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2023年02月15日更新
外壁リフォーム費用の相場を工法別にわかりやすく解説!
外壁には様々な劣化が生じます。リフォームの際は、お住まいの家の状態に応じた最適なリフォーム方法と、相場価格で提案してくれる業者を選ばなくてはなりません。外壁リフォームの種類や費用相場を詳しく知って、最小限のメンテナンスコストで外壁を長持ちさせましょう。
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- 監修者久田麻里子
この記事では外壁の塗装や張り替え、断熱工法など、費用なども踏まえながら解説しています。
外壁のリフォーム工法について網羅できる内容となっているため、外壁リフォームを検討している方にとっては、自分の状況に適したリフォーム工法を選定できるようになるでしょう。
また、実際のリフォーム事例も紹介しています。
自分好みの仕上がりやイメージ作りのきっかけにもなりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
外壁のリフォームはなぜ必要?
外壁は雨水や紫外線から家を守る存在です。
外壁の劣化を放置すると、外壁の内側に雨水や害虫が侵入し、建物躯体が腐食して家の耐久性が低下する恐れがあります。
外壁のリフォーム方法は、主に以下の3種類です。
- 外壁表面の塗り替え
- 外壁材の「張替え」または「重ね張り」
- 外壁の「シーリング打ち替え」
各外壁リフォームは単独で行われることもあれば、劣化具合に応じて同時に行われることもあります。
外壁リフォーム【塗り替え】
外壁材の表面は塗装で保護されていますが、雨や紫外線のダメージが蓄積すると、約10年で保護力を失ってしまいます。
外壁材本体にダメージが及ぶ前に、早めに塗装を塗り替えておきましょう。
外壁塗り替えリフォームのメリット・デメリット
外壁の塗り替えリフォームは、お住まいの家で一度は実施することになる重要なリフォームですので、メリットとデメリットを把握しておきましょう。
外壁塗り替えリフォームのメリット
塗り替えリフォームは、外壁材の張替えリフォームと違って解体や産廃処分費が掛からない分、安く行える外壁リフォームです。
選んだ塗料の種類次第で、外壁に断熱性や遮熱性などの効果も与えられるでしょう。
外壁塗り替えリフォームのデメリット
外壁の塗り替え期間中は、生活にいくつかの不便が生じます。
例)
- 家が足場に囲まれて暗くなる
- 通気性が悪くなる
- 養生用のビニールシートで窓が塞がれる
- 洗濯物を屋外に干せない
- 塗料の臭いが発生する
外壁塗装工事は約2週間行われますので、いつどのような生活上の不便が発生するか、工事前にリフォーム会社からタイミングを教えてもらいましょう。
また、外壁の塗り替えでは「選んだ塗料の色と仕上がりのイメージが違う」という失敗が起きやすいリフォームです。
塗料の色を選ぶ時は、
- 印刷された色見本ではなく、実物の塗料が塗られた「塗り板見本」で色を選ぶ
- 太陽光の下で見え方を比較する
- 周辺の家や建物との調和に配慮して、同じ色や奇抜過ぎるデザインを避ける
などの工夫で、理想の仕上がりに近づけましょう。
外壁塗り替えリフォームの費用相場
塗り替えリフォームの費用相場は、30坪ほどの住宅で、約60万円~約150万円が相場です。
ただし、外壁塗り替えリフォームの費用は、
- 選んだ塗料の価格相場
- 諸経費
の合計金額で決まります。
さらに、選んだ塗料はお住まいの家の耐久性や次の塗り替えまでの期間も左右します。
価格だけではなく、特徴や耐用年数もチェックしておきましょう。
外壁塗装の塗料別の価格相場や特徴
外壁塗装用の塗料は非常に多くの種類がありますが、まずは、
