2024年01月24日更新
外壁コーキングの補修費用はどのくらい?耐用年数や劣化のリスクを解説
外壁のコーキングの補修費用はいくらかかるのでしょうか。本記事では、コーキングとシーリングの違いや、コーキングの耐用年数、劣化の見分け方、コーキングの種類や補修費用について解説しています。相場費用を知って、適切な時期に工事を行いましょう。
新築から7年ほど経つと、外壁の目地材であるコーキングの劣化がみられることがあります。
「外壁に使われるコーキングとは?」「どんな種類があって工事にはどれくらいの費用がかかるの?」このような疑問を持つ人もいるでしょう。
そこで今回は、外壁のコーキングについて、種類や特徴の違い、工事に関することなどを解説していきます。
目次
- 1 外壁に使われるシーリングとコーキングの違いは?
- 2 外壁コーキングの費用相場はどのくらい?
- 3 コーキングの種類と特徴
- 4 外壁材の種類
- 5 コーキング工事の工期目安
- 6 コーキングの耐用年数と劣化のサイン
- 7 雨の日にコーキング工事は行える?
- 8 コーキングを得意としている業者の探し方
- 9 外壁のコーキングって何?
- 10 コーキングとシーリングの違いとは
- 11 外壁コーキングの補修に保証はつくのか?
- 12 外壁コーキング材の種類と耐用年数とは
- 13 アクリル系外壁コーキング剤の特徴と価格相場
- 14 ウレタン系外壁コーキング剤の特徴と価格相場
- 15 シリコン系外壁コーキング剤の特徴と価格相場
- 16 変成シリコン系外壁コーキング剤の特徴と価格相場
- 17 外壁コーキング剤の選び方
- 18 コーキング補修の仕方
- 19 コーキング工事の流れと費用
- 20 DIYでコーキング補修する場合の費用と注意点
- 21 外壁コーキングを依頼する業者を選ぶ際のポイントとは
- 22 外壁コーキングの補修を依頼する際のポイント
- 23 コーキングとシーリングの違いや用途・劣化のサイン・リフォーム費用を解説
- 24 コーキングとシーリングの違いとは
- 25 シーラーとシーリングの違いとは
- 26 コーキング材(シーリング材)の用途とは
- 27 外壁のコーキングリフォームの費用相場と工期
- 28 外壁のコーキングの耐用年数と交換目安
- 29 外壁のコーキングの劣化のサイン
- 30 シーリングの種類と使用用途
- 31 使用箇所ごとに適したシーリング材の種類
- 32 お得にコーキングの打ち替えリフォームをする方法
- 33 まとめ
外壁に使われるシーリングとコーキングの違いは?
外壁に使われる目地材で「シーリング」や「コーキング」という言葉を聞いて、違いが分からない人もいるかもしれません。
結論からお伝えすると、外壁塗装ではシーリングとコーキングは、呼び方が違うだけで同じものを指しています。
シーリングは、防水性・気密性などを持たせるために、構造体の目地や隙間に充填する材料のことです。
そして、コーキングは展色材と鉱物質の充填剤を混合して製造したペースト状のシーリング材のことです。
厳密には違いがあるという人もいますが、ほとんど同義語と考えてよいでしょう。
シーラーやシーラントと呼ぶ人もいますが、すべて同じ目地材のことを言っていると思って問題ありません。
コーキングの役割
コーキングの役割は、外壁の隙間をコーキングで埋めることにより、外壁間の圧力を分散して外壁材の破損を防ぐことです。
住宅は、周辺の道路、台風、地震などで振動が起こり、衝撃を受けています。そこで、コーキングは、揺れの衝撃から外壁材を守るクッションのような役割をしているのです。
また、コーキングには、外壁材同士の間や、窓サッシと外壁の間をコーキングで埋めることにより、雨水の浸入を防ぐ役目もあります。
コーキングが目地材となり雨水の浸入を防ぐことで、建物の内部に水が浸入することなく、構造体の安全性が保たれているのです。
このように目地材のコーキングは、外壁材の破損と外壁の内部への雨水の浸入を防ぐ役割を担っています。コーキングは定期的にメンテナンスをし、きれいな状態に保つことが重要です。
外壁コーキングの費用相場はどのくらい?
コーキングの補修方法は「打ち直し」と「打ち増し」の2種類があり、それぞれ工法と費用が異なります。
コーキングの劣化の度合いによっては「打ち増し」が行えないことも少なくありません。
また、外壁のコーキングを補修する際は、足場代(仮設費)が必要です。
ここでは、コーキングの「打ち直し」と「打ち増し」にかかる費用をそれぞれ紹介します。
ただし、こちらで紹介するのはあくまでも相場の目安とお考えください。
詳しくは専門業者による現地調査が必要です。実際にかかる費用は、業者ごとに異なりますので、複数社に見積もりをとるようにしましょう。
コーキング打ち直し
コーキングの打ち直しは、劣化したコーキング目地をカッターなどで切り取り、新たにコーキング材を充填する方法です。
目地を撤去する手間がかかる分、費用は打ち増しよりも高くなります。
しかし、劣化部分をしっかり取り除いた後に充填するため、施工後のコーキング目地の耐久性が上がります。
打ち直しの修繕費用は、1mあたり約900円〜約1,200円です。
加えて、足場代がかかります。足場代は、一般的な一軒家(30坪〜40坪前後)で約10万円〜約20万円です。
コーキング打ち増し
コーキングの打ち増しは、現在の目地の上から、新しいコーキングを充填する方法です。
既存の目地を取り除く手間がかからないため、費用は打ち直しよりも安いのが一般的です。
しかし、新しいコーキング目地の厚みが薄くなってしまう可能性が高く、耐久性は高いとは言えません。
コーキングの打ち増し修繕費用は、1mあたり約500円〜約900円です。
加えて、足場代がかかります。
足場代は、一般的な一軒家(30坪〜40坪前後)で約10万円〜約20万円です。
コーキングの種類と特徴
コーキングは、原料と硬化剤が一緒になっている1液型と、別々になっている2液型があります。
1液型はすぐに使用でき、自然と硬化するコーキング材です。
