2022年11月30日更新
家の着工から上棟や竣工までの期間は?着工時期の決め方も解説します
家を建てる際に着工から竣工までの期間はどれほどかご存じでしょうか。本記事では、工事の着工から引き渡しまでにかかる期間や流れについて紹介します。家の建て替えや新築を検討している方はぜひチェックしてみてください。
「家の建て替えを検討しているが、着工から引き渡しまでの期間を知りたい」
「建て替えの際の工事の流れがわからない」
上記のように家の建て替えについて疑問をお持ちの方もいるでしょう。
本記事では家の建て替えの際に引き渡しまでにかかる期間や工期が遅れてしまう原因などについて解説しています。
この記事を読むことで建て替え工事の流れを把握することができるため、建て替えの計画をスムーズに立てることができるでしょう。
家の建て替えや新築を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
目次
着工・上棟・竣工の意味
建て替えの際に使用される用語で、着工・上棟・竣工の意味はご存じでしょうか。ここではそれぞれの意味を紹介します。
着工は工事を始めた段階を指して使用される場合が多いです。
建て替えを行うにあたり地盤改良工事や杭打ちを開始した時点で着工と見なされます。
上棟とは柱や梁などの建物の構造部分が完成し、棟木という屋根を支える部材を取り付けることを指します。
鉄骨などの建物の場合でも建物の骨組みが完成した際に上棟として扱われます。
竣工とは建物の建築工事が完了し、検査も終了した時点で建物を施主に引き渡すまでを表します。
ここで行う検査とは自主検査、社内検査、完了検査、施主検査などを指します。
上棟式とは
上棟式とは、棟上げを終えたタイミングで無事に終えたことに感謝し、家の守護神と大工の神を祀る儀式です。
施主は建設現場の関係者に対して料理やお酒を振る舞ったりご祝儀を渡したりします。
近年では上棟式が行われるケースは珍しくなっていますが、住んでいる地方によっては文化として残っているケースもあります。
また住んでいる地域によって風習が異なるケースもあるため、不明点がある場合はハウスメーカーなどに相談しても良いでしょう。
着工から上棟までの工事期間は
建物の建築を行い、着工から上棟までにかかる期間は約1カ月〜約1カ月半です。
この期間は天候や季節、担当する大工のスケジュールによって日数が変動します。
この期間には家の基盤となる基礎を作り、基礎にはコンクリートを固めたものが使用されます。
また、上棟は住宅の構造となる柱や梁などの基本構造が完成した後に屋根を支えるための棟木を取り付けることで完成します。
着工から上棟までの工事の流れ
着工から上棟までの工事の流れを知りたいという方もいるでしょう。
ここでは着工から工事までに行われる工事内容と期間について紹介します。
地盤調査
地盤調査 | 約1日 |
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土地に建設許可が降りたらまず初めに行われるのは地盤調査です。
地盤調査は建物の建設前にその土地の地盤の強度を確認するために行います。
基本的には新築する建物の隅4箇所部分と建物中央部分を調査します。
この地盤調査は約1日で終了しますが、検査の結果が出るまでに約1週間かかります。
この検査結果で地盤が弱い場合には地盤改良工事を行う必要があります。
地鎮祭
地鎮祭 | 約1日 |
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地鎮祭はその土地の神を祀る儀式であり、工事を無事に終えられることや建物の安全などを祈るために行われます。
施主以外にも工事の関係者などが立ち会って行います。
地鎮祭が終了したら、近隣住民へ工事を開始する挨拶なども済ましておくと良いでしょう。
騒音が発生してしまうことに対して事前にお詫びし、近隣住民とのトラブルを回避しましょう。
一般的には大安、先勝、友引などの吉日の午前中に行うことが縁起が良いとされています。
日程調整が難しい場合はその他の日程で行われることもあります。
基礎工事
基礎工事 | 約1カ月 |
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基礎工事は建物の土台となるため非常に重要な工程になります。
基礎工事の工程は配筋工事、配筋検査、土間コンクリート工事、型枠工事、仮設足場設置などの工程で行われます。
配筋工事、検査では基礎となる鉄筋コンクリートの鉄筋を配置し、検査にて確認を行います。
ここでは鉄筋の太さや間隔などを検査します。
この検査は設計管理者やJIOと呼ばれる期間によって行われます。
土間コンクリート工事では地盤をコンクリートで埋め、木材をシロアリから守るための処理などを行います。
型枠工事では建物の基礎部分に型枠を設置し、コンクリートで固定します。
その後基礎となるコンクリートを木の柱と繋げるボルトを設置し、コンクリートが固まるのを待ちます。
この乾燥期間は季節によって異なります。
仮設足場設置では、住宅の建築を行う際に必要な足場を設置していきます。
ここでは足場を設置する専門業者が工事を行うケースが多いです。
棟上工事
棟上工事 | 約1日〜約3日 |
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棟上工事では、家の構造となる柱や梁などの骨組み部分を組み立てます。
