2023年12月22日更新
木造で平屋を建てる!メリット・デメリットや費用相場を徹底調査
木造で平屋を建てることのメリットやデメリットはご存じでしょうか。本記事では木造平屋の特徴や2階建てとの違いなどを紹介しています。家の建て替えや木造平屋で新築を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
「木造で平屋を建てた場合のメリット・デメリットは?」
「木造で平屋を建てる際の費用相場がわからない」
上記のように木造の平屋を検討している方には様々な疑問があるでしょう。
本記事では木造平屋のメリット・デメリットや平屋の費用相場、木造2階建てと平屋の違いなどを幅広く紹介しています。
この記事を読むことで、平屋の特徴を把握することができるため、自身の希望に適しているか判断をすることができます。
家の建て替えを検討している方や平屋の特徴を知りたいと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
目次
平屋とは?
平屋とは住宅において1階のみの建物の造りです。
平屋は2階以上の建物と比較して構造が単純化されており、耐震性が高い点が特徴です。
また、生活も階段などの昇り降りの縦方向の移動がないため、身体的な負担を少なくすることができます。
階段の昇り降りが大きな負担となると判断し、老後に備えて平屋を選択する方もいます。
平屋の特徴として床面積を広げるためには広い土地が必要になります。
地価が高い地域では平屋が高級住宅となることもあります。
木造平屋の4つのメリット
木造平屋のメリットはご存じでしょうか。
ここでは木造平屋のメリットについて紹介します。
多様な平面計画を実現できる
平屋のメリットに多様な平面計画を実現できるという点があります。
平家には2階部分が存在しないため、縦方向の移動を考慮に入れずに計画を進めることができます。
一般的に2階建て住宅の天井の高さには制限があります。
しかし平屋であれば2階部分がないため、自由に天井の高さを設定することができます。
また、スキップフロアや屋根裏なども取り入れることが可能です。
合理的な生活空間
合理的な生活空間が実現できる点も平屋のメリットです。
平屋は生活動線がシンプルかつコンパクトであるため非常に合理的な生活空間となります。
日常生活で生活動線が複雑であることはストレスの原因になります。
生活動線が複雑な例としては洗濯機と干す場所の階が異なる場合や、洗面所が2階にあるため帰宅後すぐに手洗いができない場合などがあげられます。
子どもから年配の方まで安心の居住性
平屋は子供から年配の方まで安心して居住しやすいです。
これは階段がないため階段から転落してしまうリスクや昇り降りで足腰に負担がかからないからだといえます。
特に小さなお子さんがいる場合は階段からの転落は避けたいリスクです。
居住性の高い安全な建物に住みたいと考えている場合には、平屋を検討してみてはいかがでしょうか。
また平屋は部屋と部屋の距離が近いため、お子さんの気配を感じやすいという安心感もあります。
家族間の距離が近い
家族間の距離が近いということもメリットの1つです。
特に子育て世代にはメリットが多く、お子さんとのコミュニケーションが取りやすい上に、目の届く範囲でお子さんを見守ることができます。
また、バリアフリーに適した住宅にすることで、お年寄りのいる家庭も安心して生活ができます。
間取り次第で、家族全員とのコミュニケーションが取りやすくなることでしょう。
地震の揺れや風に強い
平屋住宅には2階がないので、構造的に支える重さが少なくなります。
そのため構造的に安定することから地震の揺れや強風に強いことがメリットです。
また、2階部分の積載荷重を支える必要がない分、主要構造部のコストを抑えることができます。
屋根の形状を変化させて外観デザインにこだわれる
平屋住宅には2階部分がないので、ある程度自由に天井の高さを設定することができます。
また、屋根の形状に合わせて外観デザインも自由に変えられるので、デザインにこだわりたい方にはおすすめです。
