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2020年11月03日更新

【太陽光発電と蓄電池】電力の自家消費について解説!

蓄電池は、太陽光発電で発生した電力を自家消費に向けることができるため、電力料金の大幅な節約に貢献します。蓄電池の導入を検討する際に知っておきたい、太陽光発電に蓄電池設置が進んでいる背景や、同時設置の良し悪し、費用の相場、補助金について紹介します。

  • 【監修者】弘中純一
  • この記事の監修者
    一級建築士事務所アルド住宅研究所
    弘中純一

太陽光発電で使われている蓄電池とはどのようなものなのか

蓄電池とは、電気を蓄えておくことができる容量の大きな電池です。

近年、各地で自然災害などに伴う大規模な停電が発生したこともあって、蓄電池はどんどん脚光を浴びる存在になってきています。

太陽光発電だけを設置する場合、発電した電気を溜めておくことができず、その都度消費する方法しかありません。

蓄電池があれば、太陽光発電で発生した電力を、充電してストックしておくことができるようになります。

蓄電池に充電した電力は、夜間や停電時などに自家消費用に向けることができるため、電気代の節約や非常時の代替電源が得られるというメリットがあります。

石油や天然ガスなどの化石燃料を燃焼させることもなく、太陽の光がエネルギー源になるため、環境に優しいクリーンエネルギーであることも特徴です。

また、蓄電池に充電した電力は、家庭用の電化製品はもとより、電気自動車の充電用としても利用できるため、ガソリンなどの資源を消費しない省エネ効果も発揮します。

太陽光発電に蓄電池設置が進んでいる背景に何があるのか

太陽光発電は主に、これまで「FIT」と呼ばれる、国が保証する電力の定額買取制度によって普及が進んできたのですが、家庭用の場合は買取期間が10年で終了します。

この制度は2009年に開始されたため、10年後の2019年からは、既存の太陽光発電についての買取期間が順次終了していくことになります。

買取期間終了後も売電は可能ですが、電力の売却価格は大きく低下しています。

ちなみに、電力の買取価格は、制度開始直後の2009年と2010年には、1kwh当たり48円であったものが、2011年には42円、2019年には24円と大きく値下がりしてきました。

買取期間が終了後の価格は随時見直される予定ですが、2020年では1kwh当たり7円から9円と、さらに大幅な値下がりです。

このため、太陽光発電の電力を、売電から自家消費に切り替える動きが加速し始めました。

ただし、太陽光発電だけでは、自家消費できるのが昼間だけに限られることに加え、昼の自家消費を上回る電力を利用できません。

そこで、電力を貯めておくことができる蓄電池に、注目が集まることになったというわけです。

一方、災害時の非常用電源としての価値が見直されていることも、蓄電池が脚光を浴びる大きな要因となっています。

近年は各地で頻発する豪雨や台風、地震など、予測できない自然災害による大規模な停電を経験し、電気の安定供給の重要性が再認識されています。

生活に欠かすことができない必需品の電気製品も、電気が使えなければ役に立ちません。

特に、暑さ寒さの中で生活するのに欠かせないテレビやパソコン、冷蔵庫、エアコンなどが使えないだけでなく、情報入手に必須の携帯電話の充電さえできないといった状態になってしまいます。

このような場合に蓄電池があれば、電気の供給が遮断された場合でも、必要な電気製品を使い続けることができ、安全や安心を確保することが可能になります。



太陽光発電のソーラーパネルと蓄電池の設置は同時がいい?

