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2023年01月04日更新
キッチンのリノベーションにかかる費用・事例
キッチンのリノベーションは、料理を作る場所を楽しく快適にする工事です。毎日食事を用意するキッチンを新しくすることで、気持ちもリフレッシュするでしょう。今回は、キッチンをリノベーションする際の費用や期間、留意点などについて詳しくご紹介します。
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- 監修者岩納 年成
目次
- 1 キッチンのリノベーションとは?
- 2 キッチンをリノベーションするメリット
- 3 キッチンをリノベーションをする際に掛かる費用
- 4 キッチンをリノベーションにかかる時間
- 5 キッチンをリノベーションするタイミング
- 6 キッチンリノベーションで参考となるレイアウト別の良さとは
- 7 キッチンをリノベーションする際にチェックするポイント
- 8 キッチン本体を選ぶポイント
- 9 戸建てとマンションではキッチンリノベーションの進め方に違いがあるのか?
- 10 キッチンリノベーションの壁材にタイルやパネルが多いのはなぜか?
- 11 キッチンをタイルでリノベーションする際のメリット・デメリット
- 12 キッチンパネルを用いてリノベーションするメリット・デメリット
- 13 キッチンをリノベーションする際にDIYはおすすめ?
- 14 キッチンをリノベーションする際の留意点
- 15 キッチンリノベーションの費用を軽減できる方法とは
- 16 賃貸でもキッチンをリノベーションできる?
- 17 キッチンのリノベーション事例
キッチンのリノベーションとは?
リノベーションと聞いたときにリフォームと同じ意味で使用している人も少なくありません。
一般的にリフォームとは老朽化した建物を新築の状態に戻すことをいい、リノベーションとは既存の建物に大規模な工事を行うことで住まいの性能を新築の状態よりも向上させたり価値を高めたりすることをいいます。
つまりキッチンのリノベーションとは既存のキッチンに新しい機能を与え今よりもさらにプラスαで価値を高める工事のことを指します。
また、住まいの空間をよりデザイン性の高いものに改良することもリノベーションと呼べるでしょう。
具体的には住環境を現在のスタイルに合わせて間取りや内外装を変更したり、耐久性やキッチンのタイプをより使いやすいものに変更したり、より耐久性や耐震性が高いキッチンや壁などに補修・変更したりすることです。
工事の規模もリフォームに比べ大規模になることが多く「フルスケルトン」といって全てを解体して躯体だけにしてから改修を行うケースも少なくなく、部分的な工事ですむことのほうが稀といってよいでしょう。
そのため費用も大きくなることが多く、キッチンだけではなく建物全体の改修をまとめて検討する人が多いです。
つまりキッチンのリノベーションとはライフスタイルなどの暮らしに合わせてよりよくするための改修工事のことをいいます。
キッチンのタイプやグレードもそうですが収納機能や家事導線のことまで考えてキッチンの価値を向上させます。
キッチンをリノベーションするメリット
まずは、キッチンのリノベーションによって住宅にもたらされるメリットを見ていきましょう。
主にキッチンには間取りや使い勝手によって選べる3つのタイプがあり、それぞれタイプ別に解説していきます。
独立キッチン
独立タイプのキッチンは、ダイニングとの間に壁や出入り口を設けて、キッチンを独立させる配置です。
一般住宅における主流のタイプで、リノベーションを考える住宅でも多く見られます。主なメリットは次のような点です。
- リビングやダイニングに臭いや音が届きにくい
- 料理に集中できる
- 来客にキッチンを見られることがない
- 広さを取れば趣味スペースとしても活用できる
- 子どもの出入りを制限できる
料理の臭いを気にせず、リビングやダイニングで過ごせるのが、独立タイプのキッチンの大きなメリットです。
個別な空間で集中して調理ができると好まれる方も多くいます。
また、リビングやダイニングなどに来客を招いた際、キッチンを見られることがなくプライバシーを守れる点も魅力の一つです。
普段から片付けが苦手な人には気負わずに済むでしょう。
キッチン設備の横に壁付けのデスクなどを置けるくらいのスペースを作れば、趣味の部屋としてアレンジができます。
