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2020年12月23日更新
バリアフリーの間取りのポイントをご紹介!
住宅をバリアフリー仕様にリフォームする場合、間取りはどのようにしたらいいのでしょうか。生活動線などを意識した間取りづくりをすることで高齢者や車いす使用者でも快適に過ごすことができます。今回はバリアフリーの間取りについて詳しくご紹介します。
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- 監修者下久保彰
目次
バリアフリーの理想的な間取りとは
高齢になったり車いすを利用した生活になると、一般的な間取りの場合、生活に支障が出てくる可能性があります。障害となるものを取り除き快適に生活するためにはバリアフリーリフォームがおすすめです。
バリアフリーリフォームでは、高齢者でも車いすを利用する方でも快適に過ごせるように様々な箇所で工夫を凝らしています。
特に間取りはスムーズに日常生活を送るために重要な項目となるため、自分の生活パターンなどに合った使い勝手の良い間取りにすることが大切です。
一般的なバリアフリーの間取りの理想とは、ワンフロアに生活に必要な設備がそろっているコンパクトな空間だと言われています。
例えば、2階の寝室へ移動するためには階段の昇り降りが必要ですが、高齢になった場合、階段を使用する生活が難しく感じられる可能性があるでしょう。また、階段でバランスを崩すと転落や転倒の恐れがあるため危険です。
しかしながら、生活する上で全く移動をしない生活は運動機能を衰えさせることにもつながり、できる限り自分で生活することは精神的にも肉体的にも健康を維持する上で大きな価値があると言えます。
そのため間取りをワンフロアにまとめることで、高齢者や体の不自由な方でも適度に体を動かしながら自分で生活しやすい快適な環境をつくることができるでしょう。
バリアフリーの間取りの条件とは
バリアフリーの間取りの具体的なポイントは3つあります。それぞれどのような内容なのか詳細を見ていきましょう。
バリアフリーの間取りは「リビングダイニング」を中心に
リビングやダイニングは生活する上で滞在時間が長い空間であるため、バリアフリーの間取りはリビングダイニングを中心に考えていきます。
リビングダイニングをほぼ中心に置き、周りにはキッチン・浴室・トイレなどの水回りをコンパクトに配置することで、短い距離ですべてにアプローチが可能な生活動線が確保できます。
例えば、キッチンから浴室や洗濯機などへも行けるようにすると、料理の準備をしながらお風呂の用意をしたり洗濯したりすることができ、楽に移動ができます。
普段どのように生活しているかを考え、どのように配置したら家事などがしやすいかを考慮しながら決めていくと失敗しない間取りづくりができるでしょう。
リビングは明るく快適に
リビングは家族が集まりやすい空間であるため、みんなが快適に過ごせるよう明るい部屋になるような工夫をすると良いでしょう。
例えば、窓は間口が大きめタイプを採用することで太陽の日差しが降り注ぐ暖かく明るい空間になるだけではなく、車いすの出入りもスムーズになります。
また、リビングにいくつか窓があると風通しが良くなり、空気の循環ができるためより快適な空間にできます。また、日当たりが確保できない場合は間接照明などの照明器具で部屋全体を明るく照らせるようにすると快適さが増すでしょう。
そしてリフォームの際、リビングに使用するクロスはホワイトやベージュ系などの明るめな色を使い、フローリングや建具に木材などの木目調のものを取り入れると、優しくあたたかな印象を与える空間にすることができるでしょう。
トイレは寝室のすぐ横に
夜、寝室で寝ているときにトイレに行きたくなった場合、暗い中遠いトイレに行くとなると転倒の原因になったり、トイレに行くのが億劫になりトイレを我慢してしまうこともあるかもしれません。
しかし、寝室のすぐ隣にトイレがあれば夜中にトイレで目が覚めても短距離で行けるため、我慢してしまうこともなく、転倒などの家庭内事故も防ぐことができるでしょう。
また、介護中の場合は介護する人もトイレのお世話がしやすくなるため、バリアフリーの間取りで寝室の隣にトイレを配置することはメリットが大きいと言えるでしょう。
