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2021年03月09日更新

監修記事

屋根をカバー工法でリフォームするメリット・デメリットは?

屋根のリフォーム工事でカバー工法を用い、ガルバリウム鋼板で古い屋根を覆う場合、葺き替え工法と比べてどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?カバー工法と葺き替え工法それぞれの利点、欠点を費用面や特徴などから比較してみましょう。

屋根カバー工法を検討するタイミングは?

屋根のカバー工法を検討するタイミングは築年数が何年ぐらいがよいのでしょうか?

一般的にカバー工法を行う人が多いのは築15年前後です。しかし、実際は築年数よりも屋根の状態によって検討するのが良いでしょう。

例えば、スレート屋根でいえば反りやひび割れ、金属屋根ならサビが補修のサインと言われていますが、普通に生活していると屋根の状態を見る機会はあまりないでしょう。

雨漏りのタイミングで検討することもまちがいではないですが、それでは天井裏にすでに悪影響が起きている可能性があります。

従って、1番いいのは定期的に業者に屋根の上を確認してもらうことです。

ただし、家主が簡単に屋根の状態を見えないことを良いことに、高額な工事を提案してくる悪徳な業者もいます。

しっかりと写真を撮って一緒に確認をして、実際の工事を検討する時は複数の業者に点検や見積もりを依頼するのが良いでしょう。

また、屋根の材質によっても耐用年数が変わってきますので、それを目安にするという方法もあります。その場合は屋根の材料メーカーを確認してカタログや直接電話等で確認をするとよいでしょう。

屋根のリフォーム工事で用いられる工法とは

屋根をリフォームする際に用いられる工法には、古い屋根材を新しい屋根材で覆うカバー工法、新しい屋根材に交換する葺き替え工法があります。

カバー工法の特徴

カバー工法は、スレート瓦などのリフォーム工事向けに多く行われている工法で、「重ね葺き」「重ね張り」「被せ張り」「被せ工法」ともよばれています。

スレート瓦は耐用年数を過ぎると塗装による補修ができなくなるという欠点があり、30年程度で葺き替えが必要になるのですが、カバー工法が開発されたことにより、安価にリフォームが行えるようになりました。

これは、葺き替え工事の際に発生する廃材の処理費用や撤去作業費が抑えられること、古いスレート瓦に多い石綿スレートの処分費用が抑えられることが理由です。

屋根をカバー工法でリフォームするメリット・デメリットは?

カバー工法によるリフォームの手順

カバー工法では既存の屋根の上に下地を作って金属瓦を設置していきますが、下地作りの方法には色々なタイプがあります。

ひとつめは従来のスレート屋根に下葺き材(防水シート・ルーフィング)というシートを貼り付け、その上にガルバリウム鋼板製の屋根材を貼り付ける方法です。

この工法は工事費用や工事期間を少なくすることができるため、既存屋根の劣化が少ない場合に多く用いられる工法ですが、既存屋根の劣化が酷い場合には使用できません。

屋根材の劣化が激しい場合には野地板を重ねてから下葺き材を貼る工法が用いられます。

こちらの野地板を重ね張りする工法は、既存屋根が下地として使えないほど劣化している場合に用いられますが、劣化によって屋根材だけではなく下地まで劣化している状況では使えません。

ここまで劣化が進んでいる場合には、葺き替えを行う必要があります。

葺き替え工法の特徴

葺き替え工法は既存の屋根材を取り除き、新しい屋根材に交換する工法です。

カバー工法と違い、屋根材そのものを交換するため、屋根の状態に関係なく工事でき、雨漏りや下地の劣化がある場合にはこちらの工法を使わなければ修理することができません。

また、既存の屋根材を取り外す手間や取り外した屋根材の撤去費用などがかかるため、カバー工法に比べると費用が高額になり、工事期間も長くなります。

カバー工法のメリットとデメリット

葺き替え工法と比較した場合、カバー工法にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?

カバー工法のメリット

工事期間の短縮、工事費用の安さもメリットですが、一番のメリットは屋根の性能の向上です。

カバー工法では既存屋根にガルバリウム鋼板の屋根材を重ね張りすることにより、従来の屋根と新しい屋根とで二重構造となるため、防音性、断熱性が高まり、さらに防水性能も向上します。

また、断熱材が取り付けられたガルバリウム鋼板を使用すれば、通常の鋼板でカバーする場合に比べ、さらに防音性及び断熱性を高めることも可能です。

カバー工法のデメリット

費用、工事期間、性能の面で葺き替えに比べて利点が多いカバー工法ですが、残念ながら欠点もあります。

それは、屋根の重量が増加すること。

屋根材の中では軽量なガルバリウム鋼板ですが、それでも平米あたりの重量は5kg程度あるため、100平米の屋根にカバー工法を施すと合計で500kg程度重量が増加してしまいます。

ただ、日本瓦の場合は平米あたりの重量が60kg程度となることを考えると、下地となるスレート瓦とあわせた場合でもカバー工法の方が軽量となるため、建物への影響はそれほど大きくありません。

また、断熱材が取り付けられたガルバリウム鋼板を使用する場合、屋根の厚みが増すことにも注意しなければいけません。

断熱材によって屋根の厚みが増すと、雨どいの位置が合わなくなり、位置の調整や、専用の部材の追加が必要となるため、工事費用がやや増加してしまいます。

塗装、葺き替え、カバー工法にかかる費用

カバー工法は比較的安価に屋根のリフォームが行えますが、塗装や葺き替えと比べた場合、どの程度の費用差があるのでしょうか?

