2023年10月26日更新
雨樋修理の費用相場と業者の選び方を解説!
住宅に用いられている雨樋には、材質や形状によってさまざまな違いがあります。それぞれの形状や材質ごとの雨樋の特徴と、雨樋の基本的な構造、材質や形状別の雨樋設置にかかる費用などについて見てみましょう。
目次
雨樋が詰まる原因
家の中でも数日掃除しないでいると埃が溜まりますが、外に設置されてある雨樋は、色々なゴミが溜まることは想像に難くないでしょう。風が吹けば砂や土、ゴミ、花弁が飛ばされてくることもあります。
庭や家の近くに植物がある場合は、落葉の季節になると落ち葉は雨樋に溜まり、雨樋を詰まらせる原因となってしまいます。
また、屋根や家の周辺を飛び回っている鳥の糞や小動物の死骸など外で活動する生き物が雨樋を詰まらせることもあり得るでしょう。
雨樋の詰まりを放置すると…
雨樋の詰まりを放置しておくと様々な問題を引き起こすことがあります。代表的なトラブルは次の通りです。
・雨樋のオーバーフローによる外壁の汚れ
・基礎部分の傷みやシロアリの被害
雨樋が詰まると雨水が雨樋を通らず直接地面に落ちます。雨音がうるさくなるだけでなく、地面から跳ね返った雨が建物の基礎部分に当たって外壁を汚したり、地面に水たまりを作ったりして基礎部分が常にジメジメした状態になることがあります。
常に湿気を帯びた状態の建物は腐食やシロアリの住みかになることもありますので、雨樋の詰まりを軽く考えず、すぐに詰まりを解消しましょう。
雨樋リフォームの内容別・価格相場
雨樋リフォームは、大きく分けると
- 清掃
- 部分補修
- 全体交換
のいずれかに分類され、実施するリフォームの内容によって施工価格にも大きな差が生じます。
お住まい行うべき雨樋リフォームの種類と、それぞれのメリット・デメリットを知っておきましょう。
雨樋をリフォームで清掃するときの価格相場
- 施工価格:約5,000~1万円
- 工期:約1日
雨樋に詰まった、葉っぱや鳥の巣などのゴミを取り除き、樋の水はけを良くするリフォームです。
清掃は約1日で終わり、少額の費用で将来的な雨樋の故障や不具合を防ぐことができるでしょう。
雨樋の詰まり対策としては、落ち葉よけネットや落ち葉よけシートを設置すると良いでしょう。
ただし、清掃中に雨樋の破損や軒樋の勾配不良が見つかった場合は、部分補修または全体交換に発展する可能性もあります。
雨樋の部分交換、修理リフォームの価格相場
- 施工価格:約5~10万円
- 工期:約1日
樋のひび割れや継ぎ手のずれ解消など、雨樋の壊れた箇所を部分的に修理するリフォームです。
雨樋全体を交換するよりも安価で済み、リフォームも約1日で終わります。
ただし築年数が古い家の雨樋は、部分交換をしてもすぐに別の部分が劣化してしまうかもしれません。
何度も部分交換を繰り返し続ければ、部材運搬費などの諸経費がかさみ、全体交換よりも割高になってしまう恐れがあります。
金具の取り付け位置誤りによる雨樋の勾配不足の解消
・補修費用相場:約3,000〜1万円/1箇所あたり
雨樋は、金具の取り付け位置で勾配を作っています。金具の取り付け位置を誤ると雨水が正常に排水されませんので、金具の打ち直しが必要です。
金具を打ち直す際は、壁や鼻隠しに空いた古い穴をパテで埋め戻す作業も発生します。なお、雨樋の勾配不足は施工不良とも考えられるため、取り付けた施工会社に連絡して、保証の範囲内でリフォームしてもらえないか確認しましょう。
雨樋全体を交換するリフォームの価格相場
- 施工価格:約20~50万円
- 工期:約2〜3日
部材の錆びやひび割れが雨樋のあちこちで発生している場合は、雨樋全体をリフォームで交換した方が良いでしょう。
お住まいの気候に適した種類の雨樋と交換すれば、雨樋本体だけでなく外壁や屋根も長持ちさせられます。