一棟丸ごとの室温管理が理想的
近年冬の建物内の温度差で心筋梗塞や脳梗塞、脳内出血などの健康被害を引き起こすヒートショックが問題視されています。
ヒートショックは室内にいる場合でも、リビングと廊下やお風呂、脱衣所などとの温度差で血圧が急に上下することで起こります。そのため高齢者がいる住宅の場合、リビングだけではなく廊下やお風呂などを含めて一棟丸ごと室温管理するのが理想的です。
特に裸になる脱衣所はお風呂との寒暖差が激しくヒートショックが発生しやすくなるため、浴室暖房機などの設置が望ましいでしょう。
動線の確保は必須
先程も触れましたが、バリアフリーリフォームで大切なのは動線の確保です。高齢者や車いすを利用する方の場合、ちょっとした段差でも障害になるため段差のないフルフラットな床が相応しいでしょう。
また、ドアや扉は開き戸だと開閉時に体のバランスを崩して転倒したりドアや扉に挟まれたりする可能性があるため、すべて引き戸にするとよいでしょう。そうすることで出入りしやすくなり、容易に移動することができます。
その他にも、手すりをトイレや廊下、玄関などの移動する場所全てに設置するのが理想的でしょう。この場合、高さや設置する場所などは自分が使う姿を想像しながら決めていくといいでしょう。
ワンフロアが難しい場合はホームエレベーターという選択肢を
もともと2階建てだった住宅を減築しワンフロアにするためには、大規模なリフォームが必要となります。バリアフリーのために多額の費用を使用するとその後の生活に支障が生じてしまう可能性もあります。
ワンフロアが予算的に無理な場合、ホームエレベーターという選択肢もあります。一般的にホームエレベーターの設置費用は約300万円~約500万円が相場ですが、減築リフォームよりも比較的安価で施工できるでしょう。
ホームエレベーターには油圧式とロープ式の2種類の駆動方式があります。
油圧式は電動ポンプで油圧を制御し上下させエレベータールームを昇り降りさせる方法で、ロープ式はエレベータールームをワイヤーで吊り、巻き上げ機で上下させる方法となります。
また、ホームエレベーターは木造やRC、鉄骨造りの建物に対応しているため、ほとんどの一般的な住宅でも設置可能です。エレベータールームの広さは約1畳弱~約1坪弱が目安です。
ホームエレベーターのデザインもユニバーサルデザインとなっており、高齢者や車いすを利用される方でも簡単に操作できる仕様になっています。
高齢者に平屋のバリアフリーはおすすめ?
平屋だと階段もないし、バリアフリーにする必要は感じられないと思う方もいらっしゃるかもしれません。ですが昔ながらの日本家屋というのは、意外と段差が多いものなのです。
土間や上がり框など、高齢者には危ないと思うような場所が結構あります。ですので将来を見越してバリアフリー化をするのは決して悪手ではありません懸命な事だと言えます。
もちろん高齢者の方にとっても、バリアフリーになった平屋の方が住みやすいと感じることでしょう。バリアフリーというと、段差が少なくなって家の中を移動するのが便利になるといったイメージがありますよね。
しかしバリアフリーにするメリットはそれだけではありません。段差がなくなれば部屋を掃除する時も大変便利なのです。バリアフリーになっていない家だと掃除する時にも余計に体力を使うので、お年寄りにはかなり厳しいと思います。
掃除しやすい家の造りになっていれば、高齢者の方だけの世帯でも部屋の清潔さを維持することができますよね。家の掃除がしっかり行えればストレスの少ない暮らしができると思います。
またお年寄りだけで住むには家が大きすぎるということもあるでしょう。家族みんなで住むには狭かった家も、住む人が高齢者だけになってしまうと手に余るといったことも考えられます。
家を建て替えるのはかなりの費用がかさみますが、バリアフリーにするだけならそこまで費用は掛かりませんよね。バリアフリー工事とあわせて、家のサイズも現状に合わせて改良してしまえばいいのです。
そうすればきっと現在住んでいる方たちにとって心地良い家を作ることができるでしょう。そういった面からもバリアフリーには様々なメリットがあるといえます。
ですので高齢者の方が住む家を平屋のバリアフリー住宅にするのは大変おすすめです。
バリアフリーの都営住宅はあるの?
