2023年12月08日更新

監修記事

建て替えて新築にするとは?リフォームとの違いから解説!

建て替えをして新しい住宅に住みたいけど、分からないことがたくさんあるという方も多いのではないでしょうか。この記事では建て替えの費用相場や工事の流れ、リフォームとの違いなどについて詳しく解説します。建て替えを検討する際の参考にご覧ください。

建て替え新築とリフォームの定義とは?

長年住み続けると建て替えをするか、リフォームをするかという選択に迫られる時期が訪れるものです。

ここで重要なことは、建て替え新築とリフォームの違いをきちんと把握した上で、自分たちに合った選択をすることです。そのためにはまず、建て替え新築とリフォームの定義についてみていきましょう。

建て替え新築の定義

建て替え新築とは、今住んでいる住宅を一度完全に取り壊して更地に戻し、同じ土地に新しく住宅を建築するというものです。

解体工事や基礎工事、外構工事など、リフォームでは必要のない工事も発生し、工事費用は比較的割高になる傾向があります。また、工事期間についても平均的に約4〜6ヵ月と長期間になります。

リフォームの定義

リフォームとは、既存の住宅を活かして、より快適に生活できる住宅に改装することです。リフォームは、大きく外装リフォームと内装リフォームに分けられます。また、リフォーム工事の内容にも大小あります。

既存の住宅の骨格部分のみを残し、大規模に全体的な改装をするリフォームから、水回りのみや一部屋のみなど、部分的に改装をする小規模なリフォームまで目的に合わせてさまざまな方法があります。

基本的に既存の建物を活かすため、工事費用は抑えられ、工事期間は短くなる傾向にあります。

建て替え新築とリフォームを検討する時期に違いはあるの?

建て替え新築やリフォームが検討される時期は、さまざまな要因により違いがあります。

リフォームについては、屋根や外壁などの外装や、設備や壁紙、床などの内装の一部だけを改装する部分リフォームや、全体的にリフォームを行うフルリフォームなどの種類があり、工事内容の規模によっても検討される時期は異なります。

まず、建て替え新築やリフォームが検討される要因として上げられるのは、建物の築年数の経過です。築年数が浅いうちは、リフォームで部分的に改装することが多いでしょう。

大規模なリフォームとなると、工事費用も期間も建て替え新築に近くなるケースがあるため、将来のライフプランも考えた上で、どちらを選ぶか検討する必要があるでしょう。

一方、家族構成やライフスタイルが変化したタイミングは、建て替え新築と部分リフォーム、フルリフォームのすべてが検討される時期になるでしょう。

子どもが独立して必要な部屋数が減った場合などは、部屋をつなげて間取りを変更するなどの部分リフォームが検討されたり、親世帯と同居することになった場合などには、二世帯住宅への建て替え新築が検討されるケースがあります。

また、既存の住宅を取得した際に住宅ローンを組んでいる場合は、住宅ローンを完済するタイミングも建て替え新築やリフォームが検討される時期にあたります。

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建て替えのメリットとデメリットを知るべきなのはなぜ?

建て替え メリット

老朽化が進んだ住宅の状態を改善したいという場合、建て替えとフルリフォームの2つの方法が用いられます。

どちらの方法を選んだとしても、工事後は住宅を美しく蘇らせることができますが、建て替えとフルリフォームは全く別の工事です。

建て替えとは、既存の住宅を解体し、更地に戻して新しく家を建てる方法で、基本的には新築住宅を建てるのと変わりません。

フルリフォームは建て替えと違い、既存住宅の構造をある程度残して新しい建材に差し替えたり、追加したりする工事です。

このように、建て替えとフルリフォームでは根本的な工事方法が違うため、家の状態や環境に合わせて適したものを選ぶ必要があります。

それぞれの工事のメリットとデメリットを知っておくことで、より自宅の状態に合わせた工事方法を選択することができるようになり、満足のいくプランを選びやすくなるでしょう。

建て替え新築とリフォームのメリットとデメリットとは

建て替え新築とリフォームにはそれぞれメリットとデメリットがあります。今後住む家をどのようにするのか検討する上でも、それぞれのメリットとデメリットを把握しておくことは大切です。

ここからは、建て替え新築とリフォームのそれぞれのメリットとデメリットについて見ていきましょう。

建て替え新築のメリットとデメリット

メリット

建て替え新築のメリットは、一度基礎から全て取り壊して新しい建物を建てるため、今までの住宅について感じていた間取りや設備などの不満を解決することができる点です。

また、地盤調査や地盤改良工事なども行うことができるため、より強度のある耐震性に優れた住宅にすることもでき、安心して長く住み続けられる家にすることができるでしょう。