一般的に、蓄電池はこれまで主な目的を売電としていた太陽光発電を、自家消費用にシフトチェンジするために設置するケースが多いと考えられます。

蓄電池の設置費用と節約額

FITの買取期間が終了すると、売電価格が1kwh当たり7円から10円程度と大幅に下がってしまいますが、この電力を、蓄電池と併用して自家消費に充てれば、光熱費を大幅に軽減することが可能です。

電力会社から購入する電力は、1kwhあたり27円程度ですから、太陽光発電と蓄電池を利用して自給自足すれば、この電気代をカットできるのです。

1ヵ月当たりの平均的な家庭の電気使用量は400kwh前後ですから、自給自足できたとすれば、月に約1万円節約できる計算になります。

一方、蓄電池を設置するためには、本体価格と、設置工事費や電気系統の工事費がかかり、蓄電容量1kwh当たり15万円から30万円程度が相場となっています。

一般的には、5kWhから7kWh程度の蓄電池を設置することが一般的ですから、設置費用の総額では、75万円から210万円程度かかることになります。

かりに、電力を自給自足して月額1万円節約できたとしても、蓄電池の設置コストを上回る節約額になるのは、最低でも6年以上先という計算になります。

太陽光発電のソーラーパネルと蓄電池の同時設置

では、太陽光発電のソーラーパネルと蓄電池を同時に設置するケースを考えてみましょう。

同時に設置することによって、一部の工事で初期費用を軽減できることや、値引きが期待できる可能性はあります。

次に、費用相場です。蓄電池を単体で設置する費用は、本体価格と工事費を合わせ、蓄電容量1kwh当たり15万円から30万円程度が相場です。

これに対して、太陽光発電を設置する費用の相場は、経済産業省の公表資料によると2019年の実績で1kwh当たり約30万円です。

初期費用の軽減や値引きを除いて考えると、ソーラーパネルと蓄電池を同時に設置する場合は、1kwhの容量の設備を設置するために、約45万円から60万円かかることになります。

蓄電池の蓄電容量を一般的な5kwh、太陽光発電の発電容量も平均的な5kwhの設備を同時に導入する場合は、設置費用の総額で225万円から300万円かかる計算になります。

節約額で導入コストを回収しようとすれば、最低でも19年近くかかることになります。

このため、災害用に備えることを目的として導入するのであれば、蓄電池を単独で導入して、コンセントから充電する方法についても検討する余地があると言えるでしょう。

なお、費用相場については、規模と大きさ、メーカー機種などによって価格に幅があります。

したがって、ここで紹介した金額や計算結果は、あくまでも目安であることにご注意ください。

また、同時の設置が良いかどうかを判断する際には、導入の目的を明確にして、初期費用の軽減額や値引き額を含めた導入費用を見積もってもらった上で、比較することが大切です。

太陽光発電に使用する蓄電池は補助金の対象になる?

蓄電池導入への補助は、国をはじめとして、都道府県や市町村など地方自治体でも提供されています。

ただし、年度によって補助の有無や内容などが異なるため、条件に合うかどうか、その都度確認する必要があります。

国の補助

国の補助制度として「ZEH補助金」があります。高度な省エネを目指すZEH住宅に、一定の要件を満たす蓄電池を設置する場合が、補助の対象です。

ZEHは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの頭文字を採った略称で、石油や天然ガスなど、採掘資源から得られる一次エネルギーの収支をゼロとすることを目指す、高度な省エネ住宅を意味します。

ZEH住宅の新築や購入のほか、既存の住宅をZEHに改修する個人を対象として、ZEHに蓄電設備を設置して、停電時にも自立可能な災害に強いシステムを備える場合、最大135万円が補助されます。

また、集合住宅については「先進的再エネ熱等導入支援事業」を併せて利用することが可能で、ZEHの補助対象住宅に蓄電システムを導入する場合、最大20万円の追加補助を受けることもできます。

地方自治体の補助

都道府県や市町村においても、国が推進する蓄電池導入の施策にあわせ、独自の補助金制度を提供している場合があります。

地方自治体における補助は、どこでも一律に実施されているわけではなく、施策の優先順位や緊急性、予算の有無などによって年度ごとに異なっています。

このため、制度の有無や内容を知るには、設置する住所に該当する都道府県庁や市区町村役場の担当課、あるいはそれぞれのホームページで確認する必要があります。

なお、補助制度がある場合、適用を受けるためには申請が必要ですが、受付は先着順で、年度の予算額に達した時点で受付終了になるケースが多いなど、早い者勝ちの傾向があることなどにも注意が必要です。

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