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2023年01月04日更新
【蓄電池と太陽光発電】設置費用や導入のメリット・補助金について解説
蓄電池は、太陽光発電で発生した電力を自家消費に向けることができるため、電力料金の大幅な節約に貢献します。蓄電池の導入を検討する際に知っておきたい、太陽光発電に蓄電池設置が進んでいる背景や、同時設置の良し悪し、費用の相場、補助金について紹介します。
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- 監修者岩納 年成
目次
太陽光発電で使われている蓄電池とは?
蓄電池の基本情報
蓄電池とは、電気を蓄えておくことができる容量の大きな電池です。
近年、各地で自然災害などに伴う大規模な停電が発生したこともあって、蓄電池はどんどん脚光を浴びる存在になってきています。
太陽光発電だけを設置する場合、発電した電気を溜めておくことができず、その都度消費する方法しかありません。
蓄電池があれば、太陽光発電で発生した電力を、充電してストックしておくことができるようになります。
蓄電池に充電した電力は、夜間や停電時などに自家消費用に向けることができるため、電気代の節約や非常時の代替電源が得られるというメリットがあります。
石油や天然ガスなどの化石燃料を燃焼させることもなく、太陽の光がエネルギー源になるため、環境に優しいクリーンエネルギーであることも特徴です。
また、蓄電池に充電した電力は、家庭用の電化製品はもとより、電気自動車の充電用としても利用できるため、ガソリンなどの資源を消費しない省エネ効果も発揮します。
蓄電池に太陽光発電の光を蓄える仕組み
蓄電池は太陽光発電で集めた電気を蓄えることができるため、節電効果があります。
まず、太陽光パネルで発電した直流電気がパワーコンディショナーに集められ、家庭で使用可能な交流電気に変換されます。その変換された電気を各家電で使用し、余った電気が再度直流に変換され蓄電池に蓄えられる仕組みです。
蓄電池は2つの電極と電解液で構成されており、正極は電解液に溶けにくく、負極は電解液に溶けやすいという特徴があります。この電解液への溶けやすさの差が大きいほど電圧が高くなります。
蓄電を行う際には、正極の金属が電解液に溶け出し、電子が負極に移るという化学反応によって電気を蓄えています。
通常、太陽光発電による電気を蓄電池に蓄える際には二度の変換を行いますが、その際に発電ロスが起きてしまいます。しかしハイブリッド型の蓄電池を活用すれば、一度の変換で効率よく電気を蓄えることが可能です。
蓄電池の容量別の特徴
蓄電池には容量があり、5kWh未満のものから8kWh以上のものなど複数の種類があります。蓄電池の容量は大きければ大きいほど電気をたくさん蓄えることができ、非常時でも多くの電化製品を長く使用できます。
5kWh未満
5kWh未満の蓄電池はコンパクトであるという特徴があります。サイズがエアコンの室外機と同程度で設置しやすいのがメリットです。さらにコンパクトなものになると、キャスター付きで室内に設置できるものもあります。
しかしサイズが小さいため、あまり電気を使わない家庭や太陽光発電を設置している家庭におすすめです。太陽光発電を利用している家庭では蓄電池から使用する電力量が少ないため、低容量の蓄電池で済むことが多いです。
5~8kWh未満
家庭用蓄電池として一般的な容量のものが5kWh〜8kWh未満の蓄電池です。家庭用でメジャーな容量であるため、いろいろなメーカーがこのタイプの蓄電池を販売しています。
メーカーの選択肢が豊富であり、この容量のものは停電などが起きてしまった際でも支障なく使用することができます。
5kWh~8kWh未満の蓄電池はコストパフォーマンスの良い容量で、メーカーや機種によっては停電時全負荷対応など高機能なものも選ぶことができます。有名メーカーの蓄電池などを検討している方にはおすすめです。
8kWh以上
電気の使用量が多い大家族向けが8kWh以上の蓄電池です。一般的に、エアコンや冷蔵庫などの家庭用の電化製品を使った場合、1日あたり約8kWh〜約12kWh程度の電力消費が行われるのが一般的です。
使用人数が多い場合、1日の電気使用量はゆうに10kWhを超えてしまいます。深夜電力を蓄電池に充電し、太陽光発電がない場合でも、昼間必要な電力として最大限に活用することを可能にするためには容量の大きい蓄電池を選びましょう。
なお、蓄電池の最大容量は消防法によって4800Ah(17.76kWh)未満と決められています。
蓄電池1台で何日分の電気が使える?