メンテナンスコストの節約
平屋は2階建てと比較してメンテナンスを行う面積が少ないため、修繕にかかる費用を抑えることができます。
特に修繕費がかかる項目としては屋根や外壁の修繕があります。
外壁や屋根のメンテナンスは約10年〜約15年に一度行う必要があり、2階建ての建物と比較すると平屋は費用を抑えることができます。
2階建てであれば高所作業となるため、足場を設置する必要があります。
しかし、平屋は高さがないため足場が半分の高さで済むケースや状況によっては足場が必要ないケースもあるからです。
木造平屋のデメリットが知りたい
木造の平屋にはメリットだけでなくデメリットも存在します。
ここでは平屋のデメリットについて紹介します。
ある程度の広さの土地が必要
木造平屋はある程度の広さの土地が必要になります。
2階建ての建物と比較して、同じ床面積の2階建てと平屋では必要な土地が平屋の方が大きくなります。
そのため土地の価格が高い地域では費用が高額になります。
また、1階部分の面積が広いことによって、その分建物の基礎や屋根の面積なども広くなってしまうため、建築費用が高くなってしまうケースもあります。
しかし平屋は階段と廊下が不要になるため、延べ床面積を小さくすることができます。
固定資産税が高くなる
土地が広ければ広いほど、固定資産税は高くなります。
また、基礎部分が多い家は資産価値が高いとみなされてしまうため固定資産税も高くなってしまうのです。
平屋住宅は、土地や家屋の広さによって固定資産税が高くなりやすいということを覚えておきましょう。
中心部の日当たりが悪くなりがち
平屋は建物の間取りが広くなります。
結果として建物が広すぎることで中心部の日当たりが悪くなってしまうというデメリットが存在します。
基本的には平屋は間取りの自由度が高いことが魅力的ですが、希望通りにまとめた間取りに窓がなく太陽光が入らない部屋ができてしまうことがあります。
太陽光が入らない部屋は用途によっては活用することができますが、リビングなどには向かないため、間取りを検討する際には注意が必要です。
建築費用が高くなりやすい
平屋住宅は、2階建て住宅よりも建築費用が高くなりやすいです。
その理由は基礎面積や屋根面積の大きさにあります。
たとえば、総2階建て住宅の基礎面積を15坪とした場合、平屋住宅の基礎面積は2階建て住宅の2倍である30坪必要です。
これは、屋根面積においても同様です。
基礎面積や屋根面積が大きくなる分、2階建て住宅よりも多くの建材を使用することになるので、建築費用が割高になります。
水害により床上浸水のリスクがある
平屋住宅は、水害によって床上浸水の際のリスクが大きいです。
昨今の日本では、集中豪雨による床上浸水被害が多く起きています。
水害が起きた場合、基本的には高い場所に避難しますが、平屋住宅には上に避難する場所がありません。
水害が発生するエリアでは、平屋住宅の建築は避けるべきです。
ハザードマップで、自分が家を建てようとしている場所で浸水被害が起きていないか確認しておきましょう。
外部から侵入されやすくセキュリティ面が不安
平屋住宅は、全ての部屋が1階にあるため外部から侵入されてしまう恐れがあり、セキュリティ面で不安があります。
夏場などの暑い時期に窓を開けっぱなしで寝るのは不用心です。
セキュリティを強化するにしても、費用がかさんでしまいます。
また、洗濯物を干す場所も道路に面した場所では丸見えになるため、プライバシーを守るために、しっかりと配慮する必要があります。
木造平屋の費用相場が知りたい
木造平屋の費用相場を知りたい方は多いのではないでしょうか。
ここでは平屋の費用相場を紹介します。
木造平屋の坪単価の相場は?
木造平屋の坪単価の相場は約40万円〜約60万円です。
坪単価は建築費÷延べ床面積で算出されます。延べ床面積は1階〜2階部分の床面積を合計した面積です。
つまり平屋の延べ床面積が小さい場合には坪単価は高くなります。
他にも木造平屋の坪単価が高くなる要因として、基礎面積が大きい点や屋根と壁の面積が広い点、デザインの凝った屋根などを作る点があげられます。
木造平屋の新築相場価格は?
