必要になるケースがあり、その際は建築費用が高くなることがあります。

RC構造

RC構造とは鉄筋で補強されたコンクリートで建てられた建物の構造のことです。

コンクリートは圧縮力に強く、鉄筋は引っ張る力に対して強いため、高い強度で地震の揺れにも強いという特徴があります。

他の構造と比較するとかなり重量があるため、RC構造の場合も地盤改良費が高額となる可能性があります。

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地震に強い家は震度7にも耐えられる?

震度7の地震では耐震性能が高い建物であっても傾いたりひびや亀裂などが入ってしまうことも少なくありません。その為、新耐震基準というものが制定されました。但し、新耐震基準においても震度7の地震は「極めて稀に発生する地震(数百年に一度の頻度)」という事になっています。

つまり新しい耐震基準にも熊本地震のような大きな地震は想定されておりません。その為、新耐震基準を満たしているものであっても倒壊してしまった例もありました。

しかし、さらに耐震等級という目安もありますので地震に強い家を探したい場合はこちらを参考にしましょう。

選ぶなら耐震等級3

熊本地震のような巨大地震では建物の倒壊も少なくありませんでした。その中で無傷で残る家もありその共通点は耐震等級が3の建物でした。

耐震等級には1~3まであり、耐震等級とはその家がどれだけ耐震性があるかという基準を示す数値です。

耐震等級が1なら新耐震基準を満たすレベル、2ならその1.25倍、3なら1.5倍の強度、といった感じでその建物の耐震性を表しているので、耐震等級が3のものを選ぶようにしましょう。

さらに耐震等級には地震保険が安くなるというメリットもあるため、さらに地震に備えることができます。

震度7にも耐えられる地震に強い家のポイント!

日本で生活をする上では地震に強い家を考えるのは当然の流れだと思います。では地震に強い家を作る為に気を付けるポイントを紹介します。

耐震等級を確認する

前述でも紹介していますが耐震等級は建物の地震に対する強さを表しているため参考にするといいでしょう。倒壊防止や損壊防止など色々な基準がありますので1つ1つ確認をしておきましょう。

木造枠組壁工法

木造枠組壁工法は一般的にツーバイフォー工法と呼ばれていることが多いです。

この工法は床・壁・屋根が一体となったモノコック構造になっているため外圧を一点で受け止めず面で受ける為、地震が発生しても傾きや倒壊を防いでくれるという特徴があります。

ツーバイフォー材よりも強度があるツーバイシックス材を外壁に使用することによりさらに地震に強い家を建てることができます。

床に強度を持たせる

床に強度があると、地震だけでなく台風などの災害にも強い家になります。

地震や強風によって家にかかってくる負担は、家の骨組みや外壁だけでなく水平面である床材にも加わります。

やわらかい素材の床ではそうした負荷によって変形したり壊れたりしてしまいますが、強度の高い床ならば簡単に変形しないのでダメージを受けにくくなります。

地盤や基礎の部分も考えよう

建物自体の耐震性を気にする人は多くいますが地盤や基礎の耐震性を考える人は意外と少ないです。いくら耐震性の高い建物を建てても基礎や地盤が弱いと地震の被害を防ぐことができません。

建てる前に地盤の確認をして地盤に不安のある土地柄の場合は地盤改良の工事も視野に入れるといいでしょう。基礎についても耐震性の高いものをハウスメーカーに確認をして使用するなどを検討すると良いでしょう。

ベタ基礎も検討

地震に強い家の見えない部分の特徴として、「ベタ基礎」が挙げられます。

「ベタ基礎」とは、家の土台となる基礎の部分全体が鉄筋コンクリートで固められている基礎のことです。家を面で支えることで、軟弱な地盤であっても地震の振動が伝わりにくくします。

住宅の基礎にはベタ基礎以外に布基礎がありますが、布基礎は住宅の外周を鉄筋コンクリートの低い壁で取り囲むようにして作られる基礎です。

布基礎はコストを抑えた施工法ですが、家を線で支えるような形になり家の荷重を支えやすくなるものの、ベタ基礎ほどの強固ではないため、地震の振動は伝わりやすくなります。