- アクリル系塗料
- ウレタン系塗料
- シリコン系塗料
- フッ素系塗料
という4つの基本的なグレードの違いを押さえることがポイントです。
「無機塗料」や「光触媒塗料」といった機能付き塗料の特徴も知っておくと、お住まいの家に適した塗料を見つけやすくなるでしょう。
アクリル系塗料
- 価格相場:約4,000円~約1万円/1缶
- 耐用年数:約6年〜約8年
アクリル系塗料は最も価格が安い塗料です。
しかし、耐久性も塗料の中では最も低く、紫外線ですぐに劣化して頻繁に塗り替えが必要になるため、コストパフォーマンスは高くありません。
ウレタン系塗料
- 価格相場:約5,000円~約1万5,000円/1缶
- 耐用年数:約8年〜約10年
ウレタン系塗料は、比較的安い価格で一定の耐久性を保てる塗料です。
約10年以内で耐用年数を迎えてしまうため、10年後に張替えや建て替えを予定している家の塗装に使うと良いでしょう。
シリコン系塗料
- 価格相場:約1万5,000円~約4万円/1缶
- 耐用年数:約10年〜約15年
シリコン系塗料は、価格と耐用年数のバランスが取れた人気の塗料です。
シリコン系塗料で塗装しておくと、約10年間は色あせに悩まされることなく、雨や紫外線から外壁を保護できるでしょう。
フッ素系塗料
- 価格相場:約4万円~約8万円/1缶
- 耐用年数:約16年〜約20年
フッ素系塗料は、約16年〜約20年という長い耐用年数を誇る塗料です。
施工価格は他の塗料より高くなってしまいますが、約16年は塗り替えを行わずに済むと考えれば、耐用年数が短い塗料よりもコストパフォーマンスは良いと言えます。
無機塗料
- 価格相場:約5万円~約12万円/1缶
- 耐用年数:約18年〜約22年
無機塗料とは、紫外線で劣化しにくい「無機質」をベースに作られた塗料です。
フッ素塗料よりも価格が高い点がデメリットですが、紫外線で劣化しにくいため、色持ちと耐久性が長期間持続します。
光触媒塗料
- 価格相場:約5万円~約10万円/1缶
- 耐用年数:約15年〜約18年
光触媒とは、紫外線が当たると反応して、外壁表面の汚れを分解する作用のことです。
光触媒塗料で塗装すると、分解された汚れが雨で流れやすくなり、汚れにくく衛生的な外壁が手に入るでしょう。
外壁塗り替えリフォームにかかる諸経費
外壁塗装工事では、安全性のために足場を設置したり、塗料の飛散を防ぐためにシートやネットで養生したりする作業も発生します。
※すべて平方メートルあたりの価格です
- 足場代:約600円~約800円
- 養生:約150円~約400円
- 飛散防止ネット:約100円~約200円
- 高圧洗浄:約100円~約300円
- 下地調整:約300円~約4,000円
※劣化が激しいほど調整費用は高くなります
また、現場管理費用が1件あたり約4万円~約8万円かかります。
外壁リフォーム【張替え・重ね張り】
外壁材のリフォームでは、
- 外壁材を新しく張替えるリフォーム
- 既存外壁材の上に新しい外壁材を重ね張りするリフォーム
のいずれかが選べます。
外壁張替えリフォームのメリット・デメリット
新しい外壁材で張替える場合は、施工コストも含め、本当に張替えが必要かよく検討しましょう。
外壁張替えリフォームのメリット
外壁材を張替えることによって、外壁材の欠けや破損といった劣化が無くなり、耐久性の高い新しい外壁が手に入ります。
外壁張替えリフォームのデメリット
張替えリフォームは、重ね張りや塗り替えなどの他の外壁リフォームに比べると、非常に多くのコストが掛かります。
また、工事のために一時的に外壁が取り払われてしまうため、工事期間中の仮住まいも用意しなければなりません。
外壁重ね張りリフォームのメリット・デメリット
