2023年11月27日更新
注文住宅が完成するまでの期間はどれくらい?流れや注意点について解説
この記事では注文住宅を建てる際の流れや目安の期間などについて詳しく解説しています。住宅ローンの流れについても注意点を踏まえながら解説しているので、この記事を読むことで注文住宅を建てるために必要なことを把握することができます。
注文住宅を建てたいと考えていても、具体的にどのような流れで注文住宅が建てられていくのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
一生に一度の買い物になる場合も多い注文住宅だけに、慎重に準備をすすめたいと考えている方も少なくないでしょう。
この記事では実際に注文住宅が完成するまでの流れや期間、住宅ローンの流れなど、注文住宅を建てる上で必要な情報を詳しく解説しています。
この記事を読むことで注文住宅を建てる際にやらなければならないことが分かり、事前の準備がスムーズになりますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
目次
注文住宅完成までの流れと期間の目安
注文住宅が完成するまでの流れを9つの工程に分けて解説していきます。
期間の目安についても解説しますので、注文住宅を検討している方は参考にしてください。
①理想のイメージや条件の整理
まずは、ネットや住宅展示場などにある間取りの事例や住宅などを参考にしながら、どんな家にしたいのかアイデアをまとめていきます。
家族で意見を出し合いながらそれぞれのこだわりたいポイントについても明確にしていきましょう。
収納が多く欲しい、デザイン性に特化したいなど、さまざまなポイントが挙げられるでしょう。
後からイメージを変更するとプラン作成に時間がかかってしまうため、このタイミングで方向性を定めることが大切です。
また、家を建てる場所や部屋数などの条件についてもここで整理しておくことでこの後の打ち合わせがスムーズになります。
約2週間〜約1カ月、時間をかけてじっくり検討するのが良いでしょう。
②予算の決定
理想のイメージが決まったら予算を検討していくことになりますが、まずは注文住宅にどれくらいの予算をかけられるのか把握しておく必要があります。
自己資金と月々に返済できるローンの金額から逆算して住宅に充てられる費用の総額を計算しましょう。
金融機関が提供している住宅ローンのシミュレーションサービスを活用することで比較的簡単に借入限度額などを調べることができます。
注文住宅には本体工事費のみではなく、付帯工事費や外構工事費など、それに諸費用なども必要になるため、ギリギリで予算を決めるのではなく、予算にも幅を持たせておくとイメージ通りの家づくりをしやすくなりおすすめです。
予算の決定に関しては約1週間〜約2週間あれば十分に行うことができるでしょう。
③土地探し
予算が決まったら不動産情報サイトや実際に不動産会社に足を運んで家を建てる土地を探します。
特に家を建てる際に希望している地域がある場合には、事前に不動産会社と打ち合わせをし、希望に沿った土地が売り出された際にすぐに紹介してもらえるようお願いしておきましょう。
この土地探しに関しては希望の地域があるのかどうかや敷地面積などさまざまな条件によってかかる期間が大きく変わります。
短ければ1カ月程度で見つかる場合もありますが、1年以上かけても希望の土地が見つからない場合も多いことから、注文住宅を建てたいと思った場合には、土地探しを先行して行っても良いでしょう。
④建設会社探し、相談
予算が決まり、ある程度建てる土地に目星がついてきたら、建設会社探しを行います。
建設会社を探す際に大切なのが複数の建設会社を比較することです。
建設会社の多くは、新築を検討している方向けに見学ができるモデルハウスを用意しており、モデルハウスの見学をすることでその建設会社の特徴を一気に把握することができます。
そのため、気になる建設会社がある場合にはそこのモデルハウスの見学に行きましょう。
また、それ以外にも総合住宅展示場に行くことで複数の建設会社のモデルハウスを一度で見学できるため、比較や検討する上でおすすめです。
また、家を建てる土地に目星がついていない段階でも建設会社に相談することで、土地選びから協力してくれる場合があるため、先行して建設会社探しを行うのも有効な手段の一つといえます。
