2023年12月15日更新

監修記事

木造3階建て住宅に関する法規や注意点!建築基準法改正の影響は?

木造3階建て住宅に関する法律や規則はご存じでしょうか。本記事では、木造3階建ての住宅に関する法規の内容や注意点について紹介しています。木造3階建て住宅の建築を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。

「木造3階建ての高さ制限とは?」

「木造3階建ての注意点を知りたい」

上記のように3階建ての住宅を検討している方には様々な疑問や悩みがあるのではないでしょうか。

本記事では木造3階建ての形態制限や構造基準、防火基準などに加えて木造3階建て住宅のメリット、デメリットなどを幅広く紹介しています。

この記事を読むことで、木造3階建て住宅について知ることができるためその知識をもとに適切な新築や建て替えの準備を進めることができるでしょう。

木造3階建て住宅について疑問がある方や家の新築や建て替えを検討している方は、ぜひチェックしてみてください。

木造3階建て住宅が必要になるときとは?

木造3階建て住宅は土地が限られており、敷地面積が狭い場合や二世帯住宅にするために必要な部屋が多く2階建てでは床面積が足りない場合などに建てられるケースが多いです。

特に都心部などの場合は土地面積が限られているため、希望通りの間取りを確保することが難しいので3階建て住宅が建てられるケースが多いです。

さらに都心部は土地の値段が郊外と比較すると高額になるため、広い土地を購入して建物を建てるとなると、費用が高額になってしまいます。

建設できる土地は狭いが、床面積の大きい住宅にしたいと考えている方には3階建て住宅がおすすめです。

ただし、土地には「建ぺい率」と「容積率」という規定があり、どのくらいの床面積の家を建てられるかの範囲が定められていますので、あらかじめ確認しておきましょう。

建ぺい率敷地面積に対する建築面積の割合
容積率敷地面積に対する延べ床面積の割合

木造3階建て住宅の建築基準法の形態制限

木造3階建て住宅には建築基準法で形態制限がかかっています。

ここでは形態制限について紹介します。

高さ制限

建築基準法では、住宅の高さに制限があります。

主な高さ制限は3種類(絶対高さ制限、道路斜線制限、北側斜線制限)で、都市計画法によって、地域の規定が決められています。

このうちの絶対高さ制限は、第1種低層住居専用地域と第2種低層居住専用地域、田園居住地域に適用されます。

建築の高さは原則10m(一部12m)とされており、この高さを超えてはなりません。

特例として緩和要件があり、敷地の周辺に公園や広場などがある低層住宅の住居環境を害する恐れのないものは制限が緩和されます。

道路斜線、北側斜線

建築基準法では、高さに関する制限で道路斜線という制限があります。

道路斜線制限とは道路境界線や隣地境界線からの距離によって建築物の高さを制限することによって道路や隣地の採光や通風を守るものです。

道路境界線を基準とする道路斜線制限は、前面道路の反対側の境界線から一定距離の範囲内で制限されます。

また北側斜線とは、北側に建つ住宅の日当たりに配慮した制限のことです。

日影規制

日影規制とは、一定時間を超えて日陰が生じることを防ぐために、建物の高さを制限するものです。

最も日照時間が短い冬至の日に、午前8時から午後4時までの間に、敷地境界線から5m〜10mまでの範囲は5時間、10m超の範囲は3時間以内であれば、日影になっても良いなどといった制限時間制があります。