そのほかにもキッチン内には刃物や火など小さなお子様にとって注意が必要なものも多いため、勝手に出入りしないよう管理できるのも、独立タイプのメリットとなっています。
セミオープン(対話型)キッチン
セミオープンタイプは、ダイニングに向いた方向にシンクやコンロなどを設け、天井から垂れ壁をつけることでキッチンの一部を開放するタイプのキッチンです。
対話型とも呼ばれており、カウンターが付いたタイプやI型キッチン、L型キッチンがこのタイプに当たります。
主なメリットは次のとおりです。
- 開放感があり部屋が広く感じられる
- 独立型よりもコミュニケーションが取りやすい
- 子どもの姿を確認できて安心
- ダイニングやリビングから手元を隠せる
- I型などは人気が高くリフォームが比較的安価
キッチン内で調理をしながらダイニングにいる人と会話ができ、コミュニケーションを取れる点は、独立型との最も大きな違いです。
子どもの姿を調理しながら確認できるので、安心感も生まれます。
壁の一部を開けることで開放感も出るので、部屋が広く感じられます。
一方、ダイニングやリビングからはキッチン内部が一部しか見えないので、スッキリとした外観が保てるでしょう。
シンクとコンロ、作業スペースが一列に並んだI型タイプは、使い勝手が良く人気があり、比較的キッチンリフォームの価格を抑えられる点も魅力です。
オープン(システム)キッチン
ダイニングに対して完全にオープンになっているのがオープン(システム)キッチンです。
壁付けタイプをはじめ、シンクとコンロが並列するセパレート型や、左右の片方に壁を設けるペニンシュラタイプ、欧米でも人気のアイランドタイプなどがあります。
主なメリットとして次の点が挙げられます。
- 開放感があり広々とした空間になっている
- 家族とのコミュニケーションが取りやすい
- 省スペースで空間を自由にアレンジできる
- ダイニングへの移動が便利
- ダイニングやリビングからも見通しが良い
セミオープンタイプと同じようにコミュニケーションが取りやすいのですが、それ以上に開放感があり広々と感じられます。
キッチンとダイニングとの仕切りがないため、部屋のアレンジに融通も効くでしょう。
また、動線が確保しやすく、ダイニングやリビング側からもキッチンを見通せるのも特徴です。
キッチンをリノベーションをする際に掛かる費用
次に、それぞれのキッチンタイプをリフォームする際にかかる費用について、具体的に見ていきます。
独立キッチンのリフォーム費用
独立タイプのキッチンにおけるリフォーム費用は、機材や内装を新しくする工事がメインとなり、相場は約100万円前後となっています。
機材の種類やグレードによっても価格は上下しますが、セミオープンタイプやオープンタイプよりも施工範囲が少なくなるため、それに伴い金額も低く抑えられます。
具体的には、レンジフード取り替えやガスコンロ、オーブン、食器洗い機の交換といった部分的工事は約30万円。
コンパクトタイプのシステムキッチンの全体交換で約50万円以内、一般的な住宅のシステムキッチンの本体交換で約50万円〜約150万円などの費用がかかるようです。
セミオープン(対話型)キッチンのリフォーム費用
セミオープンタイプのキッチンでリフォームをする場合、相場は約50万円〜約150万円ほどと言われています。
システムキッチン本体だけではなく、壁から天井も含めて新しくする可能性が高いため、独立タイプに比べて高額になる傾向があります。
システムキッチンのグレードや取り入れる素材によっては、約200万円近くになるケースも少なくありません。
オープン(システム)キッチンのリフォーム費用
オープンタイプのキッチンは、他のタイプと比べてリフォーム費用が高くなる傾向にあります。
アイランドキッチンなどダイニングと一体化しているような型だと、見せ方も重視されますし、必然的にダイニングやリビングとの統一性も求められます。
リフォームでキッチンを新しくするということは、デザイン性も考慮しておしゃれな空間に作りたいと思われる方が多く、そういった点も含めて、金額は上がりやすくなるでしょう。
最低でも約150万円〜約200万円前後はかかると言われています。
独立タイプから、セミオープンタイプやオープンタイプへの変更、1階から2階へのキッチンの移動などといった大規模な工事になると、金額が跳ね上がり相場も約250万円前後ほどになります。
キッチンをリノベーションにかかる時間
キッチンのリノベーションにかかる工期の目安についてご紹介します。
作業工程によって異なりますが、約2日〜約8日の期間を要します。