1液型は、扱いやすく価格が比較的安いため、部分補修や施工面積が狭い箇所に使われます。
2液型は、一度で大量のコーキングが作れるため、広い面積を施工するときなどに用いられます。
コーキング材は、原料ごとにアクリル系・ウレタン系・シリコン系・変成シリコン系に分けられ、特徴や耐用年数、使用用途が異なります。
ここでは、それぞれの特徴を解説していきましょう。
アクリル系コーキング
アクリル系コーキングは、水性で作業性に優れるコーキング材です。
他の種類と比べると比較的安価ですが、硬化したあとに厚みが減少しやすく、耐候性・耐久性はあまり高くありません。
太陽光が当たる場所では、約10年程でひび割れてしまうこともあるため、近年、外壁材ではあまり使われなくなったコーキング材だと言えます。
充填後に上から塗装も可能です。
アクリル系コーキングは、主にALC外壁の目地や、塗装・クロスの下地処理にも使われます。
耐用年数は約5年程度です。
ウレタン系コーキング
ウレタン系コーキングは、耐久性が高く、密着性・弾力性に優れるコーキング材です。
外壁のひび割れや目地の補修に広く使われています。
一方で、耐候性が低く紫外線には弱いという性質から、屋外で使用する場合は表面の塗装が必要です。
ALCや窯業系サイディングの目地、窓枠のまわり、コンクリートのひび割れ補修にも使われます。
耐用年数は約5年〜約10年程度です。
シリコン系コーキング
シリコン系コーキングは、シリコン樹脂が原料で、シリコンコークとも呼ばれるコーキング材です。
耐久性・耐候性・耐熱性・撥水性に優れ、比較的安価で、屋内外問わずさまざまな場所に使用できます。
充填後にシリコンオイルが出るため、上から塗装ができません。
そのため、基本的には外壁には用いられることのないコーキング材です。
色の種類も豊富であるため、主に仕上げとして使われます。
ガラス周辺の目地、屋根瓦の補修、浴室・浴槽・洗面台・キッチンなどに使われ、耐用年数は約10年程度です。
変成シリコン系コーキング
変成シリコン系コーキングは、ポリエーテル樹脂が原料の樹脂系のコーキング材です。
窯業系サイディングやコンクリート、ALC、タイル、サッシと外壁材の取り合いなど、幅広い用途で使われています。
シリコンという名前がついていますが、シリコン系コーキングとは違うものです。
シリコン系よりも耐久性・耐水性の面では劣ります。ウレタン系よりも密着性はありませんが、硬化した後に上から塗装でき、十分な耐久性を持つコーキング材です。
性能が高いコーキング材ですが、他のコーキング材に比べると比較的、価格が高い傾向にあります。
耐用年数は約10年程度です。
外壁材の種類
外壁は、屋外の紫外線や雨風、砂埃や大気などの粉塵から建物を守る機能を持ちます。
外壁に対して、室内の壁は内壁と呼ばれ、内装に使われるのは壁紙のクロスなどです。
一言で外壁といってもさまざまな種類があり、性能やメンテナンス性、施工価格なども異なります。
ここでは、外壁材ごとの特徴や長所、耐用年数などを詳しく解説します。
サイディング
サイディングとは、建物の外壁に使う板状の外装材のことです。
一般的にサイディングと呼ばれているものは、窯業系のサイディングを指していることが多くあります。
サイディングは、材質・デザインともに多種多様で、特徴や性能、見た目、かかる費用もそれぞれ異なります。
主に住宅で使われるサイディングは、金属系・窯業系・木質系・樹脂系に分かれます。
それぞれの特徴や長所、耐用年数などを紹介していきます。
金属サイディング
金属系サイディングとは、表面にステンレスやガルバリウム鋼板といった金属板を使用し、内側に断熱材を施した外壁材です。
軽量で耐震性が高く、比較的、材料費も施工費も安価であるため、住宅で広く使用されています。
木目調やレンガ調など、さまざまなデザインの種類があるのも特徴です。
一方で、衝撃に弱く傷がつきやすいというデメリットもあります。
サビが発生しやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。
耐用年数は約30年程、約10年〜約15年程で外壁塗装のメンテナンスを行います。
窯業系サイディング
窯業系のサイディングは、セメントや繊維を主成分とした外壁材で、一般住宅で広く採用されているサイディングです。
デザインのバリエーションが豊富で、和風から洋風まで、さまざまなテイストの住宅に対応できます。
窯業系のサイディングは耐震性・耐火性に優れ、比較的安価であることから人気の外壁材です。
耐用年数は約25年程、約7年〜約8年程で目地の打ち直しなどのメンテナンスを行います。
また、塗装の塗膜が経年劣化すると耐水性や美観性が損なわれるため、約10年〜約15年程で外壁塗装工事をすることが多くあります。
木質系サイディング
木質系サイディングは、木材に塗装を施して加工した外壁材です。
無垢の木材ならではの風合いと木目が魅力で高級感があるため、幅広い世代に人気があります。
断熱性にも優れる素材です。
しかし、耐火性と耐久性は金属系や窯業系サイディングよりも劣ります。
また、価格も比較的高く、約7年〜約8年ごとに塗り替えのメンテナンスが欠かせません。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディングとは、塩化ビニル樹脂が主原料で、軽量な外壁材です。
耐久性・耐候性に優れ、寒さにも強くひび割れも起きにくいという特徴があります。
サイディング自体に顔料が練り込まれているため、塗装工事も必要なく、シーリングを行わないため、メンテナンス性が高い外壁材です。
アメリカで広く普及していますが、日本での施工実績は少なく、扱える業者も多くはありません。
デメリットは、薄いため遮音性に劣る点と、単色でバリエーションが少ない点です。
モルタル外壁
モルタル外壁とは、セメントに砂を混ぜたモルタルで仕上げる外壁材です。
外壁材につなぎ目ができず、温かみのある仕上がりになることからデザイン性が高いという特徴があります。
日本では昔から使われてきた外壁材です。
モルタル外壁は、耐震性・耐火性に優れます。