必要な期間としては約1カ月〜約3カ月を想定しておくと良いでしょう。
こちらから無料で簡単に相見積もりが出来ますので、ぜひハピすむの新築・建て替え費用の無料相見積もりをご利用ください。
⑤プランと見積りの調整
建設会社が決まったら実際に注文住宅のプランを作成してもらい見積もりをもらいます。
最初に決めたイメージと予算をベースにプランの作成を行ってもらい、予算と見積もり金額を照らし合わせながら調整をしていきます。
特に予算をオーバーしている場合には、希望に沿った形で費用を抑えるためにはどうしたら良いのかを建設会社と打ち合わせしながら、予算に近づけていくようにしましょう。
こちらも期間としては約1カ月〜約3カ月が目安となりますが、うまく折り合いがつかない場合やプラン修正などが多い場合には長引くことがあります。
⑥図面完成
プランと見積もり金額が確定したら、図面も確定することになります。
このタイミングで要望している点が全て盛り込まれていることを確認し、生活する上での動線や機能をイメージするようにしましょう。
万が一、要望していた内容が抜けていた場合や動線をイメージしていく中で気になることがあった際には、このタイミングで変更の相談をする必要があります。
期間の目安としては約2週間〜約1カ月を想定しておきましょう。
⑦工事契約、建築申請
図面が確定したら工事契約を結び、建築確認申請の手続きに移ります。
なお、住宅ローンに関してもこのタイミングで行うことになります。
建築確認申請を行ってしまうと、プランの変更が難しくなり、追加で費用もかかってしまいますので、極力変更がない状態にしておきましょう。
なお、必要な期間は建物の大きさにもよりますが、約1カ月〜約2カ月が目安となります。
⑧工事着工
無事に申請が下り、契約も結んだら確定した内容に沿って工事がスタートします。
工事が始まる前に近隣挨拶を行ったり、安全を祈願して地鎮祭を行う場合もありますが、基本的には、建主がどうしたいかによって実施するかどうか決めることができます。
また、工事に関しては基礎工事から始まり、建て方、設備工事、電気工事などさまざまな工事が行われます。
工事期間としては約3カ月〜約6カ月が目安となりますが、建物の形状や大きさなどによっても大きく変わるため、建設会社が作成している工程表を参考にすると良いでしょう。
⑨竣工
竣工したら自治体の完了検査を受け、検査済証をもらう必要があります。
また、建物の引き渡し前に汚れや傷、機器類の不具合がないかどうかも施主立ち会いのもとでチェックを行います。
気になる部分があった際には、引き渡し前に是正してもらい、その上で引き渡しとなりますので遠慮せずに指摘するようにしましょう。
期間の目安としては約1週間〜約2週間となりますが、是正箇所が多い場合には期間が長くなります。
注文住宅の建設期間が長くなるケース
ここまでは注文住宅の流れについて期間も踏まえて解説してきましたが、どうしても工事期間が長くなってしまうケースがあります。
ここでは具体的に5つ、工事期間が長くなるケースについて解説します。
地中埋設物があった場合
そもそも地中埋設物とは何を指すのでしょうか。
地中埋設物とは既存建物の基礎部分やコンクリート片などの建築資材や浄化槽、井戸、古い水道管など地中に埋まっている廃棄物のことです。
地中埋設物がある状態のままで新しく建物を建てようとする場合、基礎工事の邪魔をしてしまうことがあります。
また、将来いつか土地を売却することがある場合、瑕疵担保責任が問われ損害賠償請求ということにもなりかねません。
地中埋設物があった場合には、全て適切な処理をした上で着工することになるため、工事期間が長引いてしまいます。
天候の影響で工期が長引く場合
注文住宅の建設は外での作業となることから、天候の影響を受けやすいです。
特に梅雨時期や台風が頻発する時期、雪が降って気温が上がらない時期は、工事内容に大きな制限がかかってしまうことも多いです。
天候の影響は事前に防ぐことが難しいことから、このような時期に建物を建てる場合には、工事期間が長引くことを念頭に置いて、工事期間に余裕を持たせると良いでしょう。
大幅なプラン変更があった場合