環境省が公表している一般家庭の1日の消費電力は約8kWh〜約12kWhとなっており、停電が起きた際には8kWh以上の容量の蓄電池でも1日で電力がなくなってしまいます。
停電時の備えとして蓄電池を活用しようとお考えの場合は、停電時にどのくらいの電力が必要なのかを実際に計算してそれに見合った容量の蓄電池を導入すると良いでしょう。
家庭によって使用する電化製品は異なりますが、停電時にエアコンなど電力消費の激しい家電を使用すると蓄電池に蓄えられた電力をすぐに消費してしまいます。
しかし、現在販売されている家庭用蓄電池のなかで最大容量である16.6kWhのタイプを使用している場合などは、使用する電力量が少ないと2日以上持つというケースもあるでしょう。 (2022/10/8現在の情報です。)
太陽光発電に蓄電池設置が進んでいる背景に何があるのか
太陽光発電は主に、これまで「FIT」と呼ばれる、国が保証する電力の定額買取制度によって普及が進んできたのですが、家庭用の場合は買取期間が10年で終了します。
この制度は2009年に開始されたため、10年後の2019年からは、既存の太陽光発電についての買取期間が順次終了していくことになります。
買取期間終了後も売電は可能ですが、電力の売却価格は大きく低下しています。
ちなみに、電力の買取価格は、制度開始直後の2009年と2010年には、1kwh当たり48円であったものが、2011年には42円、2019年には24円と大きく値下がりしてきました。
買取期間が終了後の価格は随時見直される予定ですが、2020年では1kwh当たり7円から9円と、さらに大幅な値下がりです。
このため、太陽光発電の電力を、売電から自家消費に切り替える動きが加速し始めました。
ただし、太陽光発電だけでは、自家消費できるのが昼間だけに限られることに加え、昼の自家消費を上回る電力を利用できません。
そこで、電力を貯めておくことができる蓄電池に、注目が集まることになったというわけです。
一方、災害時の非常用電源としての価値が見直されていることも、蓄電池が脚光を浴びる大きな要因となっています。
近年は各地で頻発する豪雨や台風、地震など、予測できない自然災害による大規模な停電を経験し、電気の安定供給の重要性が再認識されています。
生活に欠かすことができない必需品の電気製品も、電気が使えなければ役に立ちません。
特に、暑さ寒さの中で生活するのに欠かせないテレビやパソコン、冷蔵庫、エアコンなどが使えないだけでなく、情報入手に必須の携帯電話の充電さえできないといった状態になってしまいます。
このような場合に蓄電池があれば、電気の供給が遮断された場合でも、必要な電気製品を使い続けることができ、安全や安心を確保することが可能になります。
太陽光発電のソーラーパネルと蓄電池の設置は同時がいい?
