2024年04月11日更新

監修記事

屋根の防水シートの耐用年数は何年?

住宅の屋根材の下には、雨水の浸入を防ぐための防水シートが敷設されていますが、この防水シートの耐用年数はどれくらいなのでしょうか?防水シートの耐用年数と屋根材の耐用年数、メンテナンスを行う時期などについてご紹介します。

屋根の寿命は何で決まる?

屋根 防水 シート 耐用 年数

一般的な住宅の場合、屋根の寿命はどれくらいが目安なのでしょうか?

通常の屋根材の場合、耐用年数は短いものでも約20年、長いものなら約50年を超えるのですが、防水シート自体は材質上、屋根材に比べて寿命が短いとされています。

屋根の寿命は、使用している屋根材と防水シートの寿命で決まると言えます。もし屋根材の耐用年数が残っている状態だったとしても、防水シートの耐用年数が過ぎているならば、防水シートの交換を行う必要があるでしょう。

日本瓦などの葺き直しが可能な屋根材なら定期的に防水シートを交換しても、屋根材そのものを交換する必要はありません。

しかし、ガルバリウム鋼板やスレート瓦など、解体すると再利用が難しい屋根材の場合、いくら寿命が残っていたとしても、防水シートの寿命が尽きたら屋根材も交換しなければならないのです。

つまり、屋根の寿命は防水シートと屋根材の寿命のうち、短い方を目安として考えると良いでしょう。

屋根の防水シートの耐用年数は?

屋根に用いられている防水シートは、「ルーフィング」とも呼ばれており、アスファルトを紙板に染みこませて作られているものと、ゴム樹脂で作られているものとが主流です。

これらのルーフィングは、屋根の基礎部分、野地板の上に施工され、屋根材が何らかの理由で雨水の浸入を防ぎきれなかった場合に、屋根内部へと雨水が浸入するのを防いでいます。

耐用年数の目安は、厚みのあるアスファルトルーフィングが約20年、柔らかく施工性が高いゴム製ルーフィングは約15年です。

一般的な住宅に多く用いられている屋根材の耐用年数は、日本瓦が約50年、トタン屋根が約15年、スレート瓦が約20年、ガルバリウム鋼板が約25年とされています。

ゴム製ルーフィングの場合、トタン屋根やスレート屋根なら耐用年数が近いため、葺き替えの時期を合わせることができるでしょう。

しかし、ゴム製ルーフィングにガルバリウム鋼板などの20年を大幅に超える耐用年数の屋根材を用いてしまうと、屋根材の寿命に余裕がある段階で解体し、ルーフィングを交換しなければならなくなります。

アスファルトルーフィングの場合は耐用年数の目安が約20年ですので、ガルバリウム鋼板を屋根材に用いた場合でも、ある程度耐用年数に近い状態まで使い続けることが可能でしょう。

とは言っても、ガルバリウム鋼板の耐用年数は約25年以上が目安ですので、アスファルトルーフィングでも耐用年数まで持たせることはできないと言えます。

耐用年数を過ぎても防水シートを使い続けることはできる?

一般的な防水シート、ルーフィングの耐用年数はアスファルトルーフィングが約20年、ゴム製ルーフィングは約15年ですが、もし耐用年数を過ぎても使い続けた場合、どのような状態になるのでしょうか?

ルーフィングは、それ自体にある程度の弾力性が持たされており、建物の揺れなどで屋根の構造が伸び縮みしても追随して隙間が空かないようになっています。

この柔軟性は、ルーフィングの劣化とともに失われていき、寿命を迎えたルーフィングはまるで劣化した輪ゴムのように堅くボロボロになり、屋根の隙間を埋めることができなくなってしまうのです。

この状態でも、屋根材の防水性が維持できているなら雨漏りはほとんど発生しませんが、もし何らかの理由で屋根材に隙間ができ、雨が大量に侵入してしまうと、屋根裏に大きな雨漏りができてしまうでしょう。

ルーフィングの状態は屋根材を取り外さなければ確認することができないため、屋根全体の状態を常にチェックすることはできません。

雨漏りが発生してしまうと、建物の躯体に大きなダメージを与えてしまう可能性が高いため、ルーフィングの耐用年数が過ぎたら、できるだけ早めにルーフィングの交換リフォームを行った方が良いでしょう。

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屋根防水のメンテナンス時期の目安

防水シート、ルーフィングの寿命は最長で約20年が目安とされていますが、メンテナンスはどのタイミングで行えば良いのでしょうか?

理想的なメンテナンスのタイミングは、想定されている耐用年数より約1年前です。

これは、ルーフィングの状態は施工されている建物の立地や周辺環境、気象条件等で多少変化することが理由とされています。

海沿いのような潮風と強い日差しがある環境下では、通常より早く劣化が進む可能性がありますし、雪国のように冷気と雪の重量で屋根に強い負荷がかかる場所も劣化が早い傾向があるのです。

逆に、温暖で雨が少ない地域なら、環境変化による負荷が少ないため、想定されている耐用年数より長く使える可能性があると考えられます。

しかし、上の項目でもご紹介したように、ルーフィングの状態を確認するためには、屋根材を全て撤去しなければならないため、環境が良くても悪くても実際にルーフィングがどうなっているかを判断することができません。

そのため、雨漏りによって発生する甚大な被害を防止するために、想定されている耐用年数に到達する前に、ルーフィングのメンテナンスを行った方が良いとされているのです。

つまり、ゴム製ルーフィングの耐用年数は約15年ですので、約14年を目安にメンテナンスの準備を始め、アスファルトルーフィングなら約20年が寿命の目安ですので、約19年で準備を始めると良いでしょう。

本来は耐用年数にもっと近いタイミングでも雨漏り等が起きていなければ問題はありませんが、屋根のリフォームとなると業者探しから見積もり、プラン作成など、準備に色々と時間がかかります。

1年程度前からメンテナンスの準備を進めておけば、スケジュール調整やメンテナンス費用の用意などの下準備をある程度時間に余裕を持って進めることができるでしょう。

実際に問題が起こる前にメンテナンスを実施すれば、建物には被害が発生しないため、建物の状態を良いままで保つことができますす。

ちょっとした雨漏りでも内装や躯体を傷めてしまいますので、できるだけトラブルが発生する前に、屋根材や防水シートのメンテナンスを行うようにしましょう。

できれば信頼置けるリフォーム業者に2~3年に1度は検査をしてもらえば安心です。お家の健康診断と思いましょう。簡単なタッチアップ込みで半日程度1万~2万円で済みます。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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