屋根をカバー工法でリフォームするメリット・デメリットは?

カバー工法の場合、工事費用は、足場代が平米あたり約700円、下葺き材が平米あたり約600円、屋根材が約6,000円、棟板金が約3,000円、その他経費が一日あたり約20,000円となります。

屋根の形状や面積によって多少合計での費用は変化しますが、総額は約100万円程度が相場です。

葺き替えの場合、足場代などの費用はカバー工法と同じですが、撤去工事費用と処分費用が合計で平米あたり約3,000円、野地板の追加費用が約2,000円追加でかかりますので、合計費用は約150万円となります。

塗装費用はウレタン塗料を使用した場合の費用が平米あたり約2,000円、下地調整費は約700円、その他足場代などを含めて合計は約60万円です。

費用だけで見ると塗装が最も安いのですが、塗装では劣化した屋根材をカバーすることはできませんし、スレート瓦は約30年で塗装ができなくなってしまいますので、いつかは屋根材をリフォームしなければいけません。

定期的なメンテナンスは塗装で行い、大がかりな補修の際にはカバー工法を用いるとトータルでの費用を抑えられるでしょう。

カバー工法の耐用年数は?

カバー工法でリフォームした屋根の耐用年数は、およそ20年~25年程度と言われています。メンテナンスは葺き替えでリフォームした場合と同様に、10年ぐらいで行うとよいでしょう。

ただし、ひとつ注意したほうが良いことがあります。それはカバー工法を行ってもう一度屋根のリフォームを検討した際、もう一度カバー工法をするのは難しいという点です。

屋根を3重にしてしまう事になるためそれ以降のメンテナンスが難しくなるのに加え、重量もかさんでしまうので、施工が難しい場合が多いです。

そのため、一度カバー工法を行った屋根を次にリフォームを検討する際には、葺き替えになる場合が多いです。

その際は、屋根の撤去にあたって通常の屋根よりも撤去するものが多いことから、費用も高くなりますので注意しましょう。

カバー工法が使えないことも

雨漏りや下地が劣化している場合にはカバー工法でリフォームすることはできませんが、それ以外の理由でもカバー工法が行えない場合もあります。

それは、スレート瓦の劣化が限界まで進んでいる場合です。

スレート瓦は劣化が進むと水分を含み、柔らかくなってしまうのですが、この状態まで劣化すると、下地やガルバリウム鋼板を固定するネジが使えなくなってしまうため、カバー工法では無く葺き替えよる修理となります。

また、雨漏りが既に起こっている場合は、建物の躯体にもダメージがある可能性が高いため、一度屋根材や野地板を取り外して躯体の調査も行っておいた方が良いでしょう。

もし躯体にも劣化が見られるようなら、そちらの補修も必須です。

カバー工法の施工はどのような手順で行われる?

耐久性も高く、経済的なカバー工法ですが、簡単にカバー工法の施工手順を紹介します。

カバー工法は足場の設置後、まずは既存屋根の洗浄をしていきます。洗浄が終わったら棟板・棟板金を撤去していき、屋根全体に下地ルーフィングを貼っていきます。

元々、屋根は防水されていますが、万が一浸水してしまうと下地に悪影響が出るのでこの作業は重要です。

その後に、新しい屋根材を取り付けます。まず平の部分を雨水が侵入しないように慎重に作業を進めていき、最後に棟の部分取り付けていきます。とくに寄棟など棟が重なる部分はより慎重に行います。

ひと通り屋根材をつけたら施工後のチェックをして、足場を外して完了です。この時、屋根の仕上がりの写真を撮ってもらって自分でもしっかりと確認をすると良いでしょう。

カバー工法に火災保険は使える?

カバー工法の費用でなぜ火災保険が使えるのか、疑問に思う人も少なくないと思います。火災保険の適用範囲は意外と広く、いくつかの条件を満たす事により火災保険を使用してリフォームを行なうことができます。

火災保険には「風災保障」や「雪災保障」といったものがあります。それらを利用してリフォームの費用にします。

具体的には「強風によって屋根が破損した」「雪やヒョウ」によって屋根が破損した」等の被害が理由で屋根リフォームを行うことが認められれば火災保険を利用できます。

ただし、火災保険を申請した場合は保険会社の鑑定人がしっかり家の状態を確認して検査をします。それで認められないと保険はおりません。

他にも火災保険の特約の中に「風災保障」や「雪災保障」といった特約が入っていないと利用できませんので、一度加入している火災保険に確認を取る必要があります。

屋根リフォームに対応する優良な会社を見つけるには?

ここまで説明してきた屋根リフォームは、あくまで一例となっています。

「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なる」ことがあります。

そのとき大事なのが、複数社に見積もり依頼して必ず「比較検討」をするということ!

この記事で大体の予想がついた方は見積もり比較のステップへ行きましょう!

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一生のうちにリフォームをする機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しないリフォームをするためにも、リフォーム会社選びは慎重に行いましょう!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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