2019年10月03日更新
住宅ローンとリフォーム ローンを同時に活用する方法
住宅ローンとリフォームローンは同時に組むことも可能です。しかし、複数ローンの同時申し込みは、借り換えや一体型ローンといった他の方法に比べると、総返済額が多くなってしまう可能性があります。最も負担が少ないローンを選んで、賢くリフォームを行いましょう。
リフォームに使える主なローンと同時利用について
まずは、リフォームに使えるローンの種類と、複数を同時に利用できるか知っておきましょう。
住宅ローン
住宅ローンは新築住宅の購入で使われるローンです。リフォーム単体には利用できませんが、中古住宅を購入して同時にリフォームを行う場合は、「リフォーム費用一体型住宅ローン」を利用できます。
中古住宅を購入せず、リフォーム費用のみのローンを組みたい場合は、リフォームローンを利用するか、住宅ローン借り換えの際にリフォーム費用を上乗せする方法などを検討すると良いでしょう。
※リフォームローン、リフォーム費用一体型住宅ローン、住宅ローンの借り換えでリフォーム費用を上乗せする方法については、別の項目で詳しく解説します。
リフォームローン
リフォームローンはリフォーム費用単体に対して組めるローンで、住宅ローンの融資を受けている金融機関で申し込むことができます。
住宅ローンと違って借入の限度額が低く、金利が高く返済期間も短いなどのデメリットもありますが、住宅ローンの返済が残っていても同時に申し込みが可能です。
「住宅ローン」と「リフォームローン」の違いを比較
住宅ローンとリフォームローンの主な違いは以下の通りです。
なお、上限金額や金利は、ローンを提供する金融機関によって異なります。
住宅ローン | リフォームローン | |
---|---|---|
借入額の上限 | 約1〜2億円 | 約500〜1000万円 |
借入期間 | 約35年 | 約1〜20年 |
金利相場 | 約0.7〜3% | 約2〜5% |
保証人の有無 | 求められることが多い | 不要なことが多い |
担保の有無 | 有 | 無 |
リフォーム単体での利用 | 原則として不可(※) | 可能 |
※中古住宅を購入してリフォームする場合は「リフォーム費用一体型住宅ローン」の利用が可能。
住宅ローンとリフォームローンはどう使い分ける?
リフォームのみしか行わず、かつ、費用が約200万円を下回るような場合は、多少金利が高くても短い期間で返済できる可能性があるため、リフォームローンが適しています。
一方、中古住宅を購入してリフォームする場合など費用が約2000万円を超えるケースでは、低い金利で長期間の返済計画を立てられるリフォーム費用一体型の住宅ローンが良いでしょう。
ローンの「つなぎ融資」とは
つなぎ融資とは、ローンが振り込まれるまでの間、同じ金融機関から一時的に融資を受けることです。
つなぎ融資は住宅ローンでもリフォームローンでも利用することができます。
住宅ローンもリフォームローンも、融資は家の完成またはリフォーム完了後に実行されるため、もし工事開始時に着工金などを自己資金でカバーできない時は、つなぎ融資の利用も検討すると良いでしょう。
ただし、つなぎ融資にもローンの利用手数料が別途発生し、つなぎ融資分の元金と利息も当然返済しなければなりません。
利用前に、返済額の合計を必ず確認しておきましょう。
住宅ローン返済中にリフォームを行う場合
住宅ローンを返済中で、ローンの対象となっている住宅のリフォームを行う場合は、「住宅ローンの借り換え」時にリフォーム費用を住宅ローンに上乗せできる可能性があります。
「住宅ローンの借り換え」ならリフォーム費用の上乗せも可能
住宅ローンの借り換え時にリフォーム費用も上乗せできれば、金利が高いリフォームローンを使わずに済み、住宅ローンと同じ低金利でリフォーム費用分のローンを組むことができます。
住宅ローンの借り換えとは
住宅ローンの借り換えとは、返済中の住宅ローンを別の金融機関からの融資で完済し、融資を受けた金融機関で新たに返済を開始することです。
金融機関によっては、借り換えの際にリフォーム費用を上乗せできる所もあり、上乗せしたリフォーム費用分のローンは、住宅ローンと同じ低い金利が適用されます。
借り換えでリフォーム費用を上乗せするメリット・デメリット
住宅ローンの借り換えはメリットもありますが、リフォーム費用と同時に組むことにはリスクも潜んでいます。
住宅ローン借り換えでリフォーム費用を上乗せするメリット
借り換えの際にリフォーム費用を上乗せすることのメリットは、住宅ローンと同じ低い金利でリフォーム分のローンも組める点です。
また、金融機関を変更することで、住宅ローンそのものの金利が低くなるケースもあり、借り換え前よりも総返済額を減らせる可能性もあります。
住宅ローン借り換えでリフォーム費用を上乗せするデメリット
住宅ローンの借り換えを行う場合は、新しく融資を受ける金融機関に約20〜30万円の諸費用を支払わなければなりません。
諸費用には金融機関の事務手数料や登記費用などが含まれます。
また、借り換えの際も金融機関で審査が行われますが、借り換え時の審査は、住宅ローンの新規申込とは異なる基準で行われる点に注意が必要です。
「住宅ローンの借り換え」の審査のポイント