基本的に一度決めたプランを工事期間中に変更するというのはあまりおすすめできませんが、工事着工後にもっと良いプランを思いついてしまうというのはよくあることです。
実際に建設会社と合意できれば工事期間中であってもプランの変更をすることは可能です。
ただし、プランの変更をするためには一度工事を中断して、打ち合わせをしながら変更していくことになります。
そのため、プランの変更が大きくなればなるほど、打ち合わせにかかる時間も長くなってしまうことから、工事期間が長引いてしまう可能性があるということを認識しておきましょう。
人手や建材が不足して予定通りに進まない場合
ここ近年の新型コロナウイルスやウッドショックなどの事情によって、想定していた人員や建材が確保できず、予定通りに進めることができない場合もあります。
大手のハウスメーカーであれば建材のストックをしているため、あまり影響を受けずに工事を進められますが、地場の工務店などの中小企業においては大きく影響を受けてしまう可能性があります。
本来であれば事前に人員、材料の確保を済ませておく必要がありますが、不測の事態に陥ってしまった場合には、工事期間が長引いてしまうのです。
書類の不備があった場合
前述でも少し触れましたが、建築図面が確定すると建築確認申請を行うことになります。
その際に提出しなければならない書類に不備があった場合、申請が通らないことになります。
また、何度もやり直しをしなければならなくなることもあります。
申請に予定以上の時間が割かれてしまうと、本来予定していたタイミングでの建築もできず、工事期間が長引いてしまう可能性があります。
注文住宅の建設期間を短縮するポイント
注文住宅の建設期間を短縮するためには、どのような点に注意が必要なのでしょうか。
ここでは注文住宅の建設期間を短縮するためのポイントを具体的に4点紹介します。
土地選びから注意する
建設期間を短縮する上で土地選びは重要な要素です。
前述でも触れた通り、地中埋設物の問題や地盤改良が必要な土地など問題点が明確にある土地を選んだ場合、通常の建設期間よりもどうしても長くなってしまいがちです。
また、外構工事を行う場合には隣の土地との境界の問題や土留の問題なども考慮する必要があるため、問題のある土地を選んでしまうとこの外構工事においても長い工事日数を要してしまいます。
そのため、土地選びをする際にはこのようなことが起こらないよう注意して選ぶ必要があるといえるでしょう。
工期が短い建設会社を選ぶ
工期が短い建設会社を選ぶことで、建設期間の短縮が期待できます。
とはいえ、どのような建設会社が工事期間の短い建設会社なのかが分からない方も多いのではないでしょうか。
後ほど詳しく解説しますが、注文住宅を建てる際に依頼する建設会社は主にハウスメーカー、工務店、設計事務所に分けられます。
この中で、設計事務所は工事に入る前に綿密な打ち合わせをする傾向にあり、工事期間は長めになってしまいます。
また、地場の工務店や人員の少ない工務店の場合には同様に打ち合わせが多かったり、はじめから工事期間を長く取っているケースもあるのです。
大手のハウスメーカーやビルダーに関しては打ち合わせを短期間にまとめて行い、なおかつ工事に関してもしっかりマニュアル化されている事が多いため、比較的短い期間で建設することができます。
建設会社を選定する時点で、建設会社に日程のロードマップをあらかじめ教えてもらい、自分に合った工期で建築できる建設会社に依頼するようにしましょう。
標準仕様から大きく変更しない
ハウスメーカーなどの場合に多いのですが、標準仕様から大きく変更されると設計に時間を要してしまう可能性があります。
また、工事に関してもマニュアル通りに進められない部分に関しては、どうしても打ち合わせをしながらの工事となるため期間が長くなってしまいがちです。
そのため、工事期間を短くしたい場合には、標準仕様をベースとして考えてあまり大きな変更をしない方が良いでしょう。
特殊な工法を避ける
具体的にはテクノストラクチャー工法やFP工法のようなそもそも取り扱うことができる業者が限られているような工法の場合、その業者が自分のイメージしている工期で建築できる業者とは限りません。
