2024年01月24日更新

監修記事

瓦や屋根の塗装・塗り替え工事の費用相場と内訳を解説

屋根瓦は長年の使用で劣化するため、定期的なメンテナンス工事が欠かせません。屋根を再塗装した場合にかかる費用と各塗料別の費用、高圧洗浄や足場代、下地処理にかかる費用など、屋根を塗り替える際にかかる費用について調査しました。

屋根の塗装相場は平均的な家(約30坪)で約40万円〜

屋根を塗装する際に費用がどれくらいかかるのかご存知でしょうか。

屋根の塗装相場は、一般的な目安価格として約40万円〜になります。

これは約30坪(約99㎡)の平均的な家で換算した金額です。

屋根塗装工事の費用には、塗料代、人件費、足場代が含まれます。

塗装費用は、屋根の劣化状態や塗装する面積、使用する塗料によって安くなったり、高くなる場合があります。

事前にざっくりとした費用相場を知っていれば、見積もりを見た時に高いか安いかの判断がしやすくなります。

悪徳業者から高額な見積もりを提示された場合でも、見積もりが妥当な金額であるか見極めることができます。

屋根材別の塗装費用の相場は?

塗装費用は、屋根の材質によって変わってきます。

ここでは、屋根材別の塗装費用の相場についてご紹介します。

塗装費用は塗料の種類と屋根材によって変わる

塗装費用は塗料の種類と屋根材によって変わります。

ここでは、屋根塗装に使用される塗料の一般的な費用相場を一覧表にまとめました。

塗料名 塗装費用相場
アクリル樹脂塗料 約1,300円/㎡
ウレタン樹脂塗料 約2,000円/㎡
シリコン樹脂塗料 約2,500円/㎡
フッ素樹脂塗料 約4,200円/㎡
断熱・遮熱塗料 約4,200円/㎡

表の上から下へ下がるにつれて、塗料のグレードは高くなっています。

アクリル樹脂塗料のグレードは低く、断熱・遮熱塗料のグレードは高いということになります。

グレードが上がるにつれて現在の主流になっており、それに伴って塗装費用も高額になっていきます。

日本の家の屋根の平均的な広さは約90㎡と言われていますが、1㎡あたりの塗装費用が500円違うだけで、総費用は45,000円の価格差が出てきます。

塗装費用を屋根の広さに換算すると、ウレタン樹脂塗料の場合は約18万円ですが、フッ素樹脂塗料の場合は約38万円となり、塗料のグレードによっては約20万円の価格差が生じます。