外壁の重ね張りリフォームを選ぶ時は、既存外壁材を残したまま施工して良いかどうか、リフォーム会社にしっかり点検してもらうことが大切です。
外壁重ね張りリフォームのメリット
重ね張りリフォームは、既存外壁材の撤去や仮住まいの準備が不要なため、張替えよりも低コストで済みます。
外壁重ね張りリフォームのデメリット
重ね張り最大のデメリットは、外壁材が二重になる分、家が重くなって地震の揺れを強く受けやすくなる恐れがあることです。
また、既存外壁材を剥がさないため外壁下地の状態を確認できず、外壁内部で起きている腐食や害虫被害などの劣化を見落とす可能性もあります。
張替えと重ね張りのリフォーム費用相場
- 張替え:約90万円~約300万円/30坪
- 重ね張り:約50万円~約180万円/30坪
重ね張りリフォームでは、外壁材の解体・処分費用が発生しないため、約半分の費用で外壁リフォームが行えます。
ただし、重ね張りの際に外壁下地の劣化を見落とすと、構造材の補修などが後から必要になり、結果的に、張替えリフォーム以上の補修費用が発生するかもしれません。
費用の安さだけではなく、将来的なリフォームプランも視野に入れたうえで、適切なリフォーム方法を判断しましょう。
張替え・重ね張りに使うサイディングの価格相場
張替えや重ね張りでは、サイディングというパネル状の外壁材を使用します。
選んだサイディングによって価格やリフォーム後の住み心地も変わるため、それぞれの特徴を知っておきましょう。
なお、記載している「耐用年数」は、メンテナンスを適切に行って長持ちさせた場合の平均値です。
窯業系サイディング
- 価格相場:約4,500円~約8,000円/平方メートル
- 耐用年数:約30年
- おすすめの使用法:張替え
デザインのバリエーションが豊富な窯業系サイディングは、定番の外壁材として多くの住宅に使われています。
劣化を防ぐためには、ボードの継ぎ目をシーリングでしっかり防ぐことが重要です。
金属系サイディング
- 価格相場:約3,000円~約7,000円/平方メートル
- 耐用年数:約30年~約40年
- おすすめの使用法:重ね張り、張替え
金属系サイディング材は、音が響きやすい、断熱性が低いなどのデメリットはありますが、軽くて施工しやすく重ね張りリフォームに適した外壁材です。
木質系サイディング
- 価格相場:約3,000円~約10,000円/平方メートル
- 耐用年数:約25年~約30年
- おすすめの使用法:張替え
木質系サイディングは、木材をパネル状に加工した外壁材で、塗装で表面が加工されたタイプと無垢材タイプがあります。
断熱性の高さや木目の美しさなどのメリットを持つ外壁材ですが、雨で傷みやすく耐火性に劣り、価格が他のサイディングに比べて高い点などがデメリットです。
樹脂系サイディング
- 価格相場:約3,000円~約5,000円/平方メートル
- 耐用年数:約40年
- おすすめの使用法:重ね張り、張替え
樹脂系サイディングは、プラスチックを原料とするため非常に軽く、断熱性も高いなどのメリットがあります。
また、継ぎ目をシーリング材で埋めなくても、雨水が外壁内部に入り込みません。
外壁張替え・重ね張りリフォームにかかる諸経費
外壁の張替え、重ね張りリフォームで発生する諸経費は以下の通りです。
- 足場代 :約600円~約800円/平方メートル
- 施工費:約2,500円~約3,000円/平方メートル
- (※張替えのみ)既存外装材の撤去:約800円~約1,000円/平方メートル
- 諸経費(運搬費など):約10万円~約20万円/1式
外壁リフォーム【シーリングの打ち替え】
シーリングとは、サイディングボード同士の継ぎ目や、サッシと壁の継ぎ目から雨水が入り込まないように充填する樹脂材のことです。
シーリングは約10年経つと紫外線で劣化し、裂けたり縮んだりして継ぎ目を塞げなくなってしまいます。
