歌はずっと歌っていたい。歌えなくなる時が来たらきっと自分でわかりますよ

自宅のこだわりやライフスタイルなど住まいをテーマにお話を聴く『ハピすむ特別インタビュー』。第2回のゲストは、『おもいで酒』や『雪椿』などの大ヒット曲、紅白歌合戦での伝説的な豪華衣装やネット世代からも「ラスボス」の愛称で親しまれる国民的歌手の小林幸子さん。

インタビュー後編では、歌手のさだまさしさんや女優・浅丘ルリ子さんも遊びにくるという幸子さんの豪邸の意外なこだわり、「庭をジャングルにしたい」という自宅リフォームの野望など幸子流のエンターテイメントが詰まった「終の棲家」についてお話しを伺いました。

そして、初音ミクの「千本桜」での紅白出場やニコニコ動画でのポケモンED曲セルフカバーなどこの10年間の新たな挑戦と出会いについても語っていただきました。

ギラギラが好きってなんだかチャラい感じに思われるんですけど(笑)

自宅リフォームのこだわりは「金色」と「クリスタル」

──ご夫婦で住みやすいようにリフォームされたということですが、リフォームで何かこだわったポイントはあるんでしょうか。

小林幸子(以下、小林) まず、私が歌を練習する部屋を作りました。防音の扉にしてね。歌手として、お仕事と向き合える場所が絶対必要ですね。

それから扉に猫の入り口をつけたりですね。

あと、畳はやっぱり必要だなと。一部屋だけ畳敷きにしました。ただ私、木目調だったり、ナチュラルウッドみたいなデザインが趣味ではないんです。茶色だったり、木材の調度品が好きじゃないんですよ。

──木材はインテリアになるべく配さないようにしているんですか?

小林 それがね、そういうデザインや素材を主人が大好きなの。新居の方もそうですよ。そのうち、大きくリフォームしてやろうと思ってます(笑)。

私はインテリアや内装では「白」を基調にしたものが好きなんです。それから「ガラス」や「鏡」が好き、金色も大好きなんですね。ギラギラが好きってなんだかチャラい感じに思われるんですけど、クリスタルの輝きって綺麗で昔から好きなんです。

「だから私、25年間美容院には行ってないんです」

──こちらの旧宅にも新居にも、シャンプー台付きの広いパウダールームがあるんですよね。

小林 なんかもう、嫌な感じでしょう(笑)。ごめんなさいね。

──そんなことないですよ。芸能界で生きる幸子さんには必要不可欠ですね。

小林 私の専属のヘアメイクさんにいつも、カラーリングしたり、カットしてもらったり、パーマも全部おうちでやってもらっています。お仕事でも本当にすっごく助かってますね。

もう25年も私に付いてくれています。だから私、25年間美容院には行ってないんです。

──お仕事といえば、歌手の方ってやっぱりお家で練習されたりというのは常に?

小林 他の方はちょっと分かりませんけれど、私は自宅に通信カラオケDAMがあるんです。「お店じゃないんだから!」って言われそうですけどね(笑)。

でも歌って、お酒飲んで、カラオケのお店みたいに使うことは一切ないです。自分の歌と、番組で歌わなきゃいけない歌の練習用ですね。キーを出したりするのにも重宝してます。

勝手に来て、歌って帰る、そんな感じですね(笑)

さだまさしさん、コロッケ、浅丘ルリ子さん達が来て、歌って帰る

──紅白歌合戦の衣装対決で有名な美川憲一さんはじめ、YouTubeを拝見していても幸子さんって本当にご友人が多いですね。そういった芸能界のご友人が遊びに来たりすることもあるんですか。

小林 ありますね。結婚後はそうでもないですけど、私一人でここに住んでた時は、さだ兄(さだまさしさん)は来るわ、コロッケちゃんは来るわ。浅丘ルリ子さんは歌いまくってたしね。いろんな方が来ました。

──皆さんが集まれるっていう目的も含めて、広い空間がある間取りだったんでしょうか。

小林 そうですね。勝手に来て、歌って帰る、そんな感じですね(笑)。

──お住まいに対するこだわりについてはどうでしょう。たとえば、人が集まれる家にしたいとか。

小林 でも結局、『人が集まっても楽しい家』がいいのであって、人を集めるための家ではない。そこが大事ですね。やっぱり、自分がリラックスできる空間が一番いい。

リラックスできる空間が一番いい。家が好きなんです

それが人によっては木のインテリアかもしれないし、私の場合はガラスだったり、無機質なデザインだったりするんですね。

──幸子さんは住まいという空間を大事にされてるんですね。

小林 家が好きなんです。ずっと家にいますよ。家にいるとやることいっぱいありますよね、やろうと思ったら。

ちょっと家具の配置を変えようかなとか、絵を換えてみようかなとかね。模様替えが好きなんです。

あと、新居には一応庭があるんですよ。人工芝を敷いてますが、何か置かなきゃいけないねって話になって、ホテルに置いてあるようなビーチパラソルとチェアのセットを置きました。だけど屋根があるわけじゃないから、雨が降ったらまた片付けたり。そういうので忙しいですね(笑)。