ローンを利用する場合、建て替え新築では利用できるローンの選択肢も多くなり、金利も低くなる傾向にあるため、この点もメリットと言えるでしょう。

金融機関などでは、フルリフォームや新築向けのローン商品を販売していますが、傾向として住宅ローンの方が高額の融資を受けやすく、ローン期間も長くとることができます。

建て替えにともなって延べ床面積が狭くなった場合、リフォームと同水準まで固定資産税が抑えられることもあります。

また、2019年現在、新築住宅について固定資産税の減額処置が行われており、戸建て住宅の場合は、新築時から3年間の固定資産税が半額、土地についても小規模住宅用地が6分の1、一般住宅用地は3分の1に減額されます。

さらに、長期優良住宅に適合する住宅に建て替えると、固定資産税の優遇措置をさらに受けることができるため、建物の寿命などを考慮した場合、固定資産税の面でも建て替えの方が有利になる可能性もあるのです。

デメリット

建て替え新築のデメリットは、トータルでの工事費用が高くなる点です。解体工事から基礎工事、外構工事などに加え、工事中は仮住まい先に引っ越す必要があるため、家賃や引っ越し代など、建物自体の建築工事以外にも費用が発生します。

その他にも、不動産取得税や固定資産税などの各種税金が必要になります。事前にトータルでどのくらい必要になるのかを調べて、しっかりと予算を組んでおくことが大切です。

また、工期が長いこともデメリットと言えます。建物を一度取り壊して新築するため、工事期間はリフォームより長くかかります。

リフォームのメリットとデメリット

メリット

リフォームのメリットは、建て替えに比べて工事費用を抑えることができる点です。リフォーム規模の大小により工事費用は大きく変わりますが、基本的に既存の建物の構造を残すため、その分費用を抑えることができます。

工事期間についても、リフォーム規模の大小により異なりますが、一般的に建て替え新築より短期間で工事することができます。

最低限必要な部分だけの工事が可能な点もメリットと言えます。内装や設備など、それぞれの経年劣化の具合に合わせて数年おきに行うことで、一度にまとまった費用を支払う必要もなくなります。

フルリフォームの場合は法律上元の家を改築したという扱いになるため、建て替えの場合と違って登記を行う必要はありません。

登記にかかる印紙税などの経費を安価に抑えることができます。

デメリット

リフォームの一番のデメリットは、建て替え新築に比べて自由度が少ないことです。既存の建物の範囲内でしか工事ができず、また構造によっては取り除くことのできない壁などもあるため、大規模な間取り変更が難しいケースもあります。

フルリフォームの場合、基礎の下に通っている配管を掘り出して移し替える工事を行わなければならないため、この点でも更地で楽に工事を行える建て替えの方が工期や費用を抑えられるのです。

小規模な間取り変更だけを希望する場合は、フルリフォームでも問題はありませんが、水回りの移設や建物の階数の変更といった大がかりな間取り変更を希望する場合は、建て替えの方がスムーズに進む傾向があります。

また、劣化が著しい建物の場合は、リフォーム費用がそれなりに高くなる点もデメリットです。劣化が激しいと、構造の補強や、各部位の下地の改装も必要になってくるため、その分費用が上がります。

工事を進めていく中で、表には見えない部分の追加工事などが発生するケースもあるので、注意が必要です。

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建て替え新築とフルリフォームの工期はどれくらいの違いがある?

建て替え新築とリフォームの工期の目安は、一般的な一戸建て住宅の「建て替え新築」で約4~6ヵ月と言われており、「フルリフォーム」については約3ヵ月が目安となります。あくまで目安であり、さまざまな条件により多少異なります。

建て替え新築とリフォームの工期の違いは、工事の流れが異なるために起こります。では、建て替え新築とリフォームの工事の流れと工期について、具体的に見ていきましょう。

今回はリフォームについては、大規模なフルリフォームでご紹介していきます。

建て替え新築の流れ

建て替え新築の流れについては、地盤の強度や資金計画などの条件により多少異なりますが、一般的な流れは次のようになります。

1.建築会社の選定
2.設計プランの決定と建築会社との契約
3.住宅ローンの申請
4.解体業者の選定 ※建築会社が請け負う場合が多い
5.仮住まい先の選定
6.近隣挨拶の実施
7.仮住まい先への引越し
8.既存建物の解体工事
9.地盤調査と地盤改良工事
10.地鎮祭の実施 ※依頼主の意向で省略することも可能
11.新築工事
12.新築建物の引渡し
13.仮住まい先から新居への引越し

建て替え新築の場合は既存の住宅の解体作業や地盤調査、地盤改良工事が必要になるため、リフォームよりも工期が長くなります。

フルリフォームの流れ

フルリフォームの流れについては、工事内容により多少異なりますが、一般的な流れは次のようになります。

1.リフォーム会社の選定
2.現地調査による確認
3.プランと見積りの提案
4.リフォーム会社と契約
5.リフォーム内容の詳細打合せ
6.リフォーム工事
7.工事完了と引渡し