そのため、外壁に異常がなくても、約7年~約10年に一度はシーリングをメンテナンスしなくてはなりません。
なお、シーリングの打ち替えは単独でも行えますが、外壁の塗り替えリフォームや張替えリフォームでも実施されます。
シーリング打ち替えリフォームの費用相場
- 約900円~約1,500円/平方メートル
シーリングの打ち替えとは、古いシーリング材を撤去して新しい部材を注入する作業のことです。
窯業系サイディングの外壁はシーリングが充填されている範囲が広いため、打ち替え工事の費用が高くなる傾向にあります。
外壁リフォーム【タイル張り】
外壁リフォームでタイル張りにすると色々なメリット・デメリットがあります。
ここではタイル張りにする特徴や費用の相場を紹介していきますので、検討する際は参考にしてください。
まず外壁リフォームでタイル張りにするメリットは、色やサイズ、質感など商品バリエーションが豊富なことです。
デザインも高級感や重厚感のあるものから、ナチュラル感やモダンテイストなものまで多様です。
タイルの商品によって、自分の好みにあったデザインの外観にすることができます。
また、数種類のデザインのタイルを組み合わせることで、個性的なデザインにすることも可能です。
タイル張りの特徴として傷や汚れが付きにくいことが挙げられます。
タイルは石や粘土など天然素材を原料として、高温で焼いて作られています。
ですので、硬質で強度があり、傷や汚れが付きにくい素材になります。
特に外壁材として用いられるタイルは、熱や火に強い性質があり、また水の吸収率が低いため雨にも強く、耐久性が高いです。
紫外線や風雨による劣化や変色のリスクも小さいと言われています。
デメリットとしては、施工不良があった場合にはタイルの剥離や落下というリスクがあります。
職人の腕により仕上がりに差が出ることがあるので、外壁リフォームの現場を見学するなど、実績のある会社を選ぶことが大切です。
外壁リフォームの中でも施工費用が割高になることもデメリットと言えます。
外壁塗装に比べると、メンテナンス費用が割安になる分、初期費用は若干割高になる傾向があります。
では費用の相場はどのくらいでしょうか。
外壁リフォームをタイル張りにする場合の費用相場は、
総額:約210万円~約400万円 ※一戸建て(2階建て)の住宅を想定
単価:約1万円~約5万円/平方メートル
使用する材料や既存の建物状況により差がありますので、外壁リフォームによりタイル張りにする際は、業者へ見積もりを依頼することをお勧めします。
外壁断熱リフォームの効果とメリット
外壁の断熱リフォームは行うだけでさまざまな効果を得られメリットも大きい工事です。
ここでは具体的に得られる効果やメリットを5つ紹介します。
快適な環境になる
外壁の断熱性能が上がることで、室内の温度が外気の影響を受けにくくなるため、室内の温度変化が少なくなり、家全体の温度をある程度一定の状態に保つことができるようになります。
室内が一定の温度に保たれていると各空間への移動も苦にならず、昨今話題になっているヒートショックを予防することにもつながるため、大きなメリットの一つといえるでしょう。
省エネになる
前述でも紹介しましたが、室内の温度が外気の影響を受けにくくなるメリットは空調機のランニングコストにおいても大きな影響力を持ちます。
冷房を使用する場合においても暖房を使用する場合においても、外気の影響による温度変化が少なくなればなるほど、室温を一定に保つために必要なエネルギーは少なくなります。
そのため、外壁断熱を行って外気による影響を受けにくくすることは省エネにもつながるのです。
防音効果がある
使用する断熱材によって効果の大きさは変わりますが、これまで断熱がなかったところに断熱を施すもしくは厚みを増やしたり、隙間を埋めることで、防音効果が期待できます。
