2022年02月18日更新

外壁の劣化、原因や対処法は?

住宅の外壁には、板状の外壁材「サイディング」や砂とセメントに水を加え練り合わせた「モルタル」などが主に使われています。これらの外壁材が劣化する原因と劣化の症状別の補修方法や、劣化を放置しておくことによる影響についてまとめました。

外壁劣化の原因


施工:山商リフォームサービス

住宅を長持ちさせるには、人間同様に病の早期発見・早期治療が一番です。

愛情を持って常々お家の診察をするために、いくつかの代表的な病状を解説しましょう。

サイディングやモルタルなどの外壁材の表面が劣化するのにはいくつかの原因があります。

それぞれの原因についてまとめました。

雨風が原因の場合

雨や風が吹き付けることにより外壁の表面は劣化していきます。

直接雨風が吹き付けることはもちろん、雨や風が運んでくるほこりや汚れも外壁を傷つける要因の一つです。

紫外線が原因の場合

紫外線の影響により塗料の表面の塗膜が劣化して色あせなどが起こることがあります。

北側より南側の外壁の劣化が激しい場合には紫外線の影響と推測することが可能です。

経年劣化が原因の場合

経年劣化により外壁に使われている材料が劣化し外壁全体が弱くなると、建物の倒壊を招く恐れもあります。

経年劣化による症状は色あせ、チョーキング、クラックなど様々です。

外壁の劣化を放置しておくことによる影響

外壁の劣化に気付いていても、補修にはお金や時間がかかるため、すぐに補修をしないで放置しているケースも少なくはないでしょう。

外壁の劣化を放置しておくことによる影響についてまとめました。

建物の寿命が短くなる

外壁は建物の側面を外側から守ってくれているため、外壁が劣化すると雨水などが侵入し建物の構造材を傷めてしまうこともあります。

そのような状態で地震などに見舞われると、簡単に倒壊してしまうことになりかねません。

アレルギーを誘発


写真提供:藤建設

外壁が劣化し雨水などの影響を受けると、壁の中が湿ってしまいカビが発生します。

カビはアレルギーの原因物質の一つです。外壁の劣化が家族の健康に影響を及ぼすこともあります。

外壁劣化の見分け方

私たちの大切な住宅を紫外線や風雨から守ってくれている外壁ですが、築年数の増加と共に次第に劣化してしまいます。

外壁の劣化状況は自分自身でも確認することができ、次のような症状が見られる場合は外壁が劣化している証拠であると言えます。

・壁を触ると手に粉が付く
・ひび割れ
・色褪せ
・サビ

劣化が進行すると大規模な修繕が必要となるケースもあるため、外壁に劣化が見られる場合は早めに対策を取ることが重要です。

外壁の劣化状況と対処法

建物の寿命を延ばし補修費用をできるだけ抑えるためには、早めに対処することが重要です。

補修が必要となる外壁の劣化状況と症状別の対処法をまとめました。

チョーキング

外壁に触れた時に白い粉のようなものが付着する状態がチョーキング現象です。

外壁の塗膜が薄くなっているサインで、表面の細かい粉を全て落として外壁の塗り替えを行う必要があります。

クラック


写真提供:藤建設

外壁材のひび割れ(クラック)は建物に振動がかかった場合や動きが生じた場合の圧力が原因です。

クラックの種類によって対処方法も異なります。

ヘアクラック

毛髪のような細く短いクラックが「ヘアクラック」です。

主に外壁塗料の塗膜に発生します。

軽微なヘアクラックでは、ひび割れに直接下地材のフィラーを塗装し、その上から通常の上塗り材を重ね塗りすることが必要です。

構造クラック

建物の構造的な欠陥や地震や地盤沈下などから発生するクラックを「構造クラック」と言います。

構造クラックを放置すると基礎の強度が低下して建物を支えられない可能性がでるため早めの対処が必要です。

対処法としては、クラック部分をカットし、内部にシーリング材を注入して割れを塞ぐ作業を行います。


外部壁面に表れているクラックや欠けた部分の漏水を防ぐため、シーリング材を注入(写真提供:バレッグス)

既存の塗膜とクラック部分に沿って塗装する仕上げ材の色を完全に合わせるのは難しく、色ムラができることもあるため、色ムラを作りたくない場合には一面、または全面の塗り替えを検討するとよいでしょう。

色あせ

外壁の色あせは、経年劣化や紫外線の影響などによって起こります。

色あせの対処法で一番有効なのは再塗装です。

色あせを放置しておくと壁のひび割れや剥がれといった症状を招くこともあるので早めの対応を心がけましょう。

汚れ

水や洗剤を使っても落とせない黒ずみやカビなどの汚れがある場合には、塗り替えが有効です。

汚れをそのままにしてくと、美観を損ねるだけではなく建物の変色や劣化を進めることにもなりかねません。

シーリングの劣化

サイディングの継ぎ目の目地部分を埋めるために使われているシーリング(コーキング)は、サイディングと同じように雨風や紫外線などを受けて劣化します。

劣化してひび割れが入る前にシーリングの充填をするのが理想です。

劣化したシーリング材への対処法としては、既存のシーリングを撤去し新たにシーリング材を充填する「打ち替え」と、既存のシーリングの上に新たなシーリング材をかぶせる「打ち増し」とがあります。

