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2023年10月31日更新

監修記事

完全分離型二世帯住宅のメリットデメリットとは?

完全分離型二世帯住宅の特徴と種類

二 世帯 住宅 分離 型

完全分離型の二世帯住宅の特徴

完全分離型の二世帯住宅とは、一つの屋根の下で2世帯がそれぞれ独立して暮らせる構造になっている住宅のことです。

玄関は2つあり、間取りは居間や寝室、キッチンやバスルームなどの水回りなども世帯ごとにあります。

共有するスペースがなく、2戸の家が連結したような住宅です。

住宅内部で行き来ができるように設計することもできますが、その場合には、仕切り壁等で仕切れるようにして、行き来するためのドアは施錠できるようにしておくと、完全分離型の二世帯住宅とみなされます。

完全分離型の二世帯住宅の種類

完全分離型の二世帯住宅は、2階建て以上の住宅で階ごとに暮らし分けができる横割り型の二世帯住宅と、住宅の正面から見て左右に暮らし分けができる縦割り型の二世帯住宅とに分けられます。

横割り型の二世帯住宅と縦割り型の二世帯住宅のそれぞれの特徴を見てきましょう。

【横割り】階で世帯を分ける完全分離型二世帯住宅

2階建て以上の住宅で、階で世帯分けをする完全分離型住宅は、1階は親世帯、2階以上を子世帯のように住み分けされている例が多いようです。

階別で暮らし分けをするので、外玄関は1階に一つあり、階上用の玄関として外階段を設置するなどしてもう一つの外玄関を設けます。

横割り型の二世帯住宅のメリットは、親世帯が階段のない1階に暮らすことで足腰が弱くなっても住みやすいという点が挙げられます。

ただしこのタイプの二世帯住宅は、2階以上で暮らす世帯の生活音が階下に響くという問題がよく起こります。

生活時間帯が異なる子世帯と親世帯が一つの住宅で暮らす場合にはこの騒音問題が顕著になります。

深夜、料理したり入浴をしたりすると、その排水音が階下に響き、階下に暮らす親世帯の生活の妨げになります。

そのため、横割り型の二世帯住宅では、設計段階で排水面での音の問題を配慮することが大切です。

【縦割り】住宅を左右で分ける完全分離型二世帯住宅

住宅を左右で二つに分けて、完全に独立した間取りを設計するのが完全分離型の二世帯住宅です。

二戸一住宅とも呼ばれていて、2戸の住宅を連結させた長屋のような印象の住宅です。

横割り型の二世帯住宅よりも独立性が高く、生活の時間帯が違い、価値観も違う2世帯が暮らすにはメリットの多い住宅です。

庭があればそれぞれが独立した庭を持つことができますし、緊急時には避難しやすいという点もメリットとして挙げられます。

また、将来的に空いた側を賃貸として貸し出しやすいことも縦割り型の二世帯住宅のメリットです。

しかし縦割り二世帯住宅はほぼ二戸分の家を建てるのに変わらない設計となり、建築費用は横割り型の二世帯住宅よりもかかります。

また将来賃貸にすることを考えて内部で行き来ができない設計にすると、親世帯の介護が必要になった時、行き来しにくくなるというデメリットがあります。

分離型二世帯住宅は平屋でも建てられる?

分離型の二世帯住宅を平屋で建てる場合、必然的に左右分離型(もしくは前後分離型)にする必要があります。建てるためのポイントやメリット・デメリットを紹介していきます。

土地面積が必要になる

分離型二世帯住宅を平屋で実現するには、単純に縦割りの住宅を横に延ばさなくてはならなくなりますので、土地が2軒分くらいの広さが必要となります。

目安としては最低でも40坪~50坪くらいは必要です。

メリット

平屋で分離型二世帯住宅には様々なメリットがあります。

まず、同じ敷地で暮らしますので、子育てや急な用事など子世代が困ったときにすぐに親世代を頼ることができるのが二世帯住宅の最大のメリットです。

プライバシーの確保や生活時間の違いなども、分離型であればそれらを解消することができます。

さらに分離型であれば、将来的にどちらかの世帯が住まなくなった場合でも賃貸として貸し出しやすくなり、相続税の「小規模宅地等の特例制度」で土地評価額80%か50%減税適用の対象になるなどのメリットも得られます。

デメリット

分離型の二世帯住宅の最大のデメリットとして挙げられるのがコスト面でしょう。

平屋の相場は設備や面積によりますが、3LDKで約1500万~2000万円と言われています。

それから考えて単純に2軒分となりますので、約3000万~4000万円です。(人件費や材料費などで多少は値引きされるので単純に2倍という事はないと思います)

完全分離型二世帯住宅のメリット

完全分離型の二世帯住宅は、売却のしやすさや賃貸物件としての見込みなど、他の二世帯住宅には見られないようなメリットがあります。

相続税の優遇措置を受けられる

完全分離型に限ったことではありませんが、二世帯住宅ならば相続税の優遇措置である「小規模宅地等の特例」が受けられます。

「小規模宅地等の特例」で宅地の評価額が80%に減る

「小規模宅地等の特例」とは住宅用地なら面積330㎡まで、事業用用地なら面積400㎡までの評価額を80%に減らすことができる優遇措置です。

この特例を受けられる条件は、「相続前から被相続人が同じ住宅で暮らしていたこと」と「相続後も10カ月以上その宅地を利用すること」であり、二世帯住宅はこの条件に該当します。

完全分離型の二世帯住宅も対象に

この「小規模宅地等の特例」は、かつては同居型や共有型の二世帯住宅のみが対象でした。

完全分離型住宅は住宅内で行き来ができるようになっていても一緒に暮らしているとはみなされなかったのですが、2015年度の税制改正により、完全分離型の二世帯住宅も小規模宅地等の特例の対象になりました。