雨樋全体を交換するリフォームでは足場設置工事が発生し、雨樋の部材価格もかさむため、施工価格は高額です。
また、足場の設置に約1日、雨樋補修に約1日で、最低でも約2日の工期が必要となります。
雨樋全体を交換する時は、外壁塗装工事や屋根の葺き替えといった足場設置を伴うリフォームとできるだけセットで行い、足場代を一回分でまとめると良いでしょう。
雨樋の形状による種類と施工費用の相場

丸型の雨樋の特徴と材質別の費用相場
丸形の雨樋とは、軒樋の形状が円筒を半分に割ったようになっている製品のことです。
形状がシンプルなため単価が安く、角がないため汚れも溜まりにくいという特徴があります。
価格の目安は、硬質塩化ビニール製の場合1本あたり約1,500円から、合成樹脂が1本当たり約2,000円から、ガルバリウム鋼板製の場合は1本約5,000円から、銅製の場合は1本で約10,000円からが相場です。
その他の素材については、ステンレスが1本あたり約15,000円から、アルミも1本あたり約15,000円からが相場とされています。
角形の雨樋の特徴と材質別の費用相場
角形の雨樋は、軒樋の形状が四角形に成型されている製品です。
丸形に比べて断面積あたりの流量が多いため、雨量が多い状態でもスムーズに雨水を受け止めて排出することができるという特徴があります。
また、プレスによって折り目や段差を作ることで金属の強度を高めることもできるため、アルミやステンレス、ガルバリウム鋼板などの構造強度を高め、より薄い材料を用いることも可能です。
価格の目安は、塩化ビニール製が1本あたり約2,000円から、合成樹脂製は1本あたり約3,000円から、ガルバリウム製は1本あたり約6,000円から、銅製の場合は1本で約12,000円からが相場です。
その他の素材については、銅製が1本で約12,000円、ステンレス製とアルミ製の場合は1本あたり約20,000円からが相場とされています。
特殊形状の雨樋の特徴と材質別の費用相場
雪国などでは雪かきの際に雨樋に雪が引っかかって破損するのを防ぐために、屋根の下に雨水を導く形状の特殊な雨樋が用いられていることがあります。
このタイプの製品は形状が複雑で製造が難しいため、施工費用はやや割高となっており、価格はガルバリウム鋼板製の製品で1本あたり約30,000円からが相場です。
また、雨樋上部に覆いを取り付けることで落ち葉などの侵入を防ぐ製品も販売されており、こちらもガルバリウム鋼板製のものが1本あたり約20,000円から販売されています。
雨樋の構造による種類と役割について

軒樋の役割について
軒樋とは、屋根の周囲を囲うように設置されている部分で、一般的に雨樋という言葉を聞いた際にイメージされることが多い部位です。
屋根に降った雨を受け止め、排水口に向けて導く雨樋の基本となる設備で、基本的に雨が屋根から流れ落ちる部分に取り付けられているため、切妻造の屋根なら屋根の2辺に、寄棟造の場合は屋根の4辺に設置されます。
もし、この部位が破損したり、施工不良で傾斜がずれたりしてしまうと、雨水がこぼれ落ちたり溢れたりしてしまうため、こまめな確認が必要です。
集水器の役割について
集水器とは、軒樋によって集められた雨水をまとめて竪樋に流す部品です。
軒樋を直接差し込む形状となっており、排水口のような形状がとられています。
集水器には屋根全体の雨水が集められるため、水量が多くても溢れないよう、ある程度体積に余裕をもって作られています。
屋根全体の面積や雨量によっては小さい体積の集水器では溢れてしまう可能性があるため、環境に合わせたサイズのものを用意しなければなりません。
呼び樋の役割について
呼び樋とは、集水器と竪樋を繋ぐ部分に設置されている横向きの樋のことです。