サビ


写真提供:藤建設

外壁のサビは高圧洗浄やサビ取り専用の洗剤などで落とすことができる場合がありますが、自分で落とせなかった場合やサビが広範囲に渡る場合にはリフォーム会社に見てもらい修理の方法を相談するとよいでしょう。

サビの部分を取り除き、サビ止めの塗布を行い再塗装を行うのが一般的な方法です。

サビの程度や範囲によっては塗り替えやサイディングの張り替えなどの必要が生じます。

また、サビによって防水性が低下している場合には内部の木材などが腐っていることもあり、既存の壁材を撤去し内部の状態を確認することが必要です。

サイディングの割れ・剥がれ

サイディング表面の塗膜が劣化し雨水が侵入しやすくなると、寒暖差による収縮と膨張を繰り返すことによりサイディング本体のひび割れを引き起こします。

また、釘の周辺にはひび割れが多く見られるため注意が必要です。

劣化の進行が激しい場合には、反りや欠けが生じサイディングが剥がれてしまうこともあります。

サイディングの割れや剥がれが生じた場合には、新しいサイディングへの張り替えが有効です。

対処法としては、既存のサイディングの上に重ね張りをする場合と、既存のサイディングと下地を撤去して新しいものに張り替える場合、もしくは、既存のサイディングの上から塗料を塗る方法もあります。

外壁劣化の流れと期間


写真提供:藤建設

外壁の劣化状況は塗料の種類や塗装を行う際の施工品質、日照具合や気候といった建物の立地条件等によっても左右されます。

ここでは外壁の劣化の進行具合を段階ごとにご紹介します。

ただし、ここでご紹介する年数よりも長持ちする場合もあれば、逆に目安の年数よりも早く劣化が進むこともあります。

年数についてはあくまで目安として参考程度に考えましょう。

艶落ち・変色

新築時の外壁はツヤがあり発色も良く、光が当たるとピカピカと輝いて見えるでしょう。

新築から約1~2年経過する頃には塗膜に含まれる樹脂が紫外線を浴びることで劣化し、艶落ちや色あせが発生します。

チョーキング

新築から約5~6年が経過する頃にはチョーキングと呼ばれる現象が起こり始めます。

チョーキングとは、外壁を手で触るとチョークのような白い粉が付く現象のことです。

この段階で外壁の防水機能は失われていると考えた方が良いでしょう。

クラックの発生

新築から約8~9年でクラックが発生することがあります。

通常はヘアークラックと呼ばれる建物の構造上特に問題がない微細なクラックがまず発生します。

塗膜剥離

新築から約10年が経過する頃には塗膜が剥がれ落ちてくることがあります。

この段階では外壁自体が塗膜による保護を受けることができなくなるため早めの修繕が必要です。

外壁劣化を直すタイミングは?

外壁の劣化は築年数の経過と共に進行し、劣化が進むほど修繕の規模も大きくなりコストがかかってしまいます。

劣化がまだあまり進行していない段階であればDIYなどで対応することも可能でしょう。

しかし、外壁にクラックやチョーキングが発生している場合は劣化状況が進んでいる可能性があります。

補修には専門的な知識や技術を必要とするため、そのような時にはDIYではなく専門業者に相談するようにしましょう。

外壁劣化を修理する費用相場


写真提供:藤建設

外壁劣化を修理する場合、塗り替え、重ね張り、張り替えのいずれかの工法を選択することになります。

それぞれの特徴と費用相場についてご紹介します。

塗り替え

塗り替えとは外壁に新たな塗料を直接塗る工法のことを言います。

塗り替えを行う場合はまず下塗りをし、その後に中塗りと上塗りを行いますが、それぞれの塗りの間に乾燥期間を設けます。

そのため、約30坪の住宅の外壁塗装であれば少なくとも10日以上の工期が必要となるでしょう。

塗り替えの費用は使用する塗料の種類によっても大きく異なりますが、目安としては約80~100万円が相場であると言われています。

重ね張り

重ね張りとは外壁にサイディングを使用している場合、既存のサイディングの上から新たなサイディングを張っていく工法のことを言います。

重ね張りは既存のサイディングを除去する必要が無いため工期が比較的短くなり、その分人件費を安く抑えることができます。また、古いサイディングを撤去する際の処分費用もかかりません。

サイディングの種類によって費用は異なりますが、30坪の住宅の場合で約100~180万円が相場であると言われています。

張り替え

張り替えとは既存のサイディングを除去して下地を補修し、新たなサイディングに張り替える工法のことです。

張り替えは既存のサイディングを除去する必要があるため人件費や処分費用が必要となり、重ね張りよりも費用が高くなります。

こちらもサイディングの種類や下地の劣化状況によって費用が異なりますが、30坪の住宅の場合で約120~300万円が相場であると言われています。

劣化した外壁の補修の工期は?

