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2020年12月08日更新
雨樋の修理方法と費用相場について
雨樋が壊れると、屋根に降った雨が屋根からそのまま落ちてきます。雨の日にならないと不便さがわからない雨樋の破損ですが、雨樋には大切な役割があります。雨樋の壊れる原因や修理方法、交換方法、費用相場を知っておきましょう。
目次
雨樋の役目とは?
雨樋は、屋根の軒先にある「軒樋」と外壁に沿って取り付ける「竪樋(たてとい)」があります。
軒樋で屋根に降った雨を受け、竪樋で排水設備(側溝や下水設備)まで雨を流します。
屋根に降った雨を雨樋が処理しています。
屋根に降った雨を雨樋で処理することで、軒先や軒裏・外壁・基礎に雨が流れたり、あたらないようになったりして住宅の耐久性を保つことができます。
雨樋がなかったり、壊れていたりすると、軒先や軒裏・外壁・基礎を濡らし、傷めたり、雨が落ちる場所の地面では泥が跳ねたり、溝を作ったりします。
雨樋は住宅の耐久性のために大事な役割をしています。
自分でできる雨樋のチェックポイント
雨樋が壊れているかどうかは雨が降らないとなかなか気づきません。
しかし、雨樋が壊れ、長期間放置していた場合、外壁に雨水がはいってしまったり、軒先にカビがはえたりなど被害が大きくなるケースがあります。
雨樋を定期的にチェックしたり、台風や大雨・大雪の後には雨樋に問題がないか見回りをして、壊れていた場合は早めの修理をしましょう。
自分でできる雨樋のチェックポイントは、7つあります。
① 雨樋に割れやヒビはないか、軒樋・竪樋とも確認する
割れているかもと思ったら、雨の日にチェックしましょう。
雨の日であれば、割れているところからは水が漏れている場合があるので、確認できます。
② 雨樋が歪んでいないか、確認する
特に暑い夏の場合、雨樋の種類によっては熱による変化で歪みが出るケースがあります。
目視で確認してみましょう。
③ 軒樋の傾きに問題がないか、確認する
軒樋は、屋根の軒先に沿って取り付られています。
竪樋に向かって、下がり勾配の傾きとなっているのが通常の状態です。
(雨水を流すため)勾配が逆になっていると、雨が流れなくなり軒樋からあふれてしまいます。
傾きを見てみましょう。
④ 継目が壊れていないか
軒樋は、1本の長さが3m60cmで、継ぎ目があります。
経年劣化などで継ぎ目が壊れていることがあるので、継ぎ目から雨が漏れていないか確認しましょう
⑤ 金具がしっかり固定されているか
軒樋の金具が外れていると、外れている部分が垂れてきます。
樋がまっすぐになっているかチェックしましょう。竪樋は外壁にしっかり固定されているか確認しましょう。
⑥ 枯葉やゴミが詰まっていないか
軒樋が詰まっていると、竪樋に雨水が流れなくなるため、軒樋から雨水があふれてきます。
雨の日にそんな症状があったら、雨樋に枯葉やゴミが詰まっていないか確認しましょう。
⑦ 雨だれで土がえぐられていないか
軒からの雨だれで土がえぐられている場合、樋から雨があふれています。
軒樋に問題がないか確認しましょう。
雨樋修理が必要となる主な原因と対処法
雨樋の修理は、壊れた主な原因により対処方法が違います。
雨樋修理の原因別の対処方法をみてみましょう。
竪樋や集水器にゴミが詰まっている
竪樋や集水器にゴミが詰まるのは、軒樋に入った落ち葉やゴミが集水器にたまり、竪樋に流れるからです。
樋が詰まっている場合は、ゴミを取り除いて掃除をします。
掃除をした後、周辺に割れやヒビなどがないか確認しておきましょう。
雨樋の傾斜に問題がある
傾斜に問題がおきる原因は、金物の破損・はずれ、雨樋の破損などがあります。
また、屋根に雪が積もった場合に、雪の重みで軒樋が下がってしまうことがあります。
正しい傾斜に直すには、金物・雨樋のチェックを行い、その後水平器を使い、規定の勾配になるように直します。
高所作業になりますので、専門業者にお願いするのが良いでしょう。
金具が外れている
金物が外れる原因は、雪の重みや強風・雨樋の熱膨張、経年劣化による腐食などです。
金具が外れていると、雨樋がゆれたり、風のある日にガタガタと音がしたりします。
金具が外れていると雨樋の破損が大きくなる場合もあるので注意が必要です。
金物が外れているだけなら、正しく取り付け直します。金具が破損して外れている場合は、金物を取り替えてから、取付直します。
雨樋の継手(接続部分)に隙間がある
雨樋の継手の隙間は、継手は雨樋の熱膨張や積雪・強風などの原因でできることがあります。