木造平屋の新築相場価格は約1,700万円〜約2,500万円です。
この価格には坪単価では計算ができない付帯工事費用と諸経費も含まれています。
また、注意点として土地を持っておらず、建築を行うための土地を購入する場合には追加で土地代がかかります。
新築の費用を抑えて購入を検討している方は、ローコスト住宅を検討しても良いでしょう。
木造平屋の間取りが知りたい
木造平屋の間取りについて疑問を持っている方もいるでしょう。
ここでは木造平屋住宅の間取りについて紹介します。
木造平屋の1LDKのポイント
間取り | 1LDK |
---|---|
家族構成 | 2人 |
建築面積 | 60〜80㎡ |
建築費用 | 約1,500万円〜約2,500万円 |
1LDKとは8畳以上あるリビングダイニングキッチンと居室がある間取りです。
食事をとるスペースとくつろぐことのできる広めの空間設計となっているため、居室は寝室などにすることができる点が特徴的です。
2人暮らしの方や小さなお子さんがいる家族などにおすすめの間取りになっています。
1LDKの平屋は広さを十分に活用するために、壁を少なくし空間を狭くしないことがポイントです。
廊下などのスペースを少なくし、部屋のスペースを増やすことが重要です。
また、段差をなくした間取りにすると車椅子の方なども移動がしやすい点は1LDKならではの特徴です。
木造平屋の2LDKのポイント
間取り | 2LDK |
---|---|
家族構成 | 2人〜3人 |
建築面積 | 60〜120㎡ |
建築費用 | 約1,500万円〜約3,000万円 |
2LDKは8畳以上のリビングダイニングキッチンと居室が2つある間取りです。
共有部分とプライベートを確保したい2人暮らしやお子さんがいる家族などに適した間取りになります。
また、2LDKは建築面積によっては中庭を採用できる間取りです。
中庭を採用することで廊下や部屋に自然光を入れることができ、プライバシーを確保しつつ、風通しも良くなるというメリットがあります。
また、2つの居室部分にリビングダイニングを挟むことで、部屋の機能分けなどを行うことも可能です。
これによって廊下のスペースがなくなるため、空間を最大限に活用しつつプライバシーの確保も可能になります。
木造平屋の3LDKのポイント
間取り | 3LDK |
---|---|
家族構成 | 3人〜5人 |
建築面積 | 100〜120㎡ |
建築費用 | 約2,000万円〜約3,000万円 |
3LDKは3つの居室とリビングダイニングキッチンで構成されている間取りです。
ファミリー向けに適している間取りであり、3つの居室をどのように使用するかが重要なポイントです。
居室を配置する際のポイントは生活動線を意識することが重要です。
家事を行う際には洗濯物を干す場所までの距離や、洗濯物を取り込んでからクローゼットなどにしまうまでの距離をコンパクトにすることを意識すると良いでしょう。
3LDKの平屋はそれぞれのプライベートを確保しつつ、リビングなど動線が重なる場所で顔を合わせやすい間取りとなっています。
木造平屋の4LDKのポイント
間取り | 4LDK |
---|---|
家族構成 | 4人〜5人 |
建築面積 | 80〜150㎡ |
建築費用 | 100〜120㎡ |
4LDKは4つの居室とリビングダイニングキッチンで構成されている間取りです。
広い空間を活用し4人以上の家族や2世帯住宅としても使用することができる間取りです。
ライフスタイルに合わせて居室の使用方法を柔軟に変更することができる点が人気の理由となっています。
一般的に4LDKの間取りを2階建てで採用すると、リビングと子供部屋が違う階になり、顔を合わせる機会が少なくなってしまいます。
しかし平屋であればそれぞれのプライベートを確保しつつ、リビングで顔を合わせ交流しやすいでしょう。
ハウスメーカー別の平屋住宅の坪単価の相場
ハウスメーカーごとの平屋住宅の坪単価の相場について、下表にまとめてご紹介します。
坪単価はあくまで目安であり、おおよそであることをご承知おきください。
ハウスメーカーの分類 | 坪単価(万円) |
---|---|
大手ハウスメーカー | 80~110 |
中堅ハウスメーカー | 70~100 |
ローコストハウスメーカー | 55~75 |
平屋住宅が2階建て住宅よりも割高になる理由は?