劣化した外壁の補修にかかる工期は、補修方法に大きく左右されます。

外壁の補修方法ごとの、一般的な工期をまとめると以下の通りです。

  • 塗り替え:約10〜14日
  • 重ね張り:約10〜20日
  • 張り替え:約10〜25日

それぞれ解説していきます。

塗り替え

外壁の塗り替えにかかる工期は、約10〜14日です。

塗り替えでは、足場の組み立てから既存外壁の洗浄、下地補修、塗装、足場の解体といった手順を踏みます。

また、塗装は下塗り、中塗り、上塗りという3回塗りを行うのが一般的で、それぞれに乾燥時間も設けるため、一定期間の工期を要するものです。

重ね張り

外壁の重ね張りにかかる工期は、約10〜20日です。

足場の組み立てから胴縁という下地材を取り付け、外壁の施工、目地のコーキング処理、足場の解体へと続きます。

1枚1枚、職人が施工していくため、塗り替えよりも工期が長くなると考えましょう。

張り替え

外壁の張り替えにかかる工期は、約10〜25日です。

足場の組み立て、既存外壁の撤去、下地材である胴縁の取り付け、外壁施工、目地のコーキング処理、足場の解体という手順を踏みます。

外壁の撤去が含まれるため、塗り替えや重ね張りよりも工期は長くなることを頭に入れておきましょう。

劣化しにくい外壁にするには?

外壁の劣化を防ぐには、以下の3つの方法があります。

  • 耐久年数が長い素材を選ぶ
  • 色あせしにくい色で塗装する
  • 機能性塗料を使用する

それぞれ解説します。

耐久年数が長い素材を選ぶ

劣化しにくい外壁にするには、タイルやサイディングなど、耐久年数が長い素材を選びましょう。

タイルは、およそ40年間、メンテナンスが必要ないと言われます。

メンテナンスの面を考えると、タイルの選択も良いでしょう。

また、タイルの次に耐久年数が長い外壁材はサイディングです。

定期的に塗り替えなどの補修は必要ですが、モルタル・漆喰・木材などと比べると、耐久年数の長い外壁材と言えるでしょう。

色あせしにくい色で塗装する

劣化しにくい外壁にするもう1つの方法は、色あせしにくい色で塗装することです。

色あせを引き起こす原因は、直射日光による経年劣化だと言われます。

一年中、屋外で直射日光にさらされる外壁材は、紫外線の影響を受けやすいものです。

例えば、白・黒・青は、色あせしにくい色として知られています。

白は紫外線の影響を受けにくく色あせしにくいのが特徴です。

しかし汚れは目立ちやすいため注意が必要です。

次に、黒は光に分解されないという性質を持つため、色あせしにくい色です。

しかし黒も、ホコリやチリが目立ちやすくツヤを失うと色あせた印象を受けるかもしれません。

最後に、青も色あせしにくい色です。

光を反射し、紫外線の影響を受けにくいと言われます。

また、おしゃれな外観に仕上げやすいため、おすすめの色と言えるでしょう。

機能性塗料を使用する

劣化しにくい外壁材にするには、機能性塗料を使用するのも効果的です。

機能性塗料とは、特別な機能を持たせた塗料のことを指します。

機能性塗料にはさまざまな機能を持つ種類がありますが、断熱塗料、弾性塗料、光触媒塗料の3つが代表的です。

それぞれ詳しく説明します。

断熱塗料

断熱塗料とは、熱や冷気の建物への侵入を防ぎ、室内の温度上昇を抑える機能を持つ塗料です。

温度が高くなりにくいことから、外壁と住宅の長寿命化が期待できます。

弾性塗料

弾性塗料は、ゴムのように伸縮しやすい性質を持つことから、ひび割れに強い塗料です。

防水性が高く、モルタル外壁の塗料に使うと、劣化を防ぐ効果があります。

光触媒塗料

光触媒塗料は、太陽光を利用して汚れを分解する「セルフクリーニング機能」を持つ塗料です。

外壁が汚れにくくなるため、メンテナンス頻度を下げられます。

DIYによる補修

外壁の劣化、原因や対処法は?

外壁の補修をリフォーム会社に頼むと高額になることが多いため、DIYでの補修を検討される方も多いのではないでしょうか。

DIYでの補修が可能かどうかは劣化の程度や症状によって異なります。

幅0.3mm未満のヘアクラックの場合には、DIYでシーリングを充填して補修することも可能ですが、高所での作業となり危険を伴うため、リフォーム会社への依頼をおすすめします。

幅0.3mm以上の構造クラックの補修はDIYでは難しく、建物の強度にも関係するため、必ずリフォーム会社に相談するようにしましょう。

また、軽い汚れやコケなどの洗浄は、範囲が狭く低い位置の場合には自分で行うことも可能です。

しかし、高い場所で作業する場合には足場の設置が必要となり危険も伴うため、リフォーム会社に依頼した方がよいでしょう。

モルタル外壁の塗り替えサイディングの張り替えには、下地や構造材の補修が必要なケースが多くあります。

DIYでは難しいため、リフォーム会社への依頼をおすすめします。

外壁の劣化の程度を判断するのは素人では難しいことも多いため、気になる点がある場合には一度リフォーム会社に相談してみるとよいでしょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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