また、職人が手作業で外壁に塗装していくため、デザインの自由度も高い外壁材だと言えるでしょう。
しかし施工期間はサイディングよりも長く、施工コストもかかります。
経年によりひび割れが起こりやすいため、約10年程で外壁塗装のメンテナンスを行うのが一般的です。
ALC外壁
ALC外壁は、軽量気泡コンクリートと呼ばれる外壁材です。
コンクリートよりも軽く、軽量でありながら強度が高く、耐火性・断熱性・耐久性・耐震性に優れます。
一方で、防水性が低く、塗装でのメンテナンスが欠かせません。
外壁材自体は約50年の耐久性がありますが、約10年〜約15年で塗装やシーリング目地の打ち直しなどを行うのが一般的です。
タイル
外装に使われるタイルは、粘土などを主原料とし、高温で焼いたものです。
耐水性・耐久性が高いため、住宅では内壁や水まわり、床、そして外壁材にも適しています。
色とデザインの幅が広く重厚感もあることから、デザイン性を重視する人に選ばれることの多い外壁材です。
タイル自体は耐久性が高く、塗装工事は必要ありませんが、目地に使われているコーキングは約7年〜約10年程度でメンテナンスを行います。
目地が劣化すると、隙間から雨水や汚れがしみ込み、タイルの剥がれを起こす可能性もあるため注意が必要です。
レンガ
レンガとは、粘土や長石類など自然素材を主原料とし、窯で焼き固めたものです。
赤く、陰影のある独特の風合いがあり、デザイン性の高さを求める人に選ばれている外壁材だと言えます。
防音性・耐久性・蓄熱性に優れる素材です。
施工費用が高く、レンガを扱う施工業者も多くありません。
レンガそのものは耐久性が高く、塗装工事は行いませんが、目地のコーキングの定期的なメンテナンスが必要です。
レンガの外壁材は、約7年〜約10年程度で目地のメンテナンスを行うと考えましょう。
コーキング工事の工期目安
コーキングの打ち直しにかかる工期は、全体で工事着工から約3日~約5日が目安だとお考えください。
まず、足場の設置と養生に約1日かかります。
養生とは、ビニールやダンボールなどを用いて、工事と関わりがない玄関タイルやエアコンの室外機などに材料が飛び散って、汚れることのないようにカバーすることです。
足場の設置と養生が終わると、コーキングの充填作業です。この工程には、約1日~約3日かかります。
コーキングは、充填してから表面が硬化するまで約2時間~約4時間程かかります。
さらに完全に乾燥するまでには、約1日~約2日程が必要です。
コーキングが乾燥した後は、施工後の仕上がりがきれいになっていることを確認したのち、足場の解体と養生の撤去作業に移ります。
解体作業にかかる日数は、約1日程度です。
このように、スムーズにコーキング工事が進んだ場合は約3日~約5日程で終わりますが、雨や湿気が多く、コーキングの硬化に時間がかかるなどすれば、工期は長くなることもあるでしょう。
コーキングの耐用年数と劣化のサイン
コーキングの耐用年数は、基本的に約5年~約10年と言われます。
しかし、住宅周辺の環境やコーキングの材質によっては、耐用年数が約15年程になるコーキングもあります。
一般的に、コーキングは地震などの揺れやサイディングの膨張と収縮による影響を受けます。
また、屋外に一年中さらされている外壁材の目地は、紫外線や、カビやコケなどの自然環境による汚れのため、劣化が進んでしまうものです。
コーキングは、耐用年数の経過や劣化が見られた際には打ち直しをおすすめします。
コーキングの打ち直しの目安は、約5年~約10年程度に1回です。
では、コーキングがどのような状態になったら工事を行えば良いのでしょうか。
ここでは、コーキングの劣化の見分け方を詳しく解説していきます。
コーキングの劣化の見分け方
コーキングは、建物が地震や周辺の道路から受ける衝撃をクッションのように吸収しています。
また、外壁材内部への雨水の浸入を防ぎ、構造体を守る役目もあるのがコーキングです。
そのため、コーキングの劣化を放置してしまうと、長期的にみれば建物そのものの寿命を縮めてしまいかねません。
例えば、外壁内部に雨水が浸入すると、多湿な状況となり、シロアリやカビの発生が起こることも考えられるでしょう。
コーキングの劣化には、亀裂・隙間・コーキングの硬化・コーキングの変色などがあります。
ここでは、それぞれの劣化状況について詳しく解説していきましょう。
コーキングに亀裂が生じている
コーキングの劣化でよくみられるのが、コーキングの亀裂です。
経年劣化により、コーキングの目地に、縦にひび割れが入ります。
コーキングの亀裂を放置してしまうと、外壁内部へと雨水が浸入してしまいます。
また、ひび割れに入り込んだ雨水により、さらに亀裂が大きくなることも少なくありません、早めの対処をおすすめします。
外壁材とコーキングの間に隙間が生じている
コーキングは、外壁材とコーキングの間に隙間が生じるという劣化が起こることがあります。
外壁は、建物の動きにあわせて伸び縮みしながら、雨が外壁内部に入り込むことを防いでいますが、コーキングが外壁材の動きに追いつけずに剥離すると隙間が出来てしまいます。
亀裂と同様に、早めにメンテナンスを行うことをおすすめします。
コーキングが硬化している
コーキングの劣化には、コーキングの硬化があります。
コーキング目地に触るとザラザラ、パサパサしている、弾性を失っているときには、コーキングが硬化していると考えましょう。
本来コーキングは、柔らかく弾性を持っているため、硬化すると建物や外壁の揺れや動きに対応できなくなり、亀裂や破断が起きやすくなります。
コーキングが変色している
コーキングが変色している場合は、コーキングが劣化していると考えられます。
変色とは、コーキングの表面がざらついていたり、黒っぽく変色したりしている状態です。
コーキングは、熱によりコーキング材の内容物が表面に出てきてしまっていることもあります。
これを、ブリード現象といいます。
変色しているだけで直ちに建物に影響を及ぼす可能性は低いですが、コーキングの耐久性は落ちている状態です。
定期的に様子をみて、メンテナンスすることも視野に入れましょう。
雨の日にコーキング工事は行える?