集水器と竪樋には「エルボ」という曲がった配管を用いて呼び樋が接続されており、複数の集水器から1本の竪樋に配管を集約するために欠かせない部品と言えます。
呼び樋は他の部品と違い、専用の部材が販売されているわけではなく、竪樋用のパイプを配置に合わせてカットして使用するのが一般的です。
竪樋の役割について
竪樋とは、集水器に集められた雨水を地面部分まで落とし、排水口に導く配管です。
通常の住宅向け雨樋では、雨水の飛散を抑えるために円筒形の製品が用いられることが多いのですが、鎖樋という金属製の鎖を下ろし、これに沿うように雨水を落とす製品が用いられることもあります。
円筒形のパイプを用いれば、雨水が周囲に飛び散るのを防ぐことができるだけでなく、ある程度角度をつけたり曲げたりして配管の自由度を高めることが可能です。
しかし、密閉型の配管は、ゴミなどが詰まった際の清掃が難しいため、メンテナンス性はやや劣ります。
ただ、竪樋は排水口の配管に差し込んで取り付けられており、接着剤などは用いられていないため、持ち上げれば容易に取り外すことが可能です。
家の周囲に山や大きな木などがあり、屋根に落ち葉や枝などのゴミが溜まりやすい環境の場合や、力仕事が難しいという場合には、鎖樋などの比較的掃除が容易な竪樋を使う方が良い場合もあるでしょう。
雨樋の修理工事で値段を抑えるには?
雨樋しの修理工事で値段を抑えるためには、下記のポイントに気をつけましょう。
- 日頃からメンテナンスをしておく
- 修理の際は「相見積もり」をおこなう
- 火災保険が適用されるか確認する
まず、日頃のメンテナンスをきちんと行っておくことが大切です。落ち葉や泥、ゴミなどが雨樋に溜まると雨樋自体の腐食の原因となり、取り替えが必要になったり、建物自体へ悪影響を及ぼすことにもつながります。
低層階であればご自身で日常的な清掃をすることもできるため、ゴミが溜まっていないか定期的に確認し、掃除をするようにしましょう。
また、修理が必要になった場合でも、最初から1社に絞らず、数社から相見積もりをとることで費用を抑えることが可能です。
業者により施工方法や足場設置の有無が異なります。使用する重機や足場の設置方法などが変われば費用にも影響してくるため、業者によって費用に差が出てくるのです。
そのため、数社に相談して見積もりを提出してもらい、金額や施工方法についてよく比較した上で業者を決めるようにしましょう。
また、見積もりを依頼する業者は、屋根専門の業者や工務店など、直接工事を担当する業者にすることも重要です。ハウスメーカーなどの建築会社に依頼すると、下請け業者に工事を依頼するためマージンが発生し、費用が高くなるケースがあります。
台風や豪雪など、雨樋が破損した原因によっては、火災保険が利用できる場合もあります。火災保険が適用されれば費用をまかなうことができるため、事前に調べておくようにしましょう。
雨樋の素材の種類と特徴
塩化ビニール製雨樋の特徴
塩化ビニール製雨樋は、軽量で安価なため、多くの住宅で用いられている製品です。
塩化ビニールは経年劣化によって弾力性が失われる傾向があり、ひび割れや変色が起こる場合もありますが、近年では硬質ビニール樹脂が素材として用いられるようになり、耐久性にも優れた製品が増えています。
その他にも、色や形状のバリエーションが豊富という特徴もあり、塩化ビニール樹脂に多い灰色の他に、白や茶色など、住宅のデザインに合った雨樋を使用できるのも魅力です。
ガルバリウム鋼板製雨樋の特徴
ガルバリウム鋼板とは、鋼板にアルミと亜鉛の化合物によるメッキを施した建材です。
鋼板にメッキを施した建材としてはトタンが有名ですが、ガルバリウム鋼板はメッキ部分の防錆性、耐久性が高く、長期間サビが発生しにくいという特徴があります。
ガルバリウム鋼板はサビに強く、軽量で強度も高いため、雨樋にも用いられています。