だって、他人のために家を作ってるわけじゃないもの

「ラスボス」「ニコニコ動画」この10年間の新しい世界との出会い

──家の中でそれだけ動くのは、健康維持のためにもいい気がしますね。でもいずれ年齢を重ねるとまた生活スタイルも変わるかもしれませんね。

小林 そういうことを考えて、新居にはエレベーターをつけたんです。年齢的なことを考えた時には、エレベーターが必要だねと当初から主人も言ってましたから。

──しっかり先のことを考えて新居を建てられたんですね。

小林 自宅は2階建てなんですが、半地下に駐車場があって、そこに衣装部屋があるんです。自宅もこの事務所もそうですけど、駐車場の隣に衣装部屋を作るのは私のこだわりです。仕事から帰ってきて、衣装を車から衣装部屋にそのまますぐに移動できますからね。

その半地下から移動すると、自宅の1階は2階の高さ、2階は3階の高さになるわけですから、ここはやっぱりエレベーターがあった方がいいと思って、まずエレベーター導入を考えましたね。

暮らしやすさを考えたら絶対必要だと思います。

──長く住めるということを意識して作られた。

小林 そうです。終の棲家ですよ。もうこれ以上大きな家に住むとか、そういった夢は全く特にないですから。

リフォームするなら、自宅の庭を「ジャングル」にしたい

──今後、ご自宅や事務所をリフォームされたりするご予定やお考えは?

小林 いろいろありますけど、できることとできないこともあるから…そういったことを考えずに言うなら、私、自宅の庭をジャングルみたいにしたいな。

──「ジャングル」ですか?!

小林 先日、たまたまキリンの置物を見つけたんですよ。欲しいなと思って。うちに金ピカのゴリラの置物があるんですけど、そういった置物を全部庭に置いて、ジャングルっぽくしてもいいなと思って。ひとつネックなのは、主人がオッケーするかどうかです(笑)。

──(笑)先程のお話だと、お庭をどうするか持て余している感じもありましたしね。

小林 面白がってるんですよ。面白くないと、つまらないじゃないですか。

──マイホームに面白さを、ということですか。幸子さんらしいお考えで素敵です。住みやすさも大事ですけど、そういう観点は忘れてはいけませんね。

小林 だって、他人のために家を作ってるわけじゃないもの。

人生、やってて楽しいことやろう。絶対それですよ

私は100歳まで生きそうな気がする(笑) 

──最後に幸子さんの今後について聞かせてください。

小林 私ね、今後の目標とか目的とか、やりたいこととか、夢はありますかってよく訊かれるんですけど、「いまは、ありません」って答えるんですよ。

何にも夢がないからではなくて、あっても、その通りになるなんてことはないんです。だって、この10年間、初音ミクちゃんやニコニコ動画、ネットのみんなと知り合ったことによって、急にスポーンとその道が開けちゃった。演歌の世界では絶対に巡り合わないような人と出会ったわけです。そんなことは予想できませんでしたから。

──あれこれプランを練るよりも出会いと発見を楽しもうと

小林 若い世代の方たちと会うと、新しい世界を見ることができて「へえ~っ!」と思います。

私、「やる?」と言われれば「やる!」っていう性格なんです。そして、一度やると決めたら「精一杯やる!」何だかわからないことだって、実際にやってみるととんでもない展開になるんです。その展開が面白いんですよね。

──そんな好奇心が『ラスボス』と若い世代にも親しまれる幸子さんの秘訣なんですね。

小林 やれることはやった方がいいと思います。これから50年も60年も生きられるわけじゃないから。私は100歳まで生きそうな気がするけど(笑)。

歌はずっと歌っていたいですね。死ぬまで。歌えなくなるような時期が来たらきっと自分でわかるでしょう。とりあえずやる気は満々ですから。人生、やってて楽しいことやろう。絶対それですよ。

(取材・執筆/牛島フミロウ 撮影/荒木優一郎)

リフォーム情報メディア「ハピすむ」の特別インタビュー取材に答える歌手・小林幸子

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元気と勇気が増す小林幸子流の「言葉の魔法」。200万枚を超える大ヒットやNHK紅白歌合戦の「豪華衣装」で国民的歌手に上り詰めた小林幸子さん。そして「ラスボス」の愛称で親しまれ、従来ファンとはまったく異なる、若者やネットユーザーの心を、なぜ掴むことができたのか。「今が楽しい、自分らしい人生」をおくるための秘訣を綴る。

歌手
小林 幸子 こばやし さちこ
1953年12月5日生まれ。新潟県出身。1964年10歳でデビュー。79年「おもいで酒」が200万枚突破の大ヒットとなり、日本レコード大賞最優秀歌唱賞をはじめ数々の音楽賞に輝く。同年NHK「紅白歌合戦」に初出場、以降34回出場。近年ではニコニコ動画やYouTubeチャンネルの反響も大きく、若い世代やネットユーザーからも人気。来年2024年には芸能生活60周年を迎える。
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