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2021年01月07日更新
屋根修理にかかる費用は?DIYとプロのどちらがいいのか
「屋根修理をしたい、でも費用がどのくらいかかるのか不安」と感じていませんか?屋根の修理は、暮らしの中で大きな支障がなくても定期的に行うべきです。この記事では、屋根修理の費用やタイミング、業者選びのポイントなどをご説明していきます。
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この記事の監修者小川愛
目次
屋根の修理にかかる費用とは
屋根の修理費用は定額制ではありません。屋根の状態や修理する面積、屋根の修理業者によって見積もり費用は異なります。なぜかというと、各業者によって金額設定や計算方法が違うからです。
一般的に、屋根の修理費用の計算方法は以下のように算出します。
屋根の修理費用=単価(屋根の修理内容)×面積(屋根の修理範囲)
上記の計算方法を元に修理費用が算出されます。これらに加え、人件費や雑費も加算されることも覚えておきましょう。
屋根の修理にかかる費用は工法によって異なります。使用する屋根材によって価格に差が出ますが、平均的な費用は以下の通りです。
屋根修理の費用相場
棟板金の取り替え | 約5万円~約15万円 |
雨樋修理 | 約3万円~約20万円 |
雪止め設置 | 約7万円~約15万円 |
漆喰補修 | 約3万円~約30万円 |
スレート屋根の差し替え | 約10万円~約70万円 |
瓦の差し替え | 約20万円~約100万円 |
雨漏り修理 | 約5万円~約50万円 |
屋根リフォームの費用相場
カバー工法 | 約50万円〜約150万円 |
葺き替え | 約70万円~約200万円 |
塗装 | 約30万円~約100万円 |
屋根材別の費用相場
瓦 | 約8,000円~約12,000円/平方メートル |
セメント | 約9,000円~/平方メートル |
コロニアル | 約4,500円~約8,000円/平方メートル |
ガルバリウム鋼板 | 約6,000円~約9,000円/平方メートル |
屋根材の種類
屋根材の種類はさまざまあり、特徴や耐用年数、価格などもそれぞれ違いがあります。自分の家の立地場所や特に重視したい性能から屋根材を選びましょう。
なお、耐久年数はあくまで目安であり、定期的なメンテナンスが必要となります。
屋根材の種類 | 素材 | 耐久年数 |
---|---|---|
瓦 | 粘土系 | 約50年 |
セメント瓦 | セメントと砂 | 約30年~約40年 |
スレート | セメントと繊維素材 | 約20年 |
ガルバリウム鋼板 | 金属系 | 約20年 |
メリット・デメリット
屋根材の種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
瓦 | ・重みがあるため、耐熱性や防音性に優れている ・重厚な雰囲気を出すことができる ・色褪せることがなく、塗装をする必要がない |
・工事費が高い ・積雪の多い地域では、雪の重みで瓦が割れやすく、雨漏り原因になりやすいため使えない ・重みがあるため、耐震性に関しては注意が必要 |
セメント瓦 | ・厚みがあり、衝撃に強い ・遮音性が高い ・耐火性が高い ・普通の瓦より安価 |
・重さがあるため耐震性が低くなる ・水が浸透しやすく、コケやカビが発生しやすい ・積雪の多い地域には向かない |
スレート | ・色の種類が豊富 ・工事が比較的簡単にできる ・工事費が安い ・素材が軽い |
・色褪せしやすい ・耐久年数が短い ・定期的な塗装が必要 ・重さに弱く、積雪で割れたり、豪雨で雨水が入り込んだりすることが多い |
ガルバリウム鋼板 | ・耐火性が高い ・同じ金属系のトタン屋根に比べると錆びにくい ・重量が軽く、耐震性が高い |
・断熱性が低いため、夏場は暑くなる ・薄く、軽いため衝撃に弱い、凹みやすい ・防音性が低い |
屋根を修理するタイミングとは?