薄くて施工性にも優れ、耐久性も高いことから、台風などが多い地域に向いた素材だと言えるでしょう。
しかし、ガルバリウム鋼板は建材としての単価がやや割高なため、雨樋としては施工費用がやや高く、実際に雨樋としての普及はあまり進んでいません。
銅製雨樋の特徴
銅は軽量で加工が容易で、サビが発生しない金属です。
銅製品は経年劣化によって表面に緑色のカビのような「緑青」が現れ、この緑青が表面を膜のように覆い、内部の酸化を抑制する働きがあるためです。
ただし、銅は酸性の液体に触れると溶けてしまうため、酸性雨に晒され続けると穴が開いてしまうことがあります。
酸性雨の影響をやや受けやすいという傾向はありますが、銅製の樋は他の素材に比べ耐用年数が圧倒的長く、新築から建て直しまで樋の交換が不要だったという事例も報告されています。
近年では、雨水が多く触れる樋の内側部分にステンレス鋼を用い、酸性雨の影響を受けにくくしたハイブリッド銅樋が開発されています。
このようなタイプであれば安定して長期間雨樋を使い続けることができるでしょう。
施工価格については、雨樋としては高額な部類に入りますが、耐用年数が長いため、コストパフォーマンスを考えるとそれほど悪くはないと言えます。
ステンレス製雨樋の特徴
ステンレスは鉄にさまざまな金属を加えて作られる合金で、表面に薄い保護皮膜が生成されることにより、サビの発生を防ぐ特徴があります。
ほとんどサビが発生しないため、雨樋に向いた金属で、強度も高いため軒樋を長く作ることができ、継ぎ目がほとんどない構造にすることが可能です。
耐用年数も比較的長めで、元々の素材の強度が高いことから、台風などで強い力が加わっても壊れにくいというメリットもあります。
近年では、神社仏閣などの和風建築向けに、表面に銅メッキと防錆コーティングを施した製品も開発されており、銅より強くデザインもよいとして人気が高まっています。
アルミ製雨樋の特徴
アルミは金属にもかかわらず、塩化ビニール樹脂より2割ほど重量が軽く、ほとんど錆びない耐久性の高さが特徴の素材です。
また、熱による体積変化も少ない素材のため、夏場に熱膨張を起こして雨樋の接合部がずれてしまったり、歪んだりするのを防ぐこともできます。
こちらもステンレス鋼の雨樋と同じく、一度に長い部材を作ることができるため、ほとんど継ぎ目のない雨樋にすることが可能です。
ただし、加工が難しく金属としての価格も比較的高いため、あまり製品の種類は多くありません。
つまり、デザインやカラーなどの自由度が低く、施工費用も高めという点がアルミ雨樋のデメリットと言えるでしょう。
その他の素材の特徴
雨樋に用いられている素材には、塩化ビニール以外の合成樹脂やトタンが用いられています。
合成樹脂は質感や見た目は塩化ビニール樹脂によく似ている素材ですが、紫外線による劣化を防ぐ成分や、熱による体積変化を起こしにくい成分が用いられているため、塩化ビニール樹脂より耐久性が高いのが特徴です。
ただ、塩化ビニールに比べて製造に手間がかかるため、やや単価が高めというデメリットもあります。
トタンは古い住宅で多く用いられていた金属素材で、鋼板の表面に亜鉛メッキが施されている建材です。
亜鉛メッキによってサビの発生を抑えていますが、傷が付くとそこからサビが広がってしまうため、こまめなメンテナンスが欠かせません。
近年ではトタンに近い特性を持ちつつ、防錆性に優れたガルバリウム鋼板雨樋が開発されたことから、トタンを用いた雨樋はほとんど用いられなくなっています。
【形状別】雨樋の種類の紹介
雨樋を形状別に分けると、
- 丸樋タイプ
- 角樋タイプ
- 特殊タイプ
のいずれかに分類されます。
丸樋タイプの雨樋
半円型は、昔から日本の住宅に使われてきた雨樋です
成形しやすい形をしているため、角型や特殊形状に比べると価格は少し安くなります。