平屋住宅は2階建て住宅よりも建築費用が割高になります。
その理由について解説していきます。
基礎面積が大きい
平屋住宅は生活空間をワンフロアにまとめているため、2階建て住宅よりも基礎面積や屋根面積が大きくなります。
延べ床面積30坪の総2階建て住宅の場合、1階の床面積は15坪になるので、基礎面積も15坪ということになります。
それが、平屋住宅の場合は、1階の床面積が30坪になるため、基礎面積も30坪ということになります。
したがって、同じ延べ床面積30坪の住宅だとしても、平屋住宅は、総2階建て住宅に比べた場合、基礎面積が2倍になるのです。
そして、基礎面積が大きくなる分、2階建て住宅に比べ、断熱材などの建材を多く使用することになるため、建築費用が割高になるのです。
延床面積が小さい
平屋住宅は、延床面積が2階建て住宅よりも小さくなるケースが多いため、それが坪単価が高くなる一因にもなっています。
延床面積が小さくなっても、キッチンやバス、トイレなどの住宅設備の数は、2階建て住宅と変わりません。
本体工事費用以外にかかる費用も、延床面積がやや小さくなったからといって2階建て住宅とほぼ同程度です。
本体工事費以外の費用とは、地盤補強工事、エクステリア工事、冷暖房工事などの付帯工事や諸費用です。
諸費用には、確認申請料、完成検査手数料、契約印紙代、それに住宅ローンのため金融機関にかかる費用、火災保険料、引越し代などが含まれます。
かかる費用はあまり変わらないのに延床面積が小さくなる場合、坪単価が上がるということになってしまうのです。
屋根の工事費用が高くなる
平屋住宅は、2階建て住宅よりも基礎面積が大きくなるだけでなく屋根面積も大きくなります。
その分、工事費用も高くなります。
面積が大きくなれば、その分使われる建材の量も増えていくからです。
家族3人〜4人で住むためには、最低でも25坪以上の広さは確保したいところですが、2階建てでなく平屋にすることにより、屋根や基礎が大きく必要になるというデメリットがあることは念頭においておくことが重要です。
その他費用相場が増減する要因
平屋住宅を建築する際、建築費用がやや大きく増減することがあります。
その要因として挙げられるのが、工法や建築資材、家の前面の道路の広さです。
木造平屋住宅には、在来工法とツーバーイフォー工法の、主に2つの工法があります。
どちらの工法を採用するかによって費用も変動します。
近年、住宅関連の資材は高騰が続いており、建築費用もそれに伴って増加しています。
2011年に起きた東日本大震災の復興や、2020年の東京オリンピック開催による需要の増加、さらにコロナ禍やウクライナ事情などによるウッドショックなどが材料費の高騰の原因です。
さらに、人件費の高騰も建築費用に影響を与えています。
厚生労働省の統計によると、建設業の平均賃金は年を追うごとに多少なりとも上昇しています。
そして、家の前面道路の広さなど現場周辺の条件によっても、建築費用は増減します。
前面道路が狭い場合などは、生コン車や資材運搬車、それにクレーンなどの大型車両が進入できず、小型車両や人力による運搬になることもあります。
その場合、手間や経費が多くかかることから建築費用の増加に直結してしまうのです。
木造平屋を建てるときの5つの注意点
木造平屋を建てる際の注意点を知りたいという方もいるでしょう。
ここでは平屋を建てる際の注意点について解説します。
間取りによっては広い敷地面積が必要になる
平屋は間取りによっては広い敷地面積が必要になります。
2階建て住宅では建物の延べ床面積を確保しやすいですが、平屋は土地の広さがそのまま延べ床面積に直接反映されるため注意が必要です。
平屋でも屋根裏部屋やロフトを導入し、スペースを増やすことは可能ですが、2階建てと比較すると土地の広さを効率的に活用することは難しくなります。
家族間のプライバシー確保や防犯対策が必要
平屋を建てる際には家族間のプライバシー確保や防犯対策は非常に重要になります。
プライバシーという点ではすべての部屋がワンフロアにあるため、プライベートの確保が難しいと言えます。
プライベート確保のためには個室の配置や間取りを工夫する必要があります。
また、防犯面でも寝室やお風呂などがすべて1階にあるため、防犯面が気になるという方は少なくありません。
防犯カメラや防犯ガラスなどを採用し防犯対策をしましょう。
日当たりと風の通り道
日当たりと風の通り道も平屋においては注意する必要があります。
平屋は建物が低いため周辺に高い建物があると日当たりが悪くなってしまいます。
また、建物の中心に位置する部屋には、光や風が入りにくくなります。
対策として、建物の中心に中庭を作ったり、コの字型やL字型にしたり、天窓を作ったりして採光性能を高めるなどの対策を行うとよいでしょう。
平屋は日当たりと通気性が悪くなってしまいがちであるため、対策をして心地の良い住まいを目指しましょう。