これは単純に隙間を埋めることで音が伝わりにくくなるというのもありますが、断熱材によっては音を吸収してくれる性能を持つものもあるためです。
断熱をしながら防音もできるというのは非常に魅力的なポイントといえるでしょう。
劣化の予防になる
断熱リフォームをすることで建物が熱の影響によって受けてしまう劣化を防ぐことができます。
具体的には結露などが挙げられ、結露が発生してしまうと窓回りや水回りを中心に外壁などさまざまな部分の劣化が進むことになります。
結露は室外と室内の温度の差が大きい場合に発生することが多く、外気温の影響を受けやすいほど発生しやすくなるのです。
前述でも紹介していますが、断熱リフォームを行うことで外気による影響を受けにくくなるため、自然と結露の予防にもつながります。
結露が発生しないだけでもさまざまな劣化症状を防ぐことができますが、それ以外の熱による劣化も予防できる点は、断熱リフォームをするメリットといえます。
カビの予防になる
住宅におけるカビは結露や湿気などの要因で発生する場合が多いことをご存じでしょうか。
その中で、結露は湿気の原因にもなる厄介な存在です。
前述でも紹介した通り、断熱リフォームを施すことで結露の予防になります。結露の発生を抑えることで、カビも発生しにくくなることから、カビ予防にもつながるのです。
掃除面でも健康面でも問題の多いカビを予防できるというのは大きなメリットといえます。
外壁の劣化状態を確認しよう
外壁の劣化にはさまざまな要因が考えられるため、まずはどのような劣化状態なのかを把握しておく必要があります。
ここでは劣化の状態について3つに分けて解説します。
外壁表面に付着した汚れによる劣化
外気にさらされている外壁表面には、ほこりやカビ、藻、コケ、雨だれ、サビ、排気ガスなどさまざまな汚れが付着します。
もちろんの外壁材の種類によっても汚れの付着しやすさ、付着しやすい汚れの種類も変わりますが、基本的にはどの外壁にもこれだけの汚れが付着する可能性があるのです。
これらの汚れを付着した状態で放置してしまうことで、外観の悪化や雨漏り、ひどい場合には外壁だけではなく構造体まで腐朽する原因となります。
劣化の流れとしてはまず外観の悪化から始まり、外壁表面の劣化が進みます。
劣化が進みはっ水性や耐水性が失われると徐々に雨水が建物に浸入し雨漏りが発生するのです。
雨漏り発生後は放置した期間に応じて躯体にまで影響を及ぼすようになっていきます。
そのため、外壁表面に付着した汚れに関しても軽視することはできず、現在の外壁がどの程度の状態にあるのか把握しておくことが大切です。
塗装がそのものの劣化
外壁の塗装は紫外線や雨などの影響でどうしても劣化してしまう部分となっており、塗料の種類にもよりますが、約10年を目安に塗り替える必要があります。
そんな塗装ですが、塗装そのものが劣化している場合には変色したり、触ると手に白い粉が付着するチョーキングと呼ばれる現象が起こります。
また、温度変化や衝撃が加わることで塗装にひび割れが発生したり、劣化が進行すると塗料が剥がれ落ちてくるなどの症状も確認されるようになるのです。
塗装の劣化を放置してしまうと雨漏りを引き起こす可能性が高くなり、こちらも前述同様、躯体の腐食にまでつながります。
建物自体の劣化
建物自体が劣化している場合が一番深刻な状況といえます。
外壁に大きなクラックや剥離などが見られるような場合や、木部に腐食が見られるような場合には建物自体が劣化していることをあらわしています。
この場合に起こりうる症状としては前述した2つと同様に雨漏りですが、この状態の建物で発生する雨漏りは外壁だけでなく構造体にも影響を与えるスピードが早い可能性が高いのです。
理由としてはすでに内部に水が到達している場合に見られる劣化症状が大きなクラックや外壁の剥離、木部の腐食だからです。