コーキング工事の日に雨が降ると、無事に工事が行えるのか心配になることもあるでしょう。
結論からお伝えすると、雨の日はコーキング施工をおすすめしません。
コーキングの打ち直し作業では、古いコーキングを剥がしてしまうと、外壁材の間を埋めるものがなくなります。
そのときに雨が降っていると、外壁材の隙間や建物の内部に雨水が浸入してしまうのです。
また、目地の断面が水を吸い込みやすくなるため、コーキングと外壁の接着剤の役割を果たす下地材(プライマー)を塗ることができません。
さらに、コーキングは水をはじく性質を持つため、施工時に雨水が入ってしまうとコーキングが外壁材と密着しづらくなってしまいます。
コーキングは充填してから乾燥させる時間が必要です。
雨や湿度の高い日は、コーキングが乾燥するまでに時間がかかるため作業効率も悪くなります。
これらの理由により、雨の日のコーキング工事はおすすめしません。
雨天により工期が伸びてしまう可能性もあるため、コーキング工事は湿度の低い晴れの日をおすすめします。
コーキングを得意としている業者の探し方
コーキング工事は、足場にかかる費用が高いため、できれば外壁や屋根の塗装工事と合わせて行った方が費用を抑えられます。
コーキング材はホームセンターでも購入できるため、自分で修理したいと思う人もいるかもしれません。
しかし、外壁の施工は高い場所もあり、修繕箇所も多いため危険を伴います。
また、雨水などの浸入を防止するという目的もあるため、不完全な作業では建物自体の傷みにつながってしまうため、専門業者に施工を依頼しましょう。
とはいえ、コーキング専門業者は探しにくいため、外壁塗装や外壁修理、屋根塗装を行っている会社に、コーキング作業も可能かどうかを確認することをおすすめします。
一般的に、サイディングなどを扱っている施工業者は、コーキングも行っています。
外壁塗装を行う業者は、インターネットや、外壁リフォームの比較サイトなどでも検索できます。
ハピすむは、大手ハウスメーカーから地域の工務店まで全国1,000社以上が加盟する見積もり比較サイトです。
こちらから簡単にリフォーム費用の無料の相見積もりができますので、ぜひご利用ください。
外壁のコーキングって何?
住宅の外壁で多く使われるサイディングボードやALCパネル(軽量気泡コンクリートパネル)を施工する際に、ボードとボード、あるいはパネルとパネルの間の隙間を埋めるために注入する樹脂のことをコーキングまたはシーリング(以下コーキングで統一)といい、その施工工事のことも意味します。
外壁用のボードやパネルは、気温や湿度の変化によって膨張したり縮んだりを繰り返すため、隙間なくぴったりに施工すると、ボードやパネルそのものにヒビが入ったり、表面が盛り上がったりしてしまいます。
また地震や強風などによる建物の揺れに対応するためにも、ボードとボードの間には、ある程度の余裕が必要です。
そのため外壁材はあえて隙間(目地)を設けながら貼り付け、その隙間にゴムのように軟らかい性質を持ったコーキング材を注入し、クッションのような役割を果たします。
コーキングの寿命は建築場所の環境によって異なりますが、約5〜10年が一般的です。劣化の原因は、太陽光による紫外線や熱、風雨や地震、自動車通行の振動などで住宅が揺れた時の負荷などによるものなどです。
寒暖の差が激しい地域や、風雨や太陽が激しく当たる場所、通行量の多い道路に面した場所などでは劣化が早まりがちです。
コーキングとシーリングの違いとは
外壁材の隙間(目地)に注入される材料の事を、「コーキング」の他に「シーリング」と呼ぶこともあります。
この2つの呼び方は、同じものを指していると解釈して問題はありません。建築現場でも、所属する会社や職人によって呼び方が異なります。厳密に「コーキング」と「シーリング」を分類して呼ぶ決まりは無いのが現状です。
現場によっては、あらかじめ形が決まっている定形の物を「シーリング」と呼び、コーキングガンと呼ばれる機械を使って施工する非定形の物を「コーキング」と分類されることもあります。
また、日本工業規格(JIS)によると、「シーリング材」と「油性コーキング材」として分類されていますが、現在は「油性コーキング材」はほとんど使用されていません。
そのため、「油性コーキング材」の名残として、現在でも「シーリング材」のことを「コーキング」と呼ぶ人も多くいるのです。
つまり、現在では「コーキング」と「シーリング」は同じ材料を指し、同義として使用されていると考えてよいでしょう。
補修のタイミングを示す外壁に現れる劣化サイン
コーキングが劣化すると、以下のような状況が現れます。
- 肉やせ=コーキンング材がやせて硬くなり、外壁材とコーキング材の間に隙間が生じる。
- ひび割れ(クラック)=コーキング材自体にひび割れや亀裂が入り、下地が見えたりする。
- 破断=ひび割れが大きくなり、コーキング材の真ん中に亀裂が長く入っている状態。
- 剥離・欠落=コーキング材がところどころ剥がれ落ち、隙間から下地などが見えている状態。
上記のような現象が見られたら、なるべく早めに補修することをおすすめします。放っておくと外壁の内側に雨水や湿気が侵入し、建物内にカビやサビを発生させます。
建物の劣化が進み手遅れになると家自体が傾く恐れも。そうなると修復にかかる費用も半端ではありません。定期的に点検を行い、劣化のサインを見落とさないようにしましょう。
外壁コーキングの補修に保証はつくのか?
外壁コーキングを施工してもらった後に剥がれたりした場合、無料で補修するなどの保証はつくのでしょうか?