土地の建ぺい率と容積率を確認
建築基準法では土地ごとに定められている建ぺい率と容積率があります。
建築を行う土地の広さに対して、建物の大きさを規制するためです。
建ぺい率は土地の面積に対してどれほどの割合で建築を行えるかを示しています。
算出方法は建物の建築面積を敷地面積で割ることで算出することができます。
建築面積は外壁や柱で囲まれている部分の面積です。
容積率は建物の延べ床面積が占める土地面積の割合を示しています。
算出方法は延べ床面積を敷地面積で割ります。
家を建てる前にこれらの割合を確認しておくことが重要です。
間取り変更ができるか確認する
平屋では構造によっては好みの間取りにすることができないケースも存在します。
将来的に間取り変更を検討している方は、新築時点で将来の間取り変更を見据えた家づくりを行う必要があります。
特に壁や柱は構造上撤去できないものもあるため、注意が必要です。
収納スペースを確保しておく
平屋住宅は、2階建て住宅と比較すると延床面積が確保し辛いため、収納スペースの確保が難しい場合があります。
一般的な戸建て住宅では、住宅全体の13%くらいに収納スペースがあるのが理想的です。
十分な収納スペースが確保できたとしても、収納しやすさには直結しません。
何をどこに入れるかをしっかりとイメージしながら収納スペースを設けるようにしましょう。
標準仕様・間取り変更の可否を確認しておく
標準仕様になっているものや、間取りの変更ができるかどうかを、ハウスメーカーに確認しておきましょう。
住宅に関する建材や設備、工法などは、あらかじめ標準仕様が決められています。
ハウスメーカーによって、この標準仕様は異なります。
標準仕様が決まっている以上、おいそれと変更できるものではありません。
また、決められた間取りでしか建てられない場合もあります。
平屋なら鉄骨か木造か、どっちがお得?
平屋を建築する際に鉄骨か木造、どちらの構造にすべきか悩んでいる方もいるでしょう。
ここではそれぞれの特徴から平屋に適した構造を紹介します。
平屋なら鉄骨より木造がメリット大です
一般的に平屋は鉄骨よりも木造の方が適しています。
ここではその理由について紹介します。
木造の方が割安
一般的に鉄骨よりも木造の方が割安です。
木造と鉄骨では、坪単価で約10万円〜約20万円ほど鉄骨の方が高額になります。
平屋は2階建ての建物に比べ基礎と屋根の面積が大きいため、費用が高額になります。
そのためコストカットが可能な場所で費用を抑えることが重要になります。
木造の方が高断熱にしやすい
鉄骨と比較して木造の方が高断熱にしやすいという特徴があります。
鉄は木と比較して熱を通しやすく、家の内外に熱を伝えやすいという特徴があります。
平屋は壁や床、屋根など外の空気に触れている部分の面積が増えるため、移動する熱が増えてしまいます。
平屋は2階建てよりも断熱性の高い建物にする必要があるため、木造の方が適していると言えます。
3階建て以上作れるという鉄骨の強度を生かせない
平屋は1階のみであるため、鉄骨の「3階建て以上の建物を建築できる」という最大のメリットを享受することができません。
言い換えると平屋には鉄骨ほどの耐久度が必要ないと言えます。
鉄骨のメリットを享受できない状況で割高な鉄骨を選んでしまうと、単純に費用がかさみます。
木造の方が間取りの自由度が高い
木造は鉄骨よりも間取りの自由度が高いという特徴があります。木造は間取りの柔軟性が高いです。
しかし鉄骨は規格化されている材料であるため、決まった寸法にしか仕上げることができません。
土地の面積や形によって大きな影響を受けやすい平屋住宅は、鉄骨構造にすることで間取りの自由度が制限されてしまう可能性が高いです。
木造平屋・鉄骨の工法の特徴
木造平屋と鉄骨の工法にはそれぞれ特徴があります。
ここではそれぞれの工法について紹介します。
木造
木造には3つの工法があります。
それぞれの特徴をここでは紹介します。
在来工法
在来工法は別名で木造軸組工法とも呼ばれる工法です。
これは日本古来から行われてきた工法で、柱と梁を補強しながら骨組みを建築していく方法です。
柱に梁を渡して、屋根を建築していくこの工法は日本の気候に適しているという特徴があります。
木材を加工し、補助の金物を使用して接合部を結合するという特徴も在来工法ならではと言えるでしょう。
2×4工法
ツーバイフォー工法は別名木造壁式工法とも呼ばれ、2インチ×4インチの木材を使用したパネルを組み立てを行い建築します。
接合部には接着剤と釘を使用して建築していきます。使用する部材が規格化されており、専門的な技術が必要なく、短い工期で組み立てを行える点が特徴です。
ただし、ツーバイフォー工法では屋根が最後に組み立てられるので、雨から守るため養生をしっかりと行う必要があります。
木質パネル工法
木質パネル工法はツーバイフォー工法と構造原理は同じ工法です。
