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2021年01月05日更新

監修記事

マンションや一戸建てをバリアフリーにリノベーションするには?

マンションのバリアフリーリノベーションや戸建のバリアフリーリフォームなど居住者の高齢化や要介護者に向けて安全で安心な生活のための適切なバリアフリー工事について考えておくべきリノベーションやリフォームのポイントや費用などについてご説明します。

バリアフリーリノベーションとは?

「バリアフリーリノベーション」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、バリアフリーリノベーションとはいったいどのようなものでしょうか。

バリアフリー住宅とは、車椅子や松葉杖などを利用する方でも、物理的・精神的な障壁なく快適に安心して生活することができる住宅のことです。

既存の住宅をこのようなバリアフリー住宅に改修することをバリアフリーリノベーションと呼びます。

例えば、敷居や玄関の段差の解消や手すりの取り付け、ドアを車椅子でもスムーズに通り抜けられる引き戸にするなどの工事が代表的です。

そのほかにも、水回りを移動してバリアフリー仕様のものに入れ替えたり、ホームエレベーターを取り付けたりなどの大規模な工事も行われます。

工事費用はバリアフリーリノベーションの内容により、数千円から1,000万円単位までさまざまです。そのため予算に応じて必要な工事を検討し、計画的に実施することが重要です。

マンションでできるバリアフリーリノベーション

バリアフリー リノベーション

マンションにお住まいの場合、バリアフリーリノベーションはどの程度可能なのでしょうか。

マンションでは行うことが難しいリフォーム工事もありますが、ここではマンションでも可能なバリアフリーリフォームの具体的な例を費用面などもあわせてご説明します。

リノベーションで室内の段差解消

マンションの場合、廊下から洗面脱衣所につながる部分に段差が5cm以上ある場合は、段差を解消するリノベーションは難しいでしょう。それは、段差のある部分の下に配水管が通っていることがほとんどだからです。

もしそのような構造になっているようなら、床そのものを改修せずに段差に簡易的なスロープを取り付けると移動する場合の問題が解消されます。

これからマンションの購入を検討している場合は、洗面所への移動場所に段差がないかを確認するといいでしょう。

費用の一般的な相場は、1箇所あたり約3万円から約20万円です。導入するスロープの種類や材質などによって価格が異なります。

手すりのリノベーションで移動・動作のサポートを

廊下や階段などには歩行補助用の手すりを、玄関やトイレなどには立ち座りがしやすいようにそれ用の手すりを設置することをおすすめします。

費用の一般的な相場は、1箇所あたり約1万円から約5万円です。

キッチンのリノベーションで使いやすいものに

キッチン自体をバリアフリータイプの製品に変えられると一番理想的ですが、そのものを取り替えることが難しい場合には部分的にリノベーションをすることも可能です。

例えばキッチンの収納を開き戸から引き出し型タイプに変えるだけで食器も取り出しやすくなります。また壁面がタイルになっている場合には、パネル張りに替えると油汚れなどの手入れが楽になります。

費用の一般的な相場は、部分的な改修なら約10万円から約80万円です。

動線確保で動きやすくリノベーションする

バリアフリーにリノベーションする場合、導線をどう確保するかも重要なポイントです。

特に高齢者の場合には、夜間、寝室とトイレが近く動きやすくなっているかということが大切でしょう。また、車いすを利用される方ならスムーズに方向転換できるくらいの幅を確保することが大切になります。

そのため、廊下にも十分な広さを確保する必要があります。また家事の効率化という点では、キッチンから洗面所に直接行けるような動線を設けると、料理をしながら洗濯などがスムーズにできるようになるでしょう。

導線をしっかりと考えることですっきりと暮らしやすい空間にすることが可能です。

費用の一般的な相場は面積や施工内容も関係しますが、約200万円から約500万円程度です。

床のリノベーションで転倒事故を未然に防ぐ

各部屋ごとの床の高さや素材が違っていたり、ドアの下枠などの段差があると、どうしてもつまずきやすく、転倒のリスクが高くなります。

ドアを吊戸タイプに変更すれば床面をフラットにでき、転倒事故などを未然に防ぐことができるでしょう。どうしても床面をそろえることができない場合には、段差の前後にスロ-プを設置することをおすすめします。

費用の一般的な相場は、1箇所あたり約30万円から70万円です。

リノベーションで家中まるごと空調管理

温かいリビングから寒い洗面所や浴室に移動した際に、急に血圧が上下することによって起こるヒ-トショックが問題となっています。

これを防ぐためには、リビングだけではなく廊下や洗面所、浴室を含めて一定の温度に保てるように家中を空調管理できるようにリノベーションできると安心です。

費用の一般的な相場は、約200万円から約400万円です。

ドアのリノベーションは開き戸から引き戸へ

開き戸の場合、開け閉めするのに力が必要なため、年を重ねるにつれて開けづらく感じることがあります。

その場合はドアを引き戸に変えることでスム-ズにドアの開け閉ができるでしょう。また引き戸にできない場合には、ドアノブやドア本体を弱い力でも開けることができるタイプに替えることもできます。