近年は排水量が多く見た目もシャープな角樋タイプを取り付ける家も増えていますが、和風デザインの住宅では、和のデザインに馴染みやすい丸樋タイプが使われることもあります。
角樋タイプの雨樋
角樋タイプの雨樋は、丸樋タイプより多くの雨水を溜められるため、降雨量が多い地域に適しています。
また、シャープですっきりした見た目も角樋タイプの特徴です。
特殊形状の雨樋
- 雨樋は設置エリアや住宅
- 雪が樋に落ちない積雪エリア向けの雨樋
- 軒先と一体化して外から見えない雨樋
屋外側が半円、住宅側が角型など向きによって使い分けできる雨樋(リバーシブルタイプ)など
特殊形状の雨樋は、丸樋や角樋に比べて生産コストがかかることから、価格相場がやや高い傾向にあります。
雨樋を交換する主な流れ
雨樋交換の主な流れについてみていきましょう。
- 雨樋の欠損箇所を確認する
- 現状写真などで業者と相互確認を行う
- 施工範囲を決めて見積もりを提出してもらう
- 内訳やアフターケアなども含めて確認し、正式に契約
- 雨樋の掃除、修理
- 施工箇所の確認
- 費用の支払い
修理後のトラブルを避けるためにも、欠陥箇所や現状の確認、補修後の状態確認は、必ず業者と一緒に行うようにしてください。
2階の雨樋など高所は写真などを利用して、施工漏れや不要な直しがないように気をつけましょう。
雨樋リフォームで失敗しないための業者選びのコツ

雨樋をリフォームしても、「すぐにゴミが詰まった」「リフォームした部分とは別の場所で不具合が起きた」となれば、せっかくのリフォームも残念な結果に終わってしまいます。
雨樋リフォームで失敗しないためにも、お住まいに適した雨樋リフォームをしてくれる業者選びのコツを知っておきましょう。
地元で営業を長年続けており雨樋リフォームの実績がある
地元密着で長年営業を続けてきたリフォーム会社であれば、降雨量や風の強さといった地域の気候的な特徴を把握しています。
海に近いエリアなら錆びにくい雨樋を選んでくれたり、積雪エリアなら積雪エリア仕様の雨樋を紹介してもらえたりと、お住まいの気候に合った雨樋リフォームを考えてもらえるでしょう。
雨樋劣化の原因を特定して適切なリフォームプランを提案してくれる
雨樋リフォームを成功させる重要なポイントは、リフォーム後に劣化を再発させないことです。
劣化の再発を防ぐためには、雨樋が劣化した根本の原因を補修しなくてはなりません。
その場しのぎではない確実な雨樋リフォームを行ってもらうためには、見積もり作成時に、お住まいの現地調査を必ず実施してくれるリフォーム会社を選びましょう。
現地調査によって雨樋劣化の原因がわかり、適切なリフォームプランが組めるだけでなく、無駄な工事が発生せず最低限の価格でリフォームを行えます。
雨樋リフォームの種類や価格差について説明してくれる
お住まいの雨樋を調査もせずに高額な雨樋を押し付けたり、何のために行う作業か説明を省いたりするようなリフォーム会社では、雨樋がきちんと補修されたかわからず、工事後も不安なまま過ごさなくてはなりません。
現地調査にもとづいて、お住まいに適した雨樋リフォームを提案してくれるリフォーム会社であれば、行うリフォームの作業内容だけでなく、デメリット面も工事前に説明してくれるはずです。
「雨樋を部分交換すべきか、全体交換すべきか」「合成樹脂製にすべきか、金属製にすべきか」など、お住まいで行うべきリフォーム方法について、価格差も交えながら納得行くまで説明してくれるでしょう。
リフォーム後に雨樋のアフターケアを必ずしてくれる
屋外に設置されている雨樋は、大雨や大雪、強風、紫外線などで破損しやすい設備です。
雨樋が自然現象で再び破損した時に備えて、リフォーム後にアフターケアも行ってくれるリフォーム会社を選んでおきましょう。