また、このような特殊な工法の場合には設計、積算にかかる時間も長くなる場合もあるため、工事期間を短くしたい場合にはあらかじめよく確認してから選定する必要があるでしょう。
建設会社などによって変動する工期
前述でも少し触れましたが、注文住宅の建設をどこに依頼するかによって工事期間が変動します。
ここでは具体的に3種類の建設会社を例に挙げ、工事期間の目安について解説します。
ハウスメーカー
ハウスメーカーの工事期間は下記表の通りです。
工事期間 | 約3カ月〜約4カ月 |
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ハウスメーカーには大手ハウスメーカーの他にローコスト住宅を売りにしているハウスメーカーも存在しており、その工事期間はさまざまです。
一般的には現場での加工が少なく、現場での作業を簡略化しているローコストのハウスメーカーの方が工期が短く、大手のハウスメーカになるほど高い品質を保つために工事期間が長くなります。
依頼するハウスメーカーによっても工事期間が大幅に変動することを覚えておきましょう。
工務店
工務店の工事期間は下記表の通りです。
工事期間 | 約4カ月〜約6カ月 |
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工務店で建設する場合、ハウスメーカーとは異なり、現場で材料の加工をする機会も多いことから、工事期間が少し長めになっています。
また、依頼する工務店の規模にもよりますが、現場に入る職人の数が少ない場合には当然建築にかかる期間が長くなってしまうのです。
工務店に依頼をする際には、あらかじめ何人の職人で建設していくのかを聞いてみるのも良いかもしれません。
設計事務所
設計事務所の工事期間は下記表の通りです。
工事期間 | 約5カ月〜約8カ月 |
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設計事務所で建設する場合、標準仕様があるハウスメーカーとは異なり一から設計を行って建設していくことになります。
そのため、そもそも建設に入る前の期間も長くかかることを認識しておきましょう。
その上で、内装材や間取り、設備機器など、こだわりのものを取り入れる場合も多いことから、工事期間に関してもハウスメーカーや工務店と比較すると長くなっています。
期間が長引かないように決めておきたいこと
工事期間が長引かないようにこれから紹介する2つの事をあらかじめ決めておくことで、スムーズに注文住宅の建設を進められるようになります。
ぜひ下記2つの項目に関しては、次項を参考にして決めておくようにしてみてください。
譲れない条件を決めておく
注文住宅の建設をする上で時間がかかってしまう要因の1つに家のプランがなかなかまとまらず、工事に移行できないということがあります。
一生に一度の買い物ということもあり、いろいろな要望が頭に浮かび、その都度プランの変更やイメージとの相違が生まれてしまうのはよくあることですが、このままでは工事期間が長引く一方となってしまいます。
いくつか自分が譲れない条件を定め、その条件を中心にプラン作りを行うことでプランが決まりやすくなるため、改善策としておすすめです。
スケジュールを組んで計画的に動く
注文住宅の建設はイメージを固めたり、予算の選定を行ったり、土地を探したり、と非常に多くの工程の下に行われています。
そこで大切なのがスケジュール管理です。
スケジュールを組まずに場当たり的に動いてしまうと、土地探しでつまづいてしまったり、予算がなかなか決まらなかったりと何かと後手に回ってしまう可能性が高いです。
そのため、あらかじめスケジュールを組んで計画的に行動することで、スムーズに注文住宅の建設に移りやすいため、事前にある程度のスケジュールを決めておくのがおすすめです。
注文住宅を建てる際に必要な書類
注文住宅を建てる際には住宅ローンを活用するケースも多いことから、必要な書類は非常に多いです。
具体的には下記のような書類が必要となります。
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険証、パスポート、マイナンバーカード)
- 住民票、印鑑証明書
- 源泉徴収票、所得証明書、確定申告書
- 住宅ローン借入申込書
- 工事請負契約書