塗料価格の安いものが決して悪いわけではないですが、安い塗料を選んだばかりに、耐用年数が短くなり劣化症状が進みやすいのは確かです。

そうなってしまうと、また塗装工事をしなければならないということも起こりうることです。

以上のことをふまえて、塗料を選ぶ際にはできるだけグレードの中間以上のものを選ぶことをオススメします。

屋根材別の塗装費用の相場

塗装費用は、屋根の材質によっても変わってきます。

ここでは屋根材別の塗装費用の相場、各屋根材の特徴や魅力についてご紹介していきます。

スレート屋根

耐用年数 15年〜30年
耐用年数期間中の塗り替え回数の目安 1〜2回
塗装費用の相場 1,900円〜4,200円/㎡

スレート屋根は薄い形状をしており、瓦屋根と比べると軽いです。

屋根が軽くなるため、建物にかかる負荷が少なく耐震性にも優れています。

セメント瓦

耐用年数 30年〜40年
耐用年数期間中の塗り替え回数の目安 1〜2回
塗装費用の相場 1,900円〜4,200円/㎡

セメント瓦は、1970年代から1980年代の高度経済成長期に流行した屋根材です。

それまで屋根材の主流として使われてきた陶器瓦よりも価格が安く、工場での生産が可能なため広く流通するようになりました。

ガルバリウム鋼板

耐用年数 20年〜30年
耐用年数期間中の塗り替え回数の目安 1回
塗装費用の相場 1,900円〜4,800円

ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛で合金されたメッキ鋼板です。

アルミニウムの耐食性、加工性、耐熱性、熱反射性と亜鉛の耐防食性の両方の利点を兼ね揃えており、屋根以外にも壁などあらゆるジャンルで使用されています。

トタン屋根

耐用年数 15年〜20年
耐用年数期間中の塗り替え回数の目安 1回〜2回
塗装費用の相場 1,900円〜4,800円

トタン屋根は、亜鉛メッキが施された大きくて薄い金属板を張り合わせて作られています。

トタン屋根の一枚が大きいため、施工の際の継ぎ目が少なく、屋根が多少傾斜してしまっても雨漏りがしにくいという点で優れています。

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折板屋根の塗装費用相場はどれくらいかかる?

工場や倉庫などの大きな建物には「折板屋根」という工法の屋根がよく使われています。

「折板屋根」とは、鋼板を大きな波型に成形しているのが特徴であり、断面を見るとギザギザの形になっています。

その形によって屋根材そのものの強度が増すため、大きな屋根や長い屋根を作ることができるのです。

折板屋根は、野地板なしでそのまま梁の上に取り付けることができます。

そのため、屋根にかかるコストを抑えることが可能です。

折板屋根の塗装にかかる費用は、その塗料のグレードによって変わります。

以下は、1平方メートルあたりの塗装費用単価の相場です。

  • アクリル塗料:約1,500~約1,800円
  • ウレタン塗料:約2,000~約2,500円
  • シリコン塗料:約2,200~約2,800円
  • 遮熱塗料:約2,400~約3,000円
  • フッ素塗料:約3,500~約4,500円

一般的には、塗料の単価が高ければ高いほど耐用年数が長くなるため、塗料や塗装の効果が長持ちすることになります。

140平方メートルの折板屋根を塗装するためには、塗料のほかに、施工費用、架設工事費、その他諸経費などを含めると、約130万円が相場になるでしょう。

屋根の防水塗装と耐雪リフォームの費用は?

屋根のリフォームは、一般的な劣化防止の塗装だけでなく、塗装によって防水加工を施すリフォームのほか、豪雪地帯では屋根の耐雪対策として、屋根融雪リフォームが行われることもあります。

屋根の防水塗装リフォームの費用

陸屋根など、屋根が屋上になっているタイプの建物では、屋上の防水リフォームが行われることがあります。

屋上屋根の防水リフォームには、アスファルトシートを貼る方法などもありますが、塗料を使った防水リフォームの費用は以下の通りです。

  • 防水塗料施工費用:約4~6千円/平方メートルあたり

屋根の防水塗装リフォームの費用はこちらの記事で詳しく紹介しています

屋根の耐雪リフォーム費用

屋根の上に積もった雪を溶かす仕組みを、「屋根融雪」と呼びます。

屋根融雪には、パイプで地下水や不凍液を屋根に送り込むタイプや、軒先や屋根全体に電熱シートを貼るタイプなどがあり、それぞれの施工費用は以下の通りです。

  • ガス、灯油ボイラー式:3~5万円
  • 電熱ヒーター式:約6~8万円
  • 地下水汲み上げ式:約2万円

※いずれも平方メートルあたりの価格です。

選んだ屋根融雪のタイプや、屋根の面積にもよりますが、1棟あたり、約150万円前後でリフォームが行われる傾向にあります。

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瓦を塗装する利点

まず、それぞれの瓦の特徴について知っておきましょう。

日本瓦は粘土を高温で焼き固めて作られた屋根材で、種類により陶器と同じ性質を持っています。

数百年前の古い陶器が保存状態次第ではまだ使用できる状態で残っているように、瓦も外部からの衝撃などによって破損しない限り半永久的に利用できるコストパフォーマンスに優れた屋根材です。