具体的には、おもにキッチン設備の交換のみを行う場合は約2日程度、内装工事を含める場合は約3日〜約7日、キッチンの位置を移動する場合は約5日〜約8日が目安になります。
いずれの工事の場合も、作業の間に水が使えない時間は、約1時間〜約4時間程度です。また、約半日〜約2日程度の期間は作業の際に音が発生しますので、近隣住民への配慮が必要です。
キッチンをリノベーションするタイミング
キッチンをリノベーションするタイミングは、キッチンの耐用年数にもよります。
キッチンの耐用年数は約15年~約20年が一般的です。しかし、早い場合は約10年を経過したあたりであっても金物など間接的な部分などに不具合が生じてくる場合もあります。
そのようなタイミングも見計らいながらリノベーションを検討しましょう。
また、年数が経つにつれて、床や壁も段々劣化していきますので、キッチンをリノベーションする際には床や壁のリフォームも必要になります。
キッチンのリノベーションを検討する際には、床や壁までトータルで検討することが重要です。
キッチンリノベーションで参考となるレイアウト別の良さとは
リノベーションでレイアウトを変えると、キッチンを全く新しいイメージの空間に変身させることができます。
ただし、レイアウトの選択は、快適な作業のしやすさや移動のしやすさを考慮することが大切です。
また、レイアウトを選ぶ際は、キッチンの広さや、目の離せない幼い子どもがいるなどの家族構成、来客が多いなどのライフスタイル、キッチンに立つ人数などを基準に決めるとよいでしょう。
壁付け型のレイアウト
壁付け型キッチンとは、正面が壁に付いているタイプです。
後述するペニンシュラ型やアイランド型と比べてデッドスペースがなく、キッチンのスペースを有効に活用することができます。
ダイニングテーブル側や居間などから見ると、背中を向けてキッチンに立つ状態になることから、調理作業に集中することができるレイアウトです。
I型とL型があり、狭いスペースを有効に活用するなら壁付けI型、狭いスペースを有効に使いたいけれどキッチンに立つのが複数人なら、作業スペースが広くとれる壁付けL形がおすすめです。
壁側に窓がある場合は、明るい光や外の景色を楽しみながら調理することができ、換気が必要な場合に窓の開閉でも調整することができる点も、壁付け型レイアウトの良さと言えます。
ペニンシュラ型のレイアウト
ペニンシュラ型は、キッチン本体の左右どちらかが壁に接する対面キッチンです。
壁を背にして、ダイニングテーブルや居間などの方向を向いて調理するタイプです。
向かい側に椅子を並べ、カウンタースタイルのバーやカフェのようにすることや、ダイニング側に食器などの収納を設けて使いやすくすることなど、レイアウトを工夫するとおしゃれで楽しい空間が演出できます。
また、対面キッチンは開放感と採光の良さが魅力です。
それに加えて目の離せない幼い子どもや高齢者などがいる場合や、来客があった場合でも、調理やもてなしの準備をしながらダイニングにいる人とコミュニケーションできる点も大きな特徴です。
アイランド型に比べてキッチンスペースを取らずにすむ良さがあるため、キッチンが狭い場合でも対面キッチンを導入したい方に好まれています。
アイランド型のレイアウト
アイランド型は、島のようにどの壁からも離れた位置に単独で設置されるタイプのレイアウトです。
デザイン性が高く、スタイリッシュな印象のキッチンにすることができます。
キッチンの周りに遮るものがないため開放感があり、移動も容易で複数人での作業がしやすいことが特徴です。
一方、周囲に人が通れるだけのスペースを開けなければならないため壁や収納との距離を適切に取ることが使い勝手の良し悪しのポイントとなります。
また、ダイニングやリビングにいる家族や来客とコミュニケーションを取りながら作業ができます。
キッチンのスペースを広く取れる場合に向いているタイプです。
キッチンをリノベーションする際にチェックするポイント
キッチンをリノベーションする際、チェックしておいた方が良い点について解説します。
排水管の位置
キッチンのリノベーションを行う場合、排水管の位置がとても重要になります。
特にマンションの場合は、排水管の位置によってキッチンの自由度が変わってくるからです。
排水管が建物のどこを通っているか、水の流れを良くするために排水管の横引き部分が適切な勾配になっているかなどをチェックしておきましょう。
ガス、電気の容量
キッチンをリノベーションする際に、もう1つ重要なのがガスと電気の容量です。