屋根を修理するのは雨漏りをした時だけではありません。天井のシミや屋根材の変色も修理のタイミングです。
具体的にどのような症状が修理のタイミングなのかご紹介していきます。
屋根材に変色・剥がれが見られる時
屋根材の表面が変色してきたら、劣化の合図ですので先ずは信頼のおける業者に診断を依頼しましょう。
スレート板や金属の屋根の場合、表面は塗装されていることも多いので、塗装の剥がれが見つかった時なども修理のタイミングです。
金属屋根の場合、特に雨や雪などの水分が表面に触れることで錆が発生します。
最近では塗料などで対策されているトタン屋根も増えてきましたが、最終的には錆は発生します。
変色や錆によって屋根材の継ぎ目が目立つような場合には、塗り直しだけではなく葺き替えが必要になることもあるでしょう。
天井にシミが見られる時
天井のシミは雨漏りしている可能性が高いです。屋根修理が必要かどうかは、室内からも判断できる場合があります。
屋根のすぐ下の部屋で、天井にシミができている場合は屋根材が防水できていない証拠の場合があるので、早めに屋根を調べてもらい、必要な修理を依頼しましょう。
屋根材や下地、防水シートの交換だけではなく、屋根の内部や天井の張り替えにまで工事が及ぶ場合は費用も高くなり、内装の修理費用も必要になるでしょう。
屋根の劣化は気が付かないうちに進んでいきます。異常がなくても、それぞれの屋根材に合った時期に定期点検を依頼しておくのがよいでしょう。
屋根が雨漏りしている時
雨漏りが発生してしまった場合は、屋根材は防水機能を失ってしまっています。
天井にまでシミが出てくる場合は屋根材の広範囲にわたって早急な対策が必要ですので、業者に調査と修理の依頼をしましょう。
特に屋根スレートの塗装が剥がれていると、錆から隙間が広がり、防水シートにダメージを与え、結果的に雨水が入り込んでしまいます。
屋根の経年劣化だけではなく、施工不良によっても起こる可能性があります。
雨漏りは屋根だけではなく室内の内装の修理工事も必要ですので、合計費用が約100万円を超える事例も少なくありません。
雨漏りによる修理がどの程度必要なのかを確認するためには、雨漏りしている場所を特定しなければなりません。そのためには、雨漏り箇所の調査が必要になります。
修理が必要な雨漏り箇所を見つけるためには、目で見て確認する「目視調査」、水を撒いてみて雨水の侵入口を確認する「散水調査」、雨水の侵入口から紫外線などに反応する特殊な液体を流して雨水の流れを確認する「発酵液調査」、温度検知器を使って雨漏りして温度が低くなっている箇所を確認する「サーモグラフィー調査」などの調査方法があります。
目視調査であれば、人の目で見る、手で触ってみるなどして確認するだけなので、お金はかかりませんし、それほど時間も必要ありません。
しかし、しっかりと原因を特定するには、機材などを使う調査方法の方が安心です。そうなると、調査だけでも約半日~数日かかり、もちろん調査費用も発生します。
雨漏りを放置したり、雨漏り箇所が全て修理できなかったりすると、屋根だけではなく、壁や外壁まで修理が必要になることもあります。そうならないためにも、雨漏り箇所を特定することは必要となりますし、早めに対応することが大切です。
雨漏りが発生するまで屋根を放置することなく、その前に修理できるようにしたいものです。
屋根の修理の工法
屋根の修理を業者に依頼する場合、主に次の3つの修理方法が用いられます。
- カバー工法
- 葺き替え
- 塗装
どのような工事内容なのかご紹介していきます。
カバー工法
カバー工法は既存の屋根材の上から新しい屋根を取り付ける方法で、いわゆる重ね葺きと呼ばれる施工方法です。
近年の屋根修理で主流となっている方法でもあります。
既存屋根の解体費用や廃材処理費用を節約することができ、工期も短く済むというメリットがあります。
また、屋根が二重になるため、断熱性や遮音性の向上も期待できます。
一方で、屋根が重くなることによる家屋自体への影響は心配です。
また、既存の屋根の劣化がかなり進んでいる場合や建物自体に耐力がない場合など、状態によっては施工ができないこともあります。
カバー工法で注意するポイント
カバー工法によって屋根を修理する場合は、既存の屋根材の上から新しい屋根を取り付けて覆ってしまうため、修理をする前にしっかりと屋根の下地の状態などを調査しておく必要があります。
なぜなら、下地など外から見えない部分が劣化しているのに、しっかりと調査をせず、そのままカバー工法で新しい屋根を取り付けてしまうと、どんどん内部の劣化が進むことになります。その結果、大がかりな修理が必要になり、時間も費用もかかってしまうのです。
下地などに問題がなく、カバー工法によって修理をした場合、屋根の耐用年数は約20年~約30年になります。
その後、さらに修理が必要になった際は、カバー工法で修理することはできません。既に2段構えの屋根になっているため、さらに上から屋根材を乗せるとなると、その重さで家屋自体への影響が大きくなるからです。
また、カバー工法をした屋根を将来的に修理する場合は、2つ分の屋根を撤去することになるため、撤去費用と廃材処分費用について、単純計算で2倍かかることになります。
カバー工法で修理すれば、その時の屋根材の撤去費用と処分費用を削減できるため、工事費用を安くあげることは可能ですが、長い目で見ると、その分の費用を先送りしていることにもなるのです。
修理業者を選ぶ場合は、しっかりと屋根や建物の状態を調査して把握し、工事の方法や費用面なども含めて丁寧に説明した上、それぞれの要望に見合う提案をしてくれる業者を選ぶようにしましょう。
葺き替え
葺き替え工事は、既存の屋根を剥がし新しい屋根材を施工する方法です。劣化が激しい屋根や築年数が30年以上の住宅などに用いられています。