隙間を修理せずにそのままにしておくと継手がはずれてしまうこともあるので、早急に補修しましょう。
継手の隙間の補修は、隙間の大きさや破損の程度によって方法を選びます。
雨樋のはずれによる小さな隙間は、雨樋用の接着剤で雨樋を接着し直します。
コーキング材や補修用テープで補修することもできます。
補修場所をきれいに掃除してから、シーリング材や補修テープで補修します。
大きな隙間の場合は、雨樋の熱膨張が大きかったり、金物が破損している場合があります。
部分的に交換が必要な場合があるので、まず雨樋と金物を確認してから、補修をします。
経年劣化
雨樋は風雨にさらされているため、経年劣化が早い場所です。
特に直射日光のあたる場所は経年劣化が早く、熱による雨樋の形状変化も起こります。
樋の割れや金物の破損が複数個所あり、15~20年経っている場合は、樋をすべて交換する修理が必要です。
風や雪による影響
積雪が多い地域や風が強い地域、雹などが降りやすい地域は、雨樋に被害があることが多くなります。
多くは、雨樋が割れたり、穴があいたり、金物がはずれたりするといった症状です。
小さな穴や割れは、補修テープで直します。穴や割れが数ヶ所になる場合は樋を交換した方が良いでしょう。
金物が外れているだけの場合は樋を取付け直しますが、金物が破損している場合は、金物を交換しなければなりません。
雨樋の交換方法
雨樋を交換するには、まず雨樋の形状・素材を理解してから交換方法を知っておきましょう。
雨樋の種類・形状
雨樋には、屋根の軒先に取り付ける「軒樋」と外壁に取り付ける「竪樋」があり、軒樋の形状は半月型と角型・特殊型があり、竪樋の形状は丸型と角型があります。
軒樋の半月型は、半円型・半丸型とも言われています。
昔からよく使われている形状で、最近はゲリラ豪雨等にも対応できるよう直径が大きめなタイプもあります。
軒樋の角型は、半月型と比較すると雨量を多く処理できる雨樋です。
洋風の屋根にマッチするデザインで、ここ20年ぐらい主に使われています。ゲリラ豪雨等に対応するために片方が高いタイプ形状もあります。
軒樋の特殊型は、積雪地域の屋根に使われるもので、雪で樋を傷めない構造になっている雨樋などがあります。
雨樋の種類・素材
雨樋の素材には、塩化ビニール・合成樹脂・ガルバリウム鋼鈑・銅・アルミ・ステンレスがあります。
塩化ビニールは、安価なので雨樋によく使われている素材です。
しかし、雨や紫外線による変色や経年劣化・破損しやすい素材なので、住宅を建てる地域の気候条件に合う物を使用することが重要です。
合成樹脂製は、塩化ビニールより耐久性が高いという特性を持っています。
雨樋は紫外線により延びて樋の継ぎ目や金物がはずれたり、色落ちしてしまうケースがあります。
熱による形状変化や色落ちを少なくするために、合成樹脂製の雨樋には、紫外線に強い塗装や芯材にアイアンを使用したものなどがあります。
ガルバリウム鋼鈑製は、金属であるため形状が安定していて、錆びにくく、耐久性がある素材です。
また、金属製の雨樋の中では、加工しやすい素材です。
銅製の雨樋は、耐久性が高く、酸化して銅色から緑青(ろくしょう)に変わるため古くから、純和風の住宅で使われてきました。
しかし、酸性雨により穴が空くケースがあるため、注意が必要な素材です。
アルミ製は、錆びにくくて加工がしやすく、紫外線による熱膨張も起こりにくい素材です。
ステンレス製は、錆びにくくて耐久性が高い素材です。
雨樋の交換方法
雨樋を交換するには、準備が重要です。
高い場所での作業になりますので、業者に依頼する場合は足場を掛けます。自分で交換する場合は梯子や脚立・ヘルメットが必要です。
また、雨樋カット用のノコギリ(パイプカッター)・釘抜き(バール)・コーキング材・ビス・接着剤なども必要です。
手順1:既在雨樋・金具を外す
まず、今ついている雨樋と雨樋金具を外します。
次に雨樋本体を金物から外します。雨樋はつながっていますので、ノコギリで切断しながら外します。
金物を釘抜きで抜き、釘の後をコーキング剤で補修します。
強度不足を避けるため、同じ場所に金物を設置することはありません。防水のためにコーキング剤を打っておきます。
手順2:軒樋の支持金具を取り付ける
雨樋をはずしたら、新しい支持金物を取り付けます。
取付位置は、今まであった位置の2~3cm横とし、高さに注意して取り付けます。
軒樋は、雨を流すための勾配が必要です。今までと同じ向きの勾配となるように取り付けます。