この制限は建物の中に光が入るかどうかを基準としているため、建物の高さや各自治体によって異なっています。

木造3階建て住宅の建築基準法の構造基準

木造3階建て住宅の建築基準法の構造基準は、詳細な構造計算が必要になります。

木造3階建ては構造の計算が義務づけられています。

安全性を確認するために構造計算の際には、許容応力度計算が行われます。

建物にかかる荷重や、風や地震などの荷重を想定し、抵抗力を計算します。

構造基準の計算である許容応力度計算は耐震等級3を取得するためにも必要な項目です。

地震の際、木造3階建ては2階建てと比較すると揺れやすいため、耐震等級を高めるためにも許容応力度計算が必要になります。

木造3階建て住宅の建築基準法の防火避難規定

木造3階建て住宅は建築基準法によって防火避難規定が定められています。

ここではそれぞれの防火避難規定の内容について紹介します。

排煙計算とは

排煙計算とは火災が発生した際に建物内に充満してしまう煙を外に排出することができる構造になっているかをチェックするために行います。

排煙計算では各部屋の天井から下方に80cmの範囲内に、部屋の床面積の1/50以上の開口部があるかどうかという点で判断されます。

この排煙窓には格子の設置が禁止されており、強化ガラスを使用している場合はガラスの種類に指定があります。

非常用進入口の設置

また、3階建て住宅には火事などの災害時に消防隊が侵入するための開口部やバルコニーが必要になります。

内部に侵入する目的だけでなく、足場として使用するバルコニーなどの基準を満たす必要があります。

また、非常用の進入口を設置する部分にも基準があり、道路もしくは幅4mの通路に面している部分となっています。

これはハシゴ車を使用して消防活動を行うために定められています。

非常用進入口の構造にも基準があり、大きさは幅75cm以上で高さが120cm以上、進入口の高さは床面から80cm以下の高さとなっています。

直通階段の設置

3階建て住宅には直通階段の設置も義務付けられており、各階において上の階から下の階まで地上に直通する階段を指しています。

この直通階段は階段の途中に扉などが設置されており、避難の際に支障が出るものや次の階へと通じている階段が離れているものは直通階段の基準に該当しないとされており、最短経路で地上に出れる階段である必要があります。

建築基準法では直通階段の形状などについては定められていませんが、歩行距離などの記載がなされています。

準防火地域内の基準とは

都市を火災から守るためには火災の危険性を低くする必要があります。

そのためには火災が起きた際に燃え広がりにくいように都市計画がなされています。

準防火地域とは火災が広がらないように定められた地域です。

住宅などの建物が密集している地域が当てはまります。

また準防火地域は防火地域の周辺に指定されます。

準防火地域内での木造3階建て住宅は延べ床面積500㎡以下であり、外壁や軒裏などの燃え移りの危険性がある部分を防火構造にすることによって建築することが可能です。

木造3階建て共同住宅の建築基準

木造3階建て共同住宅にも建築基準があります。木造3階建て住宅は2019年の建築基準法第27条改正によって条件に満たした建築物であれば、耐火要件が免除され、設計・建築が可能になっています。

3階建てで延べ床面積が200㎡未満であれば、耐火建造物でなくとも建築が可能です。

ここでは木造3階建て共同住宅の建築基準について紹介します。

1時間準耐火構造とする

木造3階建ての共同住宅は、1時間準耐火構造でなければなりません。

これは主要構造部分を1時間準耐火構造にするというものです。

主要構造部分とは壁や柱、床、梁、屋根、階段などの箇所を指します。

主要構造部分を1時間準耐火構造にするための耐火被覆方法は2つの方法があります。

1つ目は、国土交通省の告示第195号に定められている1時間準耐火構造仕様にすることです。

2つ目は、1時間準耐火構造の大臣認定仕様とすることです。

つまり主要構造部の全てを耐火被覆で覆う必要があります。

避難に有効なバルコニーを設置する

木造3階建ての共同住宅では避難に有効なバルコニーを設置する必要があります。

避難に有効なバルコニーとは、バルコニーの床が1時間準耐火構造であり、避難設備が設けられていること、避難ハッチ等を使用して地上に降りてから道路に達するまで一定幅の通路が確保されていることなどです。

しかし避難に有効なバルコニーには基準緩和規定が定められており、地上に通ずるまでの廊下、階段が直接外気に解放されている、もしくは廊下階段に面している窓や扉が防火設備であることでバルコニー設置が不要になります。

敷地内に通路を設ける

木造3階建ての共同住宅では、建物の敷地内に幅3mの通路を設ける必要があります。

この基準では居室の開口部が隣地に面している場合、開口部のある外壁面から道路に達するまでに幅3mの通路が必要です。

しかしこの通路を設けるという条件は、次の条件を全て満たすことによって緩和することができます。

緩和条件としては、各住戸に避難上有効なバルコニーが設置されていること、各住戸から地上までの廊下、階段が直接外気に解放されているもの、通路に面する開口部は延焼を防ぐ防火設備が設けられていることなどです。