- 建築確認済書
- 団体信用生命保険申込書兼告知書
- 火災保険申込書
- 適合証明書
これらの書類は注文住宅の購入時や住宅ローンの事前審査時、工事契約や住宅ローン契約時などさまざまなタイミングに応じて必要な書類が変わります。
タイミングごとに必要な書類が提示されますが、事前に準備しておくことでスムーズに進めることができますので、上記の書類につきましては事前に準備しておくと良いでしょう。
注文住宅を建てる際の費用の目安
前述でも少し触れましたが、注文住宅を建てる際には住宅本体工事費と住宅本体工事費以外の工事費、諸費用などがかかりますが、そのほかにかかる費用として、建てた後にかかる費用があります。
ここではそれぞれに分けて費用の目安を解説していきます。
住宅本体工事費
住宅本体工事費用は建物を建設するためにかかる費用のことで、注文住宅を建てる際にかかる費用の中で一番ウエイトが大きい費用といえます。
費用の目安としては総額の約70%〜約80%となります。
駐車場や塀、庭の造成や門などの外構工事に当たる費用こそ含まれませんが、仮設工事や基礎工事、住宅設備の設置工事など、建物を建てる上で発生する費用のほとんどがこの項目に該当します。
また、よく建設会社のチラシや広告などで紹介されている費用はこの住宅本体工事費のみの場合も多く、その予算だけでは、住宅として使用することができませんので気をつける必要があります。
住宅本体工事費以外の工事費
前述でも少し触れましたが、住宅本体工事費以外の工事費には外構工事の他に水道管やガスを敷地内に引き込むための工事や照明機器、カーテンやエアコンなどの費用もこの項目に該当します。
費用の目安としては総費用の約15%〜約20%が目安となります。
建て替えの場合には既存の家の解体工事や、土地の状態によって地盤調査、改良が必要な場合にはそのような費用もこの項目に該当することになるため、土地の条件などによっても費用が左右される項目です。
実際のところ住宅本体工事費と住宅本体工事費以外の工事費は、内訳を取ると曖昧な点もあることから、まとめて建築工事費と呼ばれる場合も多いです。
諸費用
諸費用は住宅本体工事費や住宅本体工事費以外の工事費を除いた部分にかかる費用のことを指します。
具体的には、契約に関わる手数料関係や印紙代、確認申請手数料や検査手数料、住宅ローン関係の諸費用、火災保険、それに家具家電の購入費や引越し代などが諸費用として必要になります。
費用の目安としては総費用の約5%〜約10%となっております。
現金で支払いを行わなければならないもの多く、契約内容や注文住宅や費用によって費用も変動するため、ある程度の余裕を持って予算を確保しておくと良いでしょう。
建てた後にかかる費用
注文住宅を建てる際の計画から抜けてしまいがちな費用として、建てた後の費用というものがあります。
具体的には不動産取得税や固定資産税などです。
また、住宅を建てた直後にかかることはまずありませんが、メンテナンス費用やリフォーム費用というのも住宅を建てた後で必要な費用となってきます。
メンテナンスやリフォームは築10年程度を経過した以降に必要になってきますが、注文住宅を建設する際に生活水準がギリギリになってしまうようなプランにしてしてしまうとこのような費用が確保できなくなる恐れがあります。
予算を計画する際には、建てた後にかかる費用にも目を向けながら予算を決めるようにしましょう。
注文住宅を建てる際の支払いのタイミング
注文住宅を建てる際、支払いのタイミングがいつなのか、何回に分けて支払いを行うのか気になる方も多いのではないでしょうか。
注文住宅の場合、一般的には3〜4回に分けて支払いを行うケースが多いです。
具体的には契約時、着工時、上棟時、竣工時の4つのタイミングが主な支払いのタイミングになります。
依頼する建設会社にもよりますが、約1カ月に1回のペースで支払いのタイミングが来るということを認識しておくとよいでしょう。
住宅ローンの流れ
注文住宅を建設する上で必要な費用について紹介してきましたが、ここからは住宅ローンの流れについて解説します。
注意点も踏まえて住宅ローンの流れを解説していきますので、住宅ローンを検討されている方は参考にしてみてください。
住宅ローンを利用する流れ