支持金物の取付けは、まず両サイドの金物を取付けて勾配を確認します(タコ糸などでチェック)。
確認した勾配通りに金物を取り付けます。
手順3:新規の軒樋を金具に取り付ける
新しい軒樋を支持金物に取り付けます。
サイズを確認して、ノコギリで切断して長さを調整しながら取り付けます。
軒樋の竪樋を取り付ける部分には、事前に軒樋用の穴あけをしてから取り付けします。
手順4:軒樋に集水器や継手を取り付ける
軒樋を支持金物に取り付けたら、集水器や継手を接着剤で取り付けます。
接着剤は雨樋専用の接着剤を使用しましょう。
手順5:竪樋を取り付ける
軒樋・集水器の取付けが終わったら、竪樋を取付けます。
集水器からエルボという部品を使って外壁にそった竪樋までのななめの竪樋を取り付けます。
竪樋の支持金物を新しくする場合は、新しい位置に打ち替えます。
以前の金物があった穴はコーキング剤をうって、防水処理をしておきます。
雨樋の修理工事に足場は必要?
雨樋の修理工事では足場が必要な場合と、そうでない場合とがあります。具体的にどのようなケースで必要か不要かについてご紹介します。
まず、平屋の場合は足場がいらないケースが多いでしょう。脚立などで安全に施工が可能な高さであれば、基本的に足場を組む必要はありません。
ただし、敷地に脚立を立てるスペースがない場合には、簡易的な足場が必要になることもあります。
2階建て以上の建物の雨樋を修理する場合には、基本的に足場を組む必要があります。
ただし、2階建て以上の建物でも高所作業車を使って雨樋の修理ができるケースがあり、この場合は足場は不要です。高所作業車が敷地に入れることや電線にかからないことなどの条件をクリアする必要があります。
足場を組むとなると、建物規模にもよりますが約半日から1日かかります。撤去まで合わせると足場の設置、解体だけで約1日半〜2日程度かかるでしょう。
足場設置の費用は、一般的に1平方メートルあたり約1,000円が相場と言われています。家の周囲全体に足場を組む必要がある場合で、約15~20万円が目安です。雨樋の修理箇所だけに足場を設置する場合だと、約10万円が目安でしょう。
このように、雨樋の修理だけでも足場が必要になる場合があり、費用もかさみます。足場が必要になる外壁・屋根の塗装リフォームや大規模修繕の際に、雨樋まできちんと点検をしておき、必要があれば修理しておくようにしましょう。
雨樋修理・交換にかかる費用
雨樋の修理の費用相場は、修理する内容と修理する箇所により違います。
修理を業者に依頼する場合は、修理の見積もりを取り、費用相場を参考に検討しましょう。
雨樋の修理では、2階建てやハシゴがかけられない場合などに足場が必要なケースもあります。
業者に確認しておきましょう。
内容 | 費用相場 | 備考 |
---|---|---|
雨樋の掃除 | 10,000~30,000円 | |
継手の修理・補修 | 5,000~20,000円/箇所 | |
傾斜・曲がった金具の修正 | 10,000~30,000円/箇所 | |
雨樋の破損・欠落補修 | 10,000~30,000円/箇所 | |
軒樋のヒビ割れ修理 | 10,000~30,000円 | |
雨樋全体の交換 | 150,000~600,000円 | ・雨樋の種類により金額が異なる ・他に足場代がかかります |
雨樋の塗装 | 50,000~100,000円 | 塗装業者が塗装する |
雨樋が壊れて修理・交換が必要になった場合、壊れた原因よっては火災保険の適用が受けられる場合があります。
火災保険は、特約事項に風災・雪災・雹災などの保障があります。
修理・交換をする前に保険会社に確認しましょう。
保険会社に連絡する時には、事前に保険証の準備・破損部分の写真撮影・免責金額などの確認をしておきましょう。
雨樋修理を業者に依頼するなら
雨樋の修理を依頼する業者は、症状により違います。
しかし、雨樋は高い場所にあり点検がむずかしい場所です。
雨樋が壊れているような症状があったら、まず屋根業者や板金業者・雨樋修理業者に点検をしてもらうか、家を建てたハウスメーカーや住宅会社・工務店に相談してみましょう。
雨樋の修理、交換には危険がともなうので、無理をしないで業者に依頼することをオススメします。
樋の取付けを行うのは板金業者なので、樋に問題がある場合は板金業者に修理を依頼します。
雨樋の塗装が必要な場合は、塗装業者に依頼しますが、樋の不具合があったら教えてもらうようにしておきましょう。
雨樋の修理工事で値段を抑えるには?