防火設備を設ける

木造3階建ての共同住宅では防火設備を設ける必要があります。

これは防火地域もしくは準防火地域である場合、外壁開口部には防火設備の設置が必要になっているというものです。

しかし開口部分に延焼の恐れがない場合には、いずれかの基準を満たすことで緩和することができます。

緩和条件としては、3階住戸に防火設備以外の窓を設置する際に窓周辺90cm未満の部分に他の窓を設けないこと、防火設備以外の窓と他の窓の間に50cm以上の突出した庇を設置することです。

木造3階建て住宅の費用は?

木造3階建て住宅の費用について疑問に思っている方もいるでしょう。

木造3階建ては必ずしも価格が高くなるわけではありません。

ただし、構造計算の費用分や必要となる地盤改良の費用分は高くなる可能性があります。

木造3階建て住宅は注文住宅として建築されることが多く、土地代なども含まれているため地域によって金額差が発生します。

ローコスト住宅では坪単価が約50万円ですが、大手のハウスメーカーや都心部など地価が高い地域では約70万円〜約100万円以上になります。

土地の購入にかかる費用と建築にかかる費用の比較を行い、土地代の節約できる金額が建築にかかる費用を上回ることが重要です。

木造3階建て共同住宅のメリット

木造3階建ての共同住宅にはメリットがあります。

ここでは木造3階建て共同住宅のメリットを紹介します。

建築コストの抑制が可能

木造3階建て共同住宅では建築コストを抑えることができます。

2019年に建築基準法が改正され防火地域でなければ準耐火建築物として建築をすることが可能になったため、木造にし費用を抑えることが可能です。

鉄骨の建築物と比較してもその違いは明確であるため、コストを抑えて収益性の高い物件にしたいと考えている方には木造3階建ての共同住宅がおすすめです。

狭い土地の有効活用が可能

木造3階建て住宅は狭い土地であっても建築を行いやすく、柔軟に土地を活用できる点がメリットです。

木造3階建て住宅は2階建てと比較しても戸数を確保することができるため、利回りも安定することでしょう。

賃貸経営において避けてしまいがちな狭く小さい土地でも、変形や加工が行いやすい木造であれば柔軟な設計が可能であるため、木造3階建て共同住宅は有効活用しやすく賃貸経営にはおすすめです。

安全性のアピールが可能

木造3階建ての共同住宅を建築するためには、構造計算などが義務化されています。

この構造計算は耐震性や強風などに対して建物の耐久性を数値化するものであるため、安全性のアピールに繋がります。

建物の安全性を数値化しアピールすることができるため、安全性も重視したい入居者を募ることができます。

この安全性によって空室のリスクを回避することができるという点もメリットとなります。

構造計算は判定を受ける必要があり、工事契約から着工までに期間がかかるため、事前に計画に組み込む必要があります。

高い節税効果を期待可能

木造3階建ての共同住宅は高い節税効果を期待することも可能です。

これは他の構造の建築物と比較した際に法定耐用年数が20年と短いため、毎年計上することのできる減価償却費が多くなるためです。

他の構造は鉄骨が34年、鉄筋コンクリートが47年とされているため、短期間で減価償却が可能な木造建築は1年間で計上可能な経費も増え、課税対象額を少なくすることができます。