外壁コーキングに対しての保証はメーカーが行う保証ではなく、各業者と施工業者などが共同して保証を行います。
コーキングに対する保証は全ての業者が行っているものではないため、対応もそれぞれです。ある業者のコーキング保証の内容は、剥離と漏水に対しての保証となっていますが、どこまで保証対象となるかは業者次第でしょう。
また、コーキングの保証期間は約5年〜約10年とするところが多く、期間内であれば無償でコーキングの補修をしてくれます。
コーキングに対して保証範囲ではない業者もあるため、業者選びの際は保証の有無を確認しておくと良いでしょう。
外壁コーキング材の種類と耐用年数とは
外壁で使用するコーキング材にはいくつか種類があります。主なコーキング材として「アクリル系」「ウレタン系」「シリコン系」「変成シリコン系」の4種類が挙げられます。
4種類それぞれ特徴があり、耐用年数も異なります。また、費用面だけでなくそれぞれの特徴を生かすように場所や素材の組み合わせなどを考慮しながらコーキング材を選ばなければなりません。
コーキング材を使用する際は、費用面だけでなく今後のメンテナンスや外壁・屋根の塗装リフォームのタイミングなどに合ったコーキング材を選ぶ必要があります。
また、コーキング材を使用する場所などは業者の判断によるので、外壁コーキングを施工する際は施工経験の多い業者に依頼するのがよいでしょう。
では、「アクリル系」「ウレタン系」「シリコン系」「変成シリコン系」の耐用年数はそれぞれどのくらいなのか見ていきましょう。
【外壁コーキング材別耐用年数】
- アクリル系:約5年
- ウレタン系:約5年〜約10年
- シリコン系:約10年
- 変成シリコン系:約10年〜約15年
上記のようにアクリル系は短めの約5年なのに対し、変成シリコン系は約10年〜約15年と倍以上の差があります。
やはり、耐用年数が長くなればなるほど費用もかかってしまうため、外壁塗装の時期に合わせたり、今後住み続けるのかなど状況と価格を考慮した上でコーキングを決めていくと良いかもしれません。
「アクリル系」「ウレタン系」「シリコン系」「変成シリコン系」の特徴などは次の項目でご紹介します。
アクリル系外壁コーキング剤の特徴と価格相場
アクリル系外壁コーキング剤は外壁コーキング剤の中で最も安価で施工可能ですが、他のコーキング剤と比べ肉やせしやすく黒ずみやベタつきやすくなるのが特徴です。少し前は主流でしたが、近年はあまり使用されていません。
また、価格が安価なため耐久性も比較的低いコーキング剤となります。アクリル系外壁コーキング剤の単価は、1平方メートルあたり約500円程度です。
ウレタン系外壁コーキング剤の特徴と価格相場
ウレタン系外壁コーキング剤は、固まってからの弾力が強く、環境の変化に対応できることから汚染されにくいのが特徴で、主にポリウレタン系が一般的です。
アクリル系外壁コーキング剤よりも耐久性に優れていますが、紫外線で劣化しやすいので紫外線があたりやすいかどうかによって耐用年数に差が出てしまう可能性があります。
ウレタン系コーキング剤の価格相場は、1平方メートル当たり約600円となります。
シリコン系外壁コーキング剤の特徴と価格相場
シリコン系外壁コーキング剤は耐候性や柔軟性、耐熱性などに優れおり、外壁コーキング剤の中で最も優れたコーキング剤となります。価格は高めですが、コストパフォーマンスが良いため、昨今は使用する業者も増加傾向にあります。
また、シリコン系外壁コーキング剤は耐久性も高いため、耐用年数も最も長い期間となります。シリコン系外壁コーキング剤の価格相場は、1平方メートルあたり約900円です。
変成シリコン系外壁コーキング剤の特徴と価格相場
変成シリコン系外壁コーキング剤は、シリコンという名前がありますがシリコン系とは異なるシーリング材です。耐候性はシリコン系に若干劣りますが、柔軟性と非汚染性があります。
また、シリコン系では硬化後の塗装はできませんが、変形シリコン系は硬化後の塗装が可能となります。現在サイディングの目地に使用されているシーリング材はほとんどがこの変成シリコン系外壁コーキング剤となります。
変成シリコン系外壁コーキング剤の価格相場は1本あたり約500円〜約700円です。
外壁コーキング剤の選び方
外壁コーキング材として多く使用されているのは、「変成シリコン系」のコーキング材です。
以前は、コーキング材に含まれる可塑剤がにじみ出ることで塗料を変色させてしまう「ブリード」という現象を発生させることもありましたが、現在は「ノンブリード」タイプのものが多く、施工時の綺麗な状態を長く維持できる製品が多くなっています。
「変成シリコン系」とよく混同される「シリコン系」を外壁に使用する場合は注意が必要です。
コーキング材の中でもメジャーな「シリコン系」のものは、耐久性や価格面において最もコストパフォーマンスに優れており、特に水回りに使用されます。
しかし、水を弾いてしまうため、施工後に塗装する必要がある外壁にはあまり適しません。
外壁に使用されるコーキング材には、それぞれメリットとデメリットがあります。業者に施工を依頼する際には、勧められたコーキング材の特徴と施工する建物の診断結果等を照らし合わせて、最適なコーキング材を使用してもらえるよう必ず事前に確認しましょう。
コーキング補修の仕方
コーキングの補修方法には、「増し打ち」と「打ち替え」の2種類あります。「増し打ち」とは既存のコーキングはそのままに、上から新しいコーキングを重ねて補修する方法です。一方「打ち替え」は、既存のコーキングをすべて撤去し、新たにコーキングする方法です。
「増し打ち」のよいところは、既存のコーキングをそのままにするので取り除く手間がかからない分、施工が早く済み、その分費用も安く抑えられる点です。ただし、この方法を取る場合は、既存のコーキングの劣化がそこまで進行していないことが前提となります。
「打ち替え」の場合は旧コーキング材の撤去には手間がかかり、その分コストもかさみます。それでも、ある程度劣化が進んでいる場合は「増し打ち」ではなく「打ち替え」がおすすめです。
一部の業者では施主に対して「増し打ち」「打ち替え」の説明をせず、「増し打ち」で済ますことでコストを抑えて安く見積もるケースがあります。施主側は価格だけでなく工事内容を把握し、信頼できるリフォーム会社を選ぶことが大切です。
コーキングの補修工事では、コーキングを先にしてから外壁塗装することを「先打ち」、外壁塗装を済ませてからコーキングすることを「後打ち」といいます。
「先打ち」では塗装でコーキングの表面をカバーするので、コーキングを紫外線や風雨から守り劣化の進行を遅らせるというメリットがあります。その一方、塗膜の表面が割れやすいという欠点があります。
「後打ち」ではコーキングが外壁表面でむき出しになっているため、直接、紫外線や風雨が当たり、劣化が進みやすくなります。ただしコーキングの表面に塗膜がないため、塗膜がひび割れるというようなことはありません。