そのため、建物自体の劣化が確認される場合には緊急度が高いと認識しておくようにしましょう。
外壁断熱リフォームの種類と相場
外壁断熱リフォームには大きく分けて3種類の工法があります。
ここからは工法ごとの工事期間と費用の目安について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
なお、こちらの記事に記載の金額はあくまでも一例です。詳しくは業者による現地調査が必要となります。
また、業者によっても金額は変わってくるため、複数社に見積もりを依頼し、比較・検討するようにしましょう。
外張り断熱工法
外張り断熱工法とは、住宅の柱と外壁の間に断熱材を埋め込んで断熱性を高める断熱工法です。
外部から包み込む形で断熱を行うため、断熱性の向上はもちろんのこと気密性のアップも期待できます。
また気密性が上がることから結露の発生も抑えられ、外壁などの劣化も防げるというメリットがある断熱工法です。
一般的な費用相場は約50万円〜約150万円程度で、工事期間は約2週間〜約3週間が目安となります。
外断熱工法
外断熱工法は主にコンクリート構造の建物で使用される断熱工法で、建物の外側に断熱材を配置して断熱を行う工法です。
外に断熱材を配置することで、外気から室内へ熱が流れるのを防ぎ、室内の熱が外に流れるのも防いでくれるため、室内の温度を一定に保ちやすく快適な空間を維持しやすくなります。
外断熱工法には、コンクリート躯体に直接断熱材を貼り付ける湿式工法と、コンクリートの躯体から支柱を張り出して外壁を支える乾式工法の2種類の工法があります。
湿式工法は直接躯体に貼り付けるという工法上、軽量な断熱材に限定され、通気層もないため、外壁材、断熱材共に透湿性があるものしか選ぶことができません。
一方の乾式工法は選べる材料は自由ですが、支柱を張り出して施工する兼ね合いから価格が割高になります。
一般的な費用相場は約100万円〜約200万円、工事期間の目安は約2週間〜約1カ月程度です。
充填断熱工法(内断熱工法)
充填断熱工法は外壁と内壁の間の空間、すなわち柱と柱の間などの空間に断熱材を入れる断熱工法です。
木造住宅では昔から取り入れられている断熱工法ですが、主流だったグラスウールやロックウールだけではなく、断熱パネルや吹き付け断熱を活用して断熱性能を向上させています。
使用できる断熱材の種類が豊富で、比較的コストも安く、省スペースで断熱工事を行えるというメリットがあります。
工事費用や工事期間は現在の住宅の状況や使用する断熱材によっても大きく変わりますが、費用相場は約150万円〜約300万円、工事期間に関しては約2週間〜約1カ月程度の期間がかかります。
外壁リフォームの費用を抑えるコツ
外壁リフォームを高額にしないコツは、定期的に外壁のメンテナンスを実施することです。
外壁リフォームを行うことになった場合も、複数業者から相見積もりを取って、お住まいの家に必要な補修方法を提案してもらいましょう。
外壁を劣化させないために定期的なメンテナンスが大切
外壁リフォームは、外壁の劣化が激しいほど補修や部材の交換等で費用が高くなってしまいます。
劣化が広範囲に広がる前に、適切な周期でメンテナンスを済ませましょう。
以下は、主な外壁材のメンテナンスについて、周期と内容をまとめた表です。
外壁材の種類 | メンテナンス周期 | メンテナンス内容 |
---|---|---|
サイディング外壁 | 約7年~約10年 | 色あせ、破損、ボードの浮き、反りのチェック、シーリングの点検 |
モルタル外壁 | 約10年 | 色あせ、剥がれ、ひび割れの点検 |
コンクリート外壁 | 約15年 | シミ、ひび割れ、カビ、中性化(※1)、爆裂(※2)の点検 ※1 アルカリ性のコンクリートが雨水等で中性に近づく現象。鉄筋の錆びやコンクリート表面のひび割れを引き起こす。 |