高級感の演出が可能

木造3階建て住宅では耐火性を向上させるために、耐火性能に優れている厚みのある外壁を使用しなければなりません。

厚みのある外壁によって高級感が演出されるため、その外観をアピールし、入居希望者を募ることも可能です。

3階建ての共同住宅では2階建てと比較しても重厚感があり、その高級感によって集客に期待ができます。

賃貸経営において建物外観の高級感は入居希望者を募るために重要になるため、3階建て住宅はおすすめです。

木造3階建て共同住宅のデメリット

木造3階建ての共同住宅にはデメリットもあります。

ここでは木造3階建ての共同住宅のデメリットを紹介します。

2階建てよりも建築費用が高くなる

木造3階ての共同住宅は、木造2階建ての共同住宅と比較して建築費用が高くなるというデメリットがあります。

これは階数が増加することによって建築を行うスペースが増加し必要な資材や工事の手間が増えるためです。

また、3階建て住宅では地盤調査や構造計算など2階建て住宅ではかからない追加費用がかかるため、注意が必要です。

戸数は増やすことができますが、建築コストを抑えることも重要であるため十分な検討が必要です。

施工期間が長期化する

木造3階建て共同住宅は2階建ての共同住宅と比較して施工期間が長期化するというデメリットがあります。

施工が必要な箇所が増えるため、その分工事の量も増えてしまいます。

一般的な施工期間は2階建てで約3カ月ですが、3階建てでは約4カ月となります。

工事の期間だけではなく建築に必要な構造計算などにも期間を要するため、施工期間が長期化することを想定して余裕をもって計画を立てておきましょう。

部屋数が少なくなる場合もある

木造3階建ての共同住宅では部屋数が少なくなってしまう可能性があるというデメリットもあります。

3階建ての共同住宅では敷地内部に通路を設ける必要があるため、敷地面積が狭い場合は、通路に幅が取られてしまい建築可能なスペースが狭くなってしまうことがあります。

結果として部屋数も少なくなるため注意が必要です。

敷地面積が小さい場合は、確保可能な部屋数を事前に把握することが重要です。

施工実績豊富な建築会社が少ない

木造3階建て共同住宅には施工実績豊富な建築会社が少ないというデメリットがあります。

3階建ての共同住宅に対応可能な建築会社は少なく、依頼先を見つけ出す際にもスムーズにいかない可能性があります。

木造3階建て住宅の間取りの考え方とは?

木造3階建て住宅の間取りの考え方に疑問を持っている方もいるでしょう。

ここでは木造3階建て住宅の間取りについて紹介します。

木造3階建て住宅は2階建てとは異なり、生活の動線が縦に長くなるという特徴があります。

高齢になってもその住宅に住み続けるとなると、階段での移動は身体に大きな負担となります。

普段から使用するスペースをワンフロアに納めることで、負担を軽減するなどの工夫が必要になります。

また、3階建て住宅は2階建て住宅と異なる点として、採光や周囲からの視線、景観などが異なります。

こちらも階層ごとに特徴にあった間取りを考えられると良いでしょう。

木造3階建て住宅の注意点

木造3階建て住宅には注意点があります。

ここでは木造3階建て住宅の注意点を紹介します。

家事動線を検討する

木造3階建ての住宅では家事動線を検討しなければなりません。

3階建て住宅は2階建て住宅と比較しても縦の動線が長くなるため、階段での移動が必然的に増えます。

使用するスペースの順番や、頻度などを検討しその検討結果を反映させた間取りの物件にすることで移動距離が短くなり、家事効率もアップするでしょう。

高さ制限に注意する

木造3階建て住宅では高さ制限に注意をする必要があります。

基本的には制限があり、具体的な高さは用途地域によって異なります。

建物を高くして部屋数を増やすことは重要ですが、制限内に納めなければ建築ができないため注意が必要です。

建築の高さは原則10mまたは12mとされており、その地域の都市計画によって定められた高さを超えてはなりません。

高さ制限にも緩和基準が設けられているため、高い天井にしたいなどの希望がある方は、事前にチェックしてください。

構造計算が必要となる

木造3階建て住宅では構造計算が必要になるため注意が必要です。

構造計算とは建物の耐久性を保証します。

3階建住宅は2階建て住宅と比較しても建物の構造が複雑になりやすいため、入念に計算を行う必要があるためです。

確認申請の際には構造計算書を添付しなければならず、様々な項目をチェックして安全性を確認します。

防火規定に準拠する

木造3階建て住宅では防火規定に準拠した物件にしなければなりません。

3階建て住宅では火災時に備えて消防士が侵入可能にするために非常用進入口を3階に設置する必要があり、中には窓の大きさなども制限されます。

また、バルコニーの設置や防火設備の設置なども義務付けられており、緩和条件を満たさない限りは規定に準拠する必要があります。

延焼が想定される場合には防火性の高い設備を導入しなければならないため、住宅密集地域に建築を検討している方は注意が必要です。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】市村千恵

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