屋根下地や防水シートなども新しくするため、屋根全体が一新されることになります。
また、日本瓦をはじめ、薄いスレート板やメッキのガルバリウム鋼板などバラエティ豊富な屋根材に対応できる点もメリットです。
カバー工法よりも工期は長く、解体費用や既存屋根撤去費用なども発生するので費用も高額になります。
塗装
屋根材に新たに塗装を施す工事で、塗装の剥がれや防水性の劣化などが目立ってきた際に用いられます。屋根全体に傷みが少ない場合に採用される修理方法です。
雨や雪などの自然環境が原因の一つで、早ければ8年前後で塗装をやり直す必要が出てくるでしょう。全体を一度洗浄し、基本は下地処理を含め3回塗りを行います。
スレート板や金属の屋根で採用される工事で、伝統的な粘土瓦の場合は基本的に適していません。
塗料にも耐候性や遮熱性の高いものなど、種類や機能性が幅広く揃っています。そのため、どんな塗料を選ぶかによっても費用は変わります。
屋根修理に保険が活かせるケース
屋根を修理する際、火災保険が適用されることがあります。屋根の修理で火災保険が適用される条件などをご紹介します。
火災保険の風災補償が適用になる場合
屋根の破損や雨漏りなどで必要な修理費用には、火災保険の風災補償が適用になる可能性があります。屋根の他に雨樋・漆喰・瓦・TVアンテナなどの修理にも火災保険が適用されることがあります。
なぜ、屋根の修理に火災保険が適用されるのかというと、100%の自然劣化でない限り屋根の破損や損傷は風災の可能性が否定できないため、破損した屋根は何らかの風災を受けて劣化したとみなされるからです。
火災保険が適用された具体例は以下の通りです。
- 台風や突風などが原因で、瓦や漆喰が破損したケース
- 突風などの風災で雨樋が破損したケース
- 長期間の雨や風で漆喰が崩れたケース
- 瓦がずれて雨漏りしてしまったケース
- トタン屋根がめくれてしまったケース
など
一見経年劣化に見える症状でも、火災保険が適用されるケースが珍しくありません。
火災保険が適用になるかどうかは、業者や保険会社ではなく第三者機関が判断するため、屋根の修理をする予定の場合は、一度火災保険の窓口に申請可能かどうか問い合わせてみるといいでしょう。
屋根の修理の工期
屋根の修理の工期は、屋根の大きさ、形状、勾配、劣化具合、周辺環境、気候により日程に差が出ます。
平均的には約1週間~約2週間が工期です。
カバー工法
足場の設置 | 約1日 |
下地の増し張り | 約半日 |
ルーフィング張り替え | 約半日 |
屋根材の施工 | 約1日~約2日 |
足場解体、清掃、確認 | 約1日 |
葺き替え
足場の設置 | 約1日 |
既存の屋根材、防水シートなどの撤去、清掃 | 約1日 |
ルーフィング張り替え | 約半日 |
屋根材の施工 | 約1日~約2日 |
足場解体、清掃、確認 | 約1日 |
塗装
足場の設置 | 約1日 |
高圧洗浄 | 約1日 |
下地処理 | 約1日 |
養生 | 約1日 |
塗装 | 約3日 |
点検 | 約1日 |
養生撤去・足場解体 | 約1日 |
屋根の修理に適した季節とは?
屋根の修理は春と秋が適しています。雨が少なく、気温が高すぎず低すぎない季節だからです。
また、梅雨や雪の降る冬に備えて修理を依頼する人が増える時期でもあります。依頼をご検討の方は早めに予定を立てることをおすすめします。
夏は日照時間が長く、塗装の乾燥に適していると言えますが、急な夕立ちが起こる季節でもあります。養生によって窓を開けることができなくなったり、窓を開けても足場のせいで風通しが悪くなることがありますので要注意です。
冬は日照時間が短く、雪が降った場合は工期が延びてしまうためあまりおすすめできない工事の季節です。しかし、その分割引を行っている業者もあるため、冬の工事を視野に入れるという手段もあります。
屋根の修理はDIYでできるの?
屋根修理はどうしても高額な費用がかかってしまうため、DIYで修理したいとお考えの方もいるかもしれませんが、DIYでできるのは応急処置までです。
というのも、ブルーシートや防水塗料などを自分で施したとしても、長い間綺麗な状態を保てるようなレベルまで仕上げるのは難しく、結果的に一時的な対策となってしまうからです。
いくら資材が手に入っても、屋根材自体の補修や劣化修理を完璧に行うことは素人には大変難しいと言えます。
そして最も重要なのが、高所作業における安全対策です。屋根修理のために屋根に登ることは非常に危険です。
プロの業者なら足場を組むなどして、しっかりと安全を確保して工事を行います。高所に慣れている職人が修理する際でも安全の確保は必須です。
素人が突然屋根に登って修理しようとすれば、滑落などの可能性も高くなるため危険です。
以上のような事故のリスクも考慮すると、DIYをすべきかどうか判断できるのではないでしょうか。
突然の雨漏りで業者に依頼を相談しても、すぐには対応できない、といった場合に一時的な応急処置としてDIY修理を行うのが適切と言えます。
修理自体はプロの業者に依頼をし、完全に屋根を直してもらうべきでしょう。
もちろんDIYの方がコストはずっと抑えられますが、安全面でのリスクや完全に修理されないまま放置し悪化する可能性を考えると、費用よりも結果を優先すべきだと言えます。
屋根リフォームに対応する優良な会社を見つけるには?
ここまで説明してきた屋根リフォームは、あくまで一例となっています。
「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なる」ことがあります。
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