一般的に、蓄電池はこれまで主な目的を売電としていた太陽光発電を、自家消費用にシフトチェンジするために設置するケースが多いと考えられます。
蓄電池の設置費用と節約額
FITの買取期間が終了すると、売電価格が1kwh当たり7円から10円程度と大幅に下がってしまいますが、この電力を、蓄電池と併用して自家消費に充てれば、光熱費を大幅に軽減することが可能です。
電力会社から購入する電力は、1kwhあたり27円程度ですから、太陽光発電と蓄電池を利用して自給自足すれば、この電気代をカットできるのです。
1ヵ月当たりの平均的な家庭の電気使用量は400kwh前後ですから、自給自足できたとすれば、月に約1万円節約できる計算になります。
一方、蓄電池を設置するためには、本体価格と、設置工事費や電気系統の工事費がかかり、蓄電容量1kwh当たり15万円から30万円程度が相場となっています。
一般的には、5kWhから7kWh程度の蓄電池を設置することが一般的ですから、設置費用の総額では、75万円から210万円程度かかることになります。
かりに、電力を自給自足して月額1万円節約できたとしても、蓄電池の設置コストを上回る節約額になるのは、最低でも6年以上先という計算になります。
太陽光発電のソーラーパネルと蓄電池の同時設置
では、太陽光発電のソーラーパネルと蓄電池を同時に設置するケースを考えてみましょう。
同時に設置することによって、一部の工事で初期費用を軽減できることや、値引きが期待できる可能性はあります。
次に、費用相場です。蓄電池を単体で設置する費用は、本体価格と工事費を合わせ、蓄電容量1kwh当たり15万円から30万円程度が相場です。
これに対して、太陽光発電を設置する費用の相場は、経済産業省の公表資料によると2019年の実績で1kwh当たり約30万円です。
初期費用の軽減や値引きを除いて考えると、ソーラーパネルと蓄電池を同時に設置する場合は、1kwhの容量の設備を設置するために、約45万円から60万円かかることになります。
蓄電池の蓄電容量を一般的な5kwh、太陽光発電の発電容量も平均的な5kwhの設備を同時に導入する場合は、設置費用の総額で225万円から300万円かかる計算になります。
節約額で導入コストを回収しようとすれば、最低でも19年近くかかることになります。
このため、災害用に備えることを目的として導入するのであれば、蓄電池を単独で導入して、コンセントから充電する方法についても検討する余地があると言えるでしょう。
なお、費用相場については、規模と大きさ、メーカー機種などによって価格に幅があります。
したがって、ここで紹介した金額や計算結果は、あくまでも目安であることにご注意ください。
また、同時の設置が良いかどうかを判断する際には、導入の目的を明確にして、初期費用の軽減額や値引き額を含めた導入費用を見積もってもらった上で、比較することが大切です。
蓄電池と太陽光発電を同時に導入するメリット・デメリット
蓄電池と太陽光発電を同時に導入するメリットとデメリットを紹介します。
蓄電池と太陽光発電を同時に導入するメリット
蓄電池と太陽光発電を同時に導入するメリットの1つ目は、停電時でも電気が使用できるという点です。停電時には太陽光発電からの電気の供給も停止しますが、蓄電池に蓄えておいた電気を使用する事で停電時にも家電などを使用できます。
しかし停電時に通常の状態と同じ電気量を使用していると、蓄電池に蓄えた電気もすぐになくなってしまうため注意が必要です。
また、災害時や停電時にはあらかじめ決めておいた部屋にのみ電気を供給することで電力消費を抑えることが可能なタイプの蓄電池もあります。
メリット2つ目は、電気代を削減できるという点です。太陽光発電は昼間に発電をしますが、昼間は使う電気が少ないため自家消費しきれない場合が多いです。蓄電池があれば、その蓄えておいた電気を使用できるため電気代を削減できます。
長期的に考えると、日中に発電した電気を蓄えておいて、それを夜間などの発電量がほぼない時間帯に使用することで電気代を削減することができるため、設備する際の初期費用はかかるものの蓄電池と太陽光発電は同時に導入することをおすすめします。
メリット3つ目は個別で導入するよりも同時に設置することで費用を抑えることができるという点です。設備する際の初期費用がかかることは変わりませんが、工事を一度で済ませることができることは、間接工事費や経費などを抑えられることにつながります。
費用を抑えて蓄電池を導入したいと考えている方は、太陽光発電と同時に蓄電池を設置することをおすすめします。
蓄電池と太陽光発電を同時に導入するデメリット
蓄電池と太陽光発電を同時に導入するデメリット1つ目は初期費用がかかる点です。
蓄電池の本体価格は容量によって異なりますが、いずれにしても費用が高額になりがちです。初期費用とその後の経済的メリットを比較して選択しましょう。
その際、建物の立地も太陽光発電の発電効率に大きく関わるため、十分にシュミレーションを行う必要があります。
デメリット2つ目は設置するスペースを確保しなければならないという点です。蓄電池のサイズはメーカーや蓄電池の容量によりますが、メンテナンスに必要なスペースなども加えて確保しなければなりません。
設置するスペースは屋内か屋外のどちらかで、高温や低温になりすぎない結露しない場所が望ましいです。
デメリット3つ目は太陽光発電と蓄電池それぞれにメンテナンスが必要になるという点です。いずれも使用環境や使い方によって劣化が早まることがあるため、適切な時期にメンテナンスを行わなればなりません。
太陽光パネルに後から蓄電池をつけるには?