アフターケアを実施してくれる業者なら、雨樋が破損してもすぐに訪問してくれ、万が一リフォーム箇所に施工ミスがあった場合も、保証期間内であれば無償で補修に応じてもらえます。
業者から的確なプランをもらうためのポイント
リフォーム会社から最適なプランをもらうためにも、仕上がりのイメージや予算をあらかじめ伝えましょう。
希望の材質や形状があれば、事前に伝えておくと業者側もスムーズに計画を立てることができます。
雨樋ひとつでも外観のイメージはぐんと異なるので、どのような見た目にしたいかは重要です。
ぼんやりとでも良いので、希望のイメージがあれば伝えるようにしましょう。
可能であれば、カタログや雨樋の画像検索などで、理想的な雨樋を見つけておくと相談が具体的になって早く進むでしょう。
雨樋の掃除を業者に依頼した方が良いケース
雨樋の掃除は自分でもできると説明しましたが、業者に依頼すべきケースもあります。素人にはできないこともあると割り切って、業者にお任せしましょう。
雨樋が完全に詰まったとき
水の流れが悪いというのならまだしも、雨樋が完全に詰まってしまった場合は、業者に頼んで詰まり抜き工事をしてもらうのが手軽で確実です。
また、家の建築年数や雨樋の劣化状態などを鑑みて詰まり抜き工事ではなく、雨樋の交換を依頼することもできます。業者に相談して詰まり抜き工事か交換すべきかなどを決めると良いでしょう。
2階部分の雨樋掃除に関しても業者に依頼するのがおすすめです。
雨樋が割れたとき
雨樋は本来ならば梯子をかけても大丈夫なだけの強度があります。
しかし、梯子をかけただけで壊れたり、割れたりする場合は明らかに劣化しているサインです。
業者に依頼して交換してもらってください。
また、色々な部位から成り立っているので、特に負担のかかりやすい繋ぎ目に割れ目が発生することが多いので注意しておきましょう。
雨樋の位置がずれたとき
雨樋がずれる要因は幾らかあります。
ゴミの重みや風、劣化などです。
一見わかりにくいですが、雨樋の位置がずれるだけで正常に水が流れなくなってしまいます。
特に繋ぎ目部分や集水器のずれは気を付けましょう。
応急処置なら素人でも可能ですが、結局放置すればずれた部分から傷んで建物の腐食など家に影響が及ぶので、始めから業者に依頼するのが無難です。
1階以上の雨樋修理を行う場合
1階の軒先や屋根の雨樋なら、自分でも修理が可能なことがあります。
ただ、2階以上になると高所作業になり、安全確保についての知識が浅い人が自己流で行うには危険が伴います。
大事故が起こる前に、必ずプロの業者に依頼するようにしてください。
それだけでなく、施工不良で結局直らないままになると、再修理が必要です。
時間と手間だけがかかります。無理せず最初から業者に依頼する方が、結果的に早く雨樋を修理することができるでしょう。
雨樋修理の実績が豊富
まずポイントとなるのが、地元を中心に経営しており、実績のある業者を探すことです。地域で長年経営できているということは、施工や対応に信頼が持てる証だと言うことができるでしょう。
周囲の人の口コミや、業者のホームページなどから、施工実績を確認しておくようにしましょう。
火災保険などに関する正しい知識を持っている
火災保険などに詳しく、正しい知識を持っている業者を選ぶのもポイントです。
雨樋が破損した原因によっては、火災保険で工事費用の一部または全部をまかなえるケースもあります。
しかし、正しい専門的な知識を有してない業者だと、保険利用の提案がなかったり、逆に保険利用を逆手にとって、トラブルに巻き込まれるというケースも珍しくありません。
見積もり提出のやりとりなどを通して、保険に対する知識をきちんと持っているかどうかについて確認し、業者を選ぶ上での判断材料の1つにすることをおすすめします。
雨樋の修理工事に足場は必要?