実際にはコーキング表面の塗装の塗膜にひび割れが入ったとしても、見た目ではそれほど気になるものではありません。シーリング本来の機能を長持ちさせるためには塗膜でカバーする「先打ち」の方が、メリットが大きいといえます。
外壁塗装を行わず、コーキング工事のみを行う場合は、必然的に「後打ち」になります。
コーキング工事の流れと費用
コーキング工事の一般的な施工工程をご紹介します。
1. コーキング材の除去と清掃
カッターナイフなどで不具合部のコーキングに切り込みを入れ、サイディング(またはALCパネル)から取り外す。サイディングの小口部分に古いコーキング材が残らないように注意し、目地部のゴミ、油分などを拭き取る。
2. バックアップ材またはボンドブレーカーの挿入
目地には横2面と底1面の計3面のコーキング材付着面がある。コーキング材をそのまま充填すると3面接着になるが、外壁目地部でのコーキングは建物の揺れやゆがみに追従できるよう2面接着が基本。
2面接着にするために、目地の底面にバックアップ材を挿入する。バックアップ材が入らない浅い目地の場合は、ボンドブレーカーを目地底に貼る。
3. マスキングテープでの養生
溝の周囲にマスキングテープを貼り養生する。
4. プライマー塗布
新設のコーキング材を密着させるためプライマー(下塗り塗料)を塗る。塗布後、ホコリやゴミ、雨水などが付着しないように注意し、30分以上6時間以内にコーキング材を充填するようにする。
5. コーキング材の充填・ヘラ押さえ
コーキング材を目地に充填し、専用のコテで目地内部に隙間や空洞ができないように均等に押し込む。
6. マスキングテープ剥がし・清掃
コーキング材が乾く前に、マスキングテープを剥がす。コーキング材が充填箇所以外に付着した場合は拭き取る。
コーキング補修工事の見積もりは、メーター単価で出されるのが一般的です。コーキンング材の種類や業者によっても差がありますが、目安として下記を参考にしてください。
「打ち替え」工事の場合は、コーキング施工費用に加えて、既存コーキング材の撤去費用として1mに付き約600〜700円必要となります。また、コーキングの補修工事を効率よく安全に工事を行うためには足場を設置する必要があり、その費用として約15〜25万円かかります。
増し討ちの場合:全体の費用=(約500〜900円)×長さ+足場設置費用
打ち替えの場合:全体の費用=(約500〜900円+約600〜700円)×長さ+足場設置費用
コーキングの補修時期と外壁や屋根の塗装時期は、サイクルとしてだいたい重なっています。コーキングの補修工事のみを行ったとしても足場は組む必要があるので、外壁塗装や屋根塗装と一緒に工事を行えば足場台にかかるコストが一度で済み、お得になります。
リフォーム会社によっては外壁・屋根塗装のオプションとして格安でコーキングのメンテナンスを行うケースもあります。チェックしてみるとよいでしょう。
DIYでコーキング補修する場合の費用と注意点
コーキングの補修は自分で行うこともできます。そのために必要な主な道具や材料とそれにかかる費用をあげてみました。
- コーキング材=1本約500〜2,000円(1本で目地約3m分)
- コーキングガン(コーキング剤を押し出し注入する道具)=1本約200〜20,000円
- バックアップ材=1m約10〜70円
- プライマー=1平方メートル約600〜900円
- マスキングテープ=1個約300〜500円(1巻き18mのものが多い)
- ヘラ=1本約500円
材料はインターネットやホームセンターで揃えることができ、DIYなら大幅にコストダウンさせることができます。
ただ、一見簡単そうなコーキング補修ですが、外壁材と選んだコーキング材の組み合わせや打ち方が悪いと、すぐに剥がれてダメになってしまうことがあります。高所から落下する危険性もあるので、十分な注意が必要です。
部分的な、ちょっとした箇所の補修ならDIYでもよいでしょうが、外壁全体の本格補修となれば、専門のリフォーム会社に依頼することをおすすめします。
外壁コーキングを依頼する業者を選ぶ際のポイントとは
外壁コーキングには、決まった単価や価格がありません。また、外壁材や塗料との相性など総合的に判断した上でコーキング剤を選ぶため、施工方法も一律ではありません。
そのため、外壁コーキングの全ては施工する職人の判断や施工技術に頼ることになるでしょう。
少しでも価格が安いところを、と価格重視になりがちですが、コーキング剤の種類や補修作業などどのような内容なのかも注意深く確認する必要があります。しかし、価格が高額だからといって安心できるとは限りません。
大切なのはコーキング剤を使用した施工内容なので、コーキングの種類などは必ずチェックしましょう。
また、見積もり依頼した内容についてコーキング剤や見積もり価格が適正なのかどうかを知るためにも、見積もりは2〜3社の複数社に依頼するのがおすすめです。
見積もりを複数社に依頼することで、見積もり内容の相場を知ることができるでしょう。
次に、業者を選ぶ際、「防水施工技能士(シーリング防水工事作業)」の有資格者がいるかどうかも確認すべき事となります。「防水施工技能士」は国家資格のため、有資格者がいることで施工技術も安心できる目安となります。
有資格者が在籍しているかや施工実績などは、インターネットで業者のホームページに掲載されているケースが多いので、業者を選ぶ際はインターネットを上手に利用し価格相場や業者の口コミなどを調べておくといいでしょう。
外壁コーキングの補修を依頼する際のポイント
外壁のコーキング施工を業者に依頼したにもかかわらず、施工不良で補修を依頼しなければならないこともあります。
コーキング材がきちんと施工されていないだけでなく、コーキング後に塗装した色が依頼したものと異なっていたり、塗りムラがあったりする等、補修の依頼には様々な理由が挙げられます。
しかし、業者による施工不良が認められない場合には、補修費用を追加請求されることもあります。こうした事態を避けるためにも、施工前に外壁塗装工事の各工程をひと通り確認しておきましょう。
安心して依頼できる業者に施工してもらうのはもちろん大前提ですが、業者に作業を全て任せっきりではなく、自分自身も作業行程の確認をしておくことで、後に補修を依頼することになった場合に施主か業者のどちらの過失になるのかをはっきりとさせることができます。
また、依頼する前に工事保証やアフターフォローの制度がきちんと整っているかを確認することも大切です。
数年間の無料点検制度や有料でのメンテナンスなど、業者によって工事の保証期間や保証内容は異なります。工事箇所によって保証期間が変わる業者もあります。依頼前にしっかりと確認をしておきましょう。
工事保証を出している業者の中には、万が一施工後に業者が倒産してしまった場合でも保証を本部に引き継いでもらうことができる制度を整えている業者もあります。
コーキングとシーリングの違いや用途・劣化のサイン・リフォーム費用を解説
ご自宅の外壁などのコーキングは傷んでいませんか?