タイル外壁 | 約10年~約15年 | タイルの欠け、浮き、下地モルタル層の点検 |
メンテナンスフリーの外壁は存在しない
どのような外壁も、紫外線や雨水に晒され続けていれば、いつかはメンテナンスが必要になります。
紫外線による劣化が少ないタイル外壁は「メンテナンス不要」と言われがちですが、メンテナンスの頻度が少ないというだけで、何も手入れをせずに済むわけではありません。
タイル外壁でも、下地のモルタルが脆くなったりタイル材が剥がれたりすると建物を保護できませんので、定期的に点検を行いましょう。
外壁リフォームは価格と耐久性のバランスを考慮して選ぶ
外壁リフォームは方法によって費用が異なります。
外壁リフォーム方法を決める時に大切なのは、価格の安さだけではなく、お住まいの家に適した工法かどうかを考慮することです。
最も適したリフォームを選ぶことができれば、多少リフォーム費用がかかったとしても、耐久性が高い外壁が手に入ります。
外壁の耐久性が長持ちすれば、余計な補修が何度も発生しなくなり、結果的にメンテナンスコストを抑えられるでしょう。
複数の業者に見積もり依頼して最適な外壁リフォームを教えてもらう
外壁リフォームでは複数業者に見積もりを依頼し、お住まいの家の外壁に必要なリフォームを提案してくれる業者を見つけましょう。
例えば、あるリフォーム会社から「張替えをしないと外壁が危険です」と約200万円の見積もりを提示されたとしても、別のリフォーム会社からは「約100万円の塗り替えだけで十分ですよ」と言われるかもしれません。
1社だけで即決せず、複数業者に相見積もりを取り、
- ご自宅の外壁にはどのようなメンテナンスが必要か
- 施工価格は相場に対して適切か
- 詳細な作業内容がきちんと明記されているか
などを比較して、信頼できる施工業者とリフォーム方法を選びましょう。
こちらから無料で簡単に見積もりが出来ますので、ぜひハピすむのリフォーム費用の無料相見積もりをご利用ください。
外壁と屋根を同時にリフォームするメリット
リフォームをする場合、単独でリフォームをするよりも複数工事をまとめた方がお得になる場合が多いということをご存じでしょうか。
特に外壁と屋根については一緒に工事をすることで得られるメリットも大きくなります。
ここからは外壁と屋根を一緒に工事した場合に得られるメリットについて3点紹介します。
仮設足場工事が一度で済む
外壁工事を行う場合にも屋根工事を行う場合にも必要になるのが工事用の仮設足場です。
工事用の仮設足場にかかる費用は工事代の中でも大きなウエイトを占めており、負担になってしまうポイントの一つといえます。
そんな仮設足場工事ですが、屋根工事と外壁工事を同時に行う場合には、同じ足場を共通して使用することができるのです。
そのため仮設足場工事が一度で済み、費用面でも工期面においても縮小することができるというのは、外壁と屋根を同時にリフォームするメリットと言えるでしょう。
工期が短縮できる
外壁工事と屋根工事を同時に行うメリットとして工期の短縮ができるという点が挙げられます。
同時に工事を進めることで、天候の影響や工事の進捗において外壁か屋根のどちらかの工事ができない場合が出てしまっても、代わりにどちらかの工事を行うことができるため、工事期間中のスケジュールの無駄を減らせます。
別々に工事を依頼するとその都度現場を空けることになってしまうことから、工事期間が短縮できるといえるのです。
値引き交渉がしやすくなる
2つの工事を同時に行うことで、施工会社としても得られる利益が大きくなるため、別々に工事を行う場合よりも値引き交渉がスムーズに進みやすくなります。
そのため、外壁工事と屋根工事を同時に行うことには大きなメリットがあると言えるでしょう。
外壁と屋根のリフォーム費用を左右する要素とは?