雨樋の修理工事では足場が必要な場合と、そうでない場合とがあります。具体的にどのようなケースで必要か不要かについてご紹介します。
まず、平屋の場合は足場がいらないケースが多いでしょう。脚立などで安全に施工が可能な高さであれば、基本的に足場を組む必要はありません。
ただし、敷地に脚立を立てるスペースがない場合には、簡易的な足場が必要になることもあります。
2階建て以上の建物の雨樋を修理する場合には、基本的に足場を組む必要があります。
ただし、2階建て以上の建物でも高所作業車を使って雨樋の修理ができるケースがあり、この場合は足場は不要です。高所作業車が敷地に入れることや電線にかからないことなどの条件をクリアする必要があります。
足場を組むとなると、建物規模にもよりますが約半日から1日かかります。撤去まで合わせると足場の設置、解体だけで約1日半〜2日程度かかるでしょう。
足場設置の費用は、一般的に1平方メートルあたり約1,000円が相場と言われています。家の周囲全体に足場を組む必要がある場合で、約15~20万円が目安です。雨樋の修理箇所だけに足場を設置する場合だと、約10万円が目安でしょう。
このように、雨樋の修理だけでも足場が必要になる場合があり、費用もかさみます。足場が必要になる外壁・屋根の塗装リフォームや大規模修繕の際に、雨樋まできちんと点検をしておき、必要があれば修理しておくようにしましょう。
自分でできる雨樋のチェックポイント
雨樋が壊れているかどうかは雨が降らないとなかなか気づきません。
しかし、雨樋が壊れ、長期間放置していた場合、外壁に雨水がはいってしまったり、軒先にカビがはえたりなど被害が大きくなるケースがあります。
雨樋を定期的にチェックしたり、台風や大雨・大雪の後には雨樋に問題がないか見回りをして、壊れていた場合は早めの修理をしましょう。
自分でできる雨樋のチェックポイントは、7つあります。
① 雨樋に割れやヒビはないか、軒樋・竪樋とも確認する
割れているかもと思ったら、雨の日にチェックしましょう。
雨の日であれば、割れているところからは水が漏れている場合があるので、確認できます。
② 雨樋が歪んでいないか、確認する
特に暑い夏の場合、雨樋の種類によっては熱による変化で歪みが出るケースがあります。
目視で確認してみましょう。
③ 軒樋の傾きに問題がないか、確認する
軒樋は、屋根の軒先に沿って取り付られています。
竪樋に向かって、下がり勾配の傾きとなっているのが通常の状態です。
(雨水を流すため)勾配が逆になっていると、雨が流れなくなり軒樋からあふれてしまいます。
傾きを見てみましょう。
④ 継目が壊れていないか
軒樋は、1本の長さが3m60cmで、継ぎ目があります。
経年劣化などで継ぎ目が壊れていることがあるので、継ぎ目から雨が漏れていないか確認しましょう
⑤ 金具がしっかり固定されているか
軒樋の金具が外れていると、外れている部分が垂れてきます。
樋がまっすぐになっているかチェックしましょう。竪樋は外壁にしっかり固定されているか確認しましょう。
⑥ 枯葉やゴミが詰まっていないか
軒樋が詰まっていると、竪樋に雨水が流れなくなるため、軒樋から雨水があふれてきます。
雨の日にそんな症状があったら、雨樋に枯葉やゴミが詰まっていないか確認しましょう。
⑦ 雨だれで土がえぐられていないか
軒からの雨だれで土がえぐられている場合、樋から雨があふれています。
軒樋に問題がないか確認しましょう。
雨樋の掃除を自分で行う際の方法について
雨樋の掃除の必要性を述べましたが、実際にどのように行えば良いのかわからないという人もいるでしょう。雨樋は高い場所にあることも多いですが、自分で掃除できないことはありません。
ここでは、雨樋の掃除を自分で行う際の方法について順を追って説明します。
雨樋の掃除に便利なグッズ
まず雨樋の掃除にあたって道具を揃えることから始めましょう。雨樋の掃除にはトングやほうきが便利です。
また、トングやほうきで取り除けない詰まりは、形を自由自在に操ることのできる針金やアース線を使います。水を流すためのホースも用意しておきます。針金もホースもできるだけ長い物を用意しましょう。
