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2022年03月07日更新
エコジョーズとエコキュートの比較、お得なのはどちら?
給湯器の入れ替えを検討している際、ランニングコストが安い給湯器として「エコジョーズ」や「エコキュート」という名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。ここではそれぞれの特徴はもちろんのこと、初期費用やランニングコストの差額も踏まえて徹底解説します。給湯器の交換を検討されている方は、どちらの給湯器を選ぶことがより適切なのか判断する材料になりますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
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- 監修者久田麻里子
目次
エコジョーズとエコキュートとは?
エコジョーズとエコキュートはそれぞれ熱源の違う高効率の給湯器です。
ここではそれぞれの特徴や仕組みについて紹介します。
エコジョーズとは何か?
エコジョーズとは熱源にガスを用いる給湯システムで、通常のガス給湯器とは異なり2つの熱交換器を利用してお湯を沸かします。
1つ目の熱交換器内で排気熱を利用して水を少し温めた状態にしてから2つ目の熱交換器でガスを燃やして、1つ目の熱交換器で温めた水をお湯に変える仕組みです。
従来の給湯器とは違い排気熱を利用して水を少し温めてからお湯にするため、ガス代の節約ができるという特徴があります。
エコキュートとは何か?
エコキュートとは大気熱を利用してお湯を沸かし、沸かしたお湯をタンクに貯めておく電気式の給湯器です。エコキュートを効率よく使用する場合には、時間帯別の電気契約をすることが前提条件になります。
仕組みとしては、夜間の安い電気を使用してヒートポンプユニットを運転させ、大気熱を用いて約80度のお湯を生成し、貯湯タンクに貯めます。
使用する際にはタンクのお湯と水を混ぜ合わせて設定している温度に調整しながら使用するため、沸かすタイミング以外ではコストがほとんどかかりません。
また、沸かす際にも夜間の安い電気代を使用することから、ランニングコストが安いという特徴があります。
エコジョーズとエコキュートの違いとは?
エコジョーズとエコキュートには一体どのような違いがあるのでしょうか。
簡単に下記の表にまとめてみました。
エコキュート | エコジョーズ | |
---|---|---|
燃料 | 電気 | ガス |
導入費用 | 約60万円〜 | 約20万円〜 |
ランニングコスト | 安い | 比較的高い |
安全性 | 非常に安全 | 不完全燃焼のリスク有り |
飲用 | 煮沸すれば可能 | そのまま可能 |
設置スペース | 広いスペースが必要 | 狭いスペースで設置可能 |
耐用年数 | 約10年〜約15年 | 約8年〜約10年 |
使える湯量 | 制限あり | 制限なし |
水圧 | 水道より少し弱い | 水道と同等 |
災害時のお役立ち度 | 非常用水として使用可 | なし |
湯沸かし時の音 | 深夜に音が出る | 使用時のみ音が出る |
ここからは表だけでは比較しにくい点について、いくつか補足説明をしていきます。
ランニングコスト
エコジョーズは通常のガス給湯器と比較するとガス代の節約に繋がるため一見ランニングコストが安いような気がしますが、エコキュートと比較すると実はそうでもないのです。
エコキュートは深夜の安い電気を使用して沸かしたあとはコストがかからないのに対し、エコジョーズはお湯を使用するたびに沸かすため、コストがかかります。
そのため使用頻度にもよりますが、一般的にはエコジョーズの方がランニングコストが高いのです。
設置スペース
エコキュートは貯湯タンクとヒートポンプユニットの2つによって構成されているため広いスペースが必要です。
また、配管に関してもタンクの部分に給水、給湯、循環の配管が必要で、ヒートポンプとタンクをつなぐ配管も必要なため、エコジョーズと比較すると設置場所が限られやすいでしょう。
使える湯量
エコジョーズはお湯を使用したい時にその都度お湯を沸かすため、制限なくお湯を使用することが可能です。
一方でエコキュートは、沸かしたお湯をタンクに貯めて、必要な際に水と混合させて適温に調整しながら使用するため、タンク内のお湯が無くなってしまうとお湯を使用することができません。
そのため使える湯量について制限ありと表記をしました。
しかし、エコキュートにはタンク内のお湯が少なくなった際に沸き増しを行い、使えるお湯の量を増やす機能がついている場合がほとんどですので、この機能を忘れずに使用することで使えるお湯の量を調整することができます。
災害時のお役立ち度
エコキュートのタンクに貯めているお湯は、災害時に非常用水として直接取り出して使用することができます。
タンク内の汚れが混入する恐れがあるため飲用することは推奨できませんが、生活用水として活用できるため災害時に大いに役立つと言えるでしょう。
簡単にエコジョーズとエコキュートの違いについて比較してみました。エコジョーズとエコキュートどちらを設置するか迷っている場合には参考にしてみてください。
エコジョーズとエコキュートどちらを選ぶべきか?