住宅の床や壁などをパネルとしており、工場で生産されたものを現場に搬入し、組み立てを行います。
機密性や断熱性に優れており、工場生産のメリットを充分に生かすことも可能で、価格面や工事の期間にメリットがあります。
鉄骨造
鉄骨には2つの構造があります。
ここではそれぞれの特徴を紹介します。
軽量鉄骨
軽量鉄骨は価格に優れた軽量の鉄骨を使用した構造です。
鉄の価格は重さを基準として決定するため、軽量であるものは費用を抑えることができます。
その軽量性は耐震性を高めてくれるという特徴があります。
軽量鉄骨では木材の在来工法のようなブレース構造が使用されるケースが多く、柱と梁を補強して構造を建築していきます。
重量鉄骨
重量鉄骨は軽量鉄骨と比較してもコストが高くなるという特徴がありますが、強度に優れており、3階建て以上の建物に使用されるケースが非常に多いです。
重量鉄骨ではラーメン構造が用いられるケースが多く、これは柱と梁を溶接などで一体化させる構造です。
また、重量鉄骨は広い空間を作りやすいという特徴があります。
工法別の耐震性・耐火性・耐久性等の比較
工法別の耐震性や耐火性、耐久性について疑問を持っている方もいるでしょう。
ここではそれぞれの工法の性能について紹介します。
木造 | 鉄骨 | ||||
---|---|---|---|---|---|
在来工法 | 2×4工法 | 木質パネル工法 | 軽量鉄骨 | 重量鉄骨 | |
耐震性 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ |
断熱性 | ◎ | ◎ | ◎ | △ | △ |
気密性 | △ | ◎ | ◎ | △ | ○ |
耐火性 | ○ | ○ | ○ | △ | △ |
耐久性 | △ | ○ | ◎ | ◎ | ○ |
防音性 | △ | ○ | △ | △ | △ |
木造平屋の耐震性
木造平屋の耐震性は建物への負担が少ないため、非常に優れています。
これは建物が低く間取りもシンプルであるためです。
基本的に地震は建物の重さと高さによってかかる負担が異なります。
平屋はこの2点から地震によって受ける影響が2階建て以上の建物と比較しても少なくすみます。
また、間取りの面でも平屋は長方形や正方形のようなシンプルな形状で建築されるケースが多いため、地震の影響を受けにくくなっています。
木造平屋の断熱性
木造平屋は断熱性を高めることが重要です。
理由としては、平屋は壁や床、屋根など外気と触れる範囲が広く、熱が内外に移動しやすくなっているためです。
一般的に断熱性は熱伝導率によって左右されます。
鉄骨などの金属と比較して木造の建物は断熱性が高く、平屋に適している素材です。
状況によっては使用する断熱材を増やし、生活を送りやすい空間にすることが重要です。
木造平屋の気密性
気密性は可能な限り隙間をつくらないようにすることで、向上します。
気密性が高いことで省エネ効果を高めたり、結露の防止になります。
平屋は温度の調整が難しいため、断熱性対策や気密性対策は非常に重要な要素です。
断熱処理ができていても、気密性が低ければ建物の中は寒くなってしまいます。
平屋の場合は木材が適しているでしょう。
木造平屋の耐火性
木造の平屋は在来工法もしくはツーバイフォー工法などで建築されているものは耐火性を高める工法であるため、耐火性能は良いと言えます。
耐火性能は導入する設備などによっても向上させることができるため、万が一に備えて耐火性能の高い設備を導入しておくことをおすすめします。
また、素材などによっても耐火性能は異なってくるため、耐火性能にこだわりたいと考えている方は、耐火性能の良い素材をおすすめします。
木造平屋の耐久性
住宅は構造によって耐久性が異なります。
耐久性の指標として法定耐用年数や物理的耐用年数があります。
法定耐用年数は木造住宅で22年、物理的耐用年数は木造住宅で65年となっています。
あくまで上記の耐用年数は目安であり、実際にはそれぞれの環境や施工の質、メンテナンス状況によって耐久性能は変わってくるため注意が必要です。
木造平屋の防音性
平屋は屋根と居住空間の距離が近いため雨音を感じてしまうこと、それぞれの部屋が直結していることによってリビングの生活音が他の部屋に回ってしまうことなどが多々あります。
これらの音に対しては、間取りを検討する際に寝室とリビング、キッチン、トイレなどの音が発生する場所を遠くするなどの工夫や、防音材を使用して音漏れを軽減するなどの対策を行うと良いでしょう。
コストを抑えて平屋を建築する方法
コストを抑えて平屋を建築したいと考えている方は多いでしょう。
ここでは平家を建築する際にコストカットする方法を紹介します。
複数社から相見積もりを取る
コストを抑えて平屋を建築するためには複数の会社から見積もりを取得し、比較する相見積もりがおすすめです。