家にある物やホームセンターで揃えられる物ばかりなので手軽に掃除を始められます。
雨樋掃除の手順
雨樋は色々な部分から成り立っています。ここでは素人でもできる雨樋掃除をする方法を提示します。
- 雨樋が詰まっていると感じたら、まずは詰まっていると思う部分付近を少し叩いてみます。
叩くことで詰っている物や水が出ることもありますが、必ず出るとは限りません。
出ない場合は次の方法です。 - 横樋の掃除です。詰っているゴミが目で見えるのでほうきやトングで掃除します。
- ここで一度ホースを使って水を流して流れを見てみましょう。
きちんと流れていたなら、掃除完了です。 - まだ十分ではないと感じた場合、更に竪樋掃除に移ります。
針金などを使用してゴミを取り除きます。
集水器掃除の手順
軒樋に溜まった水を落とすための器具が集水器です。高い場所にあるので掃除の際は注意しましょう。
- 集水器の近くに梯子をかけて登ります。
- 集水器の掃除に取り掛かります。
便利グッズのトングが大活躍です。
トングで集水器に詰まったゴミを掻き出します。
目で見て確認するだけでなく、軍手をした手で集水器にゴミが残っていないか確認しましょう。 - 手でゴミが残っているかどうか確認をする際に、ゴミが詰まる原因となりそうな突起物の有無もチェックします。もし突起物があればヤスリなどで削って除去し、今後ゴミが溜まりにくくします。
- 軒樋に溜まった水の再現としてバケツに水を用意し、集水器に流しこんで水がきちんと流れているかどうかを確認します。
軒樋掃除の手順
軒樋とは屋根の下の軒に設置された雨樋のことです。雨樋のメインとなる部分であり、傾斜をつけているので角度が高い方から低い方へ流れていきます。
範囲が広いので掃除も根気良くしましょう。
- 屋根に届く大きさの梯子を準備して、屋根にかけて登るのが安全です。
問題の無い軒樋でも梯子はかけられますが、劣化している場合は危険です。
また支持金具という金具にかけてしまっては破損する可能性があります。 - トングなどゴミをかき集めることのできる便利グッズを使ってゴミを集めましょう。
集め残しの無いように丁寧に掃除します。 - 雨が降った時のようにホースで水を流してみます。
何にも引っかからず水が流れていることが確認できたら掃除ができた証拠です。
竪樋掃除の手順
竪樋は縦に設置されている雨樋で、建物の壁に沿って設置されている場合が多いです。
形状は一般的な筒状や見た目がお洒落な楔型など複数あります。
- 竪樋の下部の接合部分を取り外します。
竪樋は分解できるようになっているので継ぎ目を見つけましょう。 - 竪樋の上部からゴミを下に押し込む前に、押し込むための道具を作ります。
竪樋よりも長い針金に竪樋の中のゴミを押し込められるように竪樋の大きさに合わせて丸めた布を括り付けます。
もし家庭にドレインパイプクリーナーのような排水管掃除に適した道具があれば、ドレインパイプクリーナーを使うと早いです。 - 2で作った道具を竪樋の上から下に貫通するように複数回押し込みましょう。
雨樋の掃除は高所での作業であり、慣れない人には恐怖心もあるかもしれません。
雨樋の掃除は必要ですが、無理をしてまで自分で掃除をすることはおすすめしません。
無理だと思ったら諦めて業者に依頼することも考えましょう。
屋根リフォームに対応する優良な会社を見つけるには?
ここまで説明してきた屋根リフォームは、あくまで一例となっています。
「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なる」ことがあります。
そのとき大事なのが、複数社に見積もり依頼して必ず「比較検討」をするということ!
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この記事の監修者プロフィール
二級建築士、宅地建物取引士。愛知県名古屋市にて高級分譲住宅設計・施工会社に勤務。土地取得からプランニング、施工、販売、お客様のお引っ越し、アフターサービスまでの、住宅に関わる全ての業務に従事。

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