一軒家をお持ちでない方でもバリアフリーの住宅に暮らしたいと考える方は多いと思います。バリアフリーが必要になったからといって、そのために家を買うのはお金が掛かりすぎますよね。
そんな時に都営住宅でバリアフリーの部屋が借りられたらかなり助かるという方もいるでしょう。結論からいえば都営住宅でもバリアフリーの部屋を借りることは可能です。
こちらは浴室や玄関に手すりが設置されているなど、高齢者の方にも優しい住宅になっています。ただバリアフリー住宅を希望する全ての人がその物件に入居できるとは限りません。
それに都営住宅に住んでも自分で思うようにリフォームしたいと考える人もいるでしょう。自分で便利なようにバリアフリーにすることができれば、住む人にとってとても快適な家にできますよね。
では実際に規約ではどうなっているのかというと、公共の財産である都営住宅に個人が工作物を設置したり、改造を加えることは法律・条例で原則として禁止されています。
しかし身体障害などのやむを得ない事情があり、住宅管理上支障がないと認められる場合に限り許可されることがあります。
もし身体障害などのやむを得ない事情があり工事を必要とする場合には、東京都住宅供給公社の窓口センターに問い合わせてみてください。
窓口で許可を受けることができれば申請内容が審査され、基準に該当していれば許可書が発行されます。申請で処理できる工事の範囲や必要書類などについてはお客様センターで確認できます。
バリアフリー工事への補助制度
住宅のリノベーションやリフォームには各種の減税や補助金の制度があり、一定の条件で支援を受けることができます。
バリアフリーや省エネ、耐震など、特定のリフォーム工事ではなく、リビングやダイニング、個室の一般的なリフォーム工事についても、自治体によっては補助金や所得税、固定資産税の減税、贈与税の非課税や登録免許税の減税などの制度を利用できる可能性があります。
補助金については、各自治体により各種の制度が増えたり、内容が変化していますので最新の情報を確認しておきましょう。
バリアフリーリフォームにかかる費用相場はどれくらい?
ここまでバリアフリーのリフォームについて説明してきました。それでは実際バリアフリーのリフォームには一体どのくらいの費用が掛かるのでしょうか。
バリアフリーのリフォーム費用はどういった工事をするかによって金額に差が出てきます。たとえば階段やトイレなどに手すりを設置するといったリフォームだと、掛かる費用は1カ所につき約5万円前後。
開戸を引き戸に改修するといったリフォームの場合は1カ所につき約10万円~約20万円掛かります。
自宅にホームエレベーターを取り付けるとなると、約200万円以上の費用が掛かります。ただリフォームするお宅が平屋の場合、エレベーターは必要ありませんよね。
平屋をフルリフォームする際の費用目安は総額約500万円~約2,000万円となります。
そして一軒家をバリアフリーリフォームする際に掛かる費用相場は約数万円〜約1,000万円以上です。
また現在お住まいの2階建ての住宅をリフォームして平屋にしたいという方も多いでしょう。そのような場合の費用目安は1平方メートルあたり約10万5千円~約15万円ほどになります。
トータルで約500万円~約2,700万円はかかると見込んでおきましょう。
特に築年数が経っている住宅の場合は、耐震補強工事などが必要になる可能性が高いです。そうなると費用が約1,000万円を超えてしまう例も多くあります。
リフォームしたけれど想像以上に高かったとならないように、リフォーム会社とよく打ち合わせをしながら工事プランを決めていくと良いですね。
バリアフリーの施工例や間取り図をご紹介
バリアフリーのリフォームはどのような施工を行うかで大きく値段が変わってきます。
たとえば築50年の平屋をリフォームしたケース。こちらは建物を一度骨組みだけのスケルトン状態にし、リビング・玄関・浴室なども一新。
建物全体の断熱性や耐震性の見直しも行われました。リフォームの総施工日数は140日。リフォーム費用は1,800万円でした。平屋を丸々リフォームしたいと考える方には参考になるかと思います。
一軒家でも施工によって費用が異なってくるのは同じことです。
次に一戸建てのトイレに手すりを設置した施工例をご紹介します。こちらは下地にベニヤを入れ、しっかり補強した上で手すりを取り付けました。工事期間は3日、リフォームに掛かった費用は25万円でした。
そして一戸建ての浴室を丸々リフォームした施工例。タイル張りのお風呂場に冷たくならないような床材を導入。浴槽もお湯が冷めにくい保温浴槽に替えました。お風呂に入りやすいよう高さも考慮し、工事によって出入り口の段差も解消されています。工事期間は7日、リフォーム費用は121万円でした。
最後に2階建ての住宅を平屋にリフォームした施工例をご紹介します。こちらは減築だけではなく、1階部分も間取りの変更が行われています。施工日数は60日、リフォーム費用は500万円でした。
介護・バリアフリーリフォームに対応する優良な会社を見つけるには?
ここまで説明してきた介護・バリアフリーリフォームは、あくまで一例となっています。
「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なる」ことがあります。
そのとき大事なのが、複数社に見積もり依頼して必ず「比較検討」をするということ!
この記事で大体の予想がついた方は次のステップへ行きましょう!
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後悔しない、失敗しないリフォームをするためにも、リフォーム会社選びは慎重に行いましょう!

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