ここからは外壁と屋根のリフォーム費用を左右するポイントについて解説していきます。
具体的に5つのポイントを紹介します。
外壁・屋根の種類
現在使用されている外壁と屋根の種類によって行うリフォーム内容が絞られると言えるほど重要な項目で、リフォーム費用を大きく左右するポイントになります。
外壁においてはサイディングなのかモルタルなのかによって張り替え工事を行うか塗装工事を行うか、選び方が変わります。
また、屋根に関しても瓦屋根なのか、板金屋根なのかによっても行うリフォームの内容が変わるのです。
また、どちらにも共通しているのが使用する外壁材や屋根材によって価格に大きな差があるため、結果としてリフォーム費用を大きく左右することにもつながります。
建物の階数・屋根の勾配
建物の階数や屋根の勾配は安全に作業できるように組む足場の高さに関係するため、リフォーム費用に影響してきます。
階数が多い場合や屋根が急勾配な家の場合には足場を高めに組む必要がある他、階数が多い外壁は結果として面積も大きくなることから、材料も手間も増え、工事費用は高くなります。
反面、階数が少なく、屋根の勾配が緩やかである場合には必要な足場の高さが低くなり、必要な材料も手間も少なく済むため工事費用が安くなるのです。
実際のところ外壁の面積に関しては、そもそもの建物の大きさによる影響が大きいため、建物の階数だけでは判断できないポイントにはなります。
しかしながら足場費用に関しては建物の階数と屋根の勾配によって費用が左右されるため、重要な項目であることを認識しておきましょう。
付帯物の個数
テレビのアンテナやエアコン、雪止め、雨樋など、屋根や外壁についている付帯物の個数もリフォーム費用を左右させる要因の一つです。
基本的に屋根や外壁のリフォームを行う場合、外壁や屋根についているものは一度全て外すか浮かせて工事を行い、万が一外せない場合には都度養生を行いながら工事を進めることになります。
付帯物の数が多ければ多いほど外す手間や養生の手間がかかることからリフォーム費用に影響を与えるといえます。
使用する塗料のグレード
前述でも少し触れた屋根材や外壁材の価格と同じく、使用する塗料のグレードによって費用が大きく変わります。
外壁においても屋根においても同じで、遮熱性や防音性などの機能性を持った塗料や、耐用年数の長い塗料については費用が高額になりがちです。
その一方で数年に一度塗り直すような塗料であれば比較的安価にリフォームをできることから、塗料のグレードも費用を決める上では重要な要素になります。
使用する色の数
使用する色の数が増えるほど、複数の種類の材料を用意する必要があり、なおかつ施工においても、より慎重に施工を進めていく必要があるため手間が掛かります。
単色の場合には1種類の材料で仕上げていくことになるため、施工もやりやすく工事期間的にも短く済むことから手間が少なくて済みます。
材料費、工事代に影響を与える点を加味すると使用する色の数もリフォーム費用を左右する要因の一つと言えるでしょう。
外壁リフォームの事例と費用相場
ここからは外壁リフォームの事例を5つ紹介しますので、参考にしてみてください。
外壁のリフォーム
リフォーム費用 | 約300万円〜約500万円 |
---|---|
工期 | 約1カ月程度 |
リフォーム内容 | 外壁サイディング工事 |
1階と2階で異なる種類のサイディングを使用して張り分けることで斬新なデザインでありながら、色合いが白とグレーということもあって落ち着いた印象に仕上がっています。
外壁塗装のリフォーム
リフォーム費用 | 約50万円〜約100万円 |
---|---|
工期 | 約1カ月程度 |
リフォーム内容 | 外壁塗装 |
壁のひび割れ補修後に塗装工事を行った事例です。
雨樋を他の金属部に合わせた色で塗ることで統一感を出しており、非常に安価にリフォームが完了しています。
外壁の塗装工事【エスケー化研 プレミアムシリコン】
リフォーム費用 | 約100万円〜約300万円 |
---|---|
工期 | 約1カ月程度 |
リフォーム内容 | 外壁塗装工事 |
外壁塗装を行った事例です。
お客様の希望に沿った鮮やかな水色で塗装が行われており、爽やかな印象に仕上がっています。
外壁の塗装工事【エスケー化研 水性セラミシリコン】
リフォーム内容 | 外壁塗装工事 |
---|
1階と2階の色を塗り分けた事例です。
幕板を挟むことでよりツートンカラーが映えるようなデザインとなっています。
外壁リフォームに対応する優良な会社を見つけるには?
ここまで説明してきた外壁リフォームは、あくまで一例となっています。
「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なる」ことがあります。
そのとき大事なのが、複数社に見積もり依頼して必ず「比較検討」をするということ!
この記事で大体の予想がついた方は次のステップへ行きましょう!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
そんな方は、簡単に無料で比較見積もりが可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
大手ハウスメーカーから地場の工務店まで全国1000社以上が加盟しており、外壁リフォームを検討している方も安心してご利用いただけます。
一生のうちにリフォームをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しないリフォームをするためにも、リフォーム会社選びは慎重に行いましょう!
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この記事の監修者プロフィール
2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。

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