家全体の重量を軽くする

地震の振動は、建物の重量が重くなればなるほど伝わりやすくなります。

そのため家全体の重量が軽いと、家に与える影響も少ないのです。

地震で横に揺れたときの大きさを測定する地震力は、地震の揺れに対して建物の重量に比例します。

つまり重い家は軽い家よりも地震力が強く、地震によって揺れやすいことが分かっています。

ただし、ただ軽くしただけでは家の耐震性は強まりません。

家の耐震性を高めるには、耐震性の高い構造であると同時に、軽くするためのポイントとして、重くなりやすい屋根や外壁などに軽い素材を使うことが必要です。

シンプルな形状

家の形状がすっきりとした形をしている家は地震に強い家です。

家の平面図を見たときに、凹凸の多い家というのは地震のような横からの負荷がかかった時にねじれが生じてそこから家が崩れ始める可能性があります。

一方、平面図にすると凹凸が少なく、ほぼ長方形または正方形のようにシンプルだとねじれが生じにくくなります。

また、1階と2階の平面形状が同じになるような設計だと、さらに家の耐震性が高まります。

1階部分に駐車スペースを設けるため家が欠けたようなデザインのオーバーハンギングを施した設計の家は、2階部分の重さを面で支えていないため耐震性が弱まるのです。

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震度7にも耐えられる地震に強い間取り

耐震性というと構造の事を考える人が多いと思いますが、実は住宅の間取りも耐震性に関わります。ここでは地震に強い間取りと特徴を紹介していきます。

震災後に人気が高まっている平屋

熊本地震など、大きな地震の後に人気が高まる傾向にあるのは平屋です。地震が起きた時、より揺れを感じるのは2階になりますので平屋にしようと考えるようです。

しかし、平屋でも部屋数が少ないなど壁が少ないような間取りだと耐震性は下がってしまいますので注意が必要です。

正方形に近い家のほうが耐震性は高い

新しい家を設計していく際、日当たりや間取りを考えると長方形の家になりやすいのですが、耐震性だけを考えるならば正方形の方が耐震性が高いです。なぜなら正方形の家はどの方向の地震にも同様に耐える事ができるからです。

しかし、ほとんどの家が土地の広さや日当たりなどの様々な理由から正方形の家を設計することは難しいです。あくまで参考程度に考えて設計をすると良いでしょう。

耐力壁を多くする

耐力壁とは地震の揺れなどの負荷に耐える事のできる壁の事をいいます。

耐力壁が多ければ多いほど耐震性は向上しますので、その為には部屋数を増やすことです。部屋を増やすことができれば耐力壁を多く設置できるので自ずと耐震性を上げることができるでしょう。

地震に強い家を維持する方法

地震 に 強い 家

長年住んでいれば、地震に強い家も不具合が生じてきて、いつの間にか地震に弱い家に変わっているかもしれません。

そうならないためには、定期的なメンテナンスが大切です。

定期的なメンテナンスで修理費用も削減

定期的なメンテナンスを行うことで、住宅の劣化を未然に防ぎ、その分修理費用も抑えられます。

目視できるメンテナンスは、外壁ならサイディングの継ぎ目のシーリングの劣化、木造住宅ならシロアリの被害の有無、室内なら雨漏りや水回りの水漏れです。

水漏れやシロアリ被害は住宅の構造部分にダメージを与えるので、放っておくと住宅の耐震性にも影響します。

目視によるメンテナンスは定期的に行いましょう。

住宅の劣化が目立ちやすい5年をめどにメンテナンスの専門業者にメンテナンスをお願いすることで住宅の寿命を伸ばせます。

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地震に強い家を建てる際の注意点

地震に強い家を建てたとしても、家の土台となる地盤が緩くては家の強度は弱まってしまいます。

地震に強い家を建てる上で大切なことは、耐震性の高い家に加えて土台となる地盤の固さです。

耐震性には地盤も関係する

地震による被害の大きさは、地震の大きさや深さに加えて地盤の固さとも関係しています。

地盤が固ければ同じ深さの地震でも被害は少なく、地盤が緩ければ被害は大きくなります。

土台となる地盤が固く家に地震が伝わりにくければ、家の耐震性も維持されるでしょう。

地盤を補強する方法

地盤の固さを診断するには専門業者に依頼するか、行政が提供するハザードマップで確認することも可能です。

地盤が弱いとわかれば、地盤を固くするための補強工事を行います。地盤の補強工事には3つあり、地盤の軟弱さによって工法を使い分けます。

地盤2メートルまでの補強ならば「表層改良工法」です。土にセメント系の固化材を混ぜ合わせて地盤を強化。

地盤8メートルまでの補強は「柱状改良杭工法」で、地盤3メートル~29メートルまでの深い地盤の補強なら「鋼管杭工法」を行います。

それぞれ特殊な杭を打ち付けて地盤を補強します。

耐震性を考慮した木造住宅の建て替え!利用できる補助制度は?