ガスと電気の容量には限りがあります。
最近はキッチンをオール電化にする家庭も増えてきましたが、住宅全体で消費する電気のバランスを考えることも必要です。
電気の容量については、ご自宅のブレーカーに契約アンペア数が表示されているので確認しておきましょう。
ガスの容量は、ガスメーターに表示されている号数によって調べることができますが、詳しくは契約しているガス会社に確認することをおすすめします。
搬入が可能か
キッチン設備が自宅あるいは設置予定場所まで搬入可能かどうかもチェックする必要があります。
新しいキッチン設備が既存のものより大きい場合、階段やエレベーターの開口幅などが狭いいため入らないということもあります。
搬入ができないと取り付け以前の問題です。
キッチン本体を選ぶポイント
キッチン本体を選ぶ際、チェックするポイントについて解説します。
作業スペースの広さが十分か
料理する際に、作業スペースが狭いとかなり不便です。
作業スペースが十分に取れるかが、キッチン本体を選ぶポイントになります。
壁付け型の標準サイズは、幅255cm、奥行き65cmが一般的です。
ペニンシュラ型のサイズは、幅約180cm〜約270cm、奥行き約75cm〜約100cmとメーカーによって違います。
アイランド型のサイズは、幅約240cm〜約270cm、奥行き約75cm〜約100cmと、こちらもメーカーによって違いがあります。
いずれのタイプにおいても、最大では幅3000程度の商品もあります。
作業スペースが取れない場合は、キッチンカウンターや作業台を増設してスペースを広げる方法もあります。
狭いスペースを有効活用することも重要です。
作業しやすい高さか
キッチンの高さは、目安として肘よりも約10cm〜約15cmほど低くなっていると使い勝手が良いようです。
つまり、身長を2で割って5cmを足した高さが作業しやすいキッチンの高さになります。
例えば身長が165cmの場合、165÷2+5=87.5となり、約88cmが作業しやすい高さであると判断できます。
この式を覚えておくと、キッチン選びの際に便利なのでおすすめです。
キッチンスペースに対して大きすぎないか
キッチンスペースに対して、キッチン本体が大きすぎても小さすぎても料理するには不便です。
動線や通路巾の確保もふまえて、適切なサイズであるかをチェックしておきましょう。
また、キッチンスペース全体のレイアウトも考えて、作業しやすい配置を考えることも重要なポイントです。
収納は十分か
収納スペースが少ないことは、料理をする上でもなにかと不便です。
キッチンスペース全体のレイアウトを検討した上で、デッドスペースを上手に活用するなど、料理がしやすくなるような作業スペースの確保を心がけましょう。
コンロや食洗機など、入れたい家電を入れられるか
コンロや食洗機など、ご自身で入れたい家電を入れるスペースがあるかチェックしておくことも重要です。
購入する際に、それぞれの設備が入るスペースを確保できるかサイズを測っておきましょう。
料理がしやすくなるように、キッチンスペースの大きさ、設備の配置などを事前に考えておきましょう。
戸建てとマンションではキッチンリノベーションの進め方に違いがあるのか?
戸建てとマンションでは、キッチンリノベーションの進め方に違いがあります。
マンションは共有部分と専有部分から成り立っているため、戸建てとは違い制約や手続きが伴います。
通路やエレベーターのほか、建物の構造の一部となる壁や床、天井、柱などが共有部分です。このうち、特定の居住者が使用可能なベランダやバルコニー、庭などは専用使用部分と呼ばれますが、これも共有物にあたります。
一般的に、マンションでは共用部分や専用使用部分について現状を変更することや、建物の構造や外観を変更することが禁止されています。
専有部分内であっても、躯体と呼ばれるコンクリートの壁などは変更することが出来ません。
また、専有部分の工事であっても、資材や業者の出入り、工事の音などが近隣住民に影響を与えることや工事内容のチェックを行う必要があることなどから、管理組合の承認が必要です。
禁止事項や管理組合の承認が必要な工事などについては、通常、マンションの管理規則で定められています。
キッチンリノベーションを行いたい場合は、まず管理規則を確認するようにしましょう。
管理組合の承認を受ければ可能なリノベーションについては、工事前に管理組合へ申請して承認を得る必要があるため、事前に連絡して許可を得ましょう。
キッチンリノベーションの壁材にタイルやパネルが多いのはなぜか?
