2024年01月24日更新

監修記事

一戸建ての修繕に掛かる費用と積立てについて

一戸建てで修繕を行う場合、費用はどのくらいになるのでしょうか?マンションのように決まった年数での修繕はないものの、一戸建てでも定期的な修繕は必要です。今回は一戸建て住宅の修繕を行うタイミングや費用の目安、積立金などについてご説明します。

一戸建てとマンションでは修繕費用がどう違うのか

一戸建てに必要な修繕費用は、マンションの場合とは異なります。ここでは、一戸建てとマンションの修繕費用の違いについてご紹介します。

一戸建ての修繕費用

一戸建ての場合は、全ての修繕費用を自身で支払わなければなりません。

新築であればしばらくは修繕の必要がほとんどありませんが、年数が経つと屋根や外壁、水回りなど、あちこち修繕の必要が出てくるでしょう。

リフォームされていない中古物件の場合は、修繕が必要になるまでの期間が短くなります。

マンションの修繕費用

マンションの場合、居住空間である専有部分の修繕費用のほかに、共用部分の修繕費用として毎月「管理費」と「修繕積立金」が必要となります。この2つの費用は、マンションの支払いが終わっても、マンションで生活する間は負担し続けなければなりません。

「管理費」とは、マンションの共用部分の維持管理に充てる費用のことで、エントランスや通路、階段、エレベーターなどの電気代やメンテナンス費用、管理人がいれば人件費なども含まれます。

「修繕積立金」とは、マンション全体の修理のために必要な積立金のことで、建物の外壁や屋上の補修工事や、配管設備の工事や維持管理が必要な時に使うお金です。工事費用が積立金だけでは足りない場合、マンションの住人全体で負担する必要も出てきます。

一戸建てとマンションの修繕費用の違い

一戸建てとマンションの修繕費用の大きな違いは、全ての費用を自分で捻出するか、共有部分については住人が分担して費用を捻出するかということです。

屋根や外壁、配管などは、一戸建てでは所有者だけのものですが、マンションでは住人の共有部分です。

一戸建てでは、修繕にかかる全ての費用を自身で準備する必要がありますが、建物全体といってもそこまで大掛かりな工事にはなりません。

しかし、マンションの全体工事となると、階数や戸数が増えれば増えるほど大がかりなものとなり、費用も大きくなります。

そのため、マンションでは居住空間の修繕分のほかに、共有部分についてのメンテナンスや将来の修繕のため、毎月管理費と修繕積立金を集める必要があるのです。

一戸建ての修繕費用は平均でいくらかかる?

一戸建てに住み続けた場合、火事や災害などの理由は除いて、経年劣化による修繕のためには、平均でどれだけの費用がかかるのでしょうか。

新築で一戸建てを購入し、約30年間住み続けた場合、必要となる修繕費用の相場は約790万円~約1000万円と言われています。この金額は中古住宅を購入した場合には異なりますし、リフォームの内容や劣化状況などによっても変わります。

また、屋根や外壁、内装、床、配管など、建材等のグレードにもよりますが、それぞれ耐用年数は異なるため、築年数が経つにつれて修繕が必要な箇所は増えてきます。

耐用年数を超えて使用すると修繕に必要以上にお金がかかる場合もありますし、一度に全部修繕するとなると多額のお金がかかってしまいます。

急に修繕する必要がないように、住宅診断などを利用しながら、定期的にメンテナンスを行ったり、早めに修繕したりすると、トータルの費用を抑えられる場合もあります。

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一戸建ての修繕の時期と費用目安

一戸建ての修繕に掛かる費用と積立てについて

一戸建てはマンションなどの集合住宅とは異なり、修繕やリフォームなどを自己管理で行う必要があります。一軒家における修繕について、内装、外装、配管の3つの項目に分けて目安の時期や費用相場などをご紹介します。

事前に知っておくことで、いざ修繕が必要になったときに慌てず対処できるでしょう。

内装

現在ほとんどの一戸建て住宅では、内装に壁紙クロスが使用されています。クロスは築5年を過ぎた頃から変色や汚れができ始めることが多く、大きな汚れや剥がれが目立ってきたら、修繕のタイミングと言えるでしょう。

壁紙クロスの修繕には、全体を丸ごと貼り替えるだけでなく、部分補修や清掃のみといった方法もあります。貼り替えの場合、既存のクロスを剥がしてから、新しいクロスを貼ることになり、費用の目安は約30〜約60万円です。

ただし、量産品のクロスか1000番品と言われる質の高いクロスかなど、使用する種類や貼り替えを行う面積によっても費用は異なります。

部分補修では、剥がれたクロスをきれいに切り取り、新しいクロスでその部分を埋めていきます。費用の目安は1箇所あたり約2,000円で、全面貼り替えよりも費用を抑えることができます。

一方、クロスの清掃では、専用洗剤やお酢などを使用して壁紙の汚れを落としていきます。洗剤代と水道代で約1,000円〜が相場で、こちらも費用を抑えたい場合にも効果的でしょう。ただ薄手のクロスを使用してる場合や経年による日焼け・劣化を起こしている場合、清掃だけでは対処できないこともあります。

気温の変化や湿気などもクロスの状態に影響してきます。季節ごとに状態をチェックしておくとともに、日々の掃除の際にクロスの掃除も定期的に行うなど、日頃のケアにより、長持ちさせることができるでしょう。