しかし、経年劣化に強い反面、衝撃には弱く、ちょっとした衝撃でひびや割れが起こるため、細かなメンテナンスは欠かせません。

セメント瓦は粘土では無くセメントで作られた瓦で、日本瓦に比べて軽量ですが、耐久性が弱く、定期的な塗装が必要な屋根材です。

スレートは石材などを薄くカットした屋根瓦で、セメント瓦や日本瓦に比べ、加工しやすいので複雑な形状の屋根にも施工できます。

金属製の瓦は施工費用が安く、防水性も高い屋根材ですが、塗装の劣化によって錆びてしまうため、こまめなメンテナンスが必要です。

屋根塗装が必要な屋根の種類

屋根には瓦屋根、スレート屋根、金属屋根と様々な種類がありますが全ての屋根に塗装工事が必要というわけではなく塗装が必要な屋根と塗装以外の補修が必要な屋根にわかれます。ここでは屋根塗装が必要な屋根を紹介します。

スレート屋根

現在、最も使われている屋根材ですが材料自体は約20年~25年は使用できると言われていますが、原料はセメントですので吸水すると劣化していきます。

その為、約10年で塗装して乾燥・吸水を防ぐ必要があります。

金属屋根

金属屋根は素材によって塗り替えの目安が変わりますが、サビや雨漏りを防ぐ為に塗装は必要になります。

従来のトタンと呼ばれる鋼板に亜鉛でメッキがしてあるものと、ガルバリウムを含む鋼板の二種類があり目安としてはトタンは約5年~8年、ガルバリウムで約10年~15年と言われています。

瓦屋根

瓦屋根にはセメント・コンクリート瓦と粘土瓦の二種類があり粘土瓦は塗装は必要なく他の補修が必要な屋根となります。

しかし、セメント瓦やコンクリート瓦は塗装は必要になりますので注意しましょう。

どちらも年数が経つと耐久性が悪くなりますので約10年前後で検討するといいでしょう。

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瓦には塗装できるものと塗装できないものがある

瓦屋根の塗装に関する費用やリフォームを行う場合、実は使用している瓦の種類によっては塗装ができないものやあまり長持ちしないものがあります。

このようなタイプの瓦に塗装した場合、色合いは新品同様になりますが、はがれてきて何度も塗り直しなどが必要となってしまうため、長い目で見ると逆に出費が大きくなるかもしれません。

屋根塗装する塗料の種類と塗替え時期

屋根を塗装する塗料は、主にウレタン系、シリコン系、ラジカル系、フッ素系、無機系があり、次世代塗料と呼ばれる機能性塗料には、遮熱塗料や光触媒塗料などがあります。

屋根を塗装するリフォームのメリットは?

ウレタン塗料

塗膜が柔らかく下地との密着性に優れています。価格は安いけれど耐用年数が約8~10年と短く、最近ではシリコン塗料の価格が下がってきたこともあり、ウレタン塗料の使用は減ってきたようです。

シリコン塗料

アクリルベースの塗料の中にシリコンが入った塗料です。カラーバリエーションが豊富で艶もあり、耐用年数は約10~15年でコストパフォーマンスが良いことから、現在最も主流となっている塗料です。

ラジカル塗料

塗膜の劣化原因になるラジカルの発生を抑制する効果があり、耐用年数は約12~15年とされています。近年開発されたばかりの注目の塗料です。

フッ素塗料

高価ですが耐久性に優れています。耐用年数は約15~20年です。屋根は外壁より劣化が早いことや、外壁に比べ面積が小さくなることから、屋根をフッ素塗料、外壁をシリコン塗料、と使い分けるケースもあります。

無機塗料

現在最も耐久性の高い塗料で、耐用年数は約20年を越えると言われています。石やガラス、鉱石などの炭素を含まない無機物を混ぜたハイブリッド塗料で、塗膜の最大の劣化原因である紫外線から屋根を守ります。