キッチンリノベーションの壁材は、タイルやキッチンパネルと呼ばれる不燃性の素材が多く使われています。
キッチンは火や油などに強い素材が安心ですが、法律でも規定されています。
建築基準法など住宅に関する法律では、火災や地震、シックハウス症候群などの危険から生命や健康、財産を守るために、新築だけではなくリノベーションを含む住宅の工事に関する最低基準を定めています。
マンションのキッチンの場合、火気使用室としての内装や、火を使用する設備周辺の防火と耐火性能に関する「内装制限」が規定されているため、基準をクリアするためには不燃性の内装材などを使わなければなりません。
その結果、タイルや防火性・耐水性の高いキッチンパネルがマンションのキッチンの壁材として多く使われているのです。
キッチンをタイルでリノベーションする際のメリット・デメリット
キッチンリフォームで壁や床を張り替える際に、水回りに適した耐久性のあるタイルが多く用いられています。
見た目にもスタイリッシュなデザイン性のあるタイルも選べるため、一気におしゃれなキッチンへと変化させることができるでしょう。
最近では、水などで滑らない素材のものやグラデーションタイルなどバリエーションも豊富です。
キッチンのリノベーションにタイルを用いる場合に、考えられるメリットとデメリットについてまとめていきます。
メリット
タイル施工のメリットは、主に次のような点です。
- 種類が豊富で好みのタイルを選べる
- デザイン性はもちろん機能性もある
- クロスより耐久性が高い
タイルを施工するだけでスタイリッシュなキッチンが実現可能ですが、それに加えて種類が豊富なので、自分好みのタイルを施工することができます。
シンプルな白や水色などは清潔感があり、どの住宅にも適用できますし、モロッコ風のタイルにすれば異国情緒溢れるおしゃれなキッチンの完成です。
また、キッチンクロスと比べて耐水性が高く、耐久性に優れているため、長期間使用することができるでしょう。
デメリット
一方で、タイルを使う場合のデメリットもあります。
- コストが高い
- 掃除がしにくく汚れが目立ちやすくなる
- 床に使用する場合暖房対策が必要
丈夫なキッチンタイルですが、どうしても費用が比較的高くなってしまいます。
具体的な費用については後ほどご説明しますが、クロスやパネルよりも材料自体が高額で、施工をプロに任せる場合は施工費が別途かかってきます。
また、タイルと間の目地は段差がありデコボコしているため、掃除がしにくく汚れが目立ちます。
掃除をこまめにするか、油が飛びやすい箇所にタイルを採用するのは避けたほうがいいかもしれません。
床をタイル張りにする場合は温度が下がりやすく、暖房を置くなど寒さ対策が必要になるでしょう。
費用の目安
キッチンにタイルを使ってリフォームする際の費用は、壁の範囲にもよりますが約5万円~約25万円が目安となっています。
タイル自体の費用は1平方メートルあたり約5,000円〜約1万5,000円と、種類によって幅があります。
施工費用は、よく使用される接着工法では1平方メートルあたり約5,000円〜約1万円と言われています。
もし自分でタイルをリフォームする場合には、費用はぐっと抑えることが可能です。
タイルの値段は1枚約500円前後からあり、接着剤や目地など材料さえ揃えれば施工はできるでしょう。
ただし、綺麗に仕上げるためには技術が必要になるため、プロに依頼するのが一般的です。
キッチンパネルを用いてリノベーションするメリット・デメリット
キッチンパネルは近年人気が高まっている素材で、タイルの耐久性はそのままに、施工や掃除の難しさを改善させたアイテムと言えます。
大きなパネルを壁のように、火や油を使うコンロの周りを中心に貼り付けるイメージです。
キッチンの壁全体に施工することで、統一感をもたせることもできます。
パネルの素材には、価格が安く取り入れやすい不燃性メラミン化粧板やリサイクル可能なアルミ、シンプルで機能性抜群のステンレス、掃除しやすく耐久性が最も高いホーローなどが使われています。
そんなキッチンパネルのメリットとデメリット、施工費用についてまとめていきます。
メリット
キッチンパネルのメリットは次のような点になります。
- 低コスト
- メンテンナス(掃除)が楽
- 見た目がシンプル
キッチンパネルの最も大きなメリットは、コストパフォーマンスが高い点です。
タイルに比べて価格が安く済むので、リフォームに費用をかけられないという場合、壁をパネルに変更するだけで、見違えるほど雰囲気の違うキッチンになるでしょう。
そして、掃除が楽になる点も見逃せません。キッチンタイルの場合、タイル自体の表面は拭けば綺麗になりますが、目地はなかなか汚れが取れないという難点があります。