リフォームの場合は既存の住宅を活かすため、建て替えよりも工程が少なく、その分工期も短くなります。

建て替え新築とフルリフォームの費用相場とは

建て替え新築とフルリフォームの費用相場については、設計内容や建材、設備機器のグレードにより大きく異なります。今回は一般的な一戸建ての費用相場を紹介していきますので、参考にして下さい。

建て替え新築の費用相場は、約1,500万円~約3,000万円と言われています。しかし、既存建物の解体や地中埋設物の有無、地盤の状態などにより、追加費用が必要となる場合があります。

フルリフォームの費用は、約1,300万円~約2,000万円が相場と言われています。建物の状態がとても良ければ、約500万円~約800万円でフルリフォームできるケースもあるでしょう。

逆に、建物の劣化が著しい場合には補修が必要になるため、フルリフォームをするのに約1,500万円~約2,000万円必要になるケースもあります。状態によってはこれ以上になる可能性もあります。

また、フルリフォームの場合は外装も合わせて工事をするケースが多く、その場合はプラスで約200万円~約500万円を目安に必要となるでしょう。

建て替え新築もフルリフォームも、さまざまな条件により工事費用は大きく異なります。具体的な費用については、業者に見積りをとって確認するようにしましょう。

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建て替え新築を検討する際留意点はあるのか?

建て替え新築を検討する際には、いくつか注意するべき点があります。その中でも特に注意が必要な点について、いくつか紹介していきます。

再建築不可物件ではないか

まず再建築不可物件ではないか、ということを確認することが大切です。再建築不可物件に該当すると、建て替え新築ができない場合があります。

では、再建築不可物件とはどのような建物のことでしょうか。再建築不可物件とは、「建築基準法上の接道義務を果たしていない土地に建つ建築物」のことを言います。

接道義務というのは、建物を新築や建て替え新築する場合、その土地の間口が原則として「幅4メートル以上の道路に2メートル以上接している」必要があると、建築基準法によって定められている規定です。

これは防災や安全確保のため、緊急車両がスムーズに救助活動や消火活動ができるようにする目的から設けられています。

古い法令に基づいて建てられている築年数の古い物件の中には、現行の法令で定められたこの接道義務が満たせず、再建築ができないケースがあるのです。

市街化調整区域ではないか

建て替え新築をする土地が市街化調整区域に属していないか、ということも確認しておく必要があります。市街化調整区域に属している場合、建て替え新築をするハードルが一気に高くなります。

都市計画法34条に基づいた開発許可を得ることができれば、建て替え新築をすることができるのですが、許可要件を満たせない場合がほとんどです。不可能ではありませんが、難しいと考えておいた方がいいかもしれません。

市街化調整区域であるかどうかというのは、インターネットなどで簡単に調べることができますので、事前に確認しておくようにしましょう。

どうする?建て替えorリノベーション!

ここまで建て替えとリノベーションの費用面やメリット・デメリットについて見てきましたが、結局どちらを選んだほうが良いのでしょうか?

建て替えとリノベーションのどちらを選ぶかは、それぞれのケースによって変わってきます。

建て替えが向いているケースは、今まで住んでいた家の築年数が古く、構造体や地盤に不安があるという場合や、大規模な間取り変更などを行いたいという場合です。

地盤や基礎、構造体から作り直すことができるため、現行の建築基準に合った強度を持つ、希望どおりの新居をつくりやすくなります。耐震補強やシロアリなどの対策したい場合も、建て替えの方が行える対策の選択肢が多いでしょう。

一方で、費用をできるだけ抑えたい場合にはリノベーションの方が向いているでしょう。住宅内全体をリフォームするフルリフォームを行えば、新築同様の満足感を得ることもできます。

しかし、現在の家の状態や希望する工事内容によっては新築より費用がかかるケースもあるため、注意しましょう。

また、建物に資産価値がある場合も、リノベーションを選ぶほうが良いでしょう。

たとえば今住んでいる家が町屋や古民家などのケースです。建て替えで壊してしまうのではなく、伝統的な佇まいを残したままリノベーションを行ったほうが、将来的な資産価値が上がる場合があります。

このようにそれぞれのケースにより、建て替えとリノベーションのどちらを選ぶべきかは変わってきます。行いたい工事の内容や予算に加えて、将来的な目線などももちながら、どちらについてもよく検討し、後悔しない選択をしましょう。

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建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

実際に建て替えをするべきなのか、リフォームをするべきなのかを検討するためには、プロに現状を相談し、「プランと費用を見比べる」必要があります。

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一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】弘中純一

一級建築士事務所アルド住宅研究所

弘中純一

一級建築士、宅地建物取引士。プレファブ住宅の開発からスタートし、以来40年にわたり住宅産業に従事。建築設計事務所・住宅リフォーム会社の経営を経て、現在は住宅の悩みを解決する、コンサルティングを中心に活動中。

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