日本は世界でも有数の地震大国です。近年は日本各地で地震が頻発しており、不安を感じておられる方も多いのではないかと思います。

その中でも特に木造住宅にお住まいの方は対策に悩まれているのではないでしょうか。

実は自治体によっては木造住宅の耐震化を考慮し、旧耐震基準で建てられた住宅に関しての耐震改修や建て替え工事の助成制度が用意されているところも多くあるのです。

ここでは木造住宅を建て替える際にどのような補助制度を受けることができるのかご紹介します。

「建て替え工事」で利用できる制度

お住まいの自治体によって制度の有無や内容は異なりますが、住宅の建て替え工事を行う際に利用できる補助制度が用意されている自治体は多いため、まずは該当する制度がないか、探してみると良いでしょう。

例えば、既存住宅についての耐震診断を受け、耐震性に劣ると診断された結果を受けて住宅の建て替えを行う場合、補助金が受給できる制度が用意されている自治体もあります。

建て替えでは既存の家屋を解体する必要がありますが、解体除去工事は対象にならず、建て替え工事費用のみが対象とされている助成制度も多いため、その点には注意が必要です。

補助金の交付だけではなく、税金の減免制度を設けている自治体もあります。

例えば、2020年12月現在、東京都23区では固定資産税や都市計画税の減免制度も受けることが可能です。要件に該当している場合、新築後新たに課税される年度から3年度分の固定資産税、都市計画税が全額減免となります。

また、国でも耐震改修工事を行った際に適用される減税措置を用意しています。国の減税措置は大きく分けて固定資産税と所得税の二つです。

耐震改修工事を行った場合、1年に限り固定資産税が2分の1に軽減されます。そして所得税から1年間(1回)に限り、工事費の10%が控除されます。ただしこちらの控除限度額は25万円です。

このように、自治体の補助制度に加え、国などの減税措置を利用することで、耐震改修工事に掛かるコストもかなり抑えることができるでしょう。

補助制度の内容は各自治体により異なるので、お住まいの地域で利用できるのはどのような制度なのか調べておくようにしましょう。

「耐震診断」で利用できる制度

自治体の耐震工事に関する補助金制度を利用する際には、耐震診断を受けることが条件となっている場合がほとんどです。

木造住宅の耐震診断を行う場合の料金の目安は、延床面積が約120平方メートルの在来軸組構法の建物で約20万円~約50万円でしょう。

ただしこちらは竣工時の図面が有る場合の目安であるため、図面がなければさらに料金がかかります。

このように耐震診断を受ける際にもまとまった金額が必要になるため、各自治体のホームページなどを確認し、耐震診断についての補助金制度の有無や詳細について確認しておくようにしましょう。

自治体によっては無料で診断を受けられるところもあり、このような制度を活用すれば費用を大幅に抑えることができます。金額や条件などは各自治体のホームページなどから確認することができるので、木造住宅の建て替えを行う際はこちらもチェックしておきましょう。

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『耐震性のない住宅』の建て替えで補助制度を利用できる条件は?

では次に耐震性の向上を目的とした建て替えの際に利用できる補助制度の条件を見ていきましょう。

細かな条件は各自治体によって異なりますが、大きく共通する条件には下記のようなものがあります。

1981年5月31日以前に建てられた住宅であること

1981年5月31日以前の住宅は、旧耐震基準に基づいて建てられています。

旧耐震基準は震度5強程度の揺れでも建物が倒壊せず、破損したとしても補修することで生活が可能な構造基準とされています。

それに対して、1981年6月1日以降から適用されているのが新耐震基準です。こちらは震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準が設定されています。

「1981年5月31日以前に建てられた住宅」とは、建物が完成した年月日でなく、建築確認が行われた年月日で判断されることが多いのですが、自治体によっても異なるため、一度きちんと確認しておくことをおすすめします。

2階建て以下の木造住宅であること

基本的には木造住宅の中でも、2階建て以下の木造軸組み工法の建物が補助の対象となります。ただしこちらも自治体によって異なり、伝統工法やツーバイフォー住宅も対象になるところもあります。

しかし、3階建て以上の住宅は耐震工事や構造計算が特殊になるため、補助金の対象外となるケースがほとんどです。

耐震診断を受けていること

耐震性を目的として建て替えを行う場合、既存住宅について耐震診断を受け、耐震性が基準を下回っていることを条件にしている自治体がほとんどです。

地域によっては耐震診断によって出された耐震性能を表す数値を、建て替えによって各自治体の定めるレベルまで補強することが条件となっています。そのため、新居の耐震性能についても目を配る必要があるでしょう。