しかし、キッチンパネルなら目地がないので、普段の拭き掃除だけでも十分綺麗に保てます。
また、パネルは一枚の壁のように見えるので、キッチン全体に統一感が生まれるでしょう。
デメリット
キッチンパネルの施工によるデメリットは下記のとおりです。
- タイルに比べて種類少ない
- デザイン性や高級感がない
- 強い薬品で傷つきやすい
素材や色の違いはあるにしろ、タイルに比べるとデザインなどバリエーションが少ないため、好みのパネルはない可能性があります。
おしゃれなキッチンにしたい場合はタイル、機能性とコスト重視ならパネルといったように選ぶと良いでしょう。
加えて、タイルと比較するとどうしても高級感はなくなってしまうので、ハイグレードのシステムキッチンを導入する場合、パネルは合わないかもしれません。
そして、素材によっては薬品を使うと傷ついてしまう恐れもあります。特にステンレスは、薬品に弱いので注意が必要です。
費用の目安
一般的なキッチンパネルの施工は、施工費を含め約4万円〜約8万円とされています。
安価なパネルなら約1万円台からあるので、パネル選びによってはかなり安く済ませることができます。
パネルの厚みも価格に影響しており、厚みが増すごとに金額が上がります。
通常は3mm〜5mmですが、それ以上厚みだと高額になるようです。
また、素材ではアルミやステンレスが安価で、ホーローは高めの傾向にあります。
キッチンをリノベーションする際にDIYはおすすめ?
キッチンをリノベーションする際に費用があまりにも高額になるためにDIYで済ませようと考える人がいますがあまりおススメはできません。
理由としてはキッチンはガスや水回りの工事も必ず発生するからです。
ガスは言うまでもなくガス漏れに繋がる危険があることや、水回りの水漏れも住宅に大きな被害をもたらします。
戸建ての場合は基礎に影響がありますし、マンションであれば下の階に被害があれば賠償問題に発展するからです。
それでもDIYをしたいと考える人には収納の棚や入れ物を作ることをおススメします。
しかしこれも業者とサイズや場所などしっかりと打ち合わせして進めるようにしましょう。
ただし、リノベーションなどの大掛かりな工事の場合、収納などはそこまで金額に差が出ないことも少なくありませんので検討するにしても業者との話し合いは必要になるでしょう。
キッチンをリノベーションする際の留意点
以上の施工概要を踏まえ、キッチンをリノベーションする際の留意点についても抑えておきましょう。
見た目よりまずは動きやすさを重視
キッチンのリノベーションでありがちなミスとして、見た目優先で施工したため、使い勝手や動線が不便になるケースです。
雑誌などで見た完成イメージや、最先端の製品をすすめられ、施工後実用的に戸惑う方も多くいます。
そうならないためにも、キッチンに立って細かく想定し、どう使いどう動くかを考慮して計画しましょう。
例えば、スペースぎりぎりのサイズでキッチンを設置しない、身長が高い場合は洗い場やカウンターの高さを上げる、など充分な動線の確保が大切です。
キッチンは毎日稼動する作業場です。
シンク、コンロ、調理台の3要素だけではなく大きなものは冷蔵庫から細々とした調味料、調理器具、炊飯器、電子レンジなどたくさんの道具が使いやすい配置になっている事が大切です。
色々な作業パターンをシュミレーションし悔いのない設計を進めましょう。
色や素材は実際に目で確認を
実際にどの色や素材が良いかは目で見て確認することをおすすめします。
写真やカタログだけではなく、素材がどのようなものなのか、実物を見て判断しましょう。
一番良いのは、素材自体を使ったモデルハウスやショールームで見ることです。
価格だけで選ぶのではなく、素材に光沢があるかないか、どのくらい明るい色なのか、といったことも確認しておきましょう。
この小さな違いが、施工後に大きな違いとして出る場合があるので気をつけてください。
リフォーム会社は複数を比較して決める
リノベーションを依頼する業者は、複数の会社を比較してから決めましょう。
会社によって、現場管理費や施工費といった諸経費や内容が異なります。
複数のリフォーム会社に一括で無料見積もりを依頼できるホームページなどを活用して、比較検討してみてください。
大手のキッチンメーカーでは、ショールームなどにインテリアコーディネーターを常駐させリノベーションの無料相談をやっています。
先ずは気楽に相談してみましょう。
キッチンリノベーションの費用を軽減できる方法とは
キッチンのリノベーションを行う際に、どのようにすれば費用を軽減することができるのでしょうか?