実際のところそれぞれにメリット・デメリットがあるため、エコジョーズとエコキュートのどちらを選んだほうが良いか判断するのは難しいです。
しかし、エコジョーズとエコキュートを選ぶ上で基準とするべき項目がいくつかあり、その項目に沿って選ぶ事でよりお得に給湯器を使用する事ができます。
ここではその判断基準を5つに分けて紹介します。
家族構成を判断基準にする
エコジョーズはお湯を使用する時にその都度お湯を沸かすため、使用する人数が何人でもお湯が使えなくなることはありません。
しかし、エコキュートはタンク容量によって家族の人数の目安がある程度定められており、一般的には下記のような目安になります。
- 300L:2~4人
- 370L:3〜5人
- 460L:4〜6人
- 560L:7〜8人
このほかにも3人以下の家族向けに300Lよりも小さい容量の商品もあります。
二世帯や三世帯で暮らしていて、これらの人数を上回っている場合にはお湯の量が足りなくなる可能性が高いため、エコジョーズを選ぶことをおすすめします。
入浴習慣を判断基準にする
エコジョーズは給湯時のガス代を節約する効果があるため、お湯を頻繁に使う家庭ほど恩恵を受けやすいです。そこで大きな判断基準になるのが現在の入浴習慣です。
結論から申し上げると、毎日湯船に浸かる場合はエコジョーズを、シャワーが中心の場合にはエコキュートをおすすめします。
浴槽にお湯を張る場合、浴槽の大きさにもよりますが、約200Lのお湯を消費するため、エコジョーズを使用することで節約できるガス代が大きくなる可能性が高いのです。
一方でエコキュートは、基本的に浴槽にお湯を張っても湯切れの心配はありませんが、シャワーのみの場合と比較すると使用できるお湯の量に大きな差が出てしまいます。
これらのことを考えると先ほど申し上げた通り、湯船に浸かる頻度が高い方はエコジョーズを、シャワーが中心の方にはエコキュートを使用することがおすすめです。
住宅を判断基準にする
住宅の状況によっては設置できる給湯器が決まっている場合があります。
一例として挙げると、エコジョーズを設置する場合にはドレンの配管が必要です。しかし、ドレン配管ができない場合、ドレン排水の処理が出来ず設置することが出来ません。
エコキュートは深夜にヒートポンプが運転して音を発するため、近隣の家との距離が極端に近い場合、クレームの原因となるかもしれません。
事前に話し合いをした上で設置するようにしましょう。独断で設置してしまうと近隣トラブルを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
いずれの判断も個人では難しいケースが多いため、専門業者に現場の確認をしてもらい、どの方法が適切なのか判断を仰ぐようにしましょう。
家庭・ライフスタイルを判断基準にする
ここではエコジョーズ、エコキュートそれぞれおすすめの家庭・ライフスタイルを紹介します。
エコジョーズがおすすめ
以下の4点に該当する場合はエコジョーズがおすすめです。
- エコキュートを設置できるスペースがない
- お湯をたくさん使用する
- 床暖房を使用する
- 昼間は在宅勤務などで基本的には家にいる
エコキュートはタンクとヒートポンプの2つを設置する必要があり、設置には広いスペースが必要になります。
スペースが狭い場合にはエコキュートの設置ができないため、エコジョーズがおすすめとなります。
前述しましたが、エコジョーズは給湯時のガス代を節約するため、あまりお湯を使用しない場合には節約の効果も薄くなります。
多くのお湯を使用する場合には節約効果が期待できるため、エコジョーズがおすすめです。
床暖房を使用する場合には熱源を1つにまとめることができ、1つの機器で床暖房まで使用できるエコジョーズがおすすめです。
エコキュートにも床暖房を併用できる機器がありますが、結局のところタンクのお湯を使用してしまうため、使えるお湯の量が減ってしまいます。
エコジョーズなら使用できるお湯の量に制限がないこともあり、床暖房の併用には適しているのです。
エコキュートを使用する際には夜間の電気代が安く、昼間の電気代が高いプランで電気料金の契約をすることが一番光熱費の節約に繋がります。
しかし、昼間も家にいて電気を使う機会が多い場合、かえって電気代が高くなってしまう恐れがあります。
電力会社に依頼することで、ある程度の料金シュミレーションをおこなってくれるため、実際にシュミレーションをおこない、電気料金が高くなる場合にはエコジョーズを設置しましょう。
エコキュートがおすすめ
エコキュートがおすすめの方は以下の4点に該当している方です。
- 光熱費を節約したい
- オール電化を利用したい、もしくはIHクッキングヒーターを使用している
- プロパンガスを使用している
- 安全性を重視している
エコキュートの一番のメリットはランニングコストの安さです。
エコジョーズは給湯時のガス代のみ節約になるため、光熱費を節約したい方にはやや物足りなさを感じてしまう場合があります。
エコキュートのランニングコストは一般的なガス給湯器(プロパンガス)と比較すると約4分の1と言われているため、光熱費を節約したいと考えている方にはエコキュートがおすすめです。
オール電化を利用したいと考えている方、IHクッキングヒーターをすでに使用している方には、エコキュートがおすすめです。