とても高価でシリコン塗料の倍ぐらいの価格です。

遮熱塗料

遮熱塗料はシリコン塗料の一種です。太陽熱を反射させて屋根の温度上昇を抑制し、省エネ効果に繋がります。耐用年数は約15~20年です。

価格は高くなりますが、塗料メーカーのエスケー化研によると、真夏の屋根の表面温度は約マイナス20度、室温は約マイナス2度低減する効果があるとされています。

光触媒塗料

光触媒塗料は、太陽の力で汚れを分解し浮き上がらせ、雨で洗い流すセルフクリーニング効果のある次世代塗料です。耐用年数は約10~15年。価格が高いことが欠点です。

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屋根の塗装タイミングをセルフチェック

「無駄な費用をかけないために、リフォームのタイミングを見極めたい」という方のために、屋根の塗装が必要になる劣化サインについてご紹介します。

屋根の一般的な塗り替えの目安は10年〜15年です。

屋根のセルフチェックのやり方として「家の外から双眼鏡を使う」「二階の窓から確認できる範囲を見る」「業者の無料診断を利用する」という3つの方法があります。

そして、これが一番重要なのですが、屋根には絶対に登らないでください。

色あせやカビ、苔の発生

屋根が色あせていたり、カビや苔が発生している箇所を確認できることがあります。

このような劣化の場合は、絶対に放置してはいけません。

さらに劣化が進む原因となり、最悪の場合には雨漏りになってしまいます。

カビや苔は屋根の美観的にもよろしくありません。

カビや苔が生えているのを見つけても、絶対に自分で処理しようとはせず屋根の専門業者に依頼して除去してもらうようにしましょう。

屋根材のひび割れ、破損

屋根材がひび割れていたり、破損している箇所が見つかることがあります。

ひび割れしている箇所が小さなものであれば、今すぐに補修が必要ということではないかもしれませんが、そのまま放置しているとひび割れが大きくなることがあるので専門業者に依頼して一度点検してもらいましょう。

その上で必要であれば、補修をしてもらいましょう。

最近はDIYで修理したいという方もいるようですが、自分でやるとかえって劣化がひどくなり、当初よりひどくなった状態で業者に依頼することになるので逆効果です。

錆の発生(金属屋根の場合)

金属屋根の場合、屋根に錆が発生しているのを確認できることがあります。

屋根の錆の色が何色かによって修理方法が変わってくるので、錆の色を確認したら業者に必ず伝えましょう。

赤い錆の場合は、屋根が非常にもろくなっている状態で錆の進行も早いです。

赤い錆を確認したら早急に修理する必要があります。

黒い錆の場合は、雨水が原因でできた錆ではなく、高温に加熱されたことによって表面に形成される錆です。

この場合は、修理が急務であるということはありません。

白い錆の場合は、屋根を腐食から守る役割があります。

強い酸性の物質がメッキの表面に付着することで形成される錆です。

屋根が錆びてしまった場合には、業者に依頼して屋根が錆びている部分を補修するか、屋根材を交換することになります。

屋根のメンテナンスを怠るとどうなる?

もし、割れやズレなどを放置した場合、屋根に使われた木材が腐ってしまったり、雨漏りをおこしたりして家具や家電が壊れてしまうこともあるでしょう。

そのため、ひび割れが起こった場合は瓦そのものを交換することで修理するのですが、古い瓦の場合は既に交換用の瓦が入手できない、色合いが合わないなどの問題から一部分の交換で修理が行えないこともあります。