自らが居住している住宅であり、市税を滞納していないこと

補助制度を利用できるかどうか、申請者についても確認が必要なこともあります。

所有者が自ら居住している戸建住宅である場合は特に問題はないでしょう。しかし、貸家のように所有者と居住者が別である場合は、所有者が申請を行うことが条件となっていることがほとんどです。

また、店舗等併用住宅は制限がある場合が多いので確認が必要です。

そして、市民税の滞納していると補助金が受けられないというケースもあります。

補助金の申し込みをする際は、これらの条件について一度確認しておくと良いでしょう。また、条件や内容は自治体によって異なるので、補助金の利用を考えている場合はお住いの自治体に問い合わせて確認しておくことをおすすめします。

建て替えで耐震工事の助成制度を受けるための流れとは?

ここまで耐震工事の助成制度について解説してきました。では実際に建て替えで耐震工事の補助を受けるにはどうすればよいのでしょうか。補助金を受けるまでの流れについて見ていきましょう。

ただし、地方自治体によって細かな流れは異なることもあるため、あくまでも目安として御覧ください。

【1】既存住宅について耐震診断を受ける
まず、既存住宅についての耐震診断を受けます。一般的に耐震工事の助成を利用するには耐震診断を受けることが必要になります。

自治体が用意している耐震診断制度を利用する方法や、直接耐震診断を行ってくれる業者に依頼する方法があります。

耐震診断を行うには建築図の図面が必要になることもあるため、事前に準備しておきましょう。

【2】補助金申請書の提出
耐震に関する補助金を受ける場合、解体業者や新築の建設業者と契約を結ぶ前に、補助金制度の事前申請を行うことを条件としている場合が多いため注意しましょう。

【3】補助金交付決定通知を受け取る
事前申請が受理され、補助金の交付決定通知を受け取ったら、解体工事や新築工事を行う業者を探し、契約します。

【4】既存住宅の解体と建て替え工事の開始
いよいよ既存住宅を解体し、新築工事を行います。自治体によっては工事中に中間検査が必要なケースもあるため、確認しておきましょう。

【5】完了実績報告を行う
工事請負契約書の写しや、領収書の写し、工事が完了したことが確認できる写真など、自治体で定められた書類を提出します。

【6】審査・補助交付決定→交付
完了実績報告書類の内容が審査され、最終的な補助金の交付が決定されれば、補助額が交付されます。

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耐震を目的に建て替えるメリットとは?

建物を建て替えるとなると費用も高額になり、手続きなどの手間もかかりますが、それでも建て替えるメリットにはどのようなことがあるのでしょうか?

まず、耐震性を大幅に向上できるという点が一番のメリットです。

リフォームでは行えないような構造部に係る耐震工事も行うことができます。耐震性能を向上させると地震の時だけではなく、強風や台風などによる揺れも軽減できるため、以前の住居より安心して過ごせる住宅にすることができるでしょう。

また、耐震住宅は設置制限がありません。地下室の設置なども自由に行えるため、住宅設計の自由度がかなり広がります。

そのため、これまでの建物と大きく違う家にすることが可能であることもメリットです。間取りや水回りの位置や設備を変更したりなど、暮らしやすさを優先した住宅にすることができます。

最新の素材を使って家を建て替えれば、断熱性や気密性も向上させることができ、さらに快適性が増すでしょう。

耐震性の保たれた住宅に建て替えることで、建物の資産価値が上昇するという点もメリットになり得ます。特に、いつか家を手放そうかと考えている場合、耐震性のある住宅はそうではない住宅に比べて高値がつく傾向にあるため、メリットと言えるでしょう。

たしかに住宅の建て替えにはコストがかかります。

しかし、実際に建物が被害に遭い大きく破損してしまった場合、住宅の修繕にかかる費用は、耐震補強工事などに比べると数倍以上かかるとも言われています。

また、大きな地震が来た際には、住んでいる人の命に関わります。耐震性のある住宅ならば地震発生時に建物が瞬時に倒壊して住人を危険にさらす可能性を抑え、安全に脱出できるだけの時間を稼ぐことができるのです。

このように、将来のことを考えて耐震工事を行っておくことはとても重要なのです。

建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

注文住宅の設計プランや費用は、施工店によって大きく異なることがあります。

そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!

実際に注文住宅を建てるには時間がかかるので、この記事で大体の予想がついた方は早めに次のステップへ進みましょう!

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一生のうちに注文住宅を建てる機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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