棟上工事では最終的に屋根を支える棟木を取り付けることで工事が完了となります。
一般的には工場で生産された柱などを搬入し、手早く組み立てを行うため、かかる期間はそこまで長くありません。
上棟式
上棟式 | 約半日 |
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近年上棟式は略式で行われるケースが多く、集まった大工に施主が感謝を伝える機会となっています。
ここ近年では、上棟式は現場監督やハウスメーカーの担当者が代わりに行う場合が多くなっているため、上棟式を行おうと考えている方は、まずは工事の担当者に聞いてみると良いでしょう。
着工から竣工までの工事期間は
竣工までの期間は、上棟から約3カ月〜約4カ月、着工からだと約4カ月〜約5カ月かかります。
この工事日程は入居希望時期によって決定されますが、工事を避けた方が良い時期などと被る可能性があるため注意が必要です。
工事期間は基本的に短縮することが難しいため、希望の時期に合わせて引き渡しを行うためには入念な打ち合わせが必要になります。
打ち合わせにも時間を要するので、なるべく早い段階から準備を進めましょう。
上棟後に行われる工事の流れ
上棟後に行われる工事の流れは主に3つに分けることができます。
ここでは上棟後の工事の流れを紹介します。
外装仕上げ工事
外装仕上げ工事 | 約2週間〜約2カ月 |
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外装仕上げ工事とは建築物の外観を綺麗にするだけでなく、雨風や日光の影響を軽減するための工程です。
その工事内容は防水工事、外壁工事、石工事、左官工事などです。
防水工事では建築物にシートやゴムなどで防水層を形成します。
外壁工事では外壁材を現場で取り付けます。石工事では薄い石才を骨組みに取り付けます。
左官工事はコテを使用してモルタルや壁土の塗りを行う工事です。
外装仕上げ工事は内装仕上げ工事と同時に進めていくケースが多いです。
内装仕上げ工事
内装仕上げ工事 | 約2週間〜約2カ月 |
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内装の仕上げ工事では、一般的には内装の工事と同じ意味で使用されます。
建物の内部の仕上げに必要な工事をまとめて内装仕上げ工事と呼びます。
内装とは、壁や床、天井、ドア、窓、塗装などの仕上げ工事です。
インフラ設備の工事もこの内装仕上げ工事に含まれる場合もあり、この場合には電気、ガス、水道などの設備が含まれます。
竣工検査~引き渡し
竣工検査〜引き渡し | 約2週間 |
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竣工検査〜引き渡しまでには約2週間かかります。
竣工検査では建物の仕上がりが図面や希望通りになっているか、内装や外装など建物の仕上がりに不具合がないかという点が重要です。
その後引き渡しでは代金の支払いから名義変更、補修状況の確認などを行います。
ここで正式に建物が施主に引き渡されます。
工期が遅れる主な原因は
工事の工期が遅れる主な原因を知りたいという方もいるでしょう。
ここでは工事の期間が延びてしまう原因について紹介します。
設計変更や設計ミスによる遅延
工期が遅れてしまう原因の1つに設計の変更や設計ミスによる遅延があります。
当初の計画で工程が進まないことで、計画が崩れその修正にも時間が必要になるため、設計の変更やミスは避けたいところです。
設計の変更をなるべく行わないために、事前に施工会社やハウスメーカーと入念に打ち合わせを行いましょう。
また工事の期間が遅れてしまうと、予定していた日程を確保していた職人をキャンセルし、再度日程調整を行わなければならないため工期に遅れが生じてしまいます。
人手や資材の不足による遅延
工事の時期やタイミングによっては人手や資材の不足によって工事が遅延してしまうことがあります。
資材が不足していると作業の工程が進まなくなってしまい、計画が大幅に遅れてしまいます。
また、職人のスケジュールも他の工事との兼ね合いによっては確保することが難しいケースがあります。
自身の希望通りのタイミングで工事を行うためには事前の入念な打ち合わせが重要です。
この打ち合わせにも時間がかかるため、なるべく早い段階から準備を進めると良いでしょう。
天災による遅延
建築工事は台風や大雨などの天災による影響を受けます。
悪天候下では建築作業を行うことができないため、その分工事が遅延してしまいます。
近年では災害級の天候になることもあるため、梅雨の時期や台風の時期は特に注意が必要です。
これらの時期での工事を検討している方は工期に余裕を持たせるなどの対策を行うことをおすすめします。
着工までにするべきこと
工事の着工前に行うべき準備がわからないという方もいるでしょう。
ここでは着工までにしておくべき準備を紹介します。
契約業者と家の設計を決定する
着工前には契約業者と家の設計を行うことが重要です。
一般的には必要な部屋の数や間取りなどは自身で決定することが一般的です。
また家の向きなども決定する必要があります。
これらは家庭のライフスタイルや外からの視線、景観などを考慮に入れて決定する必要があるため、事前に契約業者との入念な打ち合わせが必要になります。