このような場合に便利なのが屋根瓦の塗装です。

あまり大きな割れには対処できませんが、細かなヒビ程度なら塗装を行うことで傷を塞ぎ、雨水の浸入を予防することができます。

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屋根瓦の塗装によるリフォーム工事の手順

屋根瓦の塗装では、まず足場を組み、高圧洗浄を行って表面の汚れを取り除くことからはじめます。

次に下地の処理を行い、漆喰や接合部分や隙間を埋めるシーリング作業、金属瓦なら錆びた部分の交換などの防水性に関わる部分などを補修し、塗装を重ね塗りすれば完成です。

ただ、陶器の日本瓦の場合は一般的な屋根材と違い、表面が滑らかになっているため、すぐに剥がれてしまいますし、陶器の色艶の持ち以上には塗装の効果も長続きしません。

また、セメント瓦の場合は、ケレンというスクレーパーを用いて表面を剥がす処理を行わなければ塗装が上手く定着しないため、下地処理にかかる時間が長くなります。

屋根瓦のリフォーム工事を依頼する際には、瓦屋根の塗装に慣れており、評価の高い業者に依頼してください。

屋根塗装リフォームで費用の内訳

それでは、屋根塗装を行う場合、どのような作業工程で行われるのかみていきましょう。

合わせて、それぞれの費用相場も押さえていきましょう。

足場

屋根の上で作業を行うため、危険防止と屋根への動線を確保するために、外壁の周囲に鋼製の外部足場を組みます。

作業スペースである足元が不安定なために、2階建て以上の建物であれば、落下防止柵や落下防止ネットを取り付けます。

外部足場の面積は、住宅の外壁の50㎝外側の周長に足場の高さを乗じて算出します。単価の相場は1平方メートル当たり約800円です。

延べ面積が120平方メートル程度の平均的な木造二階建て住宅の場合、15万円~20万円くらいが目安になります。

養生

養生(ようじょう)とは、建物を防護することを指します。

屋根塗装工事における養生は、塗装剤が建物を汚さないように建物の外周を覆います。

また高圧洗浄の際の飛散防止のために屋根周囲に飛散防止シートを取り付けます。

建物の養生の単価は約300円で、ほぼ足場と同じ面積が対象になります。

このため塗装会社によっては、足場料金に養生費を含めた見積書を提出してくる場合もあります。

飛散防止シートは、一式で約2万円です。

高圧洗浄

屋根に付着した塗装や苔などの汚れを洗浄しないと新たな塗装が定着しないため、まず屋根材を高圧洗浄します。

苔やカビが相当にしつこくこびりついていますから、高圧の水で削り落とすような感覚できれいにしていきます。

高圧洗浄の相場は、1平方メートル当たり約300円です。

ケレン(下地補修)

ケレンとは、塗装面を均一にして、表面を滑らかにする作業です。ケレンをすることで塗装の剥がれを防ぐことができます。

カラー鉄板やトタン屋根の場合は、錆落としや古い塗装落としが中心の作業になります。

研磨道具によってしっかりと錆を落とすことによって、凹凸をなくし再び錆が発生しにくい下地を作ることができるのです。

金属製以外の屋根材においては、高圧洗浄で落としきれなかった汚れをしっかり落とします。

汚れを残したままで新たな塗装をすると、汚れが塗装の定着を阻害することになり、剥がれの原因になるからです。

ケレンは主に金属製の屋根の場合に実施します。腐食の状態によって単価が異なってきますが、1平方メートル当たり500円~1000円です。

金属製以外の屋根材の場合は、状態が良ければケレンが必要ない場合があります。

見積書にケレンがない場合は、理由を確認しておいた方がいいでしょう。

また反対に金属製以外の屋根で、見積書にケレンが記載されていた場合においても、なぜケレンが必要なのかの確認が必要です。

下塗り

屋根塗装では、下塗り、中塗り、上塗りの3段階の塗装が行われます。

下塗りには2つの役割があります。ひとつは仕上げ塗装剤が屋根材に染み込むのを防ぐためであり、もうひとつは仕上げ塗装剤と屋根材の密着度を高めるためです。

下塗りの1平方メートル当たりの単価は約600円です。

金属製屋根の下塗りは、錆止め材が施されます。こちらの1平方メートル当たりの単価は約600円です。

見積書に下塗りが省かれている場合は注意してください。たしかに全体の施工費は安く上がりますが、下塗りは塗装の寿命を延ばすためには必須の工程です。

下塗りが抜けていることを指摘すると「仕上げ材が下塗りの役割を果たすから下塗りは不要です。」と説明をする塗装会社があるかもしれません。

しかし、やはり下塗りをしっかり施工した塗装とは歴然とした差が出る可能性を踏まえ、熟慮のうえで判断しましょう。

縁切り

スレート瓦において重要な工程が縁切りです。スレート瓦を塗装する場合、ローラーで塗装していくために、塗装が完了した時点では上下の瓦が塗装剤で塞がれたような状態になっています。