太陽光パネルに後から蓄電池を接続することも可能です。ただし、太陽光パネルのメーカーや設置の状況、パワーコンディショナーの組み合わせによって希望の蓄電池が設置できない可能性があることに注意が必要です。
蓄電池は電気を蓄える蓄電ユニットと蓄電池に送る電気を変換するパワーコンディショナーで構成されています。蓄電池を後付けする際にはパワーコンディショナーについても検討しなければなりません。
太陽光発電用のパワーコンディショナーがある場合には、蓄電池用のパワーコンディショナーを後付けする必要があります。同じ蓄電池の容量でもパワーコンディショナーが別々であるタイプは費用を安く設置できます。
また蓄電池用と太陽光発電用のパワーコンディショナーが1台で共有できるハイブリッド型の蓄電池もあります。このタイプは太陽光で発電した電気の変換が一度で済むため電気のロスが少なくなります。
太陽光発電に使用する蓄電池は補助金の対象になる?
蓄電池導入への補助は、国をはじめとして、都道府県や市町村など地方自治体でも提供されています。
ただし、年度によって補助の有無や内容などが異なるため、条件に合うかどうか、その都度確認する必要があります。
国の補助金制度
国の補助制度として「ZEH補助金」があります。高度な省エネを目指すZEH住宅に、一定の要件を満たす蓄電池を設置する場合が、補助の対象です。
ZEHは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの頭文字を採った略称で、石油や天然ガスなど、採掘資源から得られる一次エネルギーの収支をゼロとすることを目指す、高度な省エネ住宅を意味します。
ZEH住宅の新築や購入のほか、既存の住宅をZEHに改修する個人を対象として、ZEHに蓄電設備を設置して、停電時にも自立可能な災害に強いシステムを備える場合、最大135万円が補助されます。
また、集合住宅については「先進的再エネ熱等導入支援事業」を併せて利用することが可能で、ZEHの補助対象住宅に蓄電システムを導入する場合、最大20万円の追加補助を受けることもできます。
地方自治体の補助金制度
都道府県や市町村においても、国が推進する蓄電池導入の施策にあわせ、独自の補助金制度を提供している場合があります。
地方自治体における補助は、どこでも一律に実施されているわけではなく、施策の優先順位や緊急性、予算の有無などによって年度ごとに異なっています。
このため、制度の有無や内容を知るには、設置する住所に該当する都道府県庁や市区町村役場の担当課、あるいはそれぞれのホームページで確認する必要があります。
なお、補助制度がある場合、適用を受けるためには申請が必要ですが、受付は先着順で、年度の予算額に達した時点で受付終了になるケースが多いなど、早い者勝ちの傾向があることなどにも注意が必要です。
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この記事の監修者プロフィール

IEMUS
岩納 年成 大手ゼネコン会社にて、官公庁工事やスタジアム、免震ビル等の工事管理業務を約4年経験。
その後、大手ハウスメーカーにて注文住宅の商談・プランニング・資金計画などの経験を経て、木造の高級注文住宅を主とするビルダーを設立。
土地の目利きや打ち合わせ、プランニング、資金計画、詳細設計、工事統括監理など完成まで一貫した品質管理を遂行し、多数のオーダー住宅を手掛け、住まいづくりの経験は20年以上。
法人の技術顧問アドバイザーとしても活動しながら、これまでの経験を生かし個人の住まいコンサルテイングサービスも行っている。

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