ここからはキッチンリノベーションの際に利用できるローンや、補助金制度、税制優遇措置についてご紹介します。
キッチンリノベーションで組めるローン
キッチンのリノベーションを行う場合、ローンを利用することができます。
利用できるローンには、住宅ローンとリフォームローンの2種類があります。
住宅ローンは、新築だけではなくリフォームやリノベーションでも利用することができます。
借入金額の上限が大きいことや、長期で低金利の融資を受けやすいことが特徴です。
一方で、融資の際には担保が必要となることや、リフォームローンに比べて融資の審査が厳しいなどのデメリットがあります。
審査結果が出るまでに時間を要することもデメリットです。
また、リフォーム単独で借りることができないものもあります。
中古住宅購入時に一緒に見積もりを提出して借り入れをする、または現在借りている住宅ローンの借り換えの際にリフォームの金額を上乗せして借りるという方法になります。
銀行によっては増改築だけでも住宅ローンが組める商品がありますので銀行に相談されるとよいでしょう。
これに対してリフォームローンは、リフォームやリノベーションのための融資です。
融資を受ける際に担保が必要な担保型と、必要のない無担保型に分かれます。
担保型リフォームローンの場合は、家の新築の際に利用する住宅ローンと同じように、建物や土地を担保として融資を受けます。
担保があるため、低金利で長期の借入が可能になります。
なお、返済できなくなった場合は、担保となっている建物や土地を、金融機関に差し押さえられるケースもあるので慎重に検討しましょう。
一方、無担保型リフォームローンは、担保なしでローンを利用することができます。
融資の審査が比較的易しく、短期間で審査結果が出るため早く借り入れることができます。
しかし、担保がない代わりに、金利が高く、借入期間も短くなることがデメリットです。
キッチンリノベーションに適用可能な補助金制度
国や多くの自治体では、キッチンリノベーションで利用可能な補助金制度が提供されています。
要介護や要支援の方に対しては介護保険の住宅改修費支給制度があり、同居する世帯で利用することができます。
各自治体では、障害のある方や高齢者、子育て世代、多世代同居世帯などに対し、過疎化や福祉対策の一環などとして独自の補助金制度を設けていることも多く、リノベーション時に適用可能なケースもあります。
補助金制度は、バリアフリーや耐震化、省エネ化、同居対応、長期優良住宅化などを目的として行うリノベーション工事が対象となることが多く、2019年10月からは、消費税率引上げ緩和策としての次世代住宅ポイントも利用することができます。
次世代住宅ポイントの対象となるのは2020年3月31日までの工事契約分となります。
また国の予算が終了した場合、条件を満たしていても受付が終了となる場合があります。
申請には施工前後及び施工中の写真が必要になりますので契約時に必ずご確認ください。
ただし、補助は費用の全額が支給されるわけではなく、費用の一部が支給されるものであることや、補助の条件や申請可能な期間が限定されていることに注意が必要です。
キッチンリノベーションに適用可能な税制優遇制度
補助金制度と同様、バリアフリーや耐震化、省エネ化、同居対応、長期優良住宅化などのリフォーム・リノベーションを行った場合、所得税や固定資産税の減額や軽減、贈与税の非課税など減税制度の対象となる場合があります。
所得税については、「住宅ローン減税」「ローン型減税」「投資型減税」があり、ローン利用の有無や借り入れ期間等によって適用される制度が異なります。
また、控除の上限額や控除期間なども制度ごとに異なります。
固定資産税は、リフォーム・リノベーションの種類に応じて税額の3分の1~3分の2が減額されます。
また、親や祖父母などからリフォーム・リノベーション資金の贈与を受けた場合、一定金額までは非課税扱いです。
適用されるためには様々な条件があり、他の申請との兼ね合いもありますので確認が必要です。
なお、減税制度の適用を受けるためには、確定申告が必要です。
会社員であっても申告が必要なため申告忘れには注意が必要です。
また、購入住宅にリフォーム・リノベーションを施して居住する場合、登録免許税や不動産取得税の軽減を受けることができる制度もあります。
消費税増税に伴う負担軽減を図るため、様々な措置が講じられています。
1990年3月31日までで終了予定であった減税制度の延長や拡充も行われていますので、最新情報の確認が必要です。
賃貸でもキッチンをリノベーションできる?