スレート瓦は大雨や風雨の場合、雨水が逆流することがあるのですが、通常は適度な隙間があるため、水が瓦の中でとどまることはありません。

しかしローラー塗装後、そのまま放置しておくと、隙間がなくなっていることから、吹き降りで逆流した雨水が、そのまま瓦の中にとどまってしまうのです。

これを防ぐために塗装後にカッターで塗装を切って縁切りをする必要があるのです。

ただし近年は、カッターによる縁切りはあまり行われていません。

これは作業に手間がかかることと、もし手抜きで縁切りがされなかったとしても、発注者が気づくことができないことが原因です。

このため、現在ではタスペーサーと呼ばれるクリップ状の製品を用いることが主流になってきています。

タスペーサーを下塗り工事後に瓦先に挟むことによって隙間を確保するのです。

この作業によって塗装が完成した屋根に職人が乗り汚してしまうことも避けることができます。

タスペーサーによる縁切りの1平方メートル当たりの単価は約300円です。

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屋根の塗装は地域によって高くなる?

屋根の塗装費用が地域によって高くなると聞いたことはないでしょうか?

以下に挙げる地域は、確かに地域特有の要因によって屋根が傷みやすくなり、通常よりも補修費用や塗装費用が高くなりやすいのは確かなようです。

地域特有の要因によって屋根が傷みやすくなる理由についてご説明します。

雨が多い地域

雨が多い地域は、屋根に雨が当たる量が雨の少ない地域よりも多いということで、他の地域に比べると屋根の劣化は早まってしまうことがあります。

このような場合、雨水が屋根に溜まらないように屋根になるべく勾配を付け、雨に強い材質の屋根材を使用することをオススメします。

雪が多い地域

雪が多い地域は、雪の荷重によって屋根がたわみ、屋根材が伸縮を繰り返したり、場合によっては折れることなどにより劣化が進むケースも少なくありません。

又、屋根の雪が滑り落ちることによる摩擦が塗膜の劣化を早める原因にもなっています。

日本の豪雪地帯と言われる北海道や東北地方の屋根は、ほとんどが金属屋根です。

その中の1つに無落雪屋根という、雪を屋根に載せておき雪かきをしなくて良いように作られた屋根があります。

無落雪屋根は、雪が3層に積もるように設計されており、新雪が外気の温度を遮断して新雪の下からゆっくり雪を溶かすような仕組みになっています。

そして、溶けた水を落とすための縦樋には電熱ヒーターを入れて樋が凍結しないようにしています。

台風が多い地域

台風が多い地域では、屋根や板金が飛ばされてしまうケースが少なくありません。

そのため、屋根が飛ばされないように設計された屋根が使用されています。

屋根の形状としては、ピラミッド型の寄棟屋根や、上が切妻屋根で下が寄棟屋根で構成されている入母屋屋根が風に強いと言われています。

屋根が平面の陸屋根も風には強いのですが、陸屋根などに設置されている折半屋根は軽いので飛ばされてしまうことがあるようです。

屋根材では、瓦の上下がしっかり重なって、さらに釘で固定されている重量が重い防災瓦という瓦を使っています。

海が近い地域

海が近い地域では、海の塩分が風に乗って屋根に付着すると屋根が錆びてしまうことがあります。

海の近くに建っている家には瓦屋根が多く見受けられます。

塩害による錆びの心配が無いことや、強風に強いことが理由です。

海の近くは景観が良いこともあって、家を建てる場所としては人気があるようですが、建物が塩害の被害を受けるということを念頭に置くことが重要です。

塗料による費用の違い

日本瓦の場合はあまり塗料に種類が無く、単価も殆ど同じですので、平米あたり約3,000円が相場です。

その他の瓦の場合は、シリコン塗料やフッ素塗料によって塗装を行いますので、塗料の価格も種類によって違ってきます。

塗料の価格は
・シリコン塗料:約2,000円/1平米あたり
・フッ素塗料:約3,000円/1平米あたり

屋根瓦を塗装する費用は?
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屋根の塗装を相場より安く抑えるコツとは?