外装

一戸建てにおける修繕で、より多くの費用が必要なのが外装の修繕です。常に雨風にさらされる外壁や屋根、外回りの設備などは室内に比べて劣化が早く、修繕すべき箇所が年月とともに増えいきます。

現在の住宅で多く使われているサイディング系の外壁では、築7年を過ぎたころが修繕時期と言われています。また築10〜15年頃になると、シーリングの劣化、タイル剥がれなどが出やすくなってきます。

これらの修繕として既存のサイディングボードの上から新しいボードを張る場合、外壁150平方メートルあたり約160〜220万円、既存のボードを剥がし、新しいものを張り替える工事になると、約180〜250万円が費用の目安です。

また、サイディングボードはそのままに上から塗装を行う場合は約100〜150万円、ボードを剥がしてから塗装すると約120〜190万円ほどが必要になるでしょう。これだけみても、外壁工事は高額になることがわかります。

他にも、サイディングボードの目地に充填してあるシーリングのみを新しくする方法では、既存のシーリングはそのままに上から打ち直す方法で約12〜18万円、既存のシーリングを剥がしてから打ち直す場合で約15〜30万円が目安です。

このような施工の場合、作業を行うための足場代も別途加算されることを覚えておきましょう。

なお、築年数が浅いうちは外壁の清掃だけでも外観を保つことは充分に可能で、その際は洗剤代と水道代等のみで依頼することができます。

外壁のメンテナンスを怠ると、内部の柱まで腐食が及ぶなど、家の構造自体にも影響が出るリスクがありますので、早めに対応するようにしましょう。

配管

給排水管や空調設備など設備機器は、築15年前後が修理検討のタイミングとされています。内装や外装に関する大掛かりな修繕もほぼ同時期に必要になるため、修繕費用を抑えるためには工夫をする必要があります。

全体の配管を丸ごと入れ替えるよりも、どうしても新しくする必要がある箇所だけに絞るのが費用を抑えるためのポイントです。目で見て劣化がわかる部分は交換をおすすめします。

どの配管が劣化しており、どの配管はまだ使用できるのか迷うときは業者に相談するのも1つの手段です。配管は基礎内を通って建物から屋外へと出ていきます。もし不具合があれば基礎内部で発見できることも数多くあります。不要な修繕を避けることにより費用を節約できる可能性があります。

一戸建ての修繕において見落としがちなポイント

一戸建てにおける修繕について、つい見落としてしまいがちなポイントについてもご紹介します。

定期診断を受ける

適正な修繕時期を判断するために、定期的な診断がおすすめです。専門家に見てもらうことで、必要な部分だけの修繕が行えるため、不要な工事費用が発生しなくてすみます。

足場を組んで行われる屋根工事や外壁工事の際に、高い場所にある設備の診断を依頼するなどすると足場代も1回分で済ませることができるでしょう。

住宅診断の相場としては、1回あたり約6万円前後とされています。年月が経ってもその都度最適な状態をキープできるように、活用することをおすすめします。

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一戸建ての修繕費用を計画的に準備しよう

一戸建ての修繕に掛かる費用と積立てについて

以上のように、一戸建ての修繕費用は高額になる傾向があります。修繕しようとしても費用が用意できない場合、住宅の劣化はどんどん進んでしまうでしょう。

また、急な雨漏りなどですぐに修繕費用が必要になった場合などを考えても、計画的に修繕費用を準備する必要があります。そこで、修繕積立金を上手に貯める方法をご紹介します。

修繕積立金とは

修繕積立金とは、一般的にマンションに関してよく聞く言葉で、修繕のために定期的に積み立てる資金のことを言います。

マンションのような積立の仕組みは一軒家にはありませんが、外壁など高額になる修繕費用を考えると、計画的に積み立てておくと安心でしょう。

通常、新築住宅の場合は築10年までは基礎や柱などの主要構造部や雨漏りに関して、売り主が責任を持って修理しなければならない、という瑕疵保険制度があります。しかし、築10年を過ぎてからの劣化に関しては、家主が必要に応じた修繕を行うことになります。

具体的な積立方法

具体的な積立方法としては、毎月1万円を積み立てていくのがひとつの目安とされています。

例えば築15年で約150万円の修繕が必要になった場合、15年(約180ヶ月)で割ると約8,300円となり、毎月1万円積み立てていれば15年後に充分まかなえる計算になります。

さらに、水回りの設備やよく行われるシロアリ防除工事を含めると、毎月5,000円ほどを加算すると安心でしょう。

修繕積立金として利用できる保険や共済といった制度を活用すれば、満期に修繕費として利用できて便利です。自然災害による被害など、もしもの際にも保証として役立つので、利用できる制度はないかどうか調べてみるとよいでしょう。

これまで見てきたように、一戸建てを修繕するとなると費用が高額になるため、修繕費用は事前に積み立てておくと安心です。また、自然災害による影響は経年劣化に比べて予測することができません。

一軒家の保険制度やリフォーム資金の積立制度などを活用すると、利息やポイントがついて効率よく資金を貯められるケースもあります。活用できる制度がないかを調べ、家屋の修繕に備えましょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】小川愛

二級建築士、宅地建物取引士。愛知県名古屋市にて高級分譲住宅設計・施工会社に勤務。土地取得からプランニング、施工、販売、お客様のお引っ越し、アフターサービスまでの、住宅に関わる全ての業務に従事。

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