はじめに住宅ローンを利用する流れについて具体的に3つの項目に分けて解説をしていきます。
事前審査を受ける
住宅ローンを利用する際にまず行う必要があるのが事前審査を受けることです。
事前審査とは本審査の申し込みを行う前に実施される簡易的な審査のことで、金融機関から求められた情報を申告する必要があります。
求められる情報の例としては申告者の年収や頭金の割合などが挙げられますが、詳細に関しては金融機関ごとに異なります。
事前審査は物件が決まった段階で行なうのが一般的となっており、この審査結果が芳しくない場合には、その後の手続きに進むことができません。
金融機関によっても変わりますが、事前審査の結果は約3日〜約1週間でわかる場合が多く、事前審査が承認されてからは本審査に向けた準備をしていくことになります。
現在では事前審査の申し込みは書面の記入ではなく、オンラインでの申し込みをできる場合も多くあるため、比較的簡単に作業に移ることができるようになっています。
ただし、事前審査で承認されても本審査で審査落ちする場合もあるため気をつける必要があることを留意しておきましょう。
融資実行は建物の引き渡し時に行われる
本審査を通過したらいよいよ融資の実行となります。
契約書類に不備がないことが前提となりますが、あらかじめ指定した日時に融資を受けることになり、契約を結んだ金融機関から申込者の口座に振り込まれます。
基本的に融資の実行は建物の引き渡し時に行われ、建設会社に支払いが完了することで正式に住宅の引き渡しを受けられることになるのです。
また、融資が実行されると翌月もしくは翌々月から返済が開始され、金融機関と取り決めをした毎月決まった日に指定した銀行口座から引き落とされるようになります。
つなぎ融資を併用する
つなぎ融資という言葉をご存じでしょうか。
つなぎ融資とは住宅ローンの審査が完了しており、金融機関から融資を受けられることが確定している場合に使用できるもので、注文住宅を建設する上で引き渡し前に必要になる工事代金を一時的に融資してくれることを指します。
前述した通り、注文住宅の費用の支払いが複数回に渡って行われる場合、着工時や上棟時などのタイミングで資金が必要になります。
このようなタイミングで一時的に立て替えて費用を支払えるようにするのがつなぎ融資です。
住宅ローンを利用する際の注意点
ここからは住宅ローンを利用する際の注意点について、具体的に3つポイントを踏まえて解説していきます。
金利、保証、手数料を確認する
住宅ローンを利用する上で確認しなければならないのが金利、保証料、手数料です。
一般的に住宅ローンの金利には固定金利、変動金利、固定金利期間選択型の3種類のタイプがあります。
固定金利は完済までの金利が確定しているタイプの住宅ローンで返済計画を立てやすいですが、金利が高めに設定される場合があるなど、金利ごとにメリットデメリットがあります。
また、保証料は、万が一金融機関に住宅ローンが返済できなくなってしまった際に保証会社が肩代わりするリスク対応のための保険のような料金のことですが、この保証料においても前払い型や金利上乗せ型があります。
こちらも前払い型は月々の負担を減らすことができますが、まとまったお金を準備する必要があるなど、向き不向きが存在しています。
最後に手数料ですが、こちらも定額型と定率型の2つに分かれており、借入金額に応じて変動するかどうかの違いがあるのです。
借入金額が少ない場合には定率型の方がお得になることになりますが、その他の経費も含めた上でどれがお得なのかを検討する必要があります。
それぞれメリット、デメリットがはっきりしており、どちらが自分に適しているかをよく確認する必要があることを認識しておきましょう。
支払いが困難になった場合の対応を確認する
住宅ローンを使用する上で、病気などの不測の事態が発生して支払いが困難になってしまう可能性を考慮する必要があります。
住宅ローンを滞納してしまうと家を競売にかけられてしまうことにつながります。
3カ月滞納をすることで一括返済を求められ、また半年滞納をすることで競売開始の通知が裁判所から届きます。
また、1年半の滞納で退去を命じられることになるため、住宅ローンの滞納は非常にリスクが大きいといえます。