「コーキングはいつリフォームするのがよいのだろう?」「リフォーム費用はどれくらいかかるのだろう?」など、コーキングについて疑問がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、コーキングについて調べると、シーリングという言葉もよく見かけます。
コーキングとシーリングにはどのような違いがあるのでしょうか。
そこで今回は、コーキングとシーリングの違いや用途・劣化のサイン・リフォーム費用についてご紹介します。
コーキングとシーリングの違いとは
コーキングとシーリングの違いはあまりなく、同じ意味だと解釈して問題ないでしょう。
コーキング(シーリング)とは、気密性や防水性を高めるために建物などの隙間を充填することです。
日本工業規格(JIS)によるとシーリングとコーキングは、シーリング材と油性コーキング材の2種類に分類されています。
昔は油性コーキング材も使用されており、油性コーキング材を使用した箇所のシーリング工事をコーキングと呼んでいました。
しかし、現在では油性コーキング材を使用することはほとんどありません。
以前使用されていた油性コーキング材の名残から、シーリングのことをコーキングと呼ぶことがあります。
ややこしいですが、現在ではコーキングとシーリングの違いはほとんどないと覚えておくと良いでしょう。
シーラーとシーリングの違いとは
シーラーとは、外壁塗装工事をする際に最初に塗る下塗り塗料のことです。
シーラーには中・上塗り塗料との密着性を高める、塗装面の細かいひび割れを補修する、中・上塗り塗料の吸い込みを防ぐ、塗装面の下地を補強するといった役割があります。
それに対してシーリング材とは、気密性や防水性を高めるために建物などの隙間を充填する材料のことです。
シーラーは、シーリング材を塗る前に塗布する接着剤です。
シーリング材を隙間に密着させるために塗ります。
よって、シーラーとシーリングは全く別物です。
コーキング材(シーリング材)の用途とは
コーキング材はどのように使われる物なのでしょうか。
4つの用途をご紹介します。
サイディングのひび割れを防ぐ
サイディングとは、建物の外壁に使用する外壁材の一種です。
仕上げ用の板材で、外壁に張り付けて使用します。
サイディングは薄く固いため、気圧の変化や地震などで負荷がかかると、ひび割れや破損がおきてしまいます。
サイディングがひび割れや破損をおこさないようにするために、目地と呼ばれるサイディングとサイディングの隙間にコーキング材を充填します。
そうすることで、サイディングへの負荷を減らし、不具合を防ぎます。
接着剤として建具を固定する
建具とは、障子・襖・窓・戸の総称のことです。
建具は、空間と空間を仕切る場合に使われるため、できるだけ隙間がないようにする必要があります。
コーキング材は、建具と建具の隙間を埋め、建具を固定することで動かないようにします。
また、隙間から水が入るのを防ぐ役割もあります。
雨漏りの応急処置としての利用
雨漏りがおきている箇所をコーキング材で埋めることで、応急処置ができます。
雨漏りの応急処置をする際には、防水性に優れたコーキング材を使用します。
ただ、コーキング材を使用して穴を塞ぐ際には、穴が完全に乾いた状態でコーキングする必要があります。
濡れたまま行うと湿気で傷んでしまい、さらなる雨漏りの原因となるからです。
雨漏りの応急処置をする際は、注意しましょう。
外壁材の衝撃を吸収する
サイディングやコンクリートなど外壁材は、気温や湿度によって膨張したり、収縮したりします。
膨張や収縮をする際にコーキング材がないと外壁材のひび割れや破損がおきてしまい、外壁としての役割が果たせなくなります。
外壁と外壁の間にコーキング材を挟むと、コーキング材が緩衝材となり外壁同士がぶつかるのを防いでくれます。
外壁のコーキングリフォームの費用相場と工期
外壁のコーキングリフォームにかかる費用と工期はどれくらいでしょうか。
コーキングの打ち増しと打ち替え別にご紹介します。
なお、こちらの記事に記載の金額はあくまでも一例です。
詳しくは業者による現地調査が必要となります。
また、業者によっても金額は変わってくるため、複数社に見積もりを依頼し、比較・検討するようにしましょう。
コーキングの打ち増し
コーキングの打ち増しとは、既存のコーキングの上から重ねて打つことをいいます。
コーキングの打ち替えに比べてコーキング材の使用量が少ないのと、既存のコーキングの撤去が必要ないため、費用が安くなります。
費用は、1mあたり約500円〜約900円です。例えば200mだと、約10万円〜約18万円となります。
足場が必要な場合は、追加で約15万円〜約20万円かかります。
工期の目安は約2週間です。
足場の組み立てに約1日、外壁などの洗浄作業に約1日~約2日、コーキングの打ち増し作業に約2日~約4日、外壁などの塗装作業に約5日~約10日、点検・確認に約1日~約2日、足場の解体に約1日かかります。
天候や足場を組む必要がないなど、場合によっては工期が短くなったり長くなったりすることもあります。
コーキングの打ち替え
コーキングの打ち替えとは、既存のコーキングを撤去してから新たにコーキングを打つことをいいます。
古くなったコーキングを完全に撤去してから新しいコーキングを打つため、コーキングの打ち増しよりも耐久性が上がります。
費用は、1mあたり約900円〜約1,200円です。例えば200mだと、約18万円〜約24万円となります。
足場が必要な場合は、打ち増しの時と同様に約15万円〜約20万円かかります。
打ち替えには、さらにコーキング材の撤去費用が約1万円〜約3万円必要です。
工期は約14日~約17日です。打ち増しの時よりも、コーキングの撤去、コーキングの乾燥に時間がかかるため、打ち増しよりも工期が長くなります。
外壁のコーキングの耐用年数と交換目安
外壁のコーキングの耐用年数は、約5年〜約10年です。
コーキングには可塑剤といわれる弾力性を持たせる成分が含まれています。
この可塑剤の寿命が約5年〜約10年であるためです。
弾力性を失うとコーキングの役割が果たせなくなってしまいますので、コーキングの交換が必要となります。
交換の目安は約7年〜約10年です。
外壁のコーキングは、日々紫外線や雨風にさらされています。
劣化は温度や湿度によっても変化するため、耐用年数に差が出ています。
コーキングを適切な時期に交換することで、外壁を守ります。
外壁のコーキングの劣化のサイン
外壁のコーキングの劣化のサインとは何でしょうか。
劣化のサインを知っていれば、適切な時期にコーキングを交換できます。
今回は3つのサインをご紹介します。
コーキングのひび割れ
コーキングが紫外線や経年の影響で劣化しひび割れがある場合は、コーキングの弾力性が失われている状態です。
柔軟性が低いため、家の揺れに追従できず、ひび割れをおこしています。
ひび割れがある場合は、あと数年でコーキングが寿命をむかえるサインです。
ひび割れを放置すると、雨水が浸入するようになります。
また、さらに放置すると、コーキングがより固くなりひび割れが広がり、真ん中が切れてしまう破断と呼ばれる状態になってしまいます。
