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2019年06月10日更新
トタン屋根の葺き方や種類について
屋根リフォームは、室内の目の届く範囲ではないため、意外とおざなりになる個所です。トタン屋根や金属屋根の種類とおおよその費用や耐用年数、葺き替え工事の内容、依頼すべき業者の選定方法に関する情報を調べてお伝えしております。
トタン葺きの意味について
トタン葺きの意味
「トタン」は建築材料として使用する「亜鉛めっき鋼板」を指します。
別称で「亜鉛鉄板」、「亜鉛鉄鍍板」とも呼ばれます。
が「トタン」が世間では広く認知されている言葉です。
「トタン」の語源は「亜鉛」をポルトガル語で発音すると「Tutanaga」と言い、それを聞いた当時の日本人が現在の言葉として残したものと思われています。
一般的にイメージする「トタン」の形状は波板と言われる湾曲した板を想定される方が多くいるでしょう。
波板は「JIS」に「鋼板製波板の形状及び寸法」が規定されていて、軟らかい鋼板に亜鉛メッキしたものを言います。
波板にした理由は平鋼板を凹凸にすることで強度を高める効果があり、現在の形に落ち着いたものです。
現代ではあまり見かけなくなりましたが、「トタン」を使用する主な箇所は簡易な建築物の屋根や壁、塀などに使われています。
稀に雨樋やバケツ、じょうろ、塵取りにも加工されています。
「トタン」とよく間違われるものに「ブリキ」がありますが、「ブリキ」は鋼板のスズをメッキしたもので、昭和の時代にはおもちゃの加工に使われたり、缶詰の入れ物として製造されていました。
屋根の劣化は放置すると劣化が早まる
屋根に使われる建築素材は
- 日本瓦
- 化粧スレート(コロニアル、天然、コンクリート)
- 金属鋼板(トタン、鋼板)
- 防水シート
などが主だったところです。
この中で1~3について調べました。
1:日本瓦
純然たる和風建築で称する瓦で、重さも適度にあります。寿命は長く約100年は持つと言われています。
おもにお城や寺社建築で使われます。
2:化粧スレート(コロニアル、天然、コンクリート)
化粧スレートは、セメントに繊維を混ぜて加工されたもので、1枚が薄く軽量なので、屋根にかかる重量の負担が軽減されます。
また、施工もしやすく安価なので建築費の高騰を防ぎます。
欠点は割れやすく、新築時には気づかないようなひび割れが、経年変化や台風の影響などでかけて落ちることがあります。
紫外線による劣化や、北面にカビが生えるなどの症状が起こり得るので、メンテナンスが必要です。
約10年毎に外壁塗装と一緒に屋根を塗装していても、約20年経つ頃には葺き替えをしたほうがいい屋根材でもあります。
別名「カラーベスト」とも呼ばれますが、商品名が一般化したもので、コロニアルも「ケイミュー株式会社」の商品名です。
3:金属鋼板(トタン、鋼板)
トタン屋根は継ぎ手が少ないので、雨もりがしにくい屋根材と言えます。
また、施工時間も短く材料費が安価なことが魅力の一つです。
欠点は耐久性が低い事と雨の音などに対する防音性が期待できない事、夏が暑く、冬が寒いなどがあります。
トタン屋根を維持するには、比較的まめな塗装が必要となります。
塗装する時には、錆を落とす「ケレン」という作業を必ずした後、錆止め塗料による下塗り、中塗り、上塗りをしなければならないので、手間がかかります。
また波形の形状により表面積が多く、見た目や屋根を吹く施工面積以上に塗料が必要となります。
理想は約5年周期で塗装工事を行うといいのですが、予算などの問題があるかもしれません。
トタン屋根の種類について
トタン屋根は「金属屋根」の1種です。
トタン屋根以外の主だった「金属屋根」の種類には
- ガルバリウム鋼板
- ステンレス鋼板
- コロニアル瓦
等があります。
トタン屋根
亜鉛の防食性を利用して錆にくく加工されたもので、おもに工場や倉庫の屋根として使われることが多いようです。
建築登記では「亜鉛メッキ鋼板葺き」と表記されるのが正式な名称です。
メリットは軽量で耐震性があることや施工が比較的容易にできる、安価である、勾配が緩やかなので安全な作業が出来ることなどです。
デメリットは雨もりが起きやすい、板金職人の技術の差が出やすい、錆止め塗装をしなければならない、雨の音が響きやすいなどがあります。
また、断熱性がなく、耐用年数が短いのも短所です。
断熱性を高めるには、「ガイナ」の様な超断熱塗料で塗装したり、断熱使途を下地に挟み込む等手間を掛けなければなりません。
また、遮音性を高めるには、遮音シートを利用することで音を軽減できます。
施工費用は、1㎡当たり約5,000円~6,000円が相場価格です。
これに別途足場工事費が加わります。
葺き替えの場合は更に既存鋼板の撤去、処分費、下地板の調整費が加算されます。
ガルバリウム鋼板
「ガルバリウム鋼板」は1970年代初期にアメリカで開発された「アルミニウムと亜鉛メッキ鋼板」の総称を言います。
「ガルバリウム鋼板」は防食性が高く、メッキ皮膜の寿命は約20年以上と報告されています。
デザイナー建築でも取り上げることが多く、比較的人気のある建築材料です。
主に外壁に使われることが多く、屋根やベランダ周り、雨樋に加工されたりしています。
屋根材としての耐久性は約5倍あり、熱反射性を持っているのが特徴です。
また、塗装をすることで更に耐久性を伸ばすことも可能となります。
メリットは寿命が長い事と工事費用が安く収まることで、デメリットはトタン屋根と同じで断熱性と遮音性が悪いことです。
遮音性を解消する方法として、天然のチップを吹き付ける「自然石粒仕上げ」という方法があります。
表面に細かい石粒の凹凸で雨粒が拡散されるので、音を抑える効果が期待できます。
施工費用は、1㎡当たり約9,000円~12,000円が相場価格です。
これに別途足場工事費が加わります。
葺き替えの場合は更に既存鋼板の撤去、処分費、下地板の調整費が加算されます。
ステンレス鋼板
ステンレスと聞くとスプーンやフォークをイメージしますが、建築材料のステンレスには、鉄が含まれている為、決して錆びない訳ではありません。
錆を防ぐためには、塗装が必要になります。
また材料費が高く、一般家屋の屋根材で使われることはまれで、施工費用は1㎡当たり約2万円超が相場価格です。
例えば屋根面積が100㎡の場合、屋根工事だけで200万円を超えるという事になります。
これに別途足場工事費や下地調整費、雑費が加算されます。
コロニアル瓦
「コロニアル」という言葉が一般的になるほど、戸建て住宅では、山型の屋根では多く使われる建築材料です。
厚みは約5mmほどしかないのでとても薄く軽量な瓦ですが、寿命は長く約20年~30年くらいが葺き替え時期と言われます。
形状は平らなものや波型と言われる湾曲した形があります。
メリットは軽量で材料費が安価であること、デザイン性が高く耐震性があることです。
デメリットは薄いことから、ひびが入りやすく、気が付かない内に割れて欠け落ちてしまうことがあります。
また、表面が塗装されているので、外壁の塗り替え時期に一緒に塗装をしたほうがいいでしょう。
対候性は塗装することで高くなります。
施工費用は、1㎡当たり約1万円~1万3,000円くらいが相場価格です。
これ以外に足場工事費が加算されます。
葺き替えリフォーム工事の場合は別途既存の屋根材の撤去処分費と下地板調整、防水工事、雑費などが加算されます。
金属屋根の葺き方の種類について
瓦棒葺きとは
「瓦棒葺き」は「縦葺き」の1種で、割とポピュラーな葺き方です。
トタン屋根や金属屋根では、野地板に心木を釘で止め、防水シートを貼り込んだ後、その上にトタンや金属屋根を貼っていきます。
この時にできる心木の凸部分にトタンや金属屋根を、心木の形に合わせて止めていきます。
この出っ張りを「瓦棒葺き」といい、瓦棒で葺かれた屋根を「瓦棒葺き」、「瓦棒屋根」と呼びます。
瓦を使わない金属屋根で瓦棒葺きという呼び方は一般の方には違和感があるかもしれません。
トタン屋根の施工は、屋根の頭頂部の棟から軒先までを1枚の鋼板で貼り込むため、緩勾配の屋根でも施工ができ、雨仕舞も良くなります。
鋼板が加工しやすいので、あらゆる形状の屋根に施工が出来るのもメリットの一つです。
デメリットは夏場の太陽の熱や冬場の寒さ、雨の叩く音などをダイレクトに建物内に伝えるので断熱に工夫をしたり、雨の打ち付ける音などに対して遮音性を上げる必要があります。
経年劣化による退色は塗装工事をすれば問題の解消になります。
また、雨漏れや腐食が起きた場合でも、部分的な貼り替えや上から重ねる方法などで修繕できます。
横葺きとは
金属屋根の葺き方には2種類あり、1つは上記で示した「瓦棒葺き」で、これは地面に対して、鋼板を垂直に葺き込むやり方です。
対して「横葺き」は地面と平行に貼り込んでいく葺き方で、「瓦棒葺き」の様な屋根の面に凸部が出ない鋼板の貼り方となります。
「横葺き」に葺き込んだ屋根を眺めると軒先から棟にかけて、階段状になっているのが判りますが、「瓦棒葺き」屋根と「横葺き」屋根の違いは勾配にあります。
「瓦棒葺き」屋根が緩い勾配でも施工可能なのは、雨水の排出性能が良いことです。
棟から軒先まで段差がなく遮るものがないので、勾配が緩くても雨水が流れます。
対して「横葺き」の屋根は、ほとんどの材料が2寸勾配以上でないと出来ません。
これは屋根材の継ぎ目に段差がある為、雨水の排出性能が落ちるからです。
但し、雨の音は「瓦棒葺き」屋根より「横葺き」屋根の方が遮音性があります。
平葺き
「平葺き」は「横葺き」の1種で、材料同士の重ね合わせた部分の仕上がりが薄く、見た目がシンプルなのが特徴です。
「平葺き」には水平方向に一直線に貼り込む「一文字葺き」とひし形に葺き込む「菱葺き」の2種類があります。
段葺き
こちらも「「横葺き」の1種で材料同士の重ね合わさる部分に段が付くので、重厚さが出ます。
段差部分に約15mm程の厚みがあり、水の切れが良く、風に対してめくれ上がることが少ないというメリットがあります。
金属瓦による葺き方
日本古来の瓦の形に模した金属製の瓦を、屋根材に使う施工方法です。
見た目は和瓦と同じなので、遠目で見ると勘違いするかもしれません。
社寺建築で施工される本瓦葺きを採用円したものですが、重さは和瓦より軽量で耐震性に優れています。
屋根をリフォームする際の最適なリフォーム会社の選び方
屋根リフォームを依頼する場合、その土地の気候風土を熟知し、社歴が長く、職人の出入りが少ない会社が理想です。
屋根リフォームの施工方法には、丸ごと既存の屋根材を撤去して新たに葺き替える「葺き替え工事」と既存の屋根材の上に新しい屋根材を貼り込む「カバー工法」、屋根の塗装工事をする塗装工事」の3種類があります。
また、屋根リフォーム工事の時期は出来れば外壁を足場をかけて行う塗装工事やサイディングの貼り替えと一緒に行うことをお勧めします。
理由は、外壁の修繕も屋根リフォームも足場を組まないとできない工事だからです。
足場の工事費を2回払うより、1度で済ませたほうが経済的でもあります。
工事会社の選定は、新築時の施工メーカーや工事店に依頼できればいいのですが、新たに依頼する場合は、この項で最初に記載した社歴や業務内容の精査が必要になります。
見積もりを依頼する前には、出来るだけ数多くの物件を見ておくといいでしょう。
新築現場を訪問するのではなく、買い物途中でも、出先でも街中の住宅の屋根を眺めるだけで目が養われていきます。
インターネットで画像検索や、屋根業者のサイトを複数確認しながら、気にいったサイトはチェックしておくのもお勧めです。
また見積もりの際は、必ず複数の業者や会社から取り寄せ、合見積もりで検討しましょう。
この提出された見積もりに、「一式」と書かれている場合は、内容の確認を取るようにしてください。
悪質業者は後から工事費用を水増しするため、「一式」と書くことがあるようです。
それを踏まえた上で、施工方法と見積もりの内容がどれほど細かく書かれているかや、依頼する業者の信頼度などの確認も大切です。
屋根リフォームに対応する優良な会社を見つけるには?
ここまで説明してきた屋根リフォームは、あくまで一例となっています。
「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なる」ことがあります。
そのとき大事なのが、複数社に見積もり依頼して必ず「比較検討」をするということ!
この記事で大体の予想がついた方は見積もり比較のステップへ行きましょう!
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この記事の監修者プロフィール
二級建築士、宅地建物取引士。愛知県名古屋市にて高級分譲住宅設計・施工会社に勤務。土地取得からプランニング、施工、販売、お客様のお引っ越し、アフターサービスまでの、住宅に関わる全ての業務に従事。

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