この相見積もりをすることにより費用を抑えることができるのは、依頼する業者によって、工事の価格が異なるためです。
住宅を建てる際に下請けの業者が入る場合には、下請けに依頼する作業量が多ければ多いほど中間マージンも大きくなります。
工事を依頼する会社によって下請けに依頼する作業量は異なるため、見積もりを比較することで明確にすることができます。
「ハピすむ」では複数社からの見積もりを無料で取得することができます。
費用を抑えて建て替えや新築を建てたいと考えている方は、ぜひハピすむをご活用ください。
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木造建築で平屋を建てる
木造建築で平屋を建てることによって、費用を抑えて建築することができます。
平屋を建築する際には大きく分けて2つの構造が用いられ、その構造は木造と鉄骨です。
平屋は鉄骨に比べて割安な木材が適しており、その理由は鉄骨のメリットである3階以上の建物にも用いられる耐久性能です。
平屋は1階しかないため、割高な鉄骨を選ぶまでのメリットを享受できないことから木造の方が適していると言えます。
シンプルな外観・間取りにする
シンプルな外観や間取りにすることで、費用を抑えることができます。
建物の外壁材はハイグレードでデザイン面にも機能面にも優れた商品があります。
しかしその分費用が高額になってしまうため、グレードを落とすことで他の箇所に予算を割いたり、費用を節約することができます。
また、間取りも複雑にすることで工事費用が追加で発生してしまう可能性があります。
複雑な間取りは建築にも時間がかかり、職人の人件費もその分かかってしまいます。
屋根の高さを抑える
屋根は勾配が大きいものほど、屋根面積が大きくなります。
屋根面積が大きくなると、その分建築費用がかさんでしまいます。
したがって、なるべく屋根の勾配を抑えることも建築コストを抑える有効な方法です。
そして重要なのが、低層住居専用地域の日影規制です。
第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域では、軒の高さが7mを超えてしまうと、日影規制の適用対象になります。
したがって、なるべく軒の高さを6m以下にしておけば問題ないでしょう。
無駄な部屋を作らない
無駄な部屋を作らないことも、費用を安く抑えるためには重要です。
実際に生活する上で本当に必要かどうかをしっかり検討しておきましょう。
部屋数をなるべく減らして、将来必要になった場合に間仕切りなどで部屋を分けるという計画だと、建築費用も安く抑えられるでしょう。
お子さんの成長と共に子供部屋がもう1部屋必要になった場合などに有効な方法です。
廊下を減らす
廊下が増えれば延床面積に影響するため、できるだけ廊下を減らすことでコスト抑制につながります。
最近では廊下のない住宅も増えてきたぐらいです。
廊下がない分、家全体の冷暖房費などを抑えることにも有効ですし、LDKも広く取れるなど、さらにメリットが増えます。
平屋住宅は廊下が長くなりやすい間取りになりがちですが、思い切って廊下を無くしてみるように設計段階で検討するのもおすすめです。
水回りの設備をまとめて配置する
水回りの設備をまとめて配置することによって、平屋の費用を抑えることができます。
水回りの設備をバラバラに配置すると給排水管を延長しなければなりません。
その工事にも追加で費用がかかるため、なるべくまとめて配置することで余分な費用の発生を防ぐことができるのです。
収納スペースを計画的に設置する
収納スペースをできるだけ多く設置したいと考えている方も多いと思います。
しかし、収納スペースを至るところに設置するのは建築費用を抑えるという目的には不向きです。
かえって建築費用が増えてしまう要因となってしまいます。
収納スペースを数か所にまとめるなどの工夫で建築費用を抑えることができます。
収納スペースは計画的に設置するように心がけましょう。
窓を減らす
設置する窓の数を減らすのも、建築費用を抑えることに対して大きな効果が得られます。
窓の数が多いことによって、窓ごとに建材費がかかり、窓を設置することで壁の強度が下がり、別途耐震補強としての費用も必要になってしまい、かえって建築費用が高額になってしまいます。
以上の点をふまえて、窓の設置数を最低限に抑えることをおすすめします。
知名度の高いハウスメーカー以外も検討する
知名度の高いハウスメーカーだけではなく、他のハウスメーカーも検討してみるのもおすすめです。
大手のハウスメーカーは、宣伝広告費などの経費も多額にかけているため、その分建築費用も高くなります。
低予算で平屋建て住宅を建てたいと考えているのならば、大手のハウスメーカーだけではなく中堅以下のハウスメーカーも検討することをおすすめします。
平屋住宅を建てるときの失敗しないためのポイントは?