屋根の塗装コストを安く抑えるには、次のようなポイントをおさえておくと役立ちます。

複数業者から見積もりを取る

屋根の塗装を行っている業者はたくさんあります。

その中から、しっかりと仕事をしてくれる業者を選ぶためには、複数の業者に相見積もりを取ることをおすすめします。

その際には、必ずすべての業者に同じ条件を提示しておきましょう。

同じ条件で相見積もりを取ることで、業者間の工事費用や工事内容、そして担当者の対応についても比較することが可能になります。

極端に費用の安い業者や高い業者を見極めることができ、適切な相場で工事に慣れている業者を選ぶことができるでしょう。

こちらから簡単に無料で見積もりが出来ますので、ぜひハピすむのリフォーム費用の無料相見積もりをご利用ください。

屋根と一緒に外壁の塗装も行う

屋根の塗装をする時には、外壁塗装も必要かどうか確認しておきましょう。

屋根の塗装を行う際には、ほとんどのケースで足場や塗料飛散防止シートの設置が必要となります。

これは外壁塗装工事でも同様です。

別の機会に外壁塗装をするとなると、再度足場の設置などが必要になり、足場代などもその都度かかります。

しかし、屋根と外壁の塗装工事を一緒に行うことで、足場代のコストを削減できます。

また、屋根と外壁塗装の工事を同じ業者に依頼すれば、工期を短縮することが可能となり、施工費を抑えることもできるでしょう。

耐用年数も考慮する

屋根の塗料を選ぶ場合は、材料の費用のほか、耐用年数も考慮するようにしましょう。

耐用年数が短い塗料だと、耐久性が低く、短いスパンでの塗装の塗り替えが必要となります。

塗装を塗り替えする際には仮設費用や人件費もかかるため、安い塗料を選ぶと、長い目で見たときにはかえって高額になるケースもあります。

屋根の塗装をする時は塗料の単価と耐用年数を考えて、できれば、長い年数で見て、費用を抑えることが可能な塗料を選ぶようにすると良いでしょう。

屋根瓦の塗装をDIYで行うことはできる?

瓦屋根の塗装を自力で行いたいという方もいらっしゃるとは思いますが、屋根の塗装は足場の問題、割れなど失敗する確率が高く、事故に合う危険も高い作業ですので、おすすめはできません。

瓦には色々な種類がありますが、その中でもモルタル製、粘土製のものは衝撃に弱く、ひび割れや破損が起こりやすいという特徴があります。

そのため、素人では瓦の上を歩くだけでもひび割れてしまったり、ズレてしまったりして雨漏りの原因となってしまうのです。

最近の瓦屋根は板葺きの上に防水シートを設置していますが、侵入した雨水がシート上を伝わり天井や壁際に流れ木部に浸潤することが考えられますので、大きな台風や深い積雪などの後はチェックされるとよいでしょう。

雨漏りが、古い建物ならズレによって瓦を固定している赤土が流れてしまい、瓦が落下してしまうこともあります。

このような状態になると、素人には修復ができず、プロに依頼するしかないのである程度の費用がかかってしまうでしょう。

また、上でも少し説明していますが、瓦屋根に対する塗装は下地作りが通常の屋根材より手間がかかる上に少しのミスが失敗に繋がる難しい作業です。

長年の汚れを取り除くために高圧洗浄を複数回行い、コケやカビが生えていた部分は殺菌処理を行った上でさらにケレンを行って余計な皮膜や古い塗膜を1枚1枚処理していきます。