分譲物件とは異なり賃貸物件では壁に穴を開けたり、柱に傷をつけたりするのもタブーであることがほとんどです。
しかし物件を退去するときに元の状態に戻すことなど大家さんや管理会社が条件付きで認めてくれる場合がありますが、基本的にはNGなことが多いです。
従ってキッチンを新しいものに変えたりキッチンのタイプを変えるためにガスや水回りの配管を動かしたりといった大掛かりなリノベーションは難しいでしょう。
しかしリノベーションとは価値を向上させることを指しますので、賃貸でもできることがありますので紹介していきます。
収納を工夫する
賃貸のキッチンはあまりスペースが広くないことが多いです。
そのために収納に困ることが多いと思います。
そこで壁や吊り戸などにフライパンやまな板をぶら下げるように工夫したり、戸棚に仕切りや棚を作るなどして出しやすくするなどの工夫をします。
クロスや壁紙を張り替える
これは前述でも述べている通り退去時の原状回復が必要にはなりますが比較的簡単にデザインを一新できるのでおススメです。
クロスはデザイン性が向上すること以外にも選んだ材質によっては汚れが付きにくく掃除がしやすいものもあります。
ほかにも換気扇やキッチンに貼ることができればキッチンの雰囲気をがらりと変えることができます。
対面キッチンのカウンターへ棚の設置
こちらは対面キッチンの場合にのみ可能ですが、対面キッチンに棚を取り付けて収納にします。
その際に棚をダイニング側からも取れるように工夫したり、照明も雰囲気に合わせて取り付けることによってキッチンのデザイン性の向上も図れます。
それに合わせてダイニングのテーブルも棚に合わせたデザインのものに変えることができればキッチンの雰囲気もまとまり、とても感じがでてよいです。
キッチンのリノベーション事例
実際のリノベーション事例を、リノベーション内容・工期・費用を表にまとめてご紹介します。
費用を抑えたリノベーション事例
リノベーション内容 | システムキッチンのリフォーム |
---|---|
工期 | 4日 |
費用 | 79万7,000円(税込) |
まだ使える吊り戸棚を再利用し、費用を安く抑えています。
キッチンパネルを貼った上に吊り戸棚を改めて取り付けることで、今後も長く使用できるようにしています。
ガスコンロは、見栄えも良く掃除がしやすいガラストップコンロです。
換気扇の部分に梁がありましたが、加工してレンジフードを設置できるようにしました。
マンションでのリノベーション事例
リノベーション内容 | 老朽化したキッチンのリフォーム |
---|---|
工期 | 4日 |
費用 | 81万円(税込) |
ガスコンロはガラストップコンロに変更しました。
キッチンの壁もタイルからキッチンパネルに変更し、お掃除がしやすくスタイリッシュなキッチンになりました。
クロスや床も張り替えたリノベーション事例
リノベーション内容 | キッチンおよび壁・床のリフォーム |
---|---|
工期 | 6日 |
費用 | 109万7,000円(税込) |
マンションをリノベーションした事例です。
食洗機を新たに設置し、お掃除しにくいタイルの壁をキッチンパネルに交換しました。
さらに、シンクと冷蔵庫の間にあった間仕切り壁を撤去しました。
白で統一されたカラーコーディネートにより、キッチンが明るく爽やかな印象になりました。
キッチン・台所リフォームに対応する優良な会社を見つけるには?
ここまで説明してきたキッチン・台所リフォームは、あくまで一例となっています。
「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なる」ことがあります。
そのとき大事なのが、複数社に見積もり依頼して必ず「比較検討」をするということ!
この記事で大体の予想がついた方は次のステップへ行きましょう!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
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一生のうちにリフォームをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しないリフォームをするためにも、リフォーム会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール

IEMUS
岩納 年成 大手ゼネコン会社にて、官公庁工事やスタジアム、免震ビル等の工事管理業務を約4年経験。
その後、大手ハウスメーカーにて注文住宅の商談・プランニング・資金計画などの経験を経て、木造の高級注文住宅を主とするビルダーを設立。
土地の目利きや打ち合わせ、プランニング、資金計画、詳細設計、工事統括監理など完成まで一貫した品質管理を遂行し、多数のオーダー住宅を手掛け、住まいづくりの経験は20年以上。
法人の技術顧問アドバイザーとしても活動しながら、これまでの経験を生かし個人の住まいコンサルテイングサービスも行っている。

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