建築場所の整地
建築する土地が整地されていない場合には、建築場所の整地が必要になります。
整地が適切に行われていないと建物の設計や耐久性に関わります。
これは土地の状況によって作業が異なります。
特に注意したいのは、地中に残置物がないかという点です。
土地によっては浄化槽などが残されていたなどのケースもあります。
地中残置物があることで地盤が弱くなってしまうため、事前に確認が必要です。
地縄張りや地鎮祭の手配
実際に着工する前には地鎮祭や地縄張りを行います。
地縄張りとは、建物の大きさや配置を確認するという目的で敷地内に縄を張り、地面に建築の印をつける作業です。
これらは任意で行うものであり、自身で準備が必要です。
その後地鎮祭を行う場合には、その土地や大工の神を祀り、建築がうまくいくように儀式を行います。
地鎮祭に関しては近年略式で行われることが増えており、事前にハウスメーカーの担当者などに確認すると良いでしょう。
上棟までにするべきこと
上棟までにするべきことがわからないという方もいるでしょう。
ここでは上棟までの準備をスムーズに進めるために確認するべきことを紹介します。
建築設計の確認
建築設計の確認では、決定している設計で自身の希望通りにいくかという点を考慮する必要があります。
本来であれば設計の確定は着工を行う前にするべきですが、細かな変更は早めの相談によって対応可能なケースがあります。
希望通りの家づくりを行うためにも、何度か計図を見直して自身の生活導線など暮らしやすい建物について検討してみましょう。
建築現場の見学
建設現場の見学も行っておきましょう。
工事現場の見学に行くことで工事ミスや修正箇所を発見することができます。
工事の早い段階でミスを発見すれば、修正にかかる時間や手間も最小限になります。
また建築現場の見学に行く際には事前に連絡をし、工事の邪魔にならないことや追加の要望などは現場で伝えるのではなく担当者に直接伝えることなどが重要です。
見学に行く際は作業を妨げないように注意しましょう。
上棟式の準備
上棟式を行う場合には、当日の職人の人数などを確認して差し入れするお菓子や飲み物などを決めておくと良いでしょう。
上棟式は施主が工事関係者に感謝を示すものであるため施主が主催者となります。
場合によっては施主が供え物を準備するケースもあり、その場合は事前に準備をしておく必要があるため事前に担当者に確認をしておくと良いでしょう。
着工時期の決め方は
着工時期の決め方がわからないという方もいるでしょう。
ここでは適切な着工時期の決め方について紹介します。
季節的に最適な着工時期とは
工事を行う際には最適な着工時期があります。
建物の基礎工事に使用するコンクリートは気温によって固まる速度が異なり、木材の場合は雨などの影響を受けることもあります。
特にコンクリート打ちは冬場では凍害を起こしてしまう可能性があり、夏場にはひび割れが起きてしまう可能性があります。
上記の点と職人の負担などを考慮に入れると、着工に適している時期は春や秋がおすすめです。
工事に影響を及ぼさないために真夏や真冬を避けて中間的な時期を選ぶと良いでしょう。
家族の状況から着工時期を決める
着工を家族の状況に合わせて決めることも重要です。
学校に通っているお子さんがいる場合は引っ越しによって学区が変わってしまうこともあるでしょう。
そのような場合は10月〜11月の着工にし、4月の新年度のタイミングに合わせるなどして時期を調整しましょう。
また、妊娠中の家族がいる場合にも着工時期を検討した方が良いでしょう。
妊娠中期や後期は、転居に関する手続きなどで心身になるべく負担がかからないようにし、産後4カ月以降に引っ越しを行うことがおすすめです。
固定資産税の課税タイミングから着工時期を決める
土地や建物は固定資産税がかかります。年内に土地を購入し、建物が1月1日時点で未完成の場合は更地として固定資産税を支払わなければならないため、土地の固定資産税の軽減を受けることができません。
年内に土地を購入していて、土地の固定資産税の軽減を受けるためには12月31日よりも前に竣工することが必要です。
また1月2日以降に土地を購入し、建築を完了することで建物と土地の固定資産税を1年分軽減するということもできるため、土地の購入タイミングや竣工するタイミングには注意が必要です。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
実際に建て替えをするべきなのか、リフォームをするべきなのかを検討するためには、プロに現状を相談し、「プランと費用を見比べる」必要があります。
そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!
この記事で大体の予想がついた方は次のステップへ行きましょう!
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一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール
2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。
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