プロなら短時間で作業できますが、素人が行うと下地の準備だけでどれだけ時間がかかるか想像も付きません。

金属製、スレートなどの瓦の場合も、屋根を歩くことで変形や破損が起きたり、塗装にも時間がかかるため、屋根の塗装はプロに任せた方が良いでしょう。

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屋根塗装リフォームの際なぜ相場の把握が必要なの

【屋根塗装リフォームの相場】基本的費用と塗料費用

屋根塗装リフォームは、費用算定の要素が多岐にあります。塗装の素材によって料金が異なるのはもちろんですが、塗装の対象になる屋根材の種類と形によっても異なってくるのです。

また屋根勾配や屋根形状なども、リフォーム料金が異なる要因になります。これは、たとえ同じ規模の家であっても、屋根勾配(角度)が大きいと屋根自体の面積が広くなるためです。

屋根形状も陸屋根や切妻などと比べて、入母屋屋根や越屋根をつける場合になると、塗装対象になる屋根面積が広くなり複雑な形状になるために料金が高くなります。

このため塗装会社から提出された見積書の金額が、既に屋根塗装を実施した近所の請負金額よりも高いなどと、単純に比較することはできません。

見積書は「単価×屋根面積」で記載されているので、屋根塗装工事の料金が適切なのかを判断するためには、単価で比較する必要があります。

そのためには、1平方メートル当たりの単価の相場を知ることがポイントになります。相場は、見積書の金額が適正なのかを判断する際の目安となるのです。

屋根塗装リフォームを依頼する際の注意点

屋根塗装の施工途中で追加で費用がかかる可能性がある

屋根のリフォーム方法には、塗装・葺き替え・重ね葺きの3種類を選択することができます。

塗装による屋根のリフォームは、約200万円かかる葺き替えリフォームに比べると、半額以下の費用で行なう事ができます。

しかし、滅多に点検が行えない屋根は、点検のときに初めて異常が見つかる事があり、塗装に加えて補修費用が発生する事があります。

塗装か葺き替えかを選ぶ前に、屋根の状態を確認しておくことをおすすめします。

複数の屋根塗装会社から比較を行う

屋根塗装リフォームを塗装会社に依頼する際には、最初から一社に限定しないことが重要です。

屋根塗装工事は、いくつかの工程がありますから、塗装会社によっては途中の工程を省く場合があります。

このため複数の塗装会社から見積をとって、工事項目を確認してみます。

項目が同じであれば、1平方メートル当たりの単価を比較して安い方を選択するのがよいでしょう。

屋根塗装の場合、下塗り、中塗り、上塗りの三段階の塗装があります。

しかし発注者にとっては、実際に三段階の塗装をやったかどうかの確認はできません。

この確認方法を複数の塗装会社に質問をして、その回答で誠実さを判断する方法もあります。

会社によっては、各塗装の色を変えるなどの工夫をしてくれることもあります。

同様に縁切りについても、カッター切りをするという塗装会社があれば、どうやって発注者が確認できるのかについて質問をしてみましょう。

複数の塗装会社に見積もりを依頼するといっても、どこの会社に依頼すればいいのか迷ってしまいます。またしつこい勧誘を受けるのも避けたいところです。

そのためには、リフォームサイトを活用して、見積もりが頼めそうな塗装会社を検索するのも有効な方法です。

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屋根リフォームで、優良な会社を見つけるには?

本記事の屋根リフォームは一例で、「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なり」ます。複数社の見積もりを「比較」をすることが重要です!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社フレッシュハウス 樋田明夫

株式会社フレッシュハウス

樋田明夫

フレッシュハウスでリフォームの営業担当を長年経験し、数々のリフォームコンテストでの受賞実績を持つ。現在はフレッシュハウス本社における営業戦略室の室長として、大規模リフォームから通常のリフォーム物件まで幅広く対応中。

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