雨樋しの修理工事で値段を抑えるためには、下記のポイントに気をつけましょう。
- 日頃からメンテナンスをしておく
- 修理の際は「相見積もり」をおこなう
- 火災保険が適用されるか確認する
まず、日頃のメンテナンスをきちんと行っておくことが大切です。落ち葉や泥、ゴミなどが雨樋に溜まると雨樋自体の腐食の原因となり、取り替えが必要になったり、建物自体へ悪影響を及ぼすことにもつながります。
低層階であればご自身で日常的な清掃をすることもできるため、ゴミが溜まっていないか定期的に確認し、掃除をするようにしましょう。
また、修理が必要になった場合でも、最初から1社に絞らず、数社から相見積もりをとることで費用を抑えることが可能です。
業者により施工方法や足場設置の有無が異なります。使用する重機や足場の設置方法などが変われば費用にも影響してくるため、業者によって費用に差が出てくるのです。
そのため、数社に相談して見積もりを提出してもらい、金額や施工方法についてよく比較した上で業者を決めるようにしましょう。
また、見積もりを依頼する業者は、屋根専門の業者や工務店など、直接工事を担当する業者にすることも重要です。ハウスメーカーなどの建築会社に依頼すると、下請け業者に工事を依頼するためマージンが発生し、費用が高くなるケースがあります。
台風や豪雪など、雨樋が破損した原因によっては、火災保険が利用できる場合もあります。火災保険が適用されれば費用をまかなうことができるため、事前に調べておくようにしましょう。
雨樋工事で良い業者を選ぶポイント
雨樋工事は専門的な知識とスキルが必要な工事になります。悪徳業者を選んだ場合、何度も修理をすることになったり、部分的な修理で対応できるにも関わらず全部交換して高額な費用を取られたりなど、さまざまなトラブルが起きかねません。
そうならないためにも、良い業者を見分けるためのポイントをいくつかご紹介します。
雨樋修理の実績が豊富
まずポイントとなるのが、地元を中心に経営しており、実績のある業者を探すことです。地域で長年経営できているということは、施工や対応に信頼が持てる証だと言うことができるでしょう。
周囲の人の口コミや、業者のホームページなどから、施工実績を確認しておくようにしましょう。
火災保険などに関する正しい知識を持っている
火災保険などに詳しく、正しい知識を持っている業者を選ぶのもポイントです。
雨樋が破損した原因によっては、火災保険で工事費用の一部または全部をまかなえるケースもあります。
しかし、正しい専門的な知識を有してない業者だと、保険利用の提案がなかったり、逆に保険利用を逆手にとって、トラブルに巻き込まれるというケースも珍しくありません。
見積もり提出のやりとりなどを通して、保険に対する知識をきちんと持っているかどうかについて確認し、業者を選ぶ上での判断材料の1つにすることをおすすめします。
修理方法を複数提案してくれる
もう1つ大切になるのが、修理方法を数パターン提案してくれる業者であるかどうかです。優良な業者であれば、雨樋の状態や建物の立地条件、依頼者の意向などを踏まえて修理方法をいくつか提案してくれます。
複数提案できるということは、知識や実績が豊富であるという判断材料にもなりますので、1パターンの修理方法だけを提案してくる業者より、数パターンの修理方法を提案をしてくれる業者を選ぶようにしましょう。
屋根リフォームに対応する優良な会社を見つけるには?
ここまで説明してきた屋根リフォームは、あくまで一例となっています。
「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なる」ことがあります。
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この記事の監修者プロフィール

タクトホームコンサルティングサービス
亀田融一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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