このような状態に陥る前に金融機関にあらかじめ支払いが困難になってしまった場合の対応を確認しておくことで、最悪の事態を避けられる可能性が生まれます。
金融期間によっては、一定期間返済金額を減らしてくれたり、返済期間の延長措置をとってくれる場合もあるため、あらかじめ確認しておいた方が安心といえるでしょう。
無理のない金額設定になっているか確認する
住宅ローンのみならず月々の返済に当てることができる金額の目安は年収の約30%といわれています。
住宅ローンだけの場合だと年収の約25%程度までが望ましい安心ラインといわれています。
借りられる金額を目一杯に借りて返済計画を蔑ろにしてしまうと前述したような住宅ローンの返済ができないという事態になりかねません。
そのため、ライフスタイルやその他の支払い関係を考えた上で金額の設定を行なうようにしましょう。
注文住宅を建てる際の注意点
ここからは注文住宅を建てる際の注意点についてみていきましょう。
具体的に3つの注意点を紹介しますので、注文住宅の建設を計画されている方はぜひ参考にしてみて下さい。
住宅の耐震性や耐久性は十分か
注文住宅は間取りやデザイン、立地などの自分が望んでいるポイントに対して大きく意識が偏ることもあり、耐震性や耐久性について意識が向きづらいともいえます。
特に独創的なデザインと耐震性を兼ね備えるというのは建築上難しい場合もあり、どこかで折り合いをつけなければならない場面が出てしまうのです。
その中で住宅の耐震性や耐久性が十分に確保されていない場合、安心して暮らすことが難しくなるでしょう。
特に日本は地震大国でもあることから、デザインや重視したいポイントがある中でも耐震性や耐久性の確保は一番に考えるようにしましょう。
住宅ローンの組み方に無理はないか
前述で解説した住宅ローンの注意点とも内容が重なりますが、住宅ローンの組み方が生活に与える影響は非常に大きいのです。
月々の支払いを大きくすればするほど毎月の生活が圧迫されることになります。
借りられる額が大きくなるほど気持ちも大きくなりがちで、冷静な判断ができなくなるケースも多いですが、まずは前述した通り年収の25%程度、たとえ多くても30%以内というラインをしっかり守って住宅ローンを組むようにしましょう。
生活動線や利便性を意識できているか
注文住宅でありながら意外にもこの生活動線や利便性が思っていたよりも悪かったという失敗例が多いです。
図面やパースで生活スタイルをイメージすることは少し難しいかもしれませんが、住宅展示場にあるモデルハウスなども参考にしながら、イメージを固めることが大切です。
特に生活動線や利便性が損なわれていると日々ストレスが蓄積することにもなり、せっかくの注文住宅が台無しとなってしまうため、モデルハウスなどに足を運び、しっかりイメージを固めるようにしましょう。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
注文住宅の設計プランや費用は、施工店によって大きく異なることがあります。
そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!
実際に注文住宅を建てるには時間がかかるので、この記事で大体の予想がついた方は早めに次のステップへ進みましょう!
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一生のうちに注文住宅を建てる機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール

IEMUS
岩納 年成 大手ゼネコン会社にて、官公庁工事やスタジアム、免震ビル等の工事管理業務を約4年経験。
その後、大手ハウスメーカーにて注文住宅の商談・プランニング・資金計画などの経験を経て、木造の高級注文住宅を主とするビルダーを設立。
土地の目利きや打ち合わせ、プランニング、資金計画、詳細設計、工事統括監理など完成まで一貫した品質管理を遂行し、多数のオーダー住宅を手掛け、住まいづくりの経験は20年以上。
法人の技術顧問アドバイザーとしても活動しながら、これまでの経験を生かし個人の住まいコンサルテイングサービスも行っている。
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