破断の状態はすぐにコーキングの交換が必要なため、ひび割れが起こった時点でリフォームを検討するのが良いでしょう。
コーキングの肉やせ
肉やせとは、コーキング材に含まれる可塑剤が溶け出してしまい、コーキングの厚みが減少することです。
コーキングの厚みが減少すると弾力が弱くなり外壁材との間に隙間ができ、さらに放置すると、ひび割れや破断が発生し隙間から水が浸入してきてしまいます。
コーキングの肉やせも、リフォームを検討するサインです。
建材からの剥離
肉やせがさらに進むと、建材との間に隙間ができてしまいます。
この状態を剥離といいます。
建材から剥離してしまう原因は、シーラーの塗り忘れや経年劣化によるものです。
建材から剥離している状態では、防水機能が失われています。
そのため水が浸入して建物の内部が腐食したり、シロアリが発生したりと大きなトラブルに繋がります。
建材からの剥離も、リフォームを検討するサインです。
シーリングの種類と使用用途
シーリング材にはいくつか種類があり、それぞれ使用用途が異なります。
今回は4つのシーリング材とその使用用途をご紹介します。
シリコン系シーリング
シリコン系シーリングは他のシーリングと比較して、耐久性・耐候性・耐熱性・撥水性に優れています。
そのため、お風呂やキッチンなど水まわりで使用されることが多いです。
その他には、瓦屋根の補修、ガラスまわりにも使用されます。
シリコン系シーリング材は、充填後にオイルが出るため水をはじきます。
よって上から塗装ができないため、基本的には外壁のシーリング工事には使用できません。
アクリル系シーリング
アクリル系シーリングは、水性タイプで作業性に優れていますが、耐候性・耐久性が低いという点がデメリットです。
また、硬化後に肉やせが起こる性質もあります。
約8年〜約10年でひび割れてしまうことが多く、新築時に使用されることはありますが、リフォームの際にはアクリル系シーリングを選ぶ方は少ないです。
耐候性・耐久性が低い分、他のシーリング材に比べて安価ですが、メンテナンスの回数が増えるため、長期的にみるとコストが高くなってしまいます。
ALC外壁の目地や、壁紙・内装の目地などに主に使用されます。
ウレタン系シーリング
ウレタン系シーリングは、耐久性と密着性に優れています。
硬化すると弾力性を持つため、コンクリートや外壁のひび割れ補修に使用されます。
しかし、耐候性が低く紫外線に弱い、ホコリを吸着しやすいといったデメリットが挙げられます。
そのため、ウレタン系シーリングを使用する際には塗装して保護する必要があります。
コンクリート・木材・ALC・窓枠周りの目地などに主に使用されます。
変性シリコン系シーリング
変性シリコン系シーリングは、ウレタン樹脂を原料としており耐候性・塗装性に優れています。
そのため、水まわりも含めて様々な場所で使用できます。
また、硬化後に塗装ができるため、外壁にも使用可能です。
しかし、シリコン系に比べて耐久性が、ウレタン系と比べて密着性が劣ります。
窓サッシ・外壁・鉄板・鋼板などの目地材に主に使用されるシーリング材です。
使用箇所ごとに適したシーリング材の種類
シーリング材は4種類あり、それぞれ使用用途が異なるため適した箇所も違います。
今回は、外壁に適したシーリング材、水まわりに適したシーリング材、排気口・配管に適したシーリング材をそれぞれご紹介します。
外壁に適したシーリング材
外壁に適したシーリング材は、変性シリコン系シーリングです。
変性シリコン系シーリングは、耐候性・塗装性に優れています。
外壁は塗装をすることが前提となっているため、塗装ができる変性シリコン系シーリングが適しているでしょう。
撥水性に優れているシリコン系シーリングは、上から塗装ができないため基本的には外壁に使用できません。
また、外壁のシーリング材にはノンリードタイプを選ぶようにしましょう。
ノンリードタイプとは、可塑剤の移行が起こりにくいタイプのシーリング材です。
可塑剤が溶け出して移行してしまうと、シーリング材に弾力性がなくなってしまいます。
そのため、変性シリコン系シーリングの中でも、ノンリードタイプが外壁に適したシーリング材だと言えます。
水まわりに適したシーリング材
水まわりに適したシーリング材は、シリコン系シーリングです。
シリコン系シーリングは、撥水性・耐久性に優れているため水に強く、水まわりに適しています。
防カビ仕様のシーリング材を使用すると、カビが発生しにくくより効果的です。
変性シリコン系シーリングも水まわりに使用できますが、撥水性と耐久性はシリコン系シーリングの方が優れているため、水まわりにはシリコン系シーリングが適しています。
排気口・配管に適したシーリング材
排気口・配管に適したシーリング材は、変性シリコン系シーリングです。
先ほども述べたように、変性シリコン系シーリングは塗装ができます。
排気口・配管に塗装が要らない場合であっても、メンテナンスの選択肢を増やすために変性シリコン系シーリングが良いでしょう。
シリコン系シーリングだと塗装ができないため、最適ではありません。
お得にコーキングの打ち替えリフォームをする方法
コーキングの打ち替えリフォームをお得に行う方法があります。
今回は2種類の方法をご紹介します。
耐用年数の長いコーキング材を使う
コーキング材の耐用年数は約5年〜約10年です。
しかし、外壁塗装の耐用年数はコーキング材の耐用年数よりも長くなっています。
それゆえ外壁塗装のリフォームは必要ないのに、コーキング材のリフォームのみ必要になることがあります。
外壁塗装と同じくらいの耐用年数があるコーキング材を使用することにより、外壁塗装工事と同じタイミングでリフォーム工事ができます。
これにより、メンテナンスの回数が少なくなり、コーキングの打ち替えリフォームの費用をおさえられます。
コーキング打ち替えリフォームの見積もりを比較する
コーキング打ち替えリフォームを行う際には、リフォーム会社に依頼をします。
複数社に見積もりを依頼し、比較することで価格の安いリフォーム会社を選べます。
リフォーム会社によって価格が変わるため、見積もり比較は重要です。
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また、リフォームの相談も可能なため、初めてリフォームを依頼する方でも安心してご利用頂けます。
まとめ
以上、コーキングとシーリングの違いや用途・劣化のサイン・リフォーム費用についてご紹介しました。
今回ご紹介したコーキングのリフォームの費用はあくまで目安です。
コーキングのリフォームをする際には、価格が会社によって異なるため複数社から見積をとることをおすすめします。
ハピすむを利用すれば、簡単にご希望に合わせた会社からの見積もりを比較できます。
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この記事の監修者プロフィール
2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。
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