平屋住宅を建てる時に失敗しないためのポイントについて解説していきます。
平屋住宅向きの土地か
平屋住宅を建てることに向いている土地かどうかを、あらかじめ確認しておきましょう。
特に、水害、日当たり、風通しに問題がない土地かどうかは検討すべきです。
平屋住宅に適している土地は、第一種低層住宅専用地域や第二種低層住宅専用地域です。
第一種低層住宅専用地域や第二種低層住宅専用地域は、都市計画で定められた低層住宅のための地域であり、建物の高さが10mまたは12mに制限されています。
他の用途地域に比べ、周囲に高い建物が建ちにくいというメリットがあります。
家を建てる土地が該当しているかは、最寄りの自治体に確認しておきましょう。
家族間で合意がとれているか
平屋住宅はプライベートスペースの確保が難しく、事前に家族間の合意が取れていることが重要です。
家族の中でもプライベートはあるので、それぞれのプライバシーを侵害しないためにも、間取りを考える時点で家族とよく話し合っておきましょう。
長く暮らしていくことを見据えているか
長く暮らしていく上で、子供が生まれて家族が増えるなど家族構成は変わっていきます。
先々のことを見据えて平屋住宅の大きさなどを考慮しておくことが重要です。
家族構成に合わせて快適に過ごせる広さには目安があるので、あらかじめ考えておきましょう。
家事動線・生活動線のイメージがつかめているか
家事や生活する際の動線についてイメージがつかめているかも重要です。
実生活に基づいたシミュレーションをしておきましょう。
平屋住宅の建築実績が豊富なハウスメーカー・工務店を選べているか
平屋住宅の建築実績が豊富なハウスメーカーや工務店を選べているかどうかも重要なポイントです。
平屋住宅の建築実績の少ないハウスメーカーや工務店では思わぬ後悔に繋がる可能性があります。
家を建ててから後悔しないように、事前にしっかりと調べておきましょう。
平屋住宅を安く建てられるハウスメーカー
平屋住宅を安く建てられるハウスメーカー3社について、特徴や技術の強みをご紹介します。
タマホーム
タマホームは、施工の直接管理、生産者と直接つながる流通システム、住宅設備の大量発注により、最適な価格へのコストカットに成功しています。
「シフクノいえ プレミア」は、耐震等級・最高等級3に対応しているため、地震に強い住宅です。
種類豊富な内外装と標準設備で、自分らしさを追求した家を建てることができます。
これらの要素を安心の初期保証・長期保証・点検システムとセットで実現しています。
クレバリーホーム
クレバリーホームは、さまざまな工夫とアイデアを住まいに取り入れており、オリジナル部材の開発によりイニシャルコストの抑制に努めています。
タイル貼りの外壁や木造であること、そして独自技術の開発など、住まいに求められる災害に強く、快適な家づくりを実現させています。
アイフルホーム
アイフルホームはLIXILグループであり、LIXILグループから玄関ドアやバスルームを一括購入しているため、安価で設置できる点が魅力です。
業界初となるFC(フランチャイズ)システムを導入しており、優れた商品力と開発力を持つハウスメーカーと、きめ細かい対応力が魅力の工務店、両方のメリットを生かして、より良い住まいを最適な価格で提供しています。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
注文住宅の設計プランや費用は、施工店によって大きく異なることがあります。
そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!
実際に注文住宅を建てるには時間がかかるので、この記事で大体の予想がついた方は早めに次のステップへ進みましょう!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
一生のうちに注文住宅を建てる機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール
2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。
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