2024年01月31日更新

監修記事

建て替えに測量は必要?再建築不可物件には要注意?

建て替えをする際には、その土地、建物について、さまざまな手続きや条件確認が必要です。その内容は専門的な事柄が多く、不安に感じている方もいらっしゃるかと思います。建て替えをするにあたり、土地について最低限知っておくべきことについて解説します。

建て替えの際に知っておきたい「土地測量」とは

建て替えの計画をする際にはまず、「測量」をする必要があります。測量には、敷地の面積や高低差を測ったり、隣接地との境界を確定させたりなどさまざまな種類があります。

家を建てる際には、さまざまな法的な建築条件があり、それに沿った内容のものでなければなりません。

例えば代表的な条件として、建ぺい率、容積率というものがあります。「建ぺい率」は土地に対し、どれだけの面積を家の部分に使用できるか、「容積率」は土地に対し、全体でどれだけの面積を使用できるかを表します。

家を建て替える際にはまず、敷地の面積を測量した上で、これらの条件を満たした家屋を設計しなければならないため土地測量が必要なのです。

また、隣地との境界を確定させておかなければ後でトラブルが発生する可能性もあります。

その他、家の高さを決めるために、高低差などを確認したり、日照時間を計算するために真北などの方角を測ることも必要です。

土地測量によって作成する測量図には3つの種類があります。

現況測量図

現況測量図とは、ブロックの境目や、設置してある境界ポイントを元に、おおざっぱな現況を測量するものです。建て替えの際の図面作成や申請業務はこれで十分なケースが多いのですが、法的な根拠はありません。

地積測量図

登記上に保管されている、分筆登記等の際に添付される測量図です。道路や隣接する境界を公的に明示しているので、売買等でも使用することができます。

建て替えの際には、まず法務局に地積測量図があるかを確認するのが一般的ですが、作成されていないケースもいまだ多くあります。

確定測量図

確定測量図とは、すべての隣地所有者の立ち合いの元に境界を確定し、これで間違いないと認印まで押印した図面です。関係者全員の了解のもとに作成した図面ですので、最も正確な測量図と言えます。

建て替えの際に知っておきたい再建築不可物件の土地とは

再建築不可物件とは

建て替えの計画を進める前に、そもそもその土地が再建築可能な土地であるかどうかを確認する必要があります。

緊急時の際に救急車や消防車が接近でき、また、避難するための経路を確保するために、現行の建築基準法では「接道義務」を定めています。

接道義務とは、家屋が幅員4m以上の道路に敷地が最低でも2m隣接していなければならないというものです。

しかし、古い法令のもとで建てられた住宅の中には、現在の基準を満たしていないものもあります。

このような住宅を建て替える際には、現在の建築基準法を適用しなければならないため、接道義務が果たせません。そのため、「再建築不可物件」と呼ばれ、建物を取り壊しても新しく建設することができないのです。

再建築不可物件でも建て替えできる方法はあるのか?

一番多いケースが、隣接する道路の幅員が4mを満たしていないというものですが、これについては「セットバック」という方法で対処可能です。

セットバックとは、将来的に幅員4mの道路が確保出来るよう、道路の中心線から2mの距離までは境界ブロックも含めて何も建築せず、建物は後退させて建築することを言います。

セットバックによって生まれたスペースは、将来の道路として使用されることになるため、実質的な敷地の面積は減ってしまいますが、これによって建て替えを行うことができるようになります。

次に、道路に敷地が2m隣接していないケースです。この場合、周辺に空き地や公園などがあり、緊急時にそこに避難できると認められれば、建築可能なケースもあります。これを「但し書き道路」と言います。

それでも建築できないとなった場合、厳密には建て替えではありませんが、建物の構造体のみを残して全面リフォームやリノベーションをするという手段もあります。

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建て替えの際に知っておきたい土地の「地盤調査」とは

近年、大きな地震が何度も起こっていることから、地盤調査の重要性が非常に高くなってきています。

地盤には「軟弱地盤」「硬質地盤」等がありますが、地盤のバランスが悪いと、どれだけ家を丈夫に作ったとしても、地震などの際に、家が沈んでしまったり傾いてしまったりする可能性が出てしまうのです。

そのため、最近では建築前に地盤調査をすることが一般的になっています。

地盤調査の方法と調査費用の相場

地盤調査では、現在「スウェーデン式サウンディング試験」という方法が一般的です。建築地の数カ所にドリルで穴を掘り、どの深さにどのような地盤があるのかを調査します。

地盤は柔らかければ悪いというものではなく、バランスが重要です。全体的に軟らかい地盤であれば、何かあった際にも均一に影響が起こるので、改良不要というケースもあります。

逆に、ほとんどが硬質地盤でも一部だけに柔らかい地盤があると、その部分の改良工事が必要になるケースもあります。

地盤調査の費用としては約3万円〜約5万円が一般的です。

地盤改良工事の種類と相場

地盤調査によって地盤改良が必要と判断された場合は地盤改良工事を行いますが、それにはいくつかの種類が費用も異なります。

表層改良工事

一部の地盤だけが悪い場合、バランスを整えるために、その部分の土だけを入れ替えたり、コンクリートで固めてしまう工事です。費用としては約30万円〜約50万円が目安です。

杭工事

全体的に地盤が悪い場合、地下の硬質地盤のある場所まで、杭を入れて家を支える工事です。杭の素材により、いくつか種類があります。費用としては約50万円〜約100万円が目安です。

摩擦杭工事

地盤が非常に悪く、かつ、10m以上掘り下げても硬質地盤が存在しないという場合、摩擦杭という、突起をつけた杭を入れて摩擦で荷重を支える工事を行います。費用は最も高く、約100万円から約200万円が目安です。

建て替えの際に知っておきたい土地の登記手続きとは

建物を建築する際には「登記」をする必要があります。

登記とは、その土地や建物が誰の物であるかを証明したり、それを担保に借り入れがされているか等を明示するものです。

建て替えの場合であれば、最低でも既存の建物を壊すことで「滅失登記」と、新しい建物を登録するための「表題登記」が必要になります。

建物減失登記

まず最初に行うことは、建物の滅失登記です。滅失登記とは、今まであった建物が無くなったことを届け出る登記です。

滅失登記をしないと、存在していない建物が残っている状態となり、固定資産税が課税され続けたり、建物表題登記の際に家屋番号に枝番がつき不都合な状態となります。

これは建物を解体してから1ヶ月以内に行う必要があります。

建物表題登記

建物表題登記は、建物を建築した際、最初に行わなければならない登記です。建物の所在地、地番、家屋番号、種類、構造、床面積、所有者の住所・氏名などを登録します。

建物を建築してから1ヶ月以内に行う必要がありますが、借り入れをする際に必要な抵当権設定登記や所有権保存登記を行うためには、建物表題登記が終わっていないといけないため、完成と同時に進めるのが一般的です。

抵当権設定登記

建物を建築するために銀行などから借り入れをする際に、土地や建物に担保を設定して登記をします。いつ、どこから、どれだけ借りたかという情報が登記されます。

抵当権設定登記をするためには、所有権保存登記をする必要があり、司法書士に依頼することが一般的です。

流れとしては、表題登記、所有権保存登記、抵当権設定登記の順に進みます。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】弘中純一

一級建築士事務所アルド住宅研究所

弘中純一

一級建築士、宅地建物取引士。プレファブ住宅の開発からスタートし、以来40年にわたり住宅産業に従事。建築設計事務所・住宅リフォーム会社の経営を経て、現在は住宅の悩みを解決する、コンサルティングを中心に活動中。

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