住宅ローンの借り換え審査では、主に以下の点を金融機関からチェックされます。
審査の担保評価が高いため個人が厳しく審査される
「担保評価」とは、住宅ローンの担保にする住宅の評価額のことで、その担保物件に融資額に見合う価値があるかどうか金融機関が判断する時に見るポイントです。
新築住宅と違い、借り換え時の住宅は築年数が経過しているため、担保評価は自ずと低くなります。
しかし、それではほとんどの人が借り換えを利用できないため、金融機関は借り換えの担保評価を高くする傾向にあります。
かと言って、担保評価を高くしてむやみに審査を通すわけにはいきません。そのため、借り換えの審査では、担保評価よりも個人の返済能力や生活状況、年齢、勤続年数などが厳しく審査されます。
借り換えの審査では返済状況が重視される
借り換えでは特に「滞りなく返済が可能か」を厳しく審査されます。
過去に年2回以上延滞している場合や、住宅ローンとは別に高額な借り入れをしている場合などは審査が厳しくなるでしょう。
また、借り換え時にローンの残債が多いと、リフォーム費用も上乗せした場合に返済が難しいと判断され、審査が通りにくくなる可能性があります。
「増改築工事証明書」を発行できるリフォーム会社か
増改築工事証明書とは、リフォーム会社に発行してもらう書類です。
借り換え時にリフォーム費用も上乗せする際に必要ですので、増改築工事証明書を発行してもらえるかリフォーム会社に確認しておきましょう。
なお、借り換えでリフォーム費用分の融資を受ける場合は、審査の後に工事に着工しなければ、融資が受けられない点にも注意が必要です。
中古物件の購入+リフォームで同時にローンを組む場合
中古物件を購入して同時にリフォームを行う場合は、下記のうち、いずれかの方法を選ぶことになります。
- 住宅ローン+リフォームローンを同時に組む
- リフォーム費用一体型住宅ローンを組む
それぞれのケース別にメリットやデメリットを比較しておきましょう。
住宅ローンとリフォームローンを同時に組んだ場合
中古住宅の購入に住宅ローンを組み、物件のリフォーム費用としてリフォームローンを組むと2つのローンを同時に返済しなければならず、金利も二重に負担しなければならない点に注意が必要です。
ただし、リフォーム費用が少額で、リフォーム費用分のローンのみ先に完済できれば、後述の一体型ローンより少ない利息で済む可能性もあります。
月々の返済額と完済までの総返済額をよく計算し、後述の「リフォーム費用一体型住宅ローン」の利用も検討して、無理のない資金計画を立てましょう。
「リフォーム費用一体型住宅ローン」を組んだ場合
中古住宅を購入して同時にリフォームも行う場合は、「リフォーム費用一体型住宅ローン」を申し込んでみましょう。
「リフォーム費用一体型住宅ローン」の特徴
リフォーム費用一体型ローンとは、中古住宅の購入費用と、購入した物件のリフォーム費用を、まとめて借りることができるローンです。
住宅購入費用とリフォーム費用を一つのローン契約にまとめられるだけでなく、住宅ローンの金利が適用されるため、リフォームローンと住宅ローンを複数組んだ時よりも利息を大きく減らすことができます。
「リフォーム費用一体型住宅ローン」の注意点
リフォーム費用一体型住宅ローンを利用するためには、購入する中古物件がローンの利用条件を満たしていなければなりません。
一般的に、耐震基準や耐火構造などが建築基準法に適合していない物件は、ほとんどの金入機関で融資の対象外となっており、建物の間取りや面積、構造なども金融機関ごとに条件が設けられています。
さらに、実施するリフォームの内容や期間も融資の可否に影響し、例えば建て替えや増築など建築確認申請が必要な工事はリフォームに含まれず、融資の対象外としている金融機関もあります。
住宅ローン・リフォームローンに対応する優良な会社を見つけるには?
ここまで説明してきた住宅ローン・リフォームローンは、あくまで一例となっています。
「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なる」ことがあります。
そのとき大事なのが、複数社に見積もり依頼して必ず「比較検討」をするということ!
この記事で大体の予想がついた方は次のステップへ行きましょう!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
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一生のうちにリフォームをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しないリフォームをするためにも、リフォーム会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール
二級建築士、宅地建物取引士。愛知県名古屋市にて高級分譲住宅設計・施工会社に勤務。土地取得からプランニング、施工、販売、お客様のお引っ越し、アフターサービスまでの、住宅に関わる全ての業務に従事。

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