家で使用する熱源をまとめることで余計な基本料金をかける必要がなくなり、光熱費の節約が見込めます。
前述した通りプロパンガスを使用しているガス給湯器のランニングコストは、エコキュートの約4倍です。
この場合、10年間使用することで、エコキュートの初期費用を回収できることもあるためエコキュートの設置がおすすめです。
エコジョーズはガスを燃やしてお湯を沸かすシステムのため、不完全燃焼などで火事を引き起こす恐れがあります。
一方でエコキュートは火を使わずお湯を沸かすため安全な給湯器です。安全性を重視している場合にはエコキュートを設置しましょう。
自治体の補助金を判断基準にする
エコキュート、エコジョーズともに導入することで自治体から補助金をもらえる場合があります。
「リフォーム補助金」や「省エネ事業」などの名前で出ている場合がありますので自治体に確認するようにしましょう。
給湯器の設置をする場合、設置状況などやむを得ない事情を除いては、入れ替えた後に得られるメリットが大きい商品を選ぶことで失敗が少なくなります。
まずは、今の生活スタイルにあった給湯器を選定してみるようにしましょう。
エコジョーズとエコキュートそれぞれの注意点
エコジョーズとエコキュートにはそれぞれいくつか注意点があります。
ここではそれぞれの注意点を分けて紹介しますので、事前に把握しておきましょう。
エコジョーズの注意点
エコジョーズの主な注意点は以下の3つです。
ドレン配管が必要
エコジョーズは排熱を再利用して水を温めますが、この排熱の温度を下げるために水蒸気が発生します。
この水蒸気が凝縮することでドレン水になるのですが、このドレン水は下水道法に則って適切に排水しなければなりません。
エコジョーズの設置にはドレン排水用の配管工事が必要になることを認識しておきましょう。
酸性の排気ガスが出る
エコジョーズは燃焼時に酸性の排気ガスを放出します。
この排気ガスが金属製品やコンクリート壁などにあたる場合、腐食や変色の原因になります。
設置前に確認し、やむを得ない場合には排気カバーやアダプターを使用して排気方向を変える工夫が必要です。
不完全燃焼する可能性がある
エコジョーズはガスを燃やしてお湯を作るため、酸素不足による不完全燃焼を起こす場合があります。
鳥の巣やゴミなどでエコジョーズの酸素取り込みが妨げられてしまうと、不完全燃焼を起こしてしまうため、定期的にエコジョーズの周辺や給排気口の周りを確認するようにしましょう。
エコキュートの注意点
以下の2点がエコキュートの注意点です。
寝室の近くに設置しない
エコキュートは深夜の安い電気を使用してお湯を沸かす仕組みのため、ヒートポンプが稼働するのは夜中になります。
寝室の近くに設置すると、音が気になってしまう場合があるため、気をつけるようにしましょう。
お湯の沸き増しをおこなうと光熱費が高くなる
基本的にエコキュートは夜間にお湯を沸かして、日中にお湯を沸かすことはありません。
しかし、急に人数が増えた場合など、お湯が足りなくなった際に沸き増しの機能を使う必要が出てきます。
この場合、その時間帯の電気料金で沸き上げを行うため、電気代が嵩んでしまう恐れがあり、注意が必要です。
それぞれの注意点を簡単にまとめましたが、使用環境や使用状況によっても注意するべき点は変わります。設置する前に専門業者に確認することをおすすめします。
エコジョーズとエコキュートの初期費用と年間コストとは?
実際にエコジョーズとエコキュートを設置する場合の初期費用と年間のランニングコストはどの程度なのでしょうか。
簡単に下記の表にまとめてみました。
4人家族想定 | エコキュート | エコジョーズ |
---|---|---|
初期費用 | 約60万円〜 | 約20万円〜 |
年間コスト | 約2万5千円 | 約12万円 |
設置条件や選定する機種によって初期費用は大きく変わる可能性があるため、複数の専門業者に現場の確認をしてもらい、見積を取って見比べるようにしましょう。
また、ランニングコストについてもそれぞれの契約内容によって変わります。
上記の数字はあくまで概算による一例ですのでご了承ください。
2つの初期費用を見比べてみると差額は約40万円で、年間のランニングコストの差額は約10万円です。
約4年〜5年使い続けることでエコキュートの方がお得になっていきます。
初期費用が安く、狭いスペースで設置可能なエコジョーズですが、より経済的に給湯器を使用したい場合にはエコキュートがおすすめです。
また、給湯器はエコキュートで調理器などでガスコンロを使用する場合、電気とガスを併用して使用することになりますが、それぞれに基本料金がかかり年間コストが上がってしまいます。
エコキュートを導入する際にはオール電化に切り替えた方が恩恵が大きいため、基本的にはオール電化を前提として考えることをおすすめします。
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この記事の監修者プロフィール
2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。

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