売却時に買い手がつきやすい

完全分離型の二世帯住宅は、いざ売却をしようと思った時に売却しやすいというメリットがあります。

同居型や一部共有型の二世帯住宅は、買い手はそういった住宅で暮らしたい大家族に限定されてしまいます。

しかし現代では、複数世帯が一緒に住むよりも核家族化が進み、一世帯で一戸と考えている人が多いのが現状です。

完全分離型の二世帯住宅なら、買い手は大家族とは限らず、一世帯が買い取り別棟を賃貸として貸し出すなどの活用が考えられます。

そのため完全分離型の二世帯住宅は将来の売買がしやすい住宅とも言えます。

賃貸物件としての需要も見込める

賃貸物件として、親世帯が住んでいた住居部分を賃貸しやすいのが、完全分離型の二世帯住宅です。

賃貸物件のオーナーとなれば、都市圏内でしたら1LDKなら10万円前後、ファミリータイプなら15万円前後の収入が見込めます。

また賃貸として貸し出すことを念頭に入れている場合は、トラブルになりやすい騒音問題に配慮した設計にしましょう。

完全分離型二世帯住宅のデメリット

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完全分離型の二世帯住宅のデメリットには、コミュニケーションの問題や費用面での問題が挙げられます。

二世帯間のコミュニケーションが希薄になる恐れがある

独立してそれぞれの生活を尊重できる完全分離型の二世帯住宅ですが、裏を返せば、両世帯の交流が少なく、お互いのコミュニケーションが希薄になることが考えられます。

子世帯は忙しく日々を過ごしていても、親世帯はせっかくすぐそばに住んでいるのに孫に会えないとなれば寂しさがつのるでしょう。

両世帯が納得のいくように、コミュニケーションへの気づかいが必要かもしれません。

二世帯間のコミュニケーションを意識したプランニングの例

完全分離型の二世帯住宅とはいえ、時には交流ができるようにプランニングをすることもできます。

お互いが行き来できるテラスの設置や、庭を共有するような設計をすれば、お互いが顔を合わせる機会ができるでしょう。

また住宅の内部で行き来できるようにドアを設置します。

ただしその場合は施錠ができるように設計をしないと完全分離型の二世帯住宅として認められませんので、注意してください。

同居型と比較して水回りの設備費用が2倍になる

完全分離型の二世帯住宅は、2戸分の住宅を建築するのとほぼ変わらなくなります。

特にキッチンやバスルームなどの水回りは、各世帯分ずつ用意しなくてはなりませんから、その設備費用は、同居型と比べると2倍になります。

同居型二世帯住宅と比較した建設費用

完全に2戸の住宅を建設するのとは違い、総工費用は同居型の二世帯住宅の2倍にはなりません。

同居型の二世帯住宅と比べれば床面積や基礎部分などは広くなるため、その総工費用は1.5~1.8倍程度になるでしょう。

ライフライン設備を共有していると光熱費も共有になる

落とし穴になりやすいのが、ライフラインの設備です。

間取りの面では完全に分離しているにもかかわらず、電気やガス、水道に加えて電話などを共有しているケースが見られます。

そうなると毎月の光熱費を共有することになり、後々どちらがどれだけ支払うのかで揉める可能性があります。

光熱費について家族で話し合った方が良い

光熱費を共有する場合には、どのように各世帯が分担するのか事前によく話し合っておく必要があるでしょう。

この問題で両者が対立する可能性があるようでしたら、最初から別々の設備の導入を検討することをおすすめします。

分離型二世帯住宅の中古で買うには?

分離型二世帯住宅は中古でも販売しています。しかし、売りに出されている数は少数でしょう。

それは現在、核家族化の進行が顕著で二世帯住宅を希望する人が減っており、二世帯住宅事態が少ないのが理由です。

では、中古住宅はどれくらい安いのかや注意するべきポイントを紹介していきます。

分離型二世帯住宅を中古で購入するときの相場は?

二世帯住宅は新築時の工事費が高くなるため、中古住宅でも中々安く売りに出されている場合が少ないようです。

中古費用は基本的に土地価格と原価法で求めた建物価格の合計で売却費用を決定するので、売り出し価格が割高になることがあります。

例えば、築10年の3LDK(分離型のため、実質2軒)で購入価格が3700万円です。これは地域や状態によっても大きく変わりますので参考程度ですが、あまり大きく値段は下がりません。

生活スタイルを検討する

2世帯住宅の場合、自分たちに使いやすい住宅が必ずしも親世代が使いやすいわけではありません。

特に分離型二世帯住宅は同じ作りの住宅の場合が多いですので、しっかりと自分たちと親世代の生活スタイルにマッチする間取り、設備などを確認する必要があります。

幸い、中古の場合は実際の建物を見ることができますので、検討する際はなるべく全員で建物の確認と話し合いをしていきましょう。

売りに出されている理由を確認する

中古住宅は様々な理由から売りに出されています。特に築年数が浅いと負の要因を想像する人もいますので、後でもめないためにも売りに出されている理由を確認してから納得して購入するようにしましょう。

建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

注文住宅の設計プランや費用は、施工店によって大きく異なることがあります。

そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!

実際に注文住宅を建てるには時間がかかるので、この記事で大体の予想がついた方は早めに次のステップへ進みましょう!

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一生のうちに注文住宅を建てる機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】弘中純一

一級建築士事務所アルド住宅研究所

弘中純一

一級建築士、宅地建物取引士。プレファブ住宅の開発からスタートし、以来40年にわたり住宅産業に従事。建築設計事務所・住宅リフォーム会社の経営を経て、現在は住宅の悩みを解決する、コンサルティングを中心に活動中。

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