費用の一般的な相場は、1箇所あたり約20万円から40万円/です。

洗面所のリノベーションは洗面台にも配慮を

洗面所のリノベーションの際には段差をなくして床面をフラットにするだけでなく、洗面台を車いす対応のものにすると良いでしょう。

バリアフリー仕様の洗面台は洗面ボールがやや低めになっていたり高さの調節が可能なタイプもあります。また、車いすでも洗面台の奥までアプローチできるよう、洗面台下の収納や配管のないオープンな洗面台へと変えることもできます。

また洗面所やお風呂場で、ヒ-トショックにならないように空調などの設置も検討すると良いでしょう。

洗面所には給湯・水、電気・照明などの設備関連が集約され、小さなスペースの割には以外に費用が掛かることを念頭に計画しましょう。

費用の一般的な相場は、約30万円から約50万円です。

浴槽のリノベーションは滑りにくく使いやすいものに

マンションの場合は、部分的に設備をより良くすることやユニットバスを新しいタイプへと入れ替えることが可能です。

高齢者の場合、深さのある浴槽やすべりやすい床などはバランスを崩しやすく転倒などの原因にもなります。

そこで浴室のバリアフリー化では、洗い場から浴槽に出入りしやすいように、浴槽またぎの浅いものにすることが重要です。また浴室の床材を滑りにくい加工がされたものに変更すると安全面でもより安心できるでしょう。

費用の一般的な相場は、約80万円から100万円程度です。

マンション・一戸建てでリノベーションできない箇所とは?

マンションや一戸建てをバリアフリーにリノベーションしたいと希望してもその構造上などの問題で、思うような場所がリノベーションできない場合があります。

マンションでリノベーションできない場合

マンションの場合には、基礎的な構造部分や配管が通っている場所などは、リノベーションなどの大規模な改修が難しい場合があります。具体的な例をご紹介します。

玄関の間口の変更

マンションの玄関部分は、基礎構造の関係で広げることはできません。またマンションでは、玄関ドアの外側は「共有部」にあたるため、管理規約などでドアの変更ができない場合もほとんどです。

浴室の移動

マンションの場合は、ユニットバス自体の交換は可能な場合がほとんどですが、気をつけたいのが浴室の位置を変えたい場合です。

浴室の排水管に十分な勾配がとれないと水がうまく流れず、つまりやトラブルの原因になることもあります。

また、築30年以上の場合には階下の天井裏などに排水管を通っていることがほとんどのため、浴室を移動させることは難しく注意が必要です。

下に配管がある箇所の段差

マンションの場合は、廊下と部屋の間にある段差の下に配管などが通っている場合があります。しかし、その場合は段差を撤去することはできませんのでリノベーションが難しくなります。

配管などに支障がない部分の段差の解消や、配管上の床などを高くする工事であれば可能です。

一戸建てでリノベーション出来ない場合

一戸建ての場合は、マンションよりもリノベーションの制限がかなり緩やかになります。ただ建築基準法や条例などによって工法などに制約がかかることがあります。具体的な例をご紹介します。

防火地域に立てられている場合

ご自宅がある場所が、防火地域や準防火地域に指定されているとリノベーションに制限があります。防火地域というのは、都市計画法市街地で指定された、火災を防ぐために特に厳しい規定が定められた地域となります。

例えば幹線道路が通っている場所や都市の中心地、また駅前などです。防火地域の家屋をリフォームする場合に、耐火建築物もしくは準耐火建築物に準じる建築にせねばならず、サッシなども防火性能のあるものを使用するように指定されます。

そのために使用する製品も費用面で割高になるでしょう。

建てられた工法によっては間取り変更が出来ない

一戸建ては、構造上の問題で間取りの変更などが難しくなることがあります。

従来の木造軸組工法という工法で建てられた家では、建物を柱と梁で支えています。そのために部屋を広くしたいと間仕切りの柱などを撤去すると、構造自体に支障が出る場合もあります。

壁が構造体になっている建物

建物自体の強度を保つために設えている壁を耐力壁といいます。その部分に新しく窓やドアなどを設えると地震などに耐えられなくなるため、リノベーションすることはできません。

バリアフリーリノベーションは古民家でもできる?

バリアフリーリノベーションはどのような住宅でも実施することができるのでしょうか。古民家のような古い木造住宅では、特に段差が多い傾向にあります。

結論から言うと、古民家でもバリアフリーリノベーションをすることは可能です。しかし、いくつか注意点があります。

まず、旧耐震基準の木造住宅や老朽化が著しい場合には、耐震補強工事が必要になる場合があります。

また、床の段差解消や水回りを移動させる工事をする場合、既存の基礎だけでは十分でないケースもあり、このような場合には、補強工事を行なった上でバリアフリー工事を行うことになるでしょう。さらには断熱工事などが必要になる場合もあります。

このように、古民家は特に現在の家の状態によって必要になる工事が異なります。そのため、きちんと専門業者と打ち合わせをして、どのような工事が必要になるかを確認することが大切です。

また、古民家のバリアフリーリノベーションは、施工費用が高くなる傾向にあります。

既存の住宅について細部までしっかりと調査をしてもらった上で、その家に合ったバリアフリーのためのリノベーションプランや見積もりを提出してもらうようにしましょう。

理想的なマンションリノベーションならスケルトンリノベーションを

バリアフリー リノベーション

マンションのリノベーションには、さまざまな支障があって思うようにリノベーションができない場合があります。その点、スケルトンリノベーションという方法であれば、部分的にはできにくかった場所でもリノベーションできる可能性が高くなります。

スケルトンというのは骨格や骨組みという意味ですが、スケルトンリノベーションではマンションの内の骨組みだけを残して全ての箇所をフルリノベーションします。

部屋の壁板やさまざまな配線、そして場合によっては配管までも撤去し、構造体だけにした段階からもう一度内部を新しく作っていくことになるため、理想的な室内へと造り上げていくことが可能でしょう。

例えば、細かく仕切られていた部屋を1つにつなげて空間を広げることも可能です。また段差の解消も一箇所だけではなく全ての箇所で行うことができるため、家全体をバリアフリ-化することが可能です。

スケルトンリノベーションを実施できるとさまざまな問題を一気に解消できるので、最近では、新築ではなく、はじめから中古物件を購入してスケルトンリノベーションを計画している方も増えています。

ただスケルトンリノベーションは大がかりな施工になるため費用面も高額になりがちです。また施工業者によって金額的にも差が出る場合がありますので、複数社に見積もりを取るなどして依頼する業者をしっかりと見極めることをおすすめします。

一度は会社を訪問しておくべきでしょう。資材置き場や工事車両などが小規模でもキチンと整備され、責任者が工事実績などをしっかり具体的に説明してくれるような業者であれば、ほぼ安心ですが、中にはデスクと電話だけで100%外注工事の営業専門会社もあるので要注意です。

バリアフリーリノベーションへの補助制度

住宅のリノベーションやリフォームには各種の減税や補助金の制度があり、一定の条件で支援を受けることができます。

バリアフリーや省エネ、耐震など、特定のリフォーム工事ではなく、リビングやダイニング、個室の一般的なリフォーム工事についても、自治体によっては補助策や所得税、固定資産税の減税、贈与税の非課税や登録免許税の減税などの制度を利用できる可能性可能性があります。

補助金については、各自治体により各種の制度が増えたり、内容が変化していますので最新の情報を確認しておきましょう。

バリアフリーリノベーションをおこなった施工事例をご紹介

バリアフリーリノベーションを検討する際には、必ず信頼できる専門業者に住宅の現状を把握してもらった上で、詳細な工事内容や見積もりの提案をしてもらうことが大切です。

依頼者側も事前に展示場などでどのような空間にしたいのかについて、きちんとイメージを固めておきましょう。

ここでは、実際にバリアフリーリノベーションをおこなった事例をいくつかご紹介します。

【ケース1】約10年の木造住宅のバリアフリーリノベーション
築年数:約10年
改修面積:約23平方メートル
施工費用:約441万円

車椅子用の玄関としてサンルームを設け、スロープや手すりの設置などのバリアフリーリノベーションを行った例です。水回りやリビングなど、室内の空調設備も整えることで温度のバリアフリー化も行っています。

【ケース2】築250年の古民家のバリアフリーリノベーション
築年数:約250年
改修面積:約140平方メートル
工事期間:約3ヵ月
施工費用:約2,500万円

築250年の古民家のバリアフリーリノベーションと断熱改修をした事例です。段差解消のために大規模な間取り変更を行い、水回り設備も場所を移動させています。また、床材は脚に優しい無垢材に張り替えています。

介護・バリアフリーリフォームに対応する優良な会社を見つけるには?

ここまで説明してきた介護・バリアフリーリフォームは、あくまで一例となっています。

「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なる」ことがあります。

そのとき大事なのが、複数社に見積もり依頼して必ず「比較検討」をするということ!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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