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2020年09月25日更新

建物を増築したら固定資産税は?上がる!?

さまざまな目的で住宅の増築を検討することがあるでしょう。ただし、増築によって固定資産税が上がることがあります。安心して増築工事の計画を立てることができるよう、増築によってどの程度固定資産税の金額に影響があるか実例を交えながら解説します。

  • 【監修者】下久保彰
  • この記事の監修者
    下久保彰
    二級建築設計事務所経営30年

住宅の増築で固定資産税はどうなる?

家族の人数が増えたり、家の中に物が増えることによって、より広い居住スペースが必要となったときに、住宅の増築を検討することもあるでしょう。

しかし、増築をすることで固定資産税に影響はあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

増築すると基本的には固定資産税額が上がる

「増築」とは住宅の床面積の増加を伴う工事のことをいい、増築するということは基本的に固定資産が増えるということになります。

そのため、住宅を増築すると床面積の大小に関わらず、課税される固定資産税は増加すると考えておきましょう。

この住宅に課税される固定資産税は、新築住宅に対して一定の割合で税額が減額される軽減措置が定められています。

減額の対象となるのは居住用部分に対してのみであり、床面積のうち120平方メートルまでの範囲が減額の対象です。

具体的には、戸建住宅であれば3年間、マンション等の集合住宅であれば5年間分の固定資産税が2分の1に減額されます。

固定資産税の軽減措置期間内に住宅を増築した場合は?

では、築年数が短く固定資産税の軽減措置が適用されている期間内に住宅を増築した場合、課税上はどのような扱いとなるのでしょうか。

家屋の評価は自治体によって毎年行われ、1月1日時点の状態で評価額が算出されて税額が決定されます。

そのため、新築住宅として軽減措置が適用されている期間中に増築した場合は、翌年以降の固定資産税に影響がある、ということになります。

軽減措置の適用期間が余っていれば増築分も対象となりますが、全床面積のうち120平方メートルを超える部分は軽減措置の対象とならないため注意しましょう。

増築工事で固定資産税の金額はどれくらい変わるのか?

それでは増築によって固定資産税の金額はどの程度変わるのでしょうか。

そもそも家屋に課税される固定資産税額の金額は、家屋調査によって評価された家屋の評価額を基に算出されます。

本来の固定資産税額の算出方法は、建築物の評価額に1.4%を乗じて求められた額です。

対象となる家屋に新築住宅の軽減措置が適用される場合は、本来の固定資産税額から120平方メートルに相当する分の税額が軽減されます。

固定資産税額の計算例

ここからは、具体的な数字で計算しながら見ていきましょう。

たとえば、木造の戸建て住宅で用途が専用住宅、課税床面積が130平方メートル、評価額が1,200万円の家屋があるとします。

この場合、本来の税額は1,200万円×1.4%=168,000円です。

さらに、この住宅が新築住宅で軽減措置が適用される場合、120平方メートル相当分が減額されます。

まずは120平方メートル相当分の税額を計算しましょう。

168,000円×120平方メートル/130平方メートル=155,076円となります。

軽減措置の適用がある場合はこのうち2分の1が減額されるため、減額分を算出します。

155,076円/2=77,538円

したがって、この住宅の固定資産税は168,000円-77,538円=90,462円となります。

増築面積や構造によっても固定資産税額は異なる

さて、増築工事で固定資産税の金額がどれくらい変わるのかということについてですが、増築面積や構造によって上がる金額は異なります。

仮に既存の住宅を二世帯住宅に変更するような大規模な増築工事を行う場合は固定資産税も大幅に上がる可能性があります。

単純に考えて、上で例に挙げたような規模の増築を行うのであれば固定資産税の増額分は10万円を超えることもあるでしょう。

しかし、サンルームの追加や屋根や壁付きのウッドデッキを追加する程度であれば、年間あたり数千円~2万円程度で済むと考えられます。

家屋の固定資産税額は、家屋調査によって求められる評価額を基に算出されるため、住宅の増築をした場合は調査を受ける必要があります。

住宅の増築工事をした場合は、お住まいの市町村役場への連絡を忘れないようにしましょう。



サンルームやウッドデッキの増築も固定資産税の対象?

サンルームやウッドデッキを作るために増築工事を検討するケースもあるでしょう。しかし、これらの設備が固定資産税の対象となるのでしょうか。

増築するサンルームやウッドデッキが固定資産税の課税対象となるかどうかを知るためには、まずは固定資産税の対象となる建築物とは何かについて知る必要があります。

固定資産税の対象となる建築物とは?

固定資産税の課税対象となる建築物とは、不動産登記法の建築物と同じものを指します。

不動産登記規則第111条では建物について次のように定義しています。

「建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない。」

つまりどういうことかというと、外気分断性、定着性、用途性の3つの要件を満たしていれば建物と見なされ、固定資産税の課税対象となるということです。

3つの要件について簡単にご説明します。

まず「外気分断性」とは、3方向以上が壁や窓、ガラスなどで囲まれており、天井があって外気と分断されていることを言います。

次に「定着性」とは、基礎などで地面に固定されており、容易に移動できないことを言います。

そのため、セメントレンガなどの上にただ柱を乗せているだけのようなものであれば定着性があるとは言えません。

最後に「用途性」とは、目的に応じた利用ができる状態のものであることを言います。

増築するサンルームやウッドデッキが固定資産税の課税対象であるかどうかは、上記の要件全てに該当するかどうかで判断します。

構造によってはサンルームやウッドデッキも対象に

サンルームのように屋根があり、3方向以上をガラスで囲まれているような場合は課税対象となるケースが多いでしょう。

しかし、壁や屋根のないウッドデッキを増築しただけでは固定資産税の課税対象とはなりません。

そのため、同じサンルームやウッドデッキであっても、増築する設備の構造によっては課税対象となることもあれば、ならないこともあるのです。

もし課税対象となる設備を増築する場合、固定資産税の課税対象となるだけでなく建物表題変更登記も必要となります。

また、増築面積によっては建築確認申請の提出が必要になるケースもあります。

増築を行う場合はどのような申請が必要となるかは